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イベント優先スレ

883波洵:2012/10/13(土) 21:24:37 ID:Fk4/3PMc
>>881>>882

「ふぅん、死屍累々って感じだね」

 黒いドレスを揺らし、波洵は悠々と猿の屍が山と積もった舞台に舞出でた。
 こめかみに指を当て、瞳を閉じるが。
 しばしの後に忌々しそうに舌打ちをする。

「くそっ、やっぱりまだ〝貪欲″は使えないか・・・!」

 波洵を天魔足らしめた妖術・貪欲。
 周囲の者の魂をスキャンし、その長所たる部分を解析し、その長所を形作る回路に変化することで。
 相手の長所、能力をそのまま手に入れるという反則じみた力だった。
 これにより波洵は実質最強の妖怪となっていたのだ。

 しかしとある一戦にて。
 波洵は粉々に砕かれ、敗北した。
 再生することはできたものの、波洵はこの貪欲という力を失った。

「忌々しいね、貪欲が使えたらここの状況も一発でわかるのにさ」

 貪欲は魂をスキャンする、これを応用すれば相手の心を読むという使い方もできるのだ。
 波洵は徹底的に弱体化した自分を恨みながら、猿の死体を蹴飛ばし八ツ当たりをする。

「仕方ない、地道に妖気を探るか・・・。
 ん、割とおっきめの妖気が1つと、小さい妖気が1つか・・・小さい妖気?」

 波洵はその方向を振り向くと、呑気にも声を上げた少年を目に止めた。

「ちっ、人間のガキか! 妖怪のお友達、もしくは使役者ってところか?
 しかし馬鹿が! 人間の臭いを振りまいてそんな大きな声を出したら・・・」

 大きな妖気が動くのを波洵は感じ取った。

「ほぅら、バレた」

 大きな妖気の方角を睨み、手を刃のような金属に変化させる。

「仕方ない、ついでだ。討伐ついでに護衛もしてやるよ!」


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