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とりあえず雑談
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今更だが、ミサワか
〜になったらって言えるのももう最後か
12月越えたら就活でっせ
続き。これで五千字か、先なげえ。人名めんでえ。冗長
女の相手、といわれて、少年は思わずその場の丸太の影に隠れて首をかしげた。
まだ月は出ていなかった。が、既に星はあちこちに数えられ、むぐらの向こうの川面が白かった。
相手は細身の刀剣に手を掛けたまま、フフンとアーロンを嘲笑った。
「あの方には私がついている。手を引くと申さばよし、さもなくばこっちから、その首の根を叩き落としてやらねばならぬ」
アーロンも笑い返す。
「クックッ、吹いたな、この女めが。第一、あの方とは誰のことだ。この俺には全く合点がいかぬ」
「アーロン」
「なんだ、ミラ」
両者がにらみ合い、間が、少し空く。
「あの方の名が聞きたくば聞かしてやろう。あの方とはな、貴様がずっと生命を付け狙っているナヴォロ家の世継ぎ、ノクス様がことだ」
そういうと、全くアーロンを恐れぬ大胆さで、相手はじりじりと二人の距離を縮めていった。
少年は丸太のかげで固唾を飲んだ。
アーロンの口からミラと聞かされて、初めて彼は追ってきた騎士の正体がわかった。
母に聞かされた噂の素性では、西国所司家の家臣で、アハト=カーデュとかいう武術家の娘だということであった。歳は十九。それが父の死後、男の子がないので、家督が継げず、南都に出て、女だてらに用心棒やら指南番をこなすという、評判の女の名である。
それにしてもそのミラ=カーデュが、どうしてアーロンを追いかけて来たのだろうか。
「やれやれ」
嘆息と共に、アーロンは一歩下がった。
「ノクス様はわれらが旧主、ナヴォロ王の跡取り。その旧恩に繋がるお人、何で俺が狙ったりするものか。戯けたことは言わず、さっさと引き上げろ」
「ならぬ」
ミラは弾き返すように答えて、淡麗な方頬へ、刃物のような笑いを刻んだ。
「ノクス様、今宵もまた街へ御忍びと知って窺い寄ってきた貴様の目、不逞な目、殺気ある目だ。アーロン」
「何だ。何でも勝手にほざいてみろ。だがミラ、抜くなよ。南無三、でお前の首が飛んでからでは何もかもが遅い」
「アーロン!」
「何だ、と言う返事が聞こえぬのかッ」
「貴様は何故ナヴォロ家を浪人した」
「知れたこと。つくづく貴族がいやになったのだ」
アーロンは吐き捨てるように言い放ったが、ミラの不敵な笑みが崩れることはなかった。
「偽り申すな。貴様はタセラン派に加盟し、ノクス様を亡き者にして我意を通そうと、浪人したと見せかけて、実は暗殺する気であろうが」
「たまげた女だ。なる程それが女の邪推というものか」
「言うなッ。強気を挫き、弱きを助ける町奴、などと殊勝に装い凝らして、旧主を狙う不届き者め」
「では俺が初めからその気で、南都へ住み着いたとお前は言うのか」
「それ故、女ながらもこのミラ=カーデュ、貴様の凶刃からノクス様を護ってやろうと見兼ねて売った今夜の喧嘩。さ、見事に買ってみよ」
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