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避難所Ⅱ
82
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 00:04:29 ID:???
>>81
「……それで何が言いたいんだ。それを知って、俺に知らせて、どうするつもりだ」
いっそこの医者を呑んでしまおうかと、ちらりと思ったのは事実だが
曲がりなりにも恩人であり、喰ってしまえばきっと蛇神に叱られる。
悔しげに上目遣いで医師を睨む以外何もできない黒蔵は、いっそここから逃げ出してしまいたいと
扉のほうへ視線を投げた。
(零と喧嘩したときと同じだ。知っている事をちらつかせて、何がしたいんだ。
それをまず知らなくちゃならない)
いきなり怒りを爆発させたり、逃走しなかったのはこの苦い経験があったためかもしれない。
医師に答える声に、ごく僅かに震えが混じっていた。
83
:
医者
:2011/06/04(土) 00:20:27 ID:???
>>82
「あはは、そう怒らない怒らない」
背もたれに合わせ体を逸らせながら、黒蔵を宥めるように笑う。
「僕は曲がらずとも医者っすよ?
黒蔵さんや東雲さんのような「特殊な事例」について、詳しく知りたいと思うのは当然じゃないすか」
といいながらも、こちらを睨む黒蔵の瞳に、医者は僅かに苦笑を零した。
「まどろっこしいのは嫌いみたいすから言っちゃいますけど、僕はこう考えてるんすよねぇ」
にこりと微笑み、くるくると回転椅子を回す。
「お二人の回復力や身体能力を見て……それを僕らの治療に生かせないかと考えてるんすよ
もちろん、お二人について詳しく教えてもらえれば、微力ながら力になれると思うんすけどね?」
84
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 00:37:04 ID:???
>>83
―――パスワードを入力してください。
黒蔵は唐突に、あの良く判らなかった言葉を思い出した。
この病院に勤務するようになって、雑用の立場であり入れる場所は限られているが
この場所で見たものと、かつて白井の記憶から引き出したものとは確かに類似していた。
「やめたほうが良い」
記憶の中を見ていた目の焦点はあっていないまま、医師にそう答える。
「それはきっと、ろくなことにならない」
白井礼こと1990号。
そもそも黒蔵がここに担ぎ込まれる原因となった傷を負わせた男。
自分は人間であると、そう信じたがっていた改造された存在は、
この医師の言葉により黒蔵のなかの不安となって蘇った。
「お願いだ、それは絶対にやめてくれ」
医師に哀願する声は、不安を隠そうとしていなかった。
(cf.【妖怪と人間】ここだけ妖怪世界part4【新規歓迎】
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1297522043/738)
85
:
医者
:2011/06/04(土) 00:54:46 ID:???
>>84
「……黒蔵さん、僕は医者っす。
患者のためにならないことは絶対にしない」
焦点の合わない黒蔵の瞳。哀願する声。
彼には彼の事情があるのだと、医者は分かっていた。
そもそも普通とは違う事情を抱えているだろう、彼らだからこそ。
――けれど、彼にも彼なりの、医者としての信念があった。
「僕はこの研究で、必ず人を救えると確信してるんすよ」
眼鏡の奥が静かに光る。
おどけても、ふざけてもいない、真剣に向き合う瞳。
「これは例え話っすけど――日本の昔話のような、そう、どんな病気でも治し、手でも足でも繋げるような、河童の秘薬、知ってます?
おかしいかもしれませんが、僕はそれを作りたいんすよ。
そしてあなたたちの力を借りれば、きっとそれを作れる……僕はそう確信してるんす」
もちろん、もし害をなすようなものが生まれれば、医者はそれを決して表には出さないつもりだ。
だが黒蔵の言うとおり、ろくなことにならない可能性も低くない、どころかむしろ高いくらいだろう。
86
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 01:10:01 ID:???
>>85
(河童の秘薬…か)
水界でそれを作る場を見ていた黒蔵は知っている。使った事もある。
「…もしも、俺たちが協力を断ったら、どうする?」
この医師にこれを聞くのは、決定的なものになるかもしれない。
しかしこれだけは聞いておかなくてはならないのだ。
きゅうっと手が膝のうえで握り締められる。
「俺を捕まえるのか?」
開いた口は問いを投げ、瞑った黒い目はもう一つの記憶を見ていた。
人間達に捉えられた、父親の蛇の姿を。
(今、俺はこの男に何の抵抗もできない)
恩と義務との板ばさみになって、神使であり罪人でもある蛇は覚悟するしかなかった。
87
:
医者
:2011/06/04(土) 01:24:56 ID:???
>>86
「……そうっすねぇ」
医者は含みを持たせたように微笑む。
「こんなお願いをしておいてなんですが、僕としては――黒蔵さんに、ずっと病院で働いていてほしいんすよ」
捕まえるのか、という問いに対しての、医者の答えはこれだった。
「まだ借金も返済しきってないし、お二人には中々助かってるんすよ?」とくだけた感じで言う。
「ま、捕まえたところで東雲さんが黙ってないと思いますし」
東雲にもいずれ、このことを説明しなければならない。
まあ、今それは置いておこう。
医者はおどけたように笑った。
88
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 01:35:41 ID:???
>>87
「なるべく早く借金は返すようにする。
でも俺、『ずっと』ここで働き続けるわけには行かないんだ」
人では無いと知られたのなら、ここは妖怪にとって危険だ。
妖怪を恐れる事を忘れかけた人間の領域なのだから。
「あんたには恩があるから言っておく。
あまりこっち側に踏み込もうとするな。知りすぎないでくれ」
黒蔵はこの医師に死んで欲しいわけではない。
瞳のように共存を目指す想いもわからなくは無いのだが、互いに望んでも人と妖怪が交わる事は
なにかと不幸が付いて回るのだ。
「…頼む」
どこか辛そうに、黒蔵はそう付け足した。
89
:
医者
:2011/06/04(土) 01:49:38 ID:???
>>88
「ご忠告ありがとうございます」
(東雲さんも同じことを言いそうだな)
辛そうな黒蔵を見て、医者は少しだけ苦い顔をした。
「……ま、頭の中にでも止めておいてください
要件は以上っすよ。作業に戻ります? お茶でも飲んでいきますか?」
医者は立ち上がると、棚の上に乗せられたポッドに近寄る。
90
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 01:57:53 ID:???
>>89
「作業に戻らせて欲しい」
お茶を飲む気分にはなれず、首を横に振ってそう頼んだ黒蔵は
今更人間に近づいた事を後悔した。
(悪い人間じゃないのに、きっとお互いに悪意はないのに)
それでもやっぱり、そこから芽吹く不幸もあるのだ。
物々交換をしに行って、殺されてしまった父親と相手の人間のように。
91
:
東雲 犬御
:2011/06/04(土) 02:14:21 ID:???
>>90
「わかりました。お手数掛けましたね」
ポットから手を離して、後ろを振り向く。
医者は扉から出て行こうとする黒蔵の背中に、小さく声を掛けた。
「黒蔵さん、きっと分かってくれると信じてますよ」
男の首から下げられたネームホルダーが揺れる。
顔写真の貼られた名刺には「小鳥遊 療介(たかなし りょうすけ)」と、彼の名が記されていた。
「……オイ、なんだその顔」
作業場に戻ってきた黒蔵の顔を見るなり、東雲は顔を顰めて呟いた。
手を止めて、ハァと溜め息を付く。
「あの医者か?」
92
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 02:27:59 ID:???
>>91
戻ってきた黒蔵は表情を失ったままで犬御にぽつりと答えた。
「あいつ、俺たちの事に気づいてる」
目をあわさず、犬御の横を通り過ぎて上着を拾い上げる。
「このままだとどこまで手繰られるか判らない。
他の仕事見つけたほうが良いと思う」
しかし黒蔵は既に泥沼に膝まで嵌った予感がしていたのだった。
93
:
東雲 犬御
:2011/06/04(土) 02:44:19 ID:???
>>92
「……やっぱりか。
ま、血も採られてそろそろとは思ってたがな」
何を言われたか知らないが、何を言われたかは概ね分かる。
いや、それ以上に、黒蔵にとって重い言葉を突きつけられたのかもしれない。
東雲は通り過ぎる黒蔵を横目に見ながら答える。
「俺はやつに借りがある。それを返すまではここを離れねェ。
奴が妙な動きを見せねー限りは、だがな」
東雲を病院に縛るのは、抱えた借金という以上に、
彼に命を助けられたという借りだった。
「テメェがどうするかは勝手だ。
相手は人間だ。関わりたくなきゃ借金なんておいてさっさとここを出ろ。
そうすりゃ会うこともねーだろ」
94
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 02:56:42 ID:???
>>93
「俺は罪人なんだ。そして蛇神の下についてる」
この意味がわかるか、とようやく犬御と視線を合わせた黒蔵は言った。
「次に道を踏外したら後が無いんだ。
勝手なことなんて、もう俺には出来無いんだよ」
借りをきちんと返さなくては、勝手にここをやめるわけにも行かないのだ。
だから多分、これからもここへは通わなくてはならないのだ。
95
:
東雲 犬御/小鳥遊 療介
:2011/06/04(土) 03:07:20 ID:/AfNAO.Q
>>94
「……ケッ、そーかよ」
東雲ははき捨てるように「テメーとまだ顔合わせて仕事しなきゃなんねー」、と憎まれ口を叩いた。
しかしそう言いながらも、何かに縛られているという意味では、彼らはまた同じだった。
小鳥遊は熱いお茶を啜りながら、カルテを見やり口角を釣り上げた。
必ず、どちらかから秘密を聞き出してみせる。
万病を治す秘薬、それを使って、命を拾い上げてみせる――。
//お疲れ様でした
96
:
黒蔵
:2011/06/04(土) 03:26:47 ID:???
