したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

ヤンデレの小説を書こう!@避難所 Part06

459Jewelry girls ◆uRnQeEDhQY:2014/06/26(木) 21:12:26 ID:V./FX/XI

 
 「すまなかった、許してくれ」
 俺は頭を下げていた。目の前の神透明に向かって。
 「いいんだよお、別に」
 ここは、つい一時間前程までいた、〝保護〟されていた地下室だ。どうやら神透の家の庭の一角にあり、俺はここに戻ってきて明に頭を下げている。
 本当に彼女には、あらぬ疑いをかけてしまった。
 「あわわ、頭を上げて。ここに戻って来たってことは、なんで私がここに保護していたかが分かったってことだよね?」
 「……うん」
 明の言われた通り頭を上げる。ぶっちゃけ一時間で得られる情報は少なかったし、明の行動も正しいかと聞かれれば難しいところではあるが。
 それでも今回の件における、概要ぐらいはしれた。
 「その、聞かせて。足りないところは私が補てんしてあげよぅ……。というか一番自分がつらい癖に、こんな時くらい泣いてもいいんだよぉ?」
 「―――ッ!」
 明の言葉に、明のやさしさに、俺は、止まらなくなってしまった。
 涙が、自然に出てきて、訳が分からなくなって、その場に腰を抜かして、それを明が抱きしめてくれていて、それでいて乱雑な言葉で嘆きつつも、俺が掴んだ今回の件を説明した。
 たぶん、1時間くらい泣いていたと思う。
 少し落ち着いた俺に向かって、明は今回の件を振り返った。
 「すごいねー、やっぱり君は。ほんの1時間あたりですべての真実を導き出してるよー。自分の家の状況と、6月24日――の次の日、つまりは今日である6月25日の新聞と、近所の人たちの話から全て推測しちゃうなんて。……まあ、足りないところや細かい部分も含めて、私が教えてあげましょう。
6月24日の放課後、君は二人の女の子に告白されたんだ。一人は、赤峰裕理、燃えるようなルビーの輝きを持つ少女。一人は、青須美紀、静かなるサファイアの清らかさを持つ少女。最初は赤峰裕理が呼び出してー、そして君は赤峰裕理から告白をされて、キスをされました。当然戸惑った君ですが、ここで君は彼女の申し出を断るわけです。
『ごめん、俺には他に好きな人がいるんだ』とねー。
そして、青須美紀からのメールが来ていることに気づいて、君は生徒会室へ向かった。そしてそこでも君は告白されて、キスをされます。
……そう、君にとって何より本命の、好きな人である、青須美紀会長に。
君は即座にオッケーしたんだよね。そしてその流れで、教えてしまった。
――赤峰裕理に告白され、あまつさえキスをされてしまったことを。
さて、そしてこの後、恐ろしい顔をして帰ってしまった青須会長に頼まれた雑務をこなし、そのあとの帰り道で私に拉致られて、保護されていたのが君です。
この裏側は、まあほとんど君が調べてきた内容と同じですよぉ。
さて詳しい裏側です。
私は、君が好きです。これはこの時点では君は気づいていなかったと思います。まあそれはいいのですが、私が君の家に婚姻届けを持って、ご両親にあいさつしていた所です。あ、ここは疑問に思わないでくださいね、仕様です。
……この時に、赤峰さんが君の家にやってきました。きっと、ふられたことがショックで、それでも何とか君と話したかったんでしょうね。思った時に行動する赤峰さんらしい行動です。さてここで人のいい君のお父さんは赤峰さんを家の中に招待したわけですね。まあ、初対面の私の婚姻届けに本気で書いてくれる方でしたから、そこら辺は君がよく分かっていると思います。
そこで、事件は起こりました。
壊れていたんでしょうね。
君の事を愛しすぎていたんでしょうね。
自分以外の人と君がキスをしたという事実が許せなかった。
青須会長が君の家にやってきました。
そして――私や君の家族の目の前で、赤峰裕理が刺殺されました。
 その時に血が大量に私に飛び散りました。首の動脈が切れたからですかね。
 そのあと、無言でガソリンをそこら中にまきちらしました。まるで私たちが見えてないかのようでしたし、それを止めにかかった君の両親も――殺されましたしね。
 逆に言えば、青須会長が赤峰裕理と邪魔をするもの以外に興味がなかったからこそ、私はその場を速やかに立ち去れました。
 恐怖に震えた私ですが、真っ先に考えたことはあなたの事でした。
 このまま君が家に帰れば、錯乱した青須会長に殺されるかもしれない。
 殺されないにしても、こんな行為をした青須会長とは、君は生きていけない。
 私は、君が好きだから。
 君を守りたかった。
 だから青須会長に合わせたくなくて――拉致りました
 これが真相です」
 すべてを語り終えた後の明は、少しだけ笑って。
 泣いている俺を励ますために、こんなことを言ってくれた。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板