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ヤンデレの小説を書こう!@避難所 Part06
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「阿賀、お前最近成績いいな」
英語教師が小テストを返却しながら、そんな言葉をかけてきた。
確かに、ここ数回の小テストで補修になることは一度も無かった。
これもみんな今帰さんのお陰だ。
無論、勉強会が功を奏したのではない。
勉強会を回避するために僕が予習をちゃんとやるようになったからだ。
すごいよ今帰さん。僕みたいな怠け者を一発で勤勉な優等生に変えてしまうなんて。
この今帰式メソッドを全国の学校に導入すべきだ。そうすれば日本は世界に名だたる頭脳立国となれるだろう。
『おめでとー。今回も合格だね』
早速、そんなメールが飛んでくる。
『ありがとう。今帰さんのお陰だよ』
心にも無い返答をする。
『じゃあ今日勉強会する?』
いえ、私は遠慮しておきます。
くそう、どうしてそんな結論に至るんだ。安定して合格するなら勉強会なんてもう不要だろう!
不用意に今帰さんのお陰だなんていうんじゃなかった。なんて素直なんだ今帰さん! 可愛いよ! 天使だよ!
さて、どうする。
ここで『いや、合格したからいいよ』と返すと間違いなく勉強会開催の流れになってしまう。原理はよく分からないがそうなってしまうということは学習済みだ。
というのもここ数ヶ月、勉強会は英語に限らず勉強をする週に数回のペースで開催される固定イベントと化しており、そのたびに僕は勉強会を回避するために苦心してきたからだ。
ここは破道の十六、『無返答』でもやってみようか。
相手との関係を破る技である『破道』の中でも、これは僕が最も得意とする破道である。
これを鬼道(鬼畜のような行い)の六十三、『ごめーん、携帯の電池キレチャッテー』と併用すれば、大抵の相手を封殺することが出来る。
俺のガラケーとこの鬼道は相性が悪いが、それでも十分力押しできる火力があるはずだ。
よし、そうと決まれば携帯の電源OFF。後のことは知らね。
そして、僕は今日も生徒会室にいた。
どうしてこうなった。
ホームルームを終えるやいなや教室を出ようとした僕の肩に、今帰さんの手がかけられた。
「阿賀君、悪いんだけど、資料運ぶの手伝ってくれないかな?」
笑顔の今帰さん。今帰さんが指差す先には山盛りの資料。
ま、まさかこれば縛道の四、『頼みごとがあるんだけどー』だと!?
迂闊だった。今帰さんがまさかこれほどの縛道の使い手だったなんて。
侮っていた。僕がぼっちの達人なら、今帰さんはリア充の達人!
リア充は人を巻き込むのが大得意だ。ならばこれくらいの縛道は当然使えるものと理解しておくべきだった。
駄目だ。断れるわけが無い。
ここで僕が断ったらつるし上げ確定だ。
僕はぼっちだ。いじめられっこじゃない。その線は明確に引かなければならない。
ここで断るのは、その線を踏み越えることを意味する。
僕に勝利の目は無い。
僕はおとなしく諦めた。
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