>>95
黒蔵は犬御のような憎まれ口は叩けなかった。
黙って今日の作業を終わらせた黒蔵は、明日もまた同じようにここに黙って通うのだろう。
泥沼に沈みつつある事は自覚しながら、小鳥遊医師の思惑から逃れることは
今の黒蔵には出来そうに無かった。
//どうもありがとうございましたー
97
:
児佐々 美雪
:2011/06/16(木) 00:16:01 ID:1gBuqmPQ
降り出してはいないが不安定な空模様の夕暮れ時。
傘と指定鞄を手にした制服姿の女子高生が、停留所でバスから降りてきた。
色白の頬にかかる髪は肩の下の長さで切りそろえられて、湿った空気にもさらりと流れる。
纏う妖気は無く、一見、ごく普通の人間の娘である。
「あ、こんちはー」
女子高生は不意に誰かに話しかけた。
「うん、おわった、今?ううん、これからバイトだよー」
どうみても一人言である。
対話相手がいるなら、彼女の目の前の路傍の紫陽花くらいである。
98
:
六貨
:2011/06/16(木) 00:27:46 ID:ePa9Shgs
>>97
面白みの無いスーツを着た男が、肩を落としてとぼとぼと歩いてくる。
姿こそ人間だが、その正体は妖怪、銭神。
今日も雀荘に顔を出し、そしてスカンピンにされてしまった。
「ああ、もう……人間ってなんであんなに強いんだろ……」
半泣きの様相で歩いていけば、そこには紫陽花に向かって話しかける女子高生。
「……ははは、微笑ましいですねぇ」
気付けば、話しかけてしまっていた。
99
:
児佐々 美雪
:2011/06/16(木) 00:35:19 ID:1gBuqmPQ
>>98
「あー、はじめまして、かな?
もしかしてその姿じゃないときに、もう会ってるとかはないよね?」
うーん、以前に会った事はないよね?と女子高生が首を傾げると、その髪がさらりと揺れる。
紫陽花の陰には大きなヒキガエルが、喉をひくひく動かしながら鎮座していた。
どうやら彼女は、そのカエルに話しかけていたらしい。
「ごめんね、お引越しはバイトの後ならお手伝いできるんだけど」
ぺこっとカエルに謝ると、スーツの男性に向き直った。
「今日はせっかくのお天気だから、引越し手伝ってくれないかって頼まれちゃったの。
お兄さん、よかったらこの子を、あの幹線道路の向こうの用水路に連れて行ってあげてもらえないかな?」
確かに車の往来の激しい道路を渡るのは、ヒキガエルにはちょっと難しいようだ。
100
:
六貨
:2011/06/16(木) 00:42:43 ID:ePa9Shgs
>>99
「ええ、はじめまして……って、いきなりバレてる?え?」
その姿じゃない、というワードに焦る。
別に聞かれれば隠さず正体を明かすが、いきなり見破られるのは想定外だったようだ。
「……はぁ、構いませんけれど」
二つ返事とともに、左手でヒキガエルを持ち上げる。
もし自分が蛇妖だったら、このカエルは察知して逃げたのだろうか?
等と、とりとめのない事を考えながら。
「………しかし、何故バレたんですか?」
と、疑問を口にする。
101
:
児佐々 美雪
:2011/06/16(木) 00:50:30 ID:1gBuqmPQ
>>100
「うーん…なんとなく、かな?うちの父と似たような感じの雰囲気だったから。
私は人間だから妖気とか判んないんだけど」
実を言うとただの勘なのだー、とぶっちゃける女子高生。
「お引越し手伝ってくれてありがとう。カエルさん良かったねー、轢かれなくて済むよ」
彼女は満足そうに男の手の中で喉を膨らますヒキガエルを躊躇無く撫でた。
そのカエル、なぜか後足は1本しかない。
「私、美雪っていうんだ。優しいお兄さんは何の妖怪さん?」
女子高生は男の目をみて、ふっと笑った。
102
:
六貨
:2011/06/16(木) 01:01:11 ID:ePa9Shgs
>>101
「父…ってことは、寺か何かのお嬢さん?」
同じ妖怪かとも思ったが、彼女はどう見ても人間にしか見えない。
ムリをして化けている時の、漏れ出すような霊気も感じない。
「……?このカエル、他の動物にでもやられたんですかね」
猫にでもやられたのだろうか、と考えをめぐらせる。
有り体に考えれば、着地点はそんな所か。
「あっと、俺は六貨と言います。……一応、人間には『銭神』と呼ばれてます。叩いたら小銭が出てきますよ」
自分の右頬を指しながらしれっと言い放つ。
しかしはたから見れば、冗談を言っているようにしか見えないだろう。
103
:
児佐々 美雪
:2011/06/16(木) 01:11:38 ID:1gBuqmPQ
>>102
「ううん、うちの父が妖怪なのよ。私を育ててくれたの」
そして六貨が名乗ると、ヒキガエルがゲーッと喉を鳴らした。
途端に美雪が笑い始める。
「へー、財運を呼ぶ蛙さんと、お金の神様の六貨さんか。確かに相性抜群だね。
その蛙さんね、三脚蟾蜍なんだって。だから生まれつき足が3本なんだってさ」
…と美雪が蛙の言葉を通訳(?)した。
三脚蟾蜍は財運をかき集めるという、中国由来の福を呼ぶ蛙である。
「ふーん、お兄さんを叩くの?」
興味津々で、右頬を指差す六貨の頬ではなくその肩を、ぽん、と美雪は軽く叩いた。
単に身長的に、そっちが叩きやすかっただけなのである。
104
:
六貨
:2011/06/16(木) 01:25:08 ID:ePa9Shgs
>>103
「神様っつーか……精霊ですね、落ちてるお金の精霊。
三脚……。なんでそんなありがたいカエルがこんな所に?」
左手の上のカエルをまじまじと見つめる。
そんなすごいカエルだとは思いもしなかった。
「ええ、殴っても斬っても、多分撃たれても出てきますよ」
肩を叩かれた瞬間、真下に小銭が落ちる。
内訳は、現行の10円玉が二枚。
百円玉が一枚。
そして――穴の開いてない、昭和に使われていた五円玉が一枚。
「……ほらね」
105
:
児佐々 美雪
:2011/06/16(木) 01:33:31 ID:1gBuqmPQ
>>104
こぼれる小銭に美雪は目を丸くした。
「うわなにこれ打ち出の小槌みたい、って見た事も振ったことも無いけど。
そもそも振ったことあったら今頃必死こいてバイトなんてしてないよね、アハハ」
そして美雪は小銭を拾って物珍しげに5円玉を眺めた後、はいこれ返すね、と六貨のスーツの
ポケットにざららっとそれらを入れた。
「なんでだろうねー。でもお引越しを繰り返してるみたいよ。
きっとカエルさんも居心地のいいお家探してるんだよ。ねー」
このカエルが住処を定めたとき、世の中は景気が少し良くなるのかもしれない。
「もしかしたらカエルさんと六貨さんが呼び合ったのかもねー。
だからここで出会った、とか?」
きゃっきゃ、と笑っている美雪の携帯電話が鳴る。
106
:
六貨
:2011/06/16(木) 01:41:33 ID:ePa9Shgs
>>105
「あれ、返さなくていいのに」
彼女の行動に対し、意外そうに言う。
出てきた小銭を返される、というのは恐らく生まれて初めてだ。
彼の正体を知るや、殴る蹴るの暴行を加えようとする者になら、うんざりするほど出会ったのだが。
「……やれやれ。ありがたいカエルもコンクリートジャングルで迷子か。変わったなぁ、世の中」
目線の高さに持ち上げ、正面からカエルを見据えて呟く。
相槌なのか何なのか、カエルが低い声を上げる。
「だといいんですけどねぇ……。まぁ、珍しいものが見られたので良しとしますか」
ふーっと溜め息をつき、まじまじとカエルを見つめる。
107
:
児佐々 美雪
:2011/06/16(木) 01:51:45 ID:1gBuqmPQ
>>106
「え?小銭を落とした人が居たら、拾ってその人に返すものでしょ?普通」
逆に意外そうに美雪は六貨に尋ね返した。
カエルがグッグッと喉で低く音を鳴らす。笑っているのだ。
「カエルさんがね。めずらしい、ってお前が言うな、だって」
通訳しつつポケットから携帯電話を引っ張り出し、ちらりとそこに目を走らせた美雪。
どうやらメールだったらしく、さっと顔色を変える。
「あ、そうか!今日は私早番の子と交代してたんだ!やばい、時間に遅れるっ!
六貨さんカエルさん、慌しくってごめんね、また今度ねー!」
余程慌てているのか色白の頬を染めて、美雪はわーーっと慌しく去って行こうとする。
108
:
六貨
:2011/06/16(木) 02:01:28 ID:ePa9Shgs
>>107
「ふーむ……普通、か」
右手を顎に添えて、感慨深げに少し俯く。
金の精霊などというものをやっていると、あまりに露骨な人間にばかり出くわす。
だったというのに、何かが揺るぎそうだ。
「まぁ、珍しいのかな?俺も。……おっと、行ってらっしゃいー」
駆けていく少女の背に、軽く右手を挙げて挨拶する。
……結局、少女が何者なのか聞きそびれてしまった。
「さて、行くかい。向こうでいいのかな」
そうカエルに話しかけ、幹線道路を渡る手段を探し、彼もまた歩いて行った。
109
:
児佐々 美雪
:2011/06/16(木) 02:08:30 ID:1gBuqmPQ
>>108
美雪は走ってゆきながら、振り返ってばいばーい、と一人と一匹に大きく傘を持った手を振る。
そのブレザースタイルの制服から、彼女の通う学校の見当が付くかもしれない。
そして歩いてゆく六貨の手の中では、カエルがググッと肯定の返事をする。
方角はあっているようだ。
そして鉛色の空からは、道行く人々を急き立てるかのように、
ぱらぱらとまばらに雨粒が落ちて来始めていた。
//ではこの辺で落ちます。絡みありがとうございました。
110
:
縊鬼の人
:2011/06/16(木) 02:16:31 ID:ePa9Shgs
>>109
//ありがとうでしたー!
111
:
ペトラ
:2011/06/28(火) 23:24:02 ID:hvATDsiQ
きぃー…こー...きぃー…こー…
夜の公園、”人”ひとり居ない此処に、ブランコの揺れる音が響いていた
乗っていたのは、まだ幼い少年。差し詰め小学校高学年程度の年齢だろうか、顔つきもあどけない
何故か迷彩柄のつなぎを着、持て余し気味の袖からは確りとブランコを握る小さな指が覗いていた
「…お腹空いた…。」
下向きな視線と共に呟かれた言葉は、宛らダダを捏ねる子供の様に
心細さを感じながらもひとり、ブランコを漕ぐ小さな音を当たりにこだまさせながら、少年はそこにいた
112
:
大蜈姫
:2011/06/28(火) 23:29:17 ID:???
>>111
【足元で、カサカサ、という小さな音が鳴る】
おやおや、こんな時間に子供が一人……と思ったら、ああ、そういう事だったのかい
とはいえ最近じゃ、こんな時間に子供を連れまわすおかしな母親も増えたものだけどねぇ
【足元の声の主を探すと、そこには小さな百足】
113
:
ペトラ
:2011/06/28(火) 23:37:52 ID:???
>>112
「......?」
ふと、少年はブランコの音に紛れるカサカサという音を聞き取る
すると程なくして、人の声の様な音も聞こえてくる。目をぱちぱち、と瞬かせて「とうっ!」
不思議に思いながらブランコから降りると、耳を済ませて音のする方を探し―――
「..うわっ」
そこにいたのは、小さなムカデ
少年は瞳一杯に好奇心を湛えながらしゃがみ込み、ムカデを見下ろした
「こんにちわ...?」
先程の声は、このムカデからなのだろうか...?そんな気はしたが、飽くまで直感
少年は恐る恐るという風に右腕を伸ばし、ちょんちょんと、身体を突いてみようとする
114
:
大蜈姫
:2011/06/28(火) 23:45:12 ID:???
>>113
【つつかれて上下裏返り、じたばたと元の体勢に戻ろうとしながら】
おやおや、最近の子はマセてるねぇ……女人の体に積極的に触れようだなんて
尤も……アンタが本当に子供なのかどうかは、実に怪しいもんだ
まさか、そんな格好なら免罪符になるだなんて思っちゃあいないだろうねぇ?
【触覚を空中に漂わせ、妖気を感じ取っている】
115
:
ペトラ
:2011/06/28(火) 23:51:32 ID:???
>>114
百足を突いてみると、聞こえてくる調子の変わらない声
やっぱり、”同類”なのかな..と、確信を強めながら、助け起こそうと人差し指を足に伸ばして
「ムカデさん、女の人なの?」
暢気にそんな事を尋ねつつ、百足がこちらを探る様な素振りを見せると
「な、なにさ...」、と少々身構えつつ、若干の恐怖を感じながら百足を見下ろすのであった
116
:
大蜈姫
:2011/06/29(水) 00:00:41 ID:???
>>115
おっと、この格好じゃあ、百足同士でもなけりゃ性別もわからないだろうねぇ
【百足の姿が人の大きさまで膨張してゆき、それと同時に徐々に着物姿の女をとる】
【長い髪を10cmおきくらいに後ろで束ねており、それは百足の体節にも似ている】
……とまあ、こういうわけさ
尤も、この姿は勿論のこと、さっきの姿もあたしの本来の姿とは違うがねぇ
本来のあたしは、今よりももっと大きな姿の百足さ
この辺りの蟲たちには、大蜈姫、と呼ばれているねぇ
117
:
ペトラ
:2011/06/29(水) 00:07:13 ID:???
>>116
呟きが一言、その後に百足の姿は、徐々に膨張し―――
「うわあ....っ...やっぱり」
其処に居たのは、和服姿の二十代後半と思しい女の姿だった
一定間隔に束ねられた長い髪は百足を彷彿とし、少年は目を輝かせていた
「おばさんも、だったんだね...!」
「僕はペトラ、って言うんだ。よろしくね」
一気に相手を見上げる立場になりながらも少年は、顔を綻ばせて人懐っこい笑みを浮かべる
どうやら目の前の女は百足のあやかしらしい…。大蜈姫という名前を、確りと聞届けて
118
:
大蜈姫
:2011/06/29(水) 00:09:32 ID:???
>>117
ほう……ペトラっていうのかい、この国の妖怪じゃあなさそうだねぇ
一体どこから来なさったのかい?
あと……【急に眼光が鋭くなる】
あたしは“おばさん”じゃあないよ、お気をつけ
そうだねぇ……“おばあさん”の方が近いんじゃあないかねぇ?
119
:
ペトラ
:2011/06/29(水) 00:25:04 ID:???
>>118
「うーん...あんまり、その時の事は覚えてないんだー…。」
女の質問に対する回答は歯切れの悪いものになってしまう
若干長めの袖でがしがしと、癖っけのある灰色の髪を掻いた
「....ご、ごめんなさい.....。お、おばあ、ちゃん..?」
鋭くなった眼光に萎縮する姿は、青菜に塩という表現がぴったり当てはまる様な
そしておばあさん、とは呼び難かったのか、若干遠慮がちにこう、尋ねた
/ごめんなさい、遅れました!
120
:
大蜈姫
:2011/06/29(水) 00:33:36 ID:???
>>119
そうかい……ならアンタは、そんなに長生きしてるってワケでもないのかねぇ?
まあ、長生きしてりゃあいいってモノでもないけどねぇ
あたしが生まれたのは、そうだねぇ……尊氏さんのいた頃だったかねぇ?
思えばあたしも、本当に長生きしたものさ
【しみじみと、どこか遠くを眺める】
ところでペトラ、アンタは一体どんな妖怪なんだい?
さっきは腹が減ってたとか言ってたようだが、派手に人間を喰らって妖怪狩りが始まるのだけは御免だよ?
121
:
ペトラ
:2011/06/29(水) 00:42:46 ID:???
>>120
「うん、たぶん、そうだと思うよ。」
「....たかうじ?って、なあに?」
女の問い掛けに頷いてみれば、聞き慣れない単語が耳に入り
何処か感傷にひたるような素振りを見せる女に、何の遠慮も無く問い掛けた
未だ精神年齢も幼く、つい我慢できなくなったのかもしれない
「うーんとね、僕はね...っ」
どんな妖怪かと聞かれると、少し得意気な表情を女に見せて
「ニンゲンを食べたりなんか、しないよっ...僕が食べるのは、夢なんだっ」
明朗な語口でそう告げると、少年の廻りを突如として煙が覆う
それが晴れた頃にはもう、少年の姿は無く。代わりに、茶色い毛並みの獏の姿があった
「どう?...ちょっとは、格好いいかな?」
あたりをぐるぐると回りながら、嬉しそうにそう問い掛ける
122
:
大蜈姫
:2011/06/29(水) 00:51:35 ID:???
>>121
【少し眉をしかめた後、】
ああ、異国産の妖怪にゃあわからないかい
昔、幕府が鎌倉にあった頃、それを打ち倒して自分の幕府を立てた武者がいたのさ
もう大昔の話だから、それから何年経ったかなんてこたぁ覚えてないけどねぇ
興味があったら、調べてみるのもいいんじゃないかい?
夢を食べる妖怪……とは、不思議なモノを食べるのもいたもんだ
【まじまじとペトラを見つめて、】
はっはっは! そいつは格好いいというより、ひょうきんな姿だねぇ!
どちらかというと、可愛らしい、とかそういった方じゃあないかい?
123
:
ペトラ
:2011/06/29(水) 00:58:31 ID:???
>>122
「ば、ばくふ...?かまくら...ふ、ふーん…そっかあ...」
問いかけへの答えと思われる声にも、よく分かっていない部分は多く
頭の中に幾つもクエスチョンマークを浮かべつつ、曖昧に頷いた
本人は何となく理解した風を装っているが実際、それが成功しているとは言い難い
「ひょうきんー…?僕、かっこいいが良かった」
笑い声を上げる女に対し、少年は口を尖らせながら言葉を返すと
バクの格好だった彼、見る見るうち少年の姿へと戻る。そっちの方がしっくり来るようだ
ひょうきんや可愛らしい、という単語が不満だったのか、不貞腐れた様に頬を膨らませている
124
:
大蜈姫
:2011/06/29(水) 01:05:58 ID:???
