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ヤンデレの小説を書こう!@避難所 Part07
623
:
高嶺の花と放課後 第10話
:2020/01/11(土) 05:06:26 ID:6R2YzN9.
今まで感じたことのない暗く冷たい眼に僕の心臓を凍りつく。
「なぁ、不知火。萩原と何話してたんだ?」
「……。…え、っとごめん。聞いてなかった」
「いや、荻原と何コソコソ話してたのかなつてさ」
そうかあの女子生徒は萩原 紗凪(おぎわら さな)というのかなどと再び場違いな思考が浮かぶ。
「…桐生くん。僕って案外薄情な奴かもしれないや」
「ん?どうした急に」
「今、桐生くんから萩原さんの名前を聞くまで顔と名前が一致しなかったんだ。飯島さんにしてもそうだ」
「それは不知火があんまりあいつらと関わりがなかったからとかじゃないか?他にも人の名前と顔を覚えるのが苦手っていう人もいるし不知火もそれとかな。薄情とは違う気がするわ」
「そういうものなのかな」
「って話変えんなよ。荻原と何話してたんだよ、看板製作係のよしみだろ。教えろよ」
「桐生くんはなんで僕が話を変えたかはわかるかい?」
「…おまえやっぱり薄情なやつかも」
桐生くんの拗ねた声がなんだか可笑しくて、先ほど凍てついた心臓が解けていくのを感じる。
安堵の笑みが自然と湧いてくる。
「ははは、そうかもね」
「…まぁ不知火が平気そうならいっか」
なんのことだろうか、と思案する。
もしかして、僕が華に雑な告白を強要させられたことを気にしていたのだろうか。
否、考えすぎか。
でも、もし。
もしそうであるのならば、桐生くんは本当に気が効く人だ。
最初も僕が華を意識していることに気がついていた。
そこまで考えて、別の思考が過ぎる。
桐生くんは小岩井さんのこと気がついていたのだろうか。
ーーーこんな時に風邪引くなんて小岩井もついてないよなぁ、不知火
もし小岩井さんのことに気がついていて。
もし僕がそのことを気にしていることに気がついていたとして。
桐生くんは僕にあまり気負わないように気をつかったのだろうか。
そこまで考えて。
そんな馬鹿なと、僕は迷宮に足を踏み入れかけた思案を胸の奥へと閉まった。
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