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ヤンデレの小説を書こう!@避難所 Part06
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「おはよう」
教室に入るなり、今帰さんから挨拶された。
「お、おゃぉぅ……」
しまった、今帰さんとのコミュニケーションは今後曖昧に誤魔化すことに決めたのに、条件反射で返事してしまった。
条件反射にも関わらず噛んでしまうのは、近年、人から挨拶をされるという経験が圧倒的に欠如しているからだ
反射すらまともにできないのか僕は。病気か。
反射といえば、脚気の原因がビタミン欠乏だと突き止めた人はノーベル賞をもらったらしいが、誰かコミュ障の原因も突き止めてはくれないだろうか。ノーベル阿賀賞をあげるから。
横目でちらと彼女を見たところ、彼女もしまったという顔をしていた。
彼女はみなに挨拶していただけなんだろう。
ついその流れで、みなに含まれない僕にも挨拶してしまった。
彼女の友人と思しき、リア充グループの一員も怪訝な眼でこちらを見ている。
やめろこっちを見ても面白いことなんて何にもないぞ。
憐れな珍獣が一匹いるだけだ。
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「じゃあ阿賀君、この資料生徒会に提出してきて」
目を覚ますと、図書委員長が俺を見下ろしていた。
「へ?」
「だから資料、生徒会まで持ってってね」
ここは……図書室だ。そうだ、僕は図書委員会の定例会に参加していた。そして寝ていた。
周りを見回すと、図書委員会はもう終わっていて、他の人間はぱらぱらと席を立ち始めるところだった。
馬鹿な! この僕が人から話かけられるなんて! この僕が!!
委員会活動ではありとあらゆる面倒に巻き込まれないよう、完全に気配を消しているのに。別名ガヤ要員。
寝るときも、あたかも「瞑目しているだけですよ?」という雰囲気を全力で漂わせているのに。うっかり熟睡していたとでもいうのか。突然に隣の席の奴から襲われたらどう対処する気だったんだ僕は。修行が足りないな。こんなんじゃ、ぼっちとして生きていけないぜ。
僕は凡百のぼっちに違わず、普段から警戒心が無駄にマックスで、学校ではよく寝ている(寝たふり含む)ものの、周囲の人の気配に気づかないほど寝入ることは滅多にない。
これというのも全部今帰さんが悪い。彼女のせいで、昨日なかなか寝付けなかったり、余計な心労で精神を消耗したりしたからだ。どうして彼女はこうも僕の心をかき乱す。
にしても、資料を生徒会に届けるのは、一般的には副委員長の仕事のはずだ。
「へ、あ、あの、その」
「ほら、どの資料のことかも分からない。話聞いてなかったでしょ。その罰」
委員長は僕をねめつけるように見てくる。
う、失敗した。
あー、生徒会かー。行きたくないなー。
なぜなら生徒会には今帰さんがいる。
僕みたいなコミュ障が出来る、気まずい感じの相手に対する対応はただ一つ。
避ける。ひたすらに。それだけ。
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