>>123
【くすくす、と笑って、】
まあ、人間に身近な妖怪ほど、かっこいいなんて言葉とは無縁になるものさ
人間から親しまれてるってことは、決して悪いとは思わないがねぇ?
あたしなんかだと、全くもってその逆なんだがねぇ
【苦笑しつつ、姿を再び小さな百足へと変える】
おっと、あたしもこれから腹ごしらえの予定だったんだ
アンタも美味い夢が食べられるといいねぇ
それじゃ、あたしは失礼するよ
【尻尾をひらひらと振りながら、地面をカサカサと這っていく】
//そろそろ失礼します、お疲れ様でした
125
:
ペトラ
:2011/06/29(水) 01:10:10 ID:???
>>124
「そっかぁ.....なら、いいのかあ」
少年、人間に親しまれている...問われると、夜空を僅かばかり見上げてみせ
納得したのだろう。女へと視線を戻す頃には、もう笑顔になっていた
「うん、おばあちゃんありがとっ」
再び百足へと変わった女の身体
少年は満面の笑みで百足へと手を振り替えし、楽しそうに見送っていたという
/お疲れさまでした!楽しかったです
126
:
夷磨璃
:2011/07/18(月) 22:04:59 ID:HbHPxpxY
夜の公園、人は誰もいない。
そこから、啜り泣く声が聞こえて来る。
「父上・・・母上・・・うぅっ・・・・・・」
どうやら、昔の事を思い出してしまったらしい。
127
:
ペトラ
:2011/07/18(月) 22:22:16 ID:???
>>126
行く宛ても無く、少年は一人道を歩いていた
...と、公園から聞こえてくる――…啜り泣く様な、声
「――…?」
見てみれば、其処には誰もいない。だが声は、はっきり聞こえていて
――もしかして、”仲間”なのだろうか? そろそろと、公園の中に入っていく
少年の容貌は、小学生位、眉くらいまである癖っけのある髪、鳶色の瞳
掌をすっぽり覆う程あるだぶだぶの迷彩のつなぎを着て、足は裸足、そんなところ
128
:
夷磨璃
:2011/07/18(月) 22:27:29 ID:HbHPxpxY
>>127
「ひっ・・・だ、誰・・・?」
土管の中から現れたのは白い髪を振り乱し、赤く腫れた目の夷磨璃だった。
今だに涙は止まらず、その場で座り込む。
「ぅぅっ・・・」
青い目の少年はペトラを見ると、更に泣き出した。
129
:
ペトラ
:2011/07/18(月) 22:31:46 ID:???
>>128
こちらに勘づいたのだろう
土管の中から現れた、白い長髪の少年、歳は自分より少し下に見える
「……どーしたの?」
その目は赤く腫れており...ずっと、泣いていたのだろうか
少年はそっと近づきながら――可能ならば、夷磨璃の目の前まで...――声を掛けた
心配に思う気持ちが8割、此の状況に対する好奇心が2割というところか
130
:
瞳
:2011/07/18(月) 22:38:15 ID:SmXQZqJk
>>128
,
>>129
夜道を歩く黒い着物の少女。ふと公園に目をやると、泣いている瞳にとって大切な弟子。
「…!?どうしたんだ夷磨璃!?大丈夫か!?」
心配した瞳が、駆け寄ってくる。
131
:
夷磨璃
:2011/07/18(月) 22:43:23 ID:HbHPxpxY
>>129-130
「少し・・・寂しくて悲しい気持ちになってたの・・・。」
心配させまいと、無理に笑って見せた。
だが、やはり無理しているようで。
瞳を見つけた瞬間、再び泣き出してしまった。
「ししょー、僕もう駄目だよ・・・・・・」
132
:
ペトラ
:2011/07/18(月) 22:51:54 ID:???
>>130
すると、後ろから声がして
振り向いてみれば黒い着物を着た少女の姿
どうやら夷磨璃とは知り合いの様だが――…?
>>131
声を掛ける少年に、夷磨璃は笑みを見せる
それには、少し無理がある様に、少年には見えた
「...」
しかし其れでも何も言えなかったのは
夷磨璃の寂しいという言葉に、自分もちくりとしたショックを受けたからだった
少年もまた無意識に親代わりだった存在を思い出して――…唇を噛み締める
...それでも、なんとか寂しい思いを払拭させてやろうと、思ったのだろう
袖をまくって、右手を伸ばす。――夷磨璃の頭を、ゆっくり撫でようとした
それとも、隣の少女に任せた方がいいだろうか...そうも、思い始めるが
133
:
瞳
:2011/07/18(月) 22:56:20 ID:SmXQZqJk
>>131
「そうか…なら、私がそばにいてあげるよ。私じゃ駄目かな?」
優しく夷磨璃の頭を撫でる。
「無理するなよ。泣きたいときは、泣けばいいさ。――私だってそうする。」
切なそうな顔をして、そう語った。
>>132
「夷磨璃の友達かな?夷磨璃のこと、慰めてあげてたんだろう?ありがとう。」
と言って、微笑む。
が、実は瞳もつられて泣きそうになっていた。しかし、年上として夷磨璃の師匠としてそんな様を見せられないと思い、必死にこらえる。
134
:
夷磨璃
:2011/07/18(月) 23:06:09 ID:HbHPxpxY
>>132
「ありがとう・・・。お兄ちゃん、名前は?」
柔らかな白髪を撫でられ、少しだけ安心する。
それでもやはり、夷磨璃はぽろぽろ涙を零していた。
>>133
「ししょー・・・前の話の続き・・・・・・。
僕の守りたい者、それはししょーだよ。でも・・・胸が痛くなるんだ。
強くなろうとしても、実感が湧かないし、母上の様に、僕が弱いせいでししょーが死んじゃうとか・・・」
135
:
ペトラ
:2011/07/18(月) 23:15:07 ID:???
>>133
瞳が泣きそうになっている、という事には気付いておらず
控え目な笑みを浮かべながら、お礼を言われ少し照れた様に
「いま、あったばかりなんだけどね...」
そう言って、空いている方の手で頬をぽりぽりと掻いた
>>134
「僕はね、ペトラって言うんだ。...君は?」
まだぽろぽろと、涙を零す夷磨璃に、笑みを向けながら
少年は自己紹介する。そして相手にも、名前を尋ねるのだった
136
:
瞳
:2011/07/18(月) 23:20:13 ID:SmXQZqJk
>>134
「わ、私が?そうか…私は夷磨璃にとって、そこまで大切な存在になれたんだな。ありがとう。
そうか…夷磨璃は母上が…その気持ち、痛い程分かるよ。自分が無力なせいで、大切な人を失う…これほど、辛いことは他にない。
けれど、私は大丈夫さ。死んだりしないよ。強くなりたいって願えば、必ず強くなれるんだ。」
瞳は、人の姿にもなれず、自分で動くことすらできない無力だったため大切な人を失った。そのため、夷磨璃の気持ちはわかったのだ。
そして、だからこそ強くなった。
>>135
「あれ?そうだったのか?なら、今から仲良くなればいいさ。」
と、平和な提案をしてみる。
137
:
夷磨璃
:2011/07/18(月) 23:26:16 ID:HbHPxpxY
>>135
「拙者は夷磨璃。ペトラお兄ちゃんか・・・。」
じぃ、と見つめると、嬉しそうな顔をする。
これ程歳が近く、優しい妖怪は初めて見たからだ。
>>136
「・・・うん。泣くのは止めるよ、ししょー。」
ごしごしと目を擦って、涙を拭いた。
瞳の声を聞けて、自然と安心し、癒された。
「友達?」
138
:
ペトラ
:2011/07/18(月) 23:33:20 ID:???
>>136
「そうだよね、うん。僕も...」
少女に頷いてみせると、肯定的な言葉を紡ぎ
それが不意に途切れた時...視線は再び、夷磨璃へと
>>137
「えへへ、よろしくね」
夷磨璃の一人称は、中々聞いた事が無いもので
面白いなあ、などとも思うものの、新しく友達が増えた喜びの方が大きかった
尤も、相手もそう思ってくれているかはわからないのだが
「...僕もさ、お母さんが居なくなって寂しいけど...こうしていれば、きっと平気だよ」
少しの間躊躇った後、少年は、勇気を振り絞って言葉を紡ぎ始めた
自分の母代わりだった存在が居なくなった事...それでも、こうして友達になれば、きっと寂しさも紛れる
そんな想いを乗せて――頭を撫でていた少年の手は、夷磨璃の目の前に差し出された
139
:
瞳
:2011/07/18(月) 23:42:15 ID:SmXQZqJk
>>137
「友達…かな…いや、もっと大切な存在だったかな…そう、今の私がいるのも彼のおかげなんだ。」
切なそうな表情を見せ、そう言った。
>>138
「ああ、寂しくないさ。支えてくれる、大切なみんながいるならな。」
打って変わって、明るい笑顔で言った。
140
:
夷磨璃
:2011/07/18(月) 23:49:18 ID:HbHPxpxY
>>138
「ペトラお兄ちゃん、よろしくね。」
新しい友達、出来ることなら友達以上の存在にしたいと思った。
ぎゅっと手を握り、今度こそ本当に笑顔だった。
>>139
「ししょーの大切だった人か・・・・・・。
きっと凄い人だったんだね。」
切なそうな瞳を見て、ぐっと手を握った。
可愛そうだな、と。
141
:
ペトラ
:2011/07/18(月) 23:58:20 ID:???
