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イベント優先スレ

1名無しさん:2011/05/01(日) 01:39:06 ID:???
・イベントの無い時はここも使えます。
・イベントの開催はここと「雑談用スレ」にイベント情報を貼り付けて告知すると親切。

698穂産姉妹神大社:2011/11/17(木) 20:21:15 ID:EK/9fLvc
>>696
飛びかかる激怒とはまったく対照的に、
迫られている神代の顔に浮かぶのは、何故か焦りと苦笑。
哀しげに笑う様は今までもあったとはいえ焦燥については、
おそらく巴津火の言葉を契機にして隠せなくなったものと思われる。

「農夫が途中遊んでいた為に遅くなったが、
 問題なく結界は発動できる」

それ故なのかちらりと、榊の方へ振り向く神代に彼女は、
冷淡な顔で返答をした。それに伴って榊は片手を空へ向け上げて、小さく呟く。
するとその一瞬を持って、この空間は銃弾を遮る防弾のガラスのような、
いわゆる亜空間と呼ばれる結界によって全体を覆われた。
辺りを見渡して確認したらしい神代は、ようやく穂産姉妹神のもとに歩み寄る。

「急かさないでください巴津火さん。僕も今ようやく、自由になったのですから」
『だったら早く殺ってみろよ!!ぐだぐだ言ってないではや』
「・・・。僕は神体を得た、ここも遮断された。
 もう全て終わったんです。だからもう頑張らなくても良いんですよ?

 だからもうこれ以上、自分を傷つけないでください、穂産雨子さん、穂産日子さん」

あろうことか巴津火の歯牙も恐れず、姉妹に接近した神代から出た言葉は、
今までにも、そして神話にも刻まれなかった、優しいものだったのだ。

>>697
「そうだ、バッドエンドにしかならねえ。
 それも上手くいきゃあ史上最大、前代未聞、空前絶後なワーストエンドだ」

神代たちと、稀璃華を直線で結んだ間の地点に割り込む農夫の顔は、
つい先ほどまでの彼とは別人物と思わる程に、
醜悪で、邪悪で、凶悪で、狂悪に笑い歪んでいた。

だが彼に構えるそぶりはない。
しかしそれは、何もしてこない訳ではなく、既に事は起していたからであった。

「させねえよバカたれが。
 おらは、おら達は、この瞬間こそをずっっっっっっと待ってたんだ!
 長さはそれぞれだがおらの場合は、人類の始まりのあの時からな」

そう言って稀璃華の意識を逸らした農夫の術は既に、
稀璃華の足元で発動されている。
突如地面が二か所隆起を始めたかと思うと、その二つから、
太い木の幹が異常な早さで成長して、
それらは稀璃華の体のそこらじゅうに絡まり、身体を拘束した。

699巴津火「」:2011/11/17(木) 21:22:49 ID:1gBuqmPQ
>>697-698
「榊も榊だ。
 ぼさっと見てる暇があったら、そっちの金髪の首根っこ引っつかんでさっさと連れて来いっつの」

いつの間にか大剣にその身を巻きつけていた黒い蛇は、人の姿に化身していた。

「ぐああっ、くそっ!」

地に両膝を付き無事な左腕でなんとか上体を支えているが、その背は大きく焼けただれ胴を大剣が貫いている。
右腕と肩は土の顎に噛み潰されて腕らしい形を成していない。

「いいざまだな稀璃華、この落とし前としてしばらくはその格好でいろよ」

拘束された稀璃華を首だけで振り返ってニィッと笑った顔は血の仮面をつけたように赤く、
紫濁の瞳には橙色の煌きが混じり始めている。

「おい金髪。これ抜くの手伝え」

立ち上がって大剣を地から引き抜くことには成功したものの、背から腹へ貫いたその刃は
この姿の巴津火の身の丈ほどもあり、左腕一本では到底抜くことが出来ない。

(このくらいのハンデはありだな)

突き刺さったままの秋牙羅未の大剣は、巴津火の邪神としての力を徐々に削いでいた。
その影響で巴津火には神格としての自覚が強まってゆく。
憤りはもちろんまだあるが、感情とはまた違う理由で担うべき役割を自覚し、
神代と天界との間の真実を見た巴津火は限界まで己の我侭を貫くことにした。

(あの時も正々堂々と戦ったなら、ボクは決して負けはしなかった)

遥か昔に敗者として全ての栄光を奪われ貶められた、かつての強大なる神格は
今度こそ正攻法による戦いをするつもりなのだ。

(神代、ボクはそうしなければならない。『悪い』な)


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