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ナンダって片想い
21
:
羅歌月
:2015/11/07(土) 21:31:00
「ハァ〜〜、全校合唱か……」
「えっ?次、吹奏楽だよ。」
「うん………」
「重本さん、大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
私は笑ってそう言ったが、実際には、
少し、体が重かった。やっぱり、
全力の出しすぎかな…?吹奏楽が
舞台で演奏しているのに、大好きな
曲を吹奏楽が演奏しているのに、
踊れる気がしない。こんなのおかしい
それはわかっている。体が尋常じゃない
ほど重い………。全校合唱が終われば、
ゆっくり出来る。そう思って奮い立たせていた。
「次は、全校合唱曲です………」
私の気持ちとは裏腹に、ずいぶんと
冷静な全校合唱を知らせるアナウンス
が聞こえた………………。
あれ?千葉先輩達が舞台に上がってる。
そっか。文化委員だからか………。
舞台上で前座のギャグをやっている
人達の中でも、先輩が一番、かっこ
いいと思った……。キラキラしていて
とても、眩しかった………。
「重本さん!何してるの?いくよ!」
「す、すみません!千帆先輩!」
22
:
羅歌月
:2015/11/07(土) 21:48:06
しんどい足をひきずって、着いた
ステージのライトは、とても眩しく、
明るく、熱く、私の体を突き刺した。
『ダメだ。心配をかけちゃ!ダメだ!』
そう思って踏みとどまるも、気を抜いたら、
ふらっと倒れてしまいそうで、
一生懸命に、こらえた。あっ、
拍手が聞こえる………。終わった。
よかった……………。
フラッ
「重本さん!」
バッ
「…………?!」
「大丈夫?重本さん…。」
えっ?今、どうなっているの……?
でも、私の体を優しく包み込む腕の
温もり、耳に響く、甘く、優しい声。
千葉先輩なんだと言うことが、引き
上げられてわかった……。
そこから無事、ステージを降りたが、
私の体を優しく包み込んだ千葉先輩の
腕の温もりが頭から離れなかった……。
23
:
羅歌月
:2015/11/08(日) 11:21:14
時は過ぎ、閉会式になった……。
千葉先輩が礼の時に、土下座していて
とても、面白かった………。
あとは、結果発表だけだ。どうか、
私達のクラスが優勝しますように…!
「それでは、結果を発表します。」
私の興奮した気持ちとは裏腹な冷静な
アナウンスが聞こえた……………。
「それでは、1年から発表します。」
あやののクラスが優勝するだろうな。
「第三位は、………。」
と順番に、順位を発表していた……。
一年生での優勝は、6組だった……。
「グスッ………グスッ………」
凜ちゃんが悲しそうに泣いていた。
そりゃそっか。あんだけ、「私達、
三位以内に入れる」って自信満々に
言っていたもんね…………。
「続いて、2年生の順位を発表します。」
どうか、私達のクラスが優勝しますように…!
「第三位は3組です………。」
えっ?!帆乃香のクラスじゃん!
「やったー!」
「おめでとう〜〜!」
「第二位は、7組です」
あっけなく呼ばれた………。嘘…。
「うっ……うっ………」
「ことり………。」
結局、優勝は、菜々香のクラスだった…。
確かに、8組はとても上手かった。
けれど、優勝したかった………。
「うっ、うっ、うっ………」
皆は、泣いている凜や美知代を慰めていた。
私は、泣いているのが正に合わなくて、
別の方へ行った…………。
千葉先輩が後をつけていたとは知らずに。
24
:
羅歌月
:2015/11/08(日) 19:15:57
「グスン……ウワァァァ〜〜〜!!」
悔しい、悔しい、悔しい………!