>>139
「...うん」
明るい笑顔を浮かべる少女にもう一度、少年は頷いて
その脳裏には、少ないながらもそれぞれかけがえのない――友人の姿が浮かんでいた
切なそうな表情が垣間見え少し心配にも思ったが、もう大丈夫なのだろう
>>140
涙は拭われ居なくなって、夷磨璃の顔に浮かぶのは屈託の無い笑顔
「こちらこそっ」
出会ったばかりとか、そんな事は関係なく、彼もまた掛け替えの無い友達だ
温もりを手に感じながら、確りと握り返し...そう思った
142
:
瞳
:2011/07/19(火) 00:01:21 ID:SmXQZqJk
>>140
「ああ…あの人は、凄かったよ。壊れかけていた私の心を救って、夢のために強くなって、最期も自分を犠牲にしてまで…」
そう語る瞳、気づけば一筋の涙を流していた。
「あ、あれ…こんなはずじゃ…」
弟子の前で、こんな姿は見せたくなかった。しかし涙は、どんどん溢れてくる。
「あ、あれ…なんで…」
>>141
年上として情けないなとか、そんなことを思いつつ、必死で涙をこらえようとする。
思い出してしまったのだ。あの人の最期を。
143
:
夷磨璃
:2011/07/19(火) 00:16:21 ID:HbHPxpxY
>>141
「暖かい・・・。」
むきゅっ、と抱き着いてみた。
何か瞳と共通するものがあったからか、知らないが、抱き着いた。
>>142
「泣いてもいいんだよ。
ししょーにはその人も、露希お姉ちゃんも、僕も、皆着いてる。
だから、大丈夫。」
瞳を想い、感じ、優しく受け止めた。
情けなくなんかない、ししょーはししょーだ。
144
:
ペトラ
:2011/07/19(火) 00:25:17 ID:???
>>142
(!)
気付けば瞳の頬には、一筋の涙が溢れていて
とても、とても悲し気な表情、少年は見えた
掛ける言葉は見つからない。されど、心配そうに...瞳を見る
>>143
「...っ」
すると、突然身体が暖かいものに包まれる様な感覚
視線を移すと、夷磨璃が少年の矮躯に、抱きついていたのだった
少年は驚いているようだったが、決して嫌がっている風ではなく
少し細められた瞳は気持ち良さそうにも見える。
「...僕の服、汚れてるよ?」
しかし口に出したのは、遠慮する様な言葉
少年の服は所々、土に汚れていた。洗う事も無かったので、当然だ
このままでは夷磨璃も汚れてしまうかもしれない...少し、気遣うように
145
:
瞳
:2011/07/19(火) 00:40:18 ID:SmXQZqJk
>>143
「そうだな…みんながいる…
…私は幸せ者だな。こんなに優しい弟子を持てて…」
涙を拭き、笑顔でそう言った。
そして、宙を向き
(風月…私、幸せだよ…)
>>144
「私は、大丈夫だよ。」
そんな気持ちを察してか、そんな言葉を言う。
146
:
夷磨璃
:2011/07/19(火) 00:46:52 ID:HbHPxpxY
>>144
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。」
そんなこと全く気にせず、ペトラに抱き着いていた。
離れた時の夷磨璃は幸福感に満ちていた。
「ペトラお兄ちゃん・・・また来ていいかな?」
>>145
「ししょーも元気出してねっ。」
優しく微笑んだ彼は、二人に別れを告げると、帰って行った。
今日、また一つ大切な者が増えた夷磨璃だった。
//私はここで落ちます。
絡んで頂き、ありがとうございました。
147
:
ペトラ
:2011/07/19(火) 00:56:18 ID:???
>>145
「...よかった」
しかし瞳は、夷磨璃とのやりとりで元気を取り戻した様だ
少年は安心した様に、笑みを浮かべながら小さく、言葉を紡いだ
>>146
「......そっか」
それでも、夷磨璃は、全く気にしていない様子。
その事が少年は、とても嬉しかった。遠慮がちに腕を回すと、ぎゅっ、と
「勿論。...僕、待ってるからね」
身体を離した時、少年もまた人の温もりを感じ、幸せな気持ちを抱いていた
当然、という風に夷磨璃の言葉に頷いて、去り行く姿に笑みを向けながら手を振り、見送った
/はい、お疲れさまでした!そしてありがとうございました
148
:
瞳
:2011/07/19(火) 01:11:10 ID:SmXQZqJk
>>146
「ありがとう、夷磨璃。それじゃあな。」
優しく手を振って、別れを告げた。
>>147
「さてと、私もそろそろ帰るとするかな。それじゃあ、これからも夷磨璃と仲良くな。」
そう言って、軽く手を振り去って行った。
/自分もここで落ちます。絡みありがとうございました。
149
:
ペトラ
:2011/07/19(火) 01:20:49 ID:???
>>148
「うん...もちろんさ」
当然とばかり、少年は屈託の無い笑みを浮かべながら
こくりと頷いて、「またね」、と小さく別れの挨拶を呟く
そして、控え目に手を振りながら――…瞳を見送るのだった
残った少年は、脇の木にもたれ掛かり
ああ、いい一日だったなあ...そんな事を思いながら、眠りに付く
/絡みありがとうございました&お疲れさまでした!
150
:
名無しさん
:2011/07/27(水) 23:09:40 ID:d.Sq2D9c
ざく、ざ、ざく、ざ。
機械的なリズムで土を耕す音が、静かな空間でただひとつのものとなっていた。
ここはかつては信仰を多く集め、人間からたくさんの尊敬を受けていたと思われるほどに、
とても大きく、そして立派な社を持つ神社であった土地である。
しかしその社も、長年放置されていたのかそこら中にツタははり、
屋根や本堂からも草木が生い茂って、植物に飲み込まれていた。
そんな草木の支配地に、一人だけでそこの土を耕し、
畑を作ろうとしている男性がいた。
その格好は白地の布を、丁寧にも一着の服に仕上げられたものを着ていて、
足は何もはいておらず、裸足だ。
151
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/27(水) 23:21:00 ID:c1.PBF/s
>>150
そこへ近づく足音。
「えっと…メリー?なんで着いてくるんだ?」
『夕お兄ちゃんが無茶しないためなんだよー。絶対目を離すなってみんなに言われてるんだよー』ジーッ
「ハハハ……」
一人は霊感もないごく普通の高校生。
ボサボサの黒髪で、どこにでもいそうなごく普通の顔立ちだ。
もう一人は白いワンピースを着て、麦藁帽子をかぶった金髪の幼女だ。
そんな二人が畑仕事をしてる人を見つける。
「こんにちはー。畑仕事お疲れ様です」
『こんにちはだよー』
そんな彼に挨拶するが
幼女の方は神社に何故畑?となんか変な感じがして、ジーッと見つめてる。
152
:
名無しさん
:2011/07/27(水) 23:31:32 ID:d.Sq2D9c
>>151
近づくにつれて大きくなる足音、そしてついに発せられた声に気づき、
ふぅ、と一仕事終えたようにため息をついてから、
首に掛けていたタオルで顔じゅうから溢れ出る汗をぬぐって、顔を上げそちらのほうに視線を向ける。
「やぁー、こんにちはだな小さいお二人さん。
こんなところまで散歩でもしてたんかい?」
顔を上げたのでようやく気づくことができるが、
この男は畑仕事をしている割には、あまりにも優男の見た目で、
西欧の者だと一目で分かる金髪が、汗で太陽によって光っていた。
「嬢ちゃんのほうはあれかい?
この畑仕事に興味あるかいね?」
のんきに語りかける男性。
そのバックには朽ち果てた社があり、その二人では気づかないのかもしれないが、
信仰がなくなったのかこの社には、神格の気配が無かった。
だから男の論理としては、ここを耕しても、バチはあたらんだろう、ということなのだ。
153
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/27(水) 23:48:17 ID:c1.PBF/s
>>152
「まあ、散歩ですね。散歩って気持ちいいからね。いつもは犬を連れてるんですけど、今日はこの子がついてきて」
『一緒に散歩なんだよー』
本当は田中くんは一人で《十種神宝》を探してたのだが、メリーに見つかりついてこられただけなのである。
「貴方はここの人ですか?畑作業って大変そうですし…一人でやるの大変じゃないですか?」
『興味あるんだよー!!……貴方にもだよー』
《人間》は普通に首を傾げながら近づき、なんか畑仕事手伝いましょうか?な空気を出している。
《都市伝説》は田中くんの身の安全を考え、ワザと妖気を溢れ出させながら《西洋人》を見る。
もし相手が妖怪か霊感あるものなら反応するだろうと考えてだ。
もちろん田中くんは気付いてないが
154
:
名無しさん
:2011/07/28(木) 00:02:11 ID:d.Sq2D9c
>>153
汗をひとしきり拭い終えてから男は、
近くにあったおそらく賽銭箱だったであろう箱に、疲れたようで腰掛けた。
ひとしきりの仕事は終えた後なのだろう、一息つくために懐から、
それはそれは美味しそうに紅の栄える、新鮮なトマトを取り出して食べ始める。
「山の麓近くだってえのに、そんな場所まで散歩なんて変わっとるな。
まあ、こんな場所で耕す自分も、そうとう変わりもんだがな」
と言って大口を開けて笑い出し、
トマトを二つ、田中君とメリーちゃんの方へ差し出した。
「うんにゃ、ここへはちょっとした用事で来ただけだな。
だからここに住むきはねえんだ。
畑仕事な、確かに一人は大変なんだがはまるとそこが、
より面白いんだなこれが。」
そして男は田中君には、鍬のほうも差し出していた。
たぶんやってみるか?聞いているのだろう。
「俺か?
