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723巴津火「」:2011/11/18(金) 02:13:18 ID:1gBuqmPQ
>>722
憤怒する神代を、ニコニコと微笑ましげに鬼灯色の瞳で見つめて、巴津火が迫る。
使い物にならない右腕では黒槍を叩き落しながら、かまわずに左手で逆手に持った灼熱の刃を神代につきたてようとする。
その途端、じゅんっ!と、赤熱の刃が音を立てて消えた。

その時にはもう、紫濁の瞳が神代の目の前でニヤニヤと憎たらしい薄笑いを浮かべている。

「バーカバーカ、ひっかかってやーんのー。あと、誰が死ぬか」

その台詞と同時に、ぺろりと二股の舌がつき出た。
上手いことペテンが成功して、この小憎らしいお子様は大喜びである。

「守ってやるって、言っただろ。
 さっきので、お前とあの二人の因果は全部消えた」

姉妹神の代わりに因果を背負い、巴津火は神代と戦った。
そう笑いながら、満身創痍な巴津火は満足そうに神代の腕の中に倒れこんだ。
神代の懐で、お守りのあのガラス玉は割れてしまっていることだろう。

「あと、ボクを打ち負かした奴には、ご褒美をやるんだ。
 神代におとうさんとかおかあさんはやれないけど、何かいらないものを捨てさせてやれる。
 捨てられなくて困ってるものがあったら、ボクが水に流させてやるよ」

(そうだ。昔々に罪人を一人漱いだ。罪を漱いで英雄にした)

「何か捨てたいもの、いらないものあるか?」

巴津火は僅かに動く左手で不器用に神代を撫でてやった。


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