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850天狗:2012/02/12(日) 23:43:50 ID:EK/9fLvc
>>848>>849
「なるほどの、残留物とは言え素材は一級品の神性、通りで侮れん気配を出す訳じゃ
 だが、僅かばかりに疑問的。
 お前が模造品であろうが転生体であろうがウチは知らぬが、
 まるで何がしかの意思を持って、お前が"製造"されたかの様な口ぶりじゃな?」

彼によって鉄骨が物の見事に溶解した様を見て、天狗の死神を見つめる瞳の光りは増す。
しかしその一方、天狗は微かに眉間にしわを寄せ首を傾げた。
本来偶発的に彼が生まれたのなら、大方"混ざり合って"と言葉を選ぶ所なのだが、
敢えて死神は"練り込んで"という、何者かの意思を匂わせる言葉を用いた。
その事から、天狗は彼の言葉の内に何者かの影が見え隠れしたような気がしたのだ。

「くっはっはっは!愚問的、少々お前は先走った自論を持っているようだ。
 紛い物が必ずしも劣るとは限らんぞ?拙者がそうであるようにな」

なによりも天狗であるこの天狗は、その為になによりも天狗からは程遠い存在にいる。
なぜなら全ての天狗信仰を継承する天狗など、どの種類の天狗信仰にも該当しないのだから。

「孤高的、模造的、違法的、故に最強!!」

銀の濁流を目の前にして、天狗はそう声高に叫んだ。
しかしそんな天狗の剛毅な叫びも全く意に介さず、鉄は天狗の体を全て飲み込んだ。

「圧倒的!お前の術は確かに我を満足させる事が適う物であった!
 だが、吾輩はそれすらも超越する!!
 恨むのなら、運命を恨め!!」

天狗の姿が消えてからしばらく静寂が死神のいる空間に広がる。
しかし、その静寂は彼の流した鉄の一部が激しく赤熱した事によって、脆くも崩れ去った。
橙に光り始める鉄の中から、天狗が超高速で飛び出して来たのだ。

天狗はあの時、鉄の濁流に唯呑まれたのではなかった。
むしろ、超高速で前進することによって自身をより流星に近い物に変化させ、
熱を持って鉄を更に溶かしその流れの中を縦断して見せたのだ。

突如出現した天狗はその超高速のまま、片手に先ほどの小刀を握っていた。
そして天狗は勢いをそのままに死神を貫かんと突進をした。


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