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避難所Ⅱ
1
:
名無しさん
:2011/05/01(日) 01:37:56 ID:???
・パー速が落ちた時はパー速の組が「避難所」スレを優先的に使用する。
・板内でロールする組はこの「避難所Ⅱ」を優先的に使うことにする。
・それでも足りない時は「イベント優先スレ」を柔軟に使い分けてください。
233
:
宛誄&蜂比礼/出口町 入江
:2011/11/23(水) 17:37:49 ID:tElbSrz.
>>232
「・・・そうですか」
『あーもー! 相変わらずゴチャゴチャうるさいし!』
なにか思う宛誄の横で、じれったそうに蜂比礼が地団駄を踏む。
「それではいざ参りましょう、琴葉さんの眠りを覚ましに」
『善は急げだし!!』
血を流して地面に座る夕を掴んでひっ立たせ、
息つく間もなく、そのまま連れて行こうとする。
----------------------------------------------------------
「七罪者・・・?」
突如現れた女性、青行燈とは知り合いのようだが・・・。
状況も人物も把握できないまま、札をあてがわれ空間が転移する。
「!!」
転移したその場所は、見知らぬ神社だった。
出口町はぼんやりとその場に立ち尽くすが、やがてハッと我に返る。
「あの・・・ありがとう、ございました」
若干不服ではあるが、出口町は突如現れた女性に礼を言う。
あのまま戦えば最善でも刺し違える形になっていただろう。
やはりまだ命は惜しかった。
まだ彼等を、残してはいきたくなかった。
234
:
田中 夕/アリサ
:2011/11/23(水) 22:53:25 ID:c1.PBF/s
>>233
「うなぁぁあ!!!ちょっ!!まっ!!傷がぁぁぁあ!!開くぅぅう!!ぎゃぁぁぁああああ!!!!!」
こんな時に不幸スキル発動!!
宛誄が掴んでひったたせられ、体中に痛みが走るが
そんなのお構いなしに、病院へと連れてかれる。
病院についたら重傷人と間違えられる可能性もあるくらいに血まみれに……
「えっと…俺このまま入れと?」
病院入口前までついて血まみれのまま二人に聞く。
―――――――――――――
「どういたしまして♪
正直余計なお世話と言われたらどうしようかと思ったわ
アレと今戦ったら多分貴女も私も負けてた可能性が高かったのよ」
やんわりと微笑みながら、彼女の方を見る。
「一応自己紹介♪私はアリサって言うわぁ。元・アイツの仲間。貴女は?」
235
:
宛誄&蜂比礼/出口町 入江
:2011/11/24(木) 23:34:28 ID:tElbSrz.
>>234
『何? お風呂にでも入りたいのかし!』
「・・・」
蜂比礼、はっきりしない態度に若干イラついている。
宛誄は見かねてか、1つ提案。
「2時間後、ここで待ちます。
4年ぶりの再会ならば身なりぐらいキチンとしてきてください」
『えー、待つのー!?』
その時間帯ならば既に深夜であろう。
どうやら宛誄は病院に忍び込むのもやぶさかでない様である。
------------------------------------------------------------
「出口町 入江、紫狂の首領」
ああ、この名を人に名乗るのは何度目だろうか。
由来も由緒もない、遊び半分で逆神につけられた、それでも大切な名前。
「・・・アイツについて、知っていることを聞かせてください」
出口町の目に再び光が燈った。
「アイツは今日も私の弟や妹を作り出しては棄てている。
アイツの喉笛は私が掻き切らなければならないと思うんです」
静かに、しかし激情を込めて。
出口町はそう言い切った。
//この辺で〆でいいですか?
