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560巴津火:2011/08/21(日) 00:28:42 ID:1gBuqmPQ
>>552-553
(あの気を辿れば、天界へ行けるんだろうか)

その問いに答えは無い。登ってみなければ判らないのだ。
引き寄せられるように神木の根元に寄って、巴津火はその身を蛇体へと変えた。
黒く蟠った長い蛇身はゆるゆると樹の根元に絡みつき、ゆっくりと這い上がってゆく。
太い杉の幹がぎしりと不吉な音を立てた。

はつびー「ちょっと登りますよ」
御神木 「ちょwwwwwおまwwwwwwww登ってくんなしwwwww」

流石蛇神の最上級、八岐大蛇の重みは半端じゃないぜ!
一番下の太い枝に巴津火がその身をかけたとき、耐え切れなくなった生木の裂ける音がした。
枝の根元が裂けて枝先がだらりと垂れ下がる。
ずり落ちかけた巴津火は慌てて次の枝へと這い上がる。しかし登るほどに幹は細って弱くなるのだ。
バキバキと音を立てながら折れた枝が地上へと落下してゆく。木の下の者にはそれ自体が警告となるだろう。

(もう少し、あと少し)

ついに梢から上昇する気の流れを捕らえた時、巴津火はふわりと身体が持ち上がる感覚を覚えた。
しかし杉の大樹のほうは限界だった。一番下の枝から縦に幹を分かつ裂け目が根元近くまで伸び、
樹は巴津火どころかそれ自身の重みにすら耐えられなくなっていたのだ。
ぐらり、と樹が傾ぐ。
同時に梢の先から立ち上る気の柱が細って消え始め、その中を昇って行こうとしていた巴津火の身体も落ちた。
折れて傾いだ杉の老木にはそれが駄目押しの一撃となった。

こんもりとした杉の樹冠がどさりと上空から落ちてきた大蛇を受け止め、その重みがさらに裂け目を大きくする。
ゆっくりと、しかし確実に御神木は倒れていった。
こうして無邪気な邪神によって、結界の支柱は破壊されたのである。

(むーーーっ!!!)

杉の葉に埋もれて、天界へと上り損ねた巴津火は機嫌を損ねていた。


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