俺はそんなに興味もたれるほどのもんじゃないぞ。
俺としては変わりもんのあんたらのほうに、ちょっとした興味がある。」
自身について、何か聞きたいようなそぶりのメリーちゃんに、
男は眉を少しすぼめて怪訝そうな顔をする。
妖気については気づいているようだが、この男にとってはそれはたいしたことでなく。
もっと言えば人であろうが妖怪であろうが、そうである以上気にはしないらしい。
「ちなみにな嬢ちゃん。
おらは妖怪だ。」
そしてメリーちゃんの方だけ耳打ちで、自身の正体を明かす。
なぜ耳打ちなのかというと、メリーの田中に対する気遣いを、
どことなくで感じていたからなのだ。
155
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/28(木) 00:22:44 ID:c1.PBF/s
>>154
「そうですかね?俺はよく湖や山とかに行きますよ?まあ、ここは始めてきましたけど
あ!ありがとうございます」
『ありがとうなんだよー』
そうニカッと笑い返すと、トマトを受け取りお辞儀をして御礼を言う。
メリーも一緒にお辞儀をしてニパーッと笑う。
「そうなんですか?いいのかな…」
うむーっと考えてると鍬を渡され
「まあ、いいか!少し耕すのやってみます!!」
そう言いながらトマトをメリーに渡し、彼は爽やかに笑い、生き生きと畑仕事をし始める。
なんだろう…実に似合ってる。
『そうかなだよ?
まあ、夕お兄ちゃんは代わってるんだよー』
キョトンと首を傾げながら貰ったトマトを美味しそうにかじって食べる。
『……やっぱりかだよー
普通の人はここで畑を耕さないんだよー。もしかしたら田中家みたいな変わった人とも思ったけどだよ
……あ、田中家ってあそこの夕お兄ちゃんの家なんだよー』
そう言いながら、彼を見る。
『ついでにメリー《は》妖怪なんだよー。《都市伝説のなりそこない》だよー
お兄さんは?だよー』
とりあえず相手は悪い人じゃないかな?と思い聞く。
156
:
名無しさん
:2011/07/28(木) 00:33:10 ID:d.Sq2D9c
>>155
田中君が当たり前のように話す内容に、
この男は疑うことを知らないのかふんふんと相槌を打って聞いている。
なんというか、凄く楽しんでいるようだ。
「えらいんだな〜君は。
その年齢で(そして人間で)そのバイタリティーはたくましい証拠だ。」
にかっ、と農作業をしているはずなのに色白の彼は、
口の横にしわができるほどに元気に笑った。
そして作業に勤しんでいる田中君の姿を、
まだ賽銭箱に座りながらぼんやりと眺めている。
「ほうほう、坊ちゃんはなかなか筋がええんだな。
今すぐにでも農家のところへ、着の身着のままでも婿入りできそうくらい。」
そんな声を田中君に掛けていると横から下メリーちゃんの声に、
くるっと首を向けた。
「なんだ、田中家ってのは面白うやつがそろってんのか。
それはいっぺん見てみてえな。」
「≪なりそこない≫?
なんだか、よくわかんねえスマンな。
おらか?そうだな嬢ちゃんはも知れねえかも知んねえ。
マンドラゴラ、つうのは知ってるか?」
157
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/28(木) 00:48:04 ID:c1.PBF/s
>>156
「《普通》ですよ。《普通》。昔、よく母さんとかにサバイバルで山に放り込まれましたし」
ニカッと笑いながら相変わらず凄い事を言い始める。
「父方の両親へ行ってるとき、畑仕事をよく手伝ってるからね。結構なれてます
爺ちゃんたち元気かな……」
そう言いながら黙々と畑仕事をしている田中くんだった。
『田中家は凄いんだよー。私を含む妖怪もいっぱい住み着いてるし、色々普通じゃないんだよー。夜お姉ちゃんなんかヤマタノオロチと結婚するみたいだよー』
『まあそこは気にしないでだよー』ショボーン
少し落ち込むが、その名前を聞いて首を傾げ
『マンドラゴラってよくネットゲームに出て来る音波攻撃が得意な植物モンスターだよ?』
メリーはマンドラゴラをよく徘徊する《電脳世界》のネットゲームのデータでしか見た事がないため、そう聞く。
158
:
名無しさん
:2011/07/28(木) 00:58:31 ID:d.Sq2D9c
>>
「うんにゃ、それを普通っつったら、
普通教育という言葉は全部が全部ミリタリーになっちまう」
さらっと田中君の思い出話に突っ込みを入れた。
「ほうほう、農作業手伝いとは、
こりゃあまたいいご両親に育てられてんだな」
今度はほっこりとした雰囲気で、
よほど田中君に気を良くしたのか目を少し細めて、静かに微笑んだ。
「ヤマタノオロチ?それはすげえな。
それがもし伝説のそいつだったら、俺としては是非会いに行かなくちゃなんねえな」
また飛び出した田中家の奇想天外ワードに、
圧倒されて口をぽかんと小さくあけながらも、ヤマタノオロチには興味あるのか、
キラン、と目が少し光った。
「まあ大体あってるな。ちゅうかなんだそれは。
とりあえず、俺の種族なんだがな、ざっくり言うと面白植物って奴だ。
引っこ抜かれたときに大声上げてな、その声を聞いた奴を殺しちまうんだ」
くっくっくと悪魔のする笑顔のようにメリーちゃんに笑いかける男。
言っている事は真実ではあるものの、冗談交じりのように離すので、
あまり怖くは無いかも知れない。
「まあ本来は、魔女だかの魔法のための材料になるだけなんだが、
俺の場合はちょっと特別でな。
それがふとした時に妖怪化して、歩けるようになったんだ」
159
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/28(木) 01:18:46 ID:c1.PBF/s
>>158
「う〜ん…そうかな?確かに友達にも冗談だろ?とか言われてるけど」
彼の中ではソレが普通になっているからある意味問題であった。
「はい」
両親を褒められ、嬉しそうにしながら更に畑仕事のスピードをあげる。
『夜お姉ちゃんの旦那さんのヤマタノオロチは違うみたいなんだよー』
残念…そっちは伝説の方のじゃなかった。
『確か伝説の方は夜お姉ちゃんの喫茶店で働いてるいる、もう一人の方に宿ってるんだよー』
…………………ヤマタノオロチが二匹いる…だと…!?…
まあ、今はとある事情により神社で暮らしてるが、働きに黒蔵が来るからその時にハツビーを呼び出せば会えるかも?
『なんか凄いんだよー』
ちょっと驚くように見るが……ある事に気付いた!
『まさか、その畑にマンドラゴラ育てるんだよ?』
抜いたら悲鳴あげて殺すような植物がここでつくられたら間違えてぬきそうな不幸体質な人(田中くん)がでるかもしれないとメリーは危惧したのだ。
160
:
名無しさん
:2011/07/28(木) 01:29:22 ID:d.Sq2D9c
>>159
腰掛ける男性は、田中君の為にまた懐から物を取り出した。
どうやらそこには作物を入れる袋があるようだ。
今度は果物のようで、
弾けんばかりに実の詰まったみずみずしいスイカ。
「お〜い、がんばるのもええが、
無理はいけねえよ?だからこっちで西瓜でも食って休め」
それを8分の1ほどの大きさに切り分けながら、
せっとせと働く田中君へと大声で呼びかける。
『ほうほう、じゃあ喫茶店のほうに行かせてもりゃあ、
伝説のほうにも会えんのか。
というより、二対もいる時点で天変地異じゃねえか?』
メリーちゃんのほうにも薦め、自分は早速いい音を立てながらかぶりつき、
メリーちゃんからその喫茶店の場所を聞こうとしていた。
『そんな五月蝿え畑、流石におらでも心折れるぞ?
普通に大根とか、林檎とか。
そんな無害なもんしか植えねえよ、第一マンドラゴラ育て難いしな』
メリーちゃんのとんだ発想に、
男の目は丸くなり、西瓜の種が口からひとつ落ちた。
161
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/28(木) 01:39:00 ID:c1.PBF/s
>>160
「あ…は〜い!今行きます!」
そう言いながら、そちらに向かってくる田中くん。
『その前にメリーの質問に答えるんだよー
ヤマタノオロチに会って何する気だよ?メリーたちの家族だから戦うとかそんな事だったら嫌なんだよ?』
西瓜にハムハムと噛み付きながら、彼を見る。
そう…イマイチ相手の目的がよくわからないからそう聞くのだ。
それに店内は戦闘禁止。お店が壊されたら大変である。
『それはよかっただよー
ところでこの神社は貴方が来た時からこの状態だよー?神様もいないみたいだしだよー』
そして最も気になる事を聞いてみた。こんなボロイ神社でも神格はいるはずなのにまったく見当たらない。元からなのかな?と
162
:
名無しさん
:2011/07/28(木) 01:44:22 ID:d.Sq2D9c
>>161
「いやいや嬢ちゃん。
別に俺はドラゴンハンターじゃねえんだ。そいつに危害を加える気はねえよ」
向こうさんがブチ切れたら正当防衛はあるかもな、
とのんきな口調で、西瓜の種を口から器用にも飛ばして答えた。
「うんにゃ、俺が来る前はそりゃあ立派な本殿だったな。
鳥居も何もかもの立派でな、そこの神様も偉い奴だった」
ぼんやりとそんなことを言う。
163
:
田中夕「」&メリー『』
:2011/07/28(木) 01:51:03 ID:c1.PBF/s
>>162
『…………その発言、コレは貴方の仕業と解釈していいんだよ?』
ムッと睨むように、彼を見ながらメリーはちょっと怒ったように聞く。
「あ…美味しそう!ってメリーどうしたの?」
西瓜に手を出そうとしたらメリーの雰囲気が変わったのに気付きそう言う。
164
:
???
:2011/07/28(木) 01:57:50 ID:d.Sq2D9c
>>163
西瓜の二切れも食べ終え、ゆっくりとその皮を隣へ重ねて置く。
そしてそれを挟んだ向こうで怒るメリーに、男はゆっくり目をやった。
「そうだ。
もっと言うとここの本殿がこうなんも、鳥居がねえのも、
さらに神様がいねえのもおらのせいだな」
その変化に気づいた田中に男は、
もう一枚食べるかと薦めるようにスイカを差し出した。
こんな会話をしているというのに、彼に向ける男の表情は、
ゆっくりとした笑顔だ。
「まあ、確かに。
神様を殺ったおらを憎むなとは言えねえが、どうする?
嬢ちゃんに、おらを倒すことはできるか?」
165
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/28(木) 02:16:14 ID:c1.PBF/s
>>164
『理由によるんだよ?
正直、貴方は悪い奴に見えないんだよー?けど……命を奪うのは許さないんだよ』
メリーが少し怒りながら、西瓜を食べながら睨むなか。
「話半分に聞いて悪いけど、ここの神社壊したのか?」
こちらも西瓜を食べながら、落ち着きながら聞く田中くんだった。
「俺もメリーとどう意見。理由による…けど殺しだったら許さない。とりあえずぶん殴るよ?
俺だって神の使い(田中くんは人だと思ってるが妖怪)ぶん殴ったし、その神を殴りに行く予定だし」
彼の右手の甲に《丸い円に八つの棒が生えた》模様が浮かび上がる。
「だけど、今は貴方とは喧嘩しない。また貴方が同じ事をするんだったら俺は殴って止めるよ?話はそれから聞くから」
妖怪(田中は知らないが)相手にも関わらず霊感もない《普通な人間》――けど彼の《右手》は《十種神宝》の一つ《八握剣》と同化していて普通じゃない―――は、真っ直ぐと西瓜を食べながら彼を見つめてる。
強い意志をもつその瞳は彼はどう感じるか?
「それに《友達》が間違った事するようならなおさらだ」ニカッ
なんと彼は《マンドラゴラ》を友達と認識したようだ。
『メリーも同意見なんだよー』
西瓜ハムハムしながら
やはり変わった二人であった。
166
:
???
:2011/07/28(木) 02:29:39 ID:d.Sq2D9c
>>165
「熱いなあんたら。
まるで正義がたぎって燃えてるようだ。作物が育つにはいいかも知れねえ。」
二人が宣戦布告にも似た反応をする中、
男もまた同じようにゆっくりと三枚目の西瓜に手を伸ばす。
妙な緊張感で静まり返って、物を食べる音ですら大きく聞こえる程だ。
「お?坊ちゃんはそんなことまでしたんか。
ますます凄いな。人だとは思えねえよ。まあ?」
その右手のせいで、人かどうかはあやふやかもだがな、
と皮肉めいて笑った。
しかし一口二口食べた後、すっと口を開いて再び話し出す。
「どんな奴かは知らねえが、もしその神様が高位、
それか重要な奴だったらおらもあんたらを手伝うぞ。
もちろんおらの場合は、抵抗するようなら」
ぷっ、とその言葉の後をつなぐように口から高速で種を打ち出し、
目の前の鳥居だったものを貫通させる。
木の砕ける嫌な音がした。
「理由か?
まあ、言い出せば長いが、あんたらに教える義理はねえよ。
それと、嬢ちゃんは優しいな。おらが悪い奴に見えねえなんて。
でも、おらは悪だぜ。
それも一生、いや、絶対的に赦されることのないほどのな。
だからあんたらは、おらの間違いを直す必要なんてねえ。」
男は二人ともに視線を合わさず、ただ前を見つめていた。
「だってあんたらおらは、決して友達なんかじゃねえからな」
167
:
田中 夕「」&メリー『』
:2011/07/28(木) 02:51:27 ID:c1.PBF/s
>>166
「俺は正義って訳じゃないんだけどな。正義も悪も見方によればガラッと変わるし」
西瓜を食べながら普通に会話する田中くん。
「あ…気付いたの?けど俺は人間だよ」
そう言いながら右手を見せながらそう言う。
けど彼の発言はあながち間違ってないかもしれないが…
「手伝ってくれるのは嬉しいけど命を奪うのはダメだから」
そしてタネマシンガンを見て俺もできるかな?と試すがやはり無理だった。
「…………酷いな。けど、いつかは《友達》になってもらうよ。だから止める」ニカッ
悪戯っぽく笑いながら彼は言う。
『………お兄さんも優しいと思うんだよー』
そしてメリーも立ち上がり、西瓜のゴミは何処からか出したビニールに入れ始める。
『あ…喫茶店の場所は教えないんだよー。目的が神殺しなら万が一の為だよー』
「?うちに神様っていたっけ?」
そう言いながらトマトをもち
「じゃあ、トマトと西瓜ご馳走様でした!次会うときは今回みたいな時であると願ってますから!」
『いっとくけど夕お兄ちゃんは諦め悪いから覚悟するだよー』ニシシッ
二人とも悪戯っぽく笑いながら《悪》に別れをつげ、去っていった。
こうして《人間》はまた因縁を増やすのだった。
正義でも悪でもない、ただ命が消えるのを見過ごせないお人よしな普通じゃない普通の人間は、また一つ厄介事へ首を出すのだった。
/この辺りですかね?
/お疲れ様でしたー。絡みありがとうございます
168
:
???
:2011/07/28(木) 03:03:32 ID:d.Sq2D9c
>>167
「強引な友達のならせ方だな。
うちのところの坊ちゃんもそうすりゃあ、友達も、
まあさすがにんなことはねえけどよ」
ふと発見したような顔つきになるが、
それはどうやら冗談だったらしく、すぐにそれを否定するかのように苦笑していた。
首を振って田中君たちの態度に呆れ半分尊敬半分で、
西瓜の皮を地面にそっと埋めていく。
「違う違う、おらがヤマタノオロチと会いてえのは、
まあいいか。
この理由も説明してやる義理はねえしな」
笑顔とともに颯爽と神社跡地から去っていく二人。
その二人を男はボーっとながめ、最後には手を振った。
「正義と悪は見ようによって変わるか、そうだよな。
でもな、変わったところで正義は正義、悪は悪だ。
どんだけ境遇の差はあってもよお、みんなが決めたルールは、絶対的正義じゃねえか?」
最後にはいつのまにか隣に立っていた、
気品と美貌を兼ね備えた金髪の女性に話しかけるようになっていた男。
それからしばらく後、男と女のほうもすっと消えてなくなった。
/ですね、こちらこそ絡みありがとうございました!!
169
:
宛誄
:2011/08/27(土) 23:11:16 ID:tElbSrz.
晩秋の涼風が吹き抜ける墓地にて、宛誄は呆然と立ち尽くしている。
普段から個々が自由気ままに動く七罪者は信用されている、居ないに関わらず会合が困難なのである。
まさか携帯電話で連絡を取るわけにもいくまい。
信用されている、いないに関わらず連絡を取り合うこと自体が困難なのである。
事実、宛誄が七罪者と実際に面と向かったことがあるのは、あの夜の青行燈だけの一度きりであった。
今回は奪った蜂比礼をエサにようやく約束が取り付けられた。
今日は最低でも連絡先を知ること、そして七罪者の全体の動きを把握せねばなるまい。
――彼等とは・・・、少なくとも“彼”とは
目的は違えど、その過程で求めるモノが同じなのだから
宛誄はぼんやりと巾着に仕舞った紅布の神器、蜂比礼に思いを巡らせる。
(・・・結果的に手に入れることができたとはいえ、あの時は何一つ想定通りにいかなかった)
(まだまだ僕は詰めが甘く、そして弱い。もう少し身の振り方について考えねばなるまい)
背負った段平を少し撫でながら考えをめぐらせる。
そして宛誄の前に現れる・・・邪悪で強大な妖気。
自分との間にある、単純かつ膨大な力の差。
「・・・お待ちしていました」
宛誄はその妖気に少し頬を引き攣らせながら、ペコリとお辞儀をした。
「」
170
:
宛誄
:2011/08/27(土) 23:18:13 ID:tElbSrz.
//修正
晩秋の涼風が吹き抜ける墓地にて、宛誄は呆然と立ち尽くしている。
普段から自由に動き回る七罪者と会合することは至難なのである。
まさか携帯電話で連絡を取るわけにもいくまい。
信用されている、いないに関わらず連絡を取り合うこと自体が困難なのである。
事実、宛誄が七罪者と実際に面と向かったことがあるのは、あの夜の青行燈だけの一度きりであった。
もっとも、七罪者自体はそれでも不便は無いようである。
彼等の“黒い絆”をもってすれば無縁の悩みなのだろうが。
今回は奪った蜂比礼をエサにようやく約束が取り付けられた。
今日は最低でも連絡先を知ること、そして七罪者の全体の動きを把握せねばなるまい。
――彼等とは・・・、少なくとも“彼”とは
目的は違えど、その過程で求めるモノが同じなのだから
宛誄はぼんやりと巾着に仕舞った紅布の神器、蜂比礼に思いを巡らせる。
(・・・結果的に手に入れることができたとはいえ、あの時は何一つ想定通りにいかなかった)
(まだまだ僕は詰めが甘く、そして弱い。もう少し身の振り方について考えねばなるまい)
背負った段平を少し撫でながら考えをめぐらせる。
そして宛誄の前に現れる・・・邪悪で強大な妖気。
自分との間にある、単純かつ膨大な力の差。
「・・・お待ちしていました」
宛誄はその妖気に少し頬を引き攣らせながら、ペコリとお辞儀をした。
171
:
桔梗
:2011/08/27(土) 23:20:14 ID:c1.PBF/s
>>169
「そう畏まらないで欲しい
《私》は貴方の動きを一つ一つ見てる。故に貴方が私達に会いたいみたいだから来ただけ」
そう歩いてくるはいかにも普通な女子高生。
しかし…彼女は七罪者の一人――《嫉妬》の大罪を背負う《悪魔》
――桔梗――
「まずはお久しぶり……と言ってもアナタ…いえアナタ達は返事しないわね」
宛誄に言ったわけではなく……それは《あるもの》に言っていた。
172
:
宛誄
:2011/08/27(土) 23:34:10 ID:tElbSrz.
>>171
「はじめましてですね」
いきなりそう来るか、と。
いきなりの神器目当て発言に少しムスッとする宛誄。
しかし小さく彼女が漏らした一言に、
この未熟な邪神はつい感情を漏らしてしまった。
「・・・まるで千里眼でもお持ちのような言い方ですね」
この高飛車な言葉、全てを見通される劣等感。
なにより・・・感情を見せぬこの態度。
窮奇が、紫狂が最も嫌うものだった。
「じゃあなぜ仲間の窮地に駆け寄ってやらなかったんだ」
かつて夜行集団、そして丑三が見せた。
仲間の心情や死への・・・“割り切った考え方”だった。
173
:
桔梗
:2011/08/27(土) 23:46:41 ID:c1.PBF/s
>>172
「それが《彼等》の望みだからよ………」
何故助けなかったっというその言葉に、一瞬暗い表情をするが、また表情を元に戻す。
「千里眼というのも違うわ。何故なら私の身体が《奥津鏡》であるからね」
そして彼に近づき
「助けたくっても助けない選択はアナタには理解できないでしょう……けど、理解はするな。それは後戻りもできない私達の悲願だから。
だからアナタは私達に仲間意識を持たないほうがいい。ただ悲しむだけだから」
そう顔を近づけそう言う。
174
:
宛誄
:2011/08/28(日) 00:10:36 ID:tElbSrz.
>>173
「・・・ふざけるなよ、お前」
あまりにも予想外な答えに、
宛誄は我を忘れ近づいてきた桔梗の胸倉を掴む。
「僕が知っている中でも七罪者は二人死んだ。
おまけに奴は・・・、青行燈はまるで計算通りとでも言いたげだった。
なんで平然としていられるんだ・・・なんでそんなに冷静でいられるんだ・・・!」
勘違いしていた。
七罪者はもっと一枚岩の・・・『悪い』者同士が依り合っている組織かと思っていた。
逆心の断片である触手が宛誄に朧気に伝える、桔梗の割り切った感情。
考察の域を出ないが・・・自らの贖罪たる死を迎え入れようとする集団。
その罪の為に暴れ、奪い合い、予定調和の終りを迎える。故に自ら名乗る“罪人”の銘・・・。
「・・・ごめんなさい、何も知らない新入りが話をややこしくしました」
そうだ、こんな訳のわからぬ諍いを起こしたかったわけじゃない。
宛誄は一息をつき、ポツリと語りだす。
「僕は七罪者の一人が回収できなかった蜂比礼を混乱に乗じて回収しました。
ここで一つお聞きしたいのですが・・・これらは一体何に使うおつもりですか?」
「もし森で破れた七罪者が猿神さんのように十種神宝を所持していたのなら、
やはり回収すべきモノが一つ増えたことになる。結果として収支はゼロです」
175
:
桔梗
:2011/08/28(日) 00:34:47 ID:c1.PBF/s
>>174
胸倉を掴まれながらも表情を変えない、《悪魔》。いや……実際は叫び言い返したいだろう。仲間の死を悲しみたいだろう。止めたいだろう。
しかし、それはできない。何故ならコレは《罰》であり《復讐》だから……
「……言ったでしょ?理解はするなって…
けどコレだけは言っておくわ。《七罪者》は自分達への《罰》を望み、《この國》に《復讐》をする《罪人達》の集まりだと」
静かにそう言い、彼の頭を撫でようとする。
だからコチラには踏み込むなと言いたげな目で……
「そうね。一応アナタにも言っておくわ
この《争奪戦》は《大罪》による《結界》を完成させる事が目的であり、《十種神宝》を奪う事が目的ではないの。
どちらが奪おうが最終的に十種神宝が全て一カ所に集まれば問題はないの
だから……今見つかってない《十種神宝》が全て見つかったとき、恐らく《正義感の強い連中》はとある喫茶店に集まってる。だから私達は残りを持ってそちらへ出向く」
そこを利用し《十種神宝の真の力》を解放させると……いう訳だろう。
176
:
宛誄
:2011/08/28(日) 00:53:51 ID:tElbSrz.
>>175
「そうですか・・・」
宛誄は今だ納得できないような、申し訳無さそうな・・・。
複雑な表情で歳相応のように頭をなでられる。
「成る程、結果的に全てを一箇所に集めることができれば良い・・・と」
しかし、と。
紫濁の光を放つ両眼が桔梗の眼を睨み返した。
「だがやはり納得はできません。
それはどういう形であれ、“鏡自身”である貴女が、
他の七罪者を破った者に包囲されることを意味します」
その濁った共感してしまいそうな、肩まで浸かりたくなるような。
どこまでも生温く、粘り気を持った悪意。
「・・・非常に不愉快ですね。えぇ不愉快です。
『良い』奴が集団で『悪い』奴をボッコボコにカッコよくやっつける茶番劇。
紫狂としてこんなに台無しにしてしまいたい舞台はそうそう無い」
宛誄はギラギラと鋭い眼を光らせる。
窮奇とはまた違った・・・弱く、温く、浅ましい悪意。
「では蜂比礼はまだ僕に預けさせていただきますよ」
つまるところ、それまで十種神宝は好きに使っても良いということ。
宛誄は小さく「ありがとうございました」、と呟いて桔梗に背を向けた。
177
:
桔梗
:2011/08/28(日) 01:02:10 ID:c1.PBF/s
>>176
「壊させないわよ。このシナリオは
もっとも…《最期は悪が笑う》つもりよ」ニヤッ
そう不気味に笑い、撫でるのをやめる。
「ええ。構わない。それに…《その子》はアナタを気に入ってるみたいだし」
そして去り行く宛誄にそう言うと、闇へと消えていった。
/お疲れ様でしたー
/絡みありがとうございます
178
:
宛誄&蜂比礼
:2011/10/17(月) 23:33:33 ID:tElbSrz.
本スレ
>>34
「白々しいですね」
少し笑うと段平を下ろし、零の方へと歩み寄っていく。
「貴方と特に接点も親しさもない僕が。
最後に会った時と同じ場所、最後に会った時と同じ状況で貴方を待っていた。
同じ目的であることは容易に想像がつくでしょう?」
蜂比礼はゴクリと生唾を飲み、
宛誄の影にコソコソと隠れながらも事の顛末を見届けようとしていた。
「道返玉を渡してください、やはり貴方にそれを持っていて欲しくはない」
手を伸ばせば届くほどに。
零のすぐ目の前へと、宛誄は歩み寄っていた。
「今度は誤魔化したり逃げたりしないでくださいよ」
179
:
零&黒龍
:2011/10/17(月) 23:44:07 ID:HbHPxpxY
>178
「君は、本当にこの道返玉を使って正しい道を突き進める?
私、想ったんだ。もしかしたら、君はいい活躍をしてくれるんじゃないかなって。」
首飾りとして付けていた、道返玉を取り出す。
美しい球体のそれを一撫ですると、再び零は彼を見た。
「・・・・・・ねぇ、賭けをしない?」
180
:
宛誄&蜂比礼
:2011/10/17(月) 23:53:40 ID:tElbSrz.
>>179
向かい合う二人。
小柄な零は、年下の姿をした宛誄とそう背丈は違わなかった。
まっすぐに認める視線がぶつかりあう。
「正しい道、いい活躍・・・ね」
少し眼を閉じ、ポツリと呟く。
やはり正しいだとか、『良い』だの『悪い』だの言い出すのか。
「賭け? いいですよ、乗りましょう」
その瞳には紫濁の光は欠片もなく。
ただ闇よりも黒く、純粋な光があった。
181
:
零
:2011/10/18(火) 06:46:36 ID:HbHPxpxY
>>180
「うん、じゃあ内容ね。私はあてるんを信じて、この道返玉を渡すよ。
そのかわり、死人は出させないこと。」
『は!?零、おま「大丈夫、あてるん君がここまで言いに来てくれるんだからきっと大丈夫。」』
宛誄の手を掴み、道返玉を握らせる。
彼の肌の感触がやんわりくるように、零もやんわりと少し落ち着いた様子だった。
「はっち、あてるん君に任せてもいいかな?」
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