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692巴津火「」:2011/11/17(木) 00:17:44 ID:1gBuqmPQ
>>690-691
歴史とは勝者によって作られるものではあるが。

(あの話しか残されなかったのはそのせいだったか!)

真っ向勝負ではなくて、酒に酔わされ寝首をかかれ、果てはその身を刻まれた。
強大なる神格にとって、罠にはまった愚かで間抜けな悪者にされた話しか残らなかったのは、
実に悔しいことだった。
その後もヤマタノオロチが転生するたびに祟りをもたらした伝承があるのには、
そんな裏側があったのかもしれない。

「黙れ!」

雨子神に憤る大蛇の頭への稀璃華の一撃は寸前で止められた。
その槍の柄を蛇の顎が、がっちりと咥え込んだのだ。

(だって稀璃華…!!)

天界の神格に諮られた悔しさを湛えた鬼灯色の眼と、冷静な稀璃華の目がかちあった。
両者はしばし槍の柄を引き合うも、直ぐに大蛇の頭は駄々を捏ねるように横に振られ、
稀璃華の手からは乱暴に槍が奪われる。
代わりに稀璃華の直ぐ傍に、本殿と一緒に噴き飛ばされたあの秋牙羅未の大剣が振ってきて、
その刀身の半ばまで地に突き刺さった。

「もういい!!神代がやらないならボクがやる!」

仕返しもしない神代のことも癪にさわり、
槍を吐き捨てた黒い蛇は、穂産姉妹の神体を狙ってその首を伸ばした。

(助けるつもりで来たけど、もう知らない!やっぱり双子の力、奪ってやる!)

巨大な顎は、神体を二つとも丸呑みにしようと大きく開かれる。
その瞬間、黒い蛇はその弱点である首を、神代と榊に無防備に晒すこととなった。


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