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ヤンデレの小説を書こう!@避難所 Part06

369雌豚のにおい@774人目:2014/02/16(日) 01:01:43 ID:BuxU3gmE

 雨の様子を窓から眺めながら愚妹から貰ったチョコに手を伸ばす。しかしその手は虚しく空を切る。あれ? 気がついたらなくなっている。食パンが焼けるまでの間に口が寂しいからと摘んでいたが、もうなくなってしまったようだ。
 うん? なんで俺は今残念な気持ちが芽生えているのだろうか。花咲か爺さんでも心に飼った記憶はないぞ。しかもどうせ飼うなら爺より可愛いおんにゃの子の方がいいぞ。
 まあ確かに味は甘くて美味かった。ついつい食指が動いてしまう程度には美味かった。だがそれは誰が作っても同じだろう。市販のチョコを溶かして再度固めただけに過ぎないのだから。妹の腕とかでは決してない。本来なら元のチョコを製造した会社に賛美を唱えるべきなのだが……まあ今回は最終加工者である妹に華を持たせてやろう。俺ってなんて良い兄貴なんだろうか。自分で自分に掘れそうだよ。あ、誤変換、惚れそうだよだった。危ない危ない、受け攻めの考察が始まってしまうとこだった。
 それにしてもさっきからなんか俺おかしいな、頭というか思考が。元々おかしいのは自覚がしているが、それ以上に異常を感じる。まあいいか、気にしても仕方ないし。

「ふはああ」と大きな欠伸が漏れる。なんだか眠くなってきた。起きてから余り経っていないが、ねむねむさんがやっはろーしてくる。
 欠伸をスイッチにして思考に靄が掛かったかのように覚束なくなる。心地の良い眠気が襲い思わず体を預けようとするが、このままリビングの椅子で眠るより自室のベッドで寝たほうがいいのではと選択肢が鎌首を上げる。両天秤がゆれ、小さくデフォルメされた天使みたいな可愛らしいキャラクターがクルクルと舞うように回りだす。どことなくその天使が誰かに似ている気がするが、先に結論が出てどうでもよくなる。
 よし、ベッドでぐっすり寝よう。椅子から立ち上がり足を引きずるようにリビングを出て行く。
 あ、さっきの天使、妹に似てる気がしたんだ……まあどうでもいいや。あー眠い。


 ******


 呆けるお兄ちゃんを尻目に階段を駆け上がり部屋に入り、そのままベッドに飛び込む。バスンとベッドが反発する音が響く。
 枕に顔埋め両腕でホールドし、グリグリと擦り付ける。枕の匂いを感じるように、私の匂いを付けるように何度も何度も顔を擦り付ける。はあ、しあわせえ。
 鼻も口も塞がり息苦しくなるがソレすらも幸せ成分に脳が変換してくれる。だが流石に苦しくなって腕の力を抜き、仰向けに転がり焦点の合わない瞳で天井を見つめる。
 荒くなる呼吸と乱雑になる心臓の音が静まった部屋に響く。雨の跳ね返る音が雰囲気を追従してくれる。
 ついに、ついにやった。やっと待ちに待ったこの日がやってきた。
「ばんざーい」と小さく呟き腕を頭の上へ伸ばす。しばらくその体制を維持するが、手の方から徐々に痺れてきて腕を体の横に下ろす。小さなビリビリが這うように流れる掌を掛け布団に擦りつけ痺れを逃がそうとする。掛け布団の感触を楽しみながら、頭が思考旅行を始める。無限の彼方へさあ行くぞ! なんてね。




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