「大丈夫?」
「えっ…………?」
ふと見たら、千葉先輩だった……。
いつも笑顔な千葉先輩が見せる、
困り顔は、最高に可愛いくて、私の
泣き顔、不細工じゃん。千葉先輩に
見せられないよ。そう思い、また顔を
隠し、また泣いた…………。
その時、背中に微かな温もりを感じた。
先輩が私の背中を撫でてくれている気がした。
まるで、泣いている赤子をあやめるように。
この日から私は、はっきりとした、
『好き』という気持ちを知りました。
(いつか、先輩に笑顔で「ありがとう」
って言えたらいいのにな〜………)
(重本さん、どうか泣き止んで…)
25
:
羅歌月
:2015/11/20(金) 17:48:52
数日後、千葉先輩とは、よく話すようになった。
先輩の癖、先輩の誕生日、いろいろと
わかった事も増えてきた。そんな時だった。
「重本さん!」
「あっ、はい……。」
私は最近、荒木との仲をからかわれる
事が多くなった。話すたびに「ラブ
ラブ〜〜♪」と言われる。私は正直
言って、すごく嫌だった。そして、
あの出来事が起こった…………。
「それでさ!昨日のポケモン、
マジ面白かった〜〜!」
「だよね!俺も観た!」
そんな、当たり障りのない話をしていた。
そんな時だった………。
いつも通り、先輩が階段を上ってくる。
いつもなら、そこで荒木とバイバイの
はずが、ポケモンネタで盛り上がり、
言うのが遅くなってしまった。気づいた
時には、千葉先輩と目があってしまった。
その時、ふと千葉先輩が、
「荒木、重本さんと付き合っているんだ。」
と微かに聞こえた。その時の先輩の顔は
真顔でとても鳥肌の立つ目付きをしていた。
そのあと先輩は私を見るといつも通りの笑顔で
「おはよう、じゃあね♪」
と言って、階段を上って行った……。
咄嗟に私は、
「違います!荒木とは何もありません!」
と言ったが、先輩の耳には、全く
届いていないようだった…………。
26
:
羅歌月
:2015/11/22(日) 21:13:36
「ハァ〜〜……」
なんでこんな時に限って人間は、
体調を崩してしまうのだろう……。
いつもは、結構食べる私でも半分
残してしまった…………。
「そろそろかな………?」
「あっ!アイツ知ってる!」
突然の大声にびっくりして顔を上げると、
笠原先輩(?)と同じ委員会の武田先輩が
こちらの方向を見ていた……………。
その時わざとらしく、笠原先輩は、
武田先輩に耳打ちするように、
「あれ、一磨の好きな人やで………」
と言った………。本当は飛び上がって、
喜びたかったが、体が言うことを聞かず、
ただニヤニヤしていることしかできなかった。
27
:
羅歌月
:2015/11/22(日) 21:53:03
「あっ、重本さんじゃん!話し掛けて来いよ!」
うるせえ……。あっ、いけね。ちょっと
とある事情で友達3人に好きな人がバレる
という最悪な事態になってしまった。
「早く話し掛けなって。」
「あれ、聖斗は?」
「ここだよ!」
「聖夜、お前同じ委員会なんだから、
話し掛けたら?」
「いや、話したことねえし!!」
「いや、イケるだろ?長谷川関係で。」
「なんでだよ!!」
「僕も知り合いじゃないし、はい!
千葉くん!行きましょう!」
「えっ……重本さん!」
俺は思いきって重本さんに話しかけた。
重本さんはこっちを見るなり、
「あっ、先輩!」と笑いかけてくれた。
それがどうしようもなくかわいくて、
俺は少し下を向いた……………。
「ねえねえ。」
「はい?」
「重本さんって何部?」
一応、知っているけど、聞いてみよう。
「えっ?あ、あの、合唱部です…。」
「合唱部なんだ!へえ〜、ねえ、
これから部活?」
「あっ、はい………!」
「そっか、がんばってね♪」
「はい!ありがとうございます!」
あぁ、可愛いな。重本さん。
俺までつい笑顔になってしまう。
冷静を装ってはいるが、とても、
ドキドキしていて、死にそうだ。
「あ、あの、先輩!この前の合唱コンクールは
ありがとうございました!」
「えっ?な、なんのこと?」
「あ、わからないなら大丈夫です。」
「重本さん、じゃあね♪」
「はい!先輩!さよなら!」
そう言って重本さんは部活へ行った。
「可愛いな〜、重本さん……。」
「お前、好きすぎだろ!」
「ちょ!お前、重本さんに聞こえるって!」
28
:
羅歌月
:2015/11/24(火) 15:36:18
『あれ、一磨の好きな人。』
『お前、好きすぎだろ!』
どういうことなの…………?
意味がわからないよ…………。
「それってさ、ことりの事好きなんじゃない?」
「えっ…………?!」
「告白しちゃいなよ!」
「ええええ………」
「早くしないと先輩、卒業しちゃうよ。」
「うん。知ってるよ………。」
実際、木の葉が鮮やかに揺れる10月。
卒業まであと半年もない………。
あ、もうすぐ、私の誕生日じゃん。
そう言えばこの前、「祝ってあげようか?」
って言われたっけ……………。本人は
忘れているかもしれないけど……。
「重本さん」
「あっ、はい!」
「どうしたの?顔色悪いよ。」
「い、いえ大丈夫です……。」
そう言えば最近、他の先輩に声を
掛けられる事が多くなった。なぜかは
不明だ。よくわからないし………。
今、私に話し掛けて来たのは、千秋
レイシー先輩。初等部の頃、一緒の
委員会だった縁もあってか、中学生に
なっても時々一緒に話すようになった。
初等部の頃は、頼もしくて明るくて
優しい、千秋先輩が憧れだった……。
今でも尊敬の気持ちは全く変わってない。
だけど最近、千秋先輩が少しおかしい
と言うか、私にだけまるで違う態度を
とっているような感じがする………。
きっと、気のせいだと思うけど……。
29
:
優羅
:2015/12/01(火) 16:56:04
いや、らんらん
安心して下さい←
貴方の方が何倍も上手いですよ!
ことり大丈夫かなぁ…
この小説面白い♪
30
:
羅歌月
:2016/01/06(水) 11:06:07
>>ゆうちゃん
安心してください!大丈夫じゃないです←
ちょっと私自身が失恋したからどういう
オチにしようか迷い中。
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