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ヤンデレの小説を書こう!@避難所 Part07
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高嶺の花と放課後 第10話
:2020/01/11(土) 05:11:08 ID:6R2YzN9.
「遍だって私に関係を公にしないって酷い約束してるんだから私だって他の女に触れない、誰よりも私を優先するって約束ぐらいしたっていいと思わない?」
関係を公にしないことがそんなに酷い約束事なのだろうか。
「遍は私のモノって、私は遍のモノって宣言したいのを必死に我慢してるんだからね私!今日だって、えへへへ、遍が私に告白してくれた時だって、えへへ。だめ、思い出しただけでニヤけちゃう」
華は両手で緩みきった頬を抑える。
「あの時、受け入れて公の関係にしたって良かったんだからね!でも何よりも愛しい遍のお願いだから我慢してたんだよ。それが…何?断る?遍の告白を?ふざけているのかしら。馬鹿にしているのかしら。遍の告白を断るなんて想像しただけで身が裂けそうになるわよ。ありえない…ありえない!!!」
綻んだ表情から一転、感情が高まったのか怒号を飛ばす。
「落ち着いて華。彼女たちは桐生くんと華が想い合っているんじゃないかと思ってあんなことをしたんだ」
「…なんで桐生くんがでてくるのよ」
「よく聞く噂だよ、桐生くんと華は美男美女でお似合いだって、裏で付き合ってるんじゃあないかって」
「下らない。顔しか見てないのね、だから有象無象なのよ。そんな奴らが真実の愛に気づくことなんて一生無いんだろうね。可哀想に。大体、仮に、本当に仮の仮の仮に、私と桐生くんが付き合ってたとしてなんの関係があるっていうの?」
「飯島さんが桐生くんのことを好いているらしいんだ。だから桐生くんの好きな人が華なのか、華が好きな人が桐生くんなのか、あるいは二人は付き合っているのだろうか知りたかったんだと思う」
「ふぅん。どうせ薄っぺらい恋愛なんでしょうけど精々頑張ればいいんじゃない?まぁ遍を私に告白させた点だけは褒めてもいいけど」
心底興味がなさそうにそう答える。
「…そうだ!遍。今から私に告白してみてよ」
「え、こ、告白って今から?」
「そうだよ今から。せっかくだしさっきの告白をちゃんと仕切り直そうよ!そーだなぁ、シチュエーションとしては文化祭を目前に控えた今日に想いを抑えきれず私を公園に呼び出して告白して文化祭一緒に回ってください!って感じかなぁ。…いいよね?」
突然の提案にただただ受け入れることしかできなかった。
「遍がまずここに待ってて、私が入り口から入ってくるから」
有無を言わせず、華は公園の入り口へと向かっていった。
まさか僕が華に告白するなんて思っても見なかった。
いや、思ってもみなかったと言えば嘘になるだろう。
もしかしたら違った未来では、こういうこともありえたかもしれない。
彼女と出会ってからのことを思い返し、さまざまなあり得た過去、あり得る未来の考える。
これからやることはそのうちの一つだと言い聞かせる。
不意に肩が叩かれる。
「ごめんね、待ったかな不知火くん」
今では最早、違和感すら感じるその呼び名に僕は応える。
「こちらこそごめんね高嶺さん、急に呼び出して」
「ううんいいの。気にしないで」
こんなやり取りを他の男子生徒たちもやっていたのだろうか。
「高嶺さんを呼んだのは、どうしても伝えたいことがあるからなんだ」
自分の大根芝居ぶりがなんとも情けなく感じてくる。
「伝えたいこと…?聞かせて、不知火くん」
きっといつかの自分が伝えたかったことを、伝えたかった気持ちを思い出し言葉にする。
「高嶺さん、あなたの事が好きです。できれば明日からの文化祭を僕と一緒に回って欲しい。よろしくお願いします」
片手を差し出し、深く頭を下げる。
彼女からの返事を待っていると差し出した右手が強く引っ張られる。
そのまま彼女に抱き寄せられ、後頭部に手を回されると彼女の唇と僕の唇が重なり合った。
「んっ…ちゅ…。もう遍ってばズルい。そんなかわいい告白してきて」
かわいいとは僕の大根芝居のことを指しているのだろうか。
何度も、何度も唇が重なり合う。
その間も強く抱きしめられる。
華の柔らかい四肢が、甘い香りが僕の情欲を駆り立て思考を奪ってゆく。
他の人に見られやしないだろうかなどと考えながら随分と長い間、接吻は続いた。
どれくらいの時が経ったか定かではないが車が一台、公園の隣を横切った時を合図に華は腕を緩め、唇を離した。
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