236
:
田中 夕/アリサ
:2011/11/25(金) 00:07:30 ID:c1.PBF/s
>>235
「うぅ……君の言葉キツイよ」
ハッチーの態度にちょっと落ち込む田中。
そして、宛誄の提案に頷き。
「わかった……ちゃんと止血して戻ってくる!だから待ってて」
真剣な表情で、そう言った。
そして、宛誄が承諾したら彼は一回家に帰るだろう。
――――――――――――――
「そうね……
私はアイツにそそのかれ、狂って妖怪になった存在よ。噂や怪異とは違う《話》に《引き込まれた》
それ以来アイツの仲間になった。ちょうど空席だった七罪者の一人としてね」
静かにそう語り、少し悲しそうに話す。昔話を。
メタだが、詳しくはソロールスレの『とある昔話《村を救った巫女の話》』を参考に
「私もアイツの事は詳しくないわ…
ただ…私は利用された事。
アイツの中に《大禍津日神》がいて、大禍津日神はこの國に復讐をしようとして、七罪者たちも國に怨みを持ち自分たちの命を引き換えに大禍津日の復讐を成功させようとしてる事…
そして青行燈は大禍津日や七罪者たちを利用して全てを絶望と不幸に包まれた終わりの物語を永遠に続かせようとしてるのよ」
ふぅ……と息をはき、空を見上げそう語った顔は何処か虚しそうだった。
「もう少し詳しく聞きたかったら、この辺りに来なさい。多分私はいると思うわ」クスクス
そう言うと彼女はフワリと風に掻き消されるように消えていった。
/そうですね。長い間お付き合いさせてスイマセン…
/絡みありがとうございます!お疲れ様でした!
237
:
東雲 犬御
:2011/12/10(土) 12:18:47 ID:/AfNAO.Q
本スレ
>>534
奇襲が成功したことに喜ぶ暇もなく、避けることの適わなかった金扇が狼の鼻を叩く。
強い香りが痛みと共に強烈に東雲の嗅覚をいたぶった。
「う゛ぐっ」
鈍い声を上げ、地面に着地した狼は足を折る。
このままでは、まずい。
ただでさえ薬の影響があるというのに、この香が展開された時点で、東雲の不利は決定的なものになった。
香をどうにかしようと風を降るっても、おそらくは先程の二の舞だろう。
(どうする……)
東雲の中で膨れ上がる、苛立ちと怒り。
それと同時に、沸々と沸き上がるものがあった。
彼の怒りを引き金に、彼の潜在能力から引き出されるもの。
「……、ッ?」
そして東雲は、その片鱗に気が付いた。
鹿南から見れば、東雲はその場から動いていないままだ。
彼の妖力が、最初に対して上がりはじめているのに気付くかもしれないが。
238
:
鹿南
:2011/12/10(土) 12:51:13 ID:3FBgi9l6
>>237
敢えて動かなかったのは、今この時のため。
狼が一時的に動けなくなるのは、金扇で鼻を一撃した時に判っていた。
嗅覚の鋭い狼へこの一撃は、きつい香りをその脳髄まで叩き込むこととなる。
少女は屋上の高さ60cmのその縁に素早く駆け寄ると、そこに立った。
駆けた跡には血の滴りが残る。
下の植栽へ飛び降りる障害になりそうなものは、こちら側の壁面にはない。
「鬼さんこちら、手のなるほうへ」
一見危なっかしい足場に立ち、引き裂かれた袖から白い肌を晒して、
片目の少女は金扇をひらひらと振りながら狼を誘った。
肩と背中の傷からの血の匂いは金扇からの香りとまじりあい、狼の嗅覚を挑発する。
狼が行動に出るのと、子供だましの幻による幻惑が始まるのは、ほぼ同時だった。
239
:
東雲 犬御
:2011/12/11(日) 00:09:28 ID:???
>>238
狼はふらつく巨躯を持ち上げ、よろりとしながらも起き上がった。
嗅覚に与えられる強烈な刺激に、視界もちかちかと瞬いている。
「ぐっ……、舐めやがって……!!」
縁に駆けあがった少女の挑発的な態度に、東雲は牙を剥き出しにする。
動かなければ甚振られるだけだ。
狼は地面を蹴ると、誘うように金扇を振る少女に向かって駆け出した。
「喰らえッ!」
振るったのは、二つの鎌鼬。
左右を囲むように、危険な足場に立つ少女に向かって飛ばされる。
鎌鼬は東雲の狙った通り、真っ直ぐ少女に向かうはずだ。――その視覚に、何もされていなければ、だが。
240
:
鹿南
:2011/12/11(日) 00:52:53 ID:3FBgi9l6
>>239
「いないいない、ばぁ」
金扇で一度顔を隠し、再び扇面を翻して見せた鹿南は、
狼の知る今の鹿南に最も良く似た人物に自分が見えるように幻術をかけた。
今の鹿南は人間で言えば12歳ほどの少女の姿である。
そしてそのからかう行動は、一時的に鹿南自身の視界を塞ぐことにもなる。
鹿南は迫ってきた鎌鼬をきわどいところで飛び避けようと爪先立ちで舞うように回転し、
背中から落ちていった。
……もちろん、狼の見るのは「誰か」の落ち行く姿なのだが。
241
:
東雲 犬御
:2011/12/11(日) 07:04:27 ID:/AfNAO.Q
>>240
「舐めるな!!」
鎌鼬は避けられた。しかしそれは想定内だ。
いたずらげな高い笑い声に頭が痛い。
その声だけを追い掛け、東雲は真っ直ぐに駆ける。
既に幻惑の中だとは思いもしないまま。
だが、
「……?」
――何か、おかしい。
東雲は心中そんな違和感を覚えながらも、駆け出した勢いのまま、縁に前脚を掛けた。
誰もいないはずの地面を、ぐいっと覗き込む。
東雲は気が付かなかった――この場に溢れる強い香りがなければ、恐らくは気付いていただろうことに。
落ちていった鹿南には、血のニオイがなかったのだ。
地面を覗き込んだ東雲は、いずれそれに気付くだろう。
しかしその間に、東雲は敵に背中を見せるという致命的なミスをおかすことになる。
242
:
鹿南
:2011/12/11(日) 12:48:10 ID:3FBgi9l6
>>241
鹿南は一歩横に飛びのいただけで、まだ縁に立っていた。
幻惑によりその顔は、別の狼の知る「誰か」に見えるよう、その目鼻立ちの詳細はぼかしてある。
目の前には建物の下を覗き込む狼の頭。
鹿南の化けた「誰か」はその竹を削いだ様な耳先をちょん、と指先で摘んでみる。
この後少女は狼の首にしっかりと腕を回し、垂直な壁面を駆け下りるようにして
一緒に下まで飛び降りるつもりなのだが、その前に悪戯してみたくなったのだ。
(吃驚した間抜けな顔くらいは拝んでやらなくちゃ、この傷の割りに合わないわよ、狼!)
狼が振向けばそこには良く知る「誰か」の顔がある。
鹿南の化けた、12歳の少女の外見に最も近い「誰か」である。
もっともそれは、壁面を降りる頃には消えてしまう幻ではあるのだが。
243
:
東雲 犬御
:2011/12/11(日) 16:46:28 ID:/AfNAO.Q
>>242
建物の下を覗き込んでいた東雲は、ついに異変に気が付く。
少女に付着しているはずの血のニオイが、近くにあることに。
まさか、と東雲がある予想をするのと、耳を摘まれるのは、ほぼ同時の出来事だった。
「!?」
既に術中にある東雲は、耳を摘まれて大きく目を見開いた。
大慌てで背後を振り向くと、そこには先程落ちていったはずの少女が立っていた。
(やっぱり幻術か……フザケやがって……!!)
幻術など、東雲が一番嫌いそうな手だ。
おちょくられたあげく、間抜け面をおめおめと晒してしまったことで、東雲の怒りのボルテージは一気に上昇した。
妖力を増した鋭い鎌鼬が、東雲の爪撃のリーチを広げる。
とはいえ術中にある今、闇雲に攻撃することはあまりに危険だ。
しかし立ち止まっていれば、それこそ絶好の的でしかない。
東雲は、使い物にならない目を腹立たしそうに閉じた。
嗅覚、視覚を奪われたこの状況を打破するには……。
「――!!」
まただ。この感覚。
さっきから、感情が昂ぶれば昂ぶるほど、力が湧き出てくる感覚――。
嗅覚、視覚を封鎖したことで、東雲は、自身の妖力が怒りによって上昇することに、ようやっと気が付こうとしていた。
(……だが、だとしたら、分かりやすい能力だ。俺が俺自身の怒りをコントロールできれば……)
――と、考えている間に。
東雲の首に、少女の腕が絡み付いた。
「!!」
244
:
鹿南
:2011/12/11(日) 18:49:52 ID:3FBgi9l6
>>243
狼の驚きの表情を間近に見、さらに目を瞑ったその隙をついて
少女は狼の首を抱えるように抱くと、ぐいと一歩虚空へ踏み出した。
狼を道連れに、飛ぶのではなく、壁面を駆けるように垂直に降りてゆく。
「そぉれっ!」
真下にはかつて芝生であったろう枯れ草の生い茂る地面。
地上では上と違って麝香の匂いはさほど濃くはなく、幻惑の効果も消えるはずだ。
そして鹿南が地に足をつけておらず、また少女の姿であるために、
落ちるまでの間に狼がその細い腕を振り解くことは容易いだろう。
しかし、チャンスは一瞬であると同時に、上手く着地できなければ怪我の可能性もある。
(足が地に付いたら、反撃開始よ)
そして、この団地には少ないが住人は居る。
先ほどの竜巻をいぶかしんで出てくる者が居ないとも限らないのだ。
地上ではどの程度戦えるだろうか。
245
:
東雲 犬御
:2011/12/11(日) 21:41:12 ID:/AfNAO.Q
>>244
初め、幻覚の所為もあり何が起こったのか分からなかったが、風を切る頬の感覚で目が覚めた。
落下している。壁ぎわに、垂直に、少女に首を抱えられながら。
「ぐっ……クソッ、離しやがれ!」
東雲は腕の中で人間の姿に変わると、少女を突き放した。
自由落下する体を、危うい所で風術によって支え、東雲は四肢で地面に着地した。
くん、と鼻を聞かせる。場所が変わったことで、香りによる幻覚作用がなくなったことにはすぐ気が付いた。
地面に着地すると、ぎりり、と牙を噛みしめ、目の前の少女を睨み付ける。
せっかく見付けた撃破の糸口。しかし、少し準備が必要だ。
周囲に感じる人の気配。そう長くはいれないだろう。
(――一発で決めてやる!)
246
:
鹿南
:2011/12/11(日) 22:00:57 ID:3FBgi9l6
>>245
あっさりと突き放され、少女は大男から少し離れた場所に飛び降りる。
着地で丸めた背中がぐん、と膨らむと、そこには派手な着物を着崩し、
金扇を咥えた中背の片目の男が肩膝を突いていた。
「あんまり派手にやらかすのは無理そうね」
人の気配を感じて、鹿南も低く呟く。そして、顔の横で掲げた金扇をさっと開く。
そのあからさまな動作は、フェイントである。
風の技を繰り出すと見せかけて、肩に傷ついていない側の拳が
大男の顔を狙った。
大地に足がついている今、鹿南の拳は岩をも砕く一撃。
掠ったとしても、顔の骨くらいは簡単に折れてしまう。
247
:
鹿南
:2011/12/11(日) 22:02:26 ID:3FBgi9l6
//訂正 ×肩膝→○片膝 です
248
:
東雲 犬御
:2011/12/11(日) 23:41:56 ID:/AfNAO.Q
>>246
「はッ、まだ前の姿のほうが可愛げがあるぜ」
(来るか……)
東雲にとって一番やっかいなのは、またあの香りを展開されること。
よって金扇を広げた鹿南に対し、風による攻撃を真っ先に予測したのは当然のことだろう。
しかし、その予測に反して、東雲をねらったのは鹿南の拳であった。
ばきり、と鈍い音がする。それは一瞬の間の出来事。
「!! ……」
大きく体を吹っ飛ばされた東雲は、受け身もとれないまま地面に投げ出された。
数秒間、東雲は気を失っているかのように全く動かない。それも当然だろう、あの拳を顔面に食らったのだから。
しかし鹿南の拳には、妙な手応えがあったかもしれない。
――ぴく、と、東雲の指が動いた。
「ッ痛ェな……!!」
のそり、と起き上がった男の鼻は、変な方向にまがり赤黒い血をどくどくと流していた。
しかし鹿南の拳を顔面に浴びて、これだけで済んだのは幸運といえる――障壁を張ってなければ一発KOだっただろう。
今回も彼の力に助けられることになった訳だ。
(まだだ、溜め込め……)
鹿南のフェイント攻撃にまんまと騙されたのは屈辱的だったが、今の東雲には好機でもあった。
(我を忘れる程の激情を、冷静にコントロールするんだ――)
「やってくれたなァ……うらァァッ!!」
鼻が折れたことで、嗅覚は効かなくなったが、逆に香りによる幻術は気にする必要がなくなった。
東雲は最初よりも攻撃力と巨大さを増した、鎌鼬の爪を、鹿南に向け振りかざす。
何も考えていない大振りのその動作は、鹿南には簡単に避けれるだろう。
これではまるで、わざわざ攻撃を受けにきているようなものだ。
249
:
鹿南
:2011/12/11(日) 23:59:58 ID:3FBgi9l6
>>248
拳は確かに狼の顔に当たったはずなのだが、
顔をではなく、何か別のもっと硬いものの手ごたえがあった。
不審に思って己の拳を見れば、白くすりむいたような跡がうっすらとある。
(攻撃耐性はあちらのほうが上ね。毛皮以外の防御があるわけか)
狼が人間でも獣の姿でも風を操れるのに対し、鹿南は人の姿でなければ金扇を扱えない。
(まったく狼ってば癪にさわるのよねっ)
八つ当たり気味に腹を立てながら、金扇をたたむと鹿南は鎌鼬の風刃を地に伏せてかわす。
その姿は地に伏せたままで、大角を持つ牡鹿となった。
250
:
東雲 犬御
:2011/12/12(月) 08:04:27 ID:/AfNAO.Q
>>249
「!!」
目の前に現れた牡鹿に、ぞっと肌を粟立たせた東雲は、思わず距離を取った。
胸にある二つの大きな傷痕が、ずくりと疼く。
攻撃を終えたばかりで、連続して動けない状況の東雲は、少し離れた位置から牡鹿を睨む。
(あの角を喰らうのはヤベェ)
そう考える反面、何を怖気付いてる、と東雲は頭を降った。
――あの角を見て思い出せ。あの時の痛みを、怒りを、悔しさを!
(もう、すぐだ……!! 恐らくあと一発!)
準備が完了するまで、あと一発。
あと一発――敵の攻撃を食らえばいい。
しかし敵は牡鹿の角を持っている。まともに食らえば、さっきのような幸運が二度続くとは限らない。
(だが、やるしかねェ!)
東雲は狼の姿になると、覚悟を決めたように、牡鹿と真っ向から対峙した。
251
:
鹿南
:2011/12/12(月) 18:19:49 ID:3FBgi9l6
>>250
「ふううぅっ」
牡鹿の鼻孔から荒い息がふきだされた。
ゆっくりと土の絡み上ってゆく前足を立てて、その身体が起き上がる。
立ち上がってみればその大きさは狼を威圧するに十分であり、
毛皮の下には張り詰めた熱い筋肉が、その力を解放する時を待っている。
下げたままの頭の、狼を見つめるその片目は明らかに「獲物」を狙う目であった。
(一頭で戦う狼は、屠り易いのよ)
這い上がる土が牡鹿の膝までを泥化粧したとき、牡鹿は狼へと駆け出した。
その低く下げられた広がった角が、掬い上げるように、狼の頭から肩までを
広く突き上げようと迫る。
(掬い上げて、放り投げて、踏み砕く―――、一瞬で)
鹿にあるのは感情的な攻撃性ではなく、もっとずっと冷徹で残酷な、狼と言う種への駆除の意思。
恨みでも憎しみでもなく己が種族の存続のため、天敵への徹底した殺害がその目的であった。
252
:
東雲 犬御
:2011/12/12(月) 21:46:54 ID:/AfNAO.Q
>>251
ぬうっ、と立ち上がった牡鹿を見た東雲は、ある種の畏怖すらを感じた。
東雲は力こそあれど、経験の浅い若い狼。
牡鹿を見る目は、いつかの天逆毎を見た時の目と少し似ていた。
種に対する敵を排除する、という目的を持った冷たい瞳が迫り来る。
あと一発――当たるつもりで、ギリギリの所をかわす算段であったが、その威圧感とスピードに、東雲は僅かに遅れを取った。
気付いた時には、大男の体は宙へと浮かんでいた。
(狩られる)
頭を潰された自身の姿が脳裏に浮かんだ時、東雲の背筋は凍った。
と、同時に、その凍りを溶かすような怒りが沸き上がった。
ぎり、と奥歯を噛みしめる。
(狼が、獲物なんぞに狩られて、たまるかよ――!!)
「!!」
その瞬間、体に奔った感覚を、東雲は以前にも体験していた。
波旬と対峙したあの一戦。勝負の最後はほとんど無我夢中だったが、東雲はあの術が顕現した感覚を、今この瞬間思い出した。
怒りによって蓄積された力がついに満ちたのだ。
東雲は、宙に投げ出された不安定な体制を、風の力を使い鹿南へと向けた。
チャンスは僅か。少しでも発動が遅ければ踏み砕かれ、少しでも意識が逸れれば術は暴走し、彼本人をいたぶるだろう。
紅い目をした狼は、全意識を鹿南に集中させる。
「これで終わりだッ、カマ野郎!!」
――『嵐神・怒豪風』!!
轟音と共に、荒々しい嵐風が木々をしならせる。
幾数百の鎌鼬が、狼の周囲に集中する。
その中央に座する東雲の服や頬は、僅かずつ鎌鼬によって切り裂かれているものの、術が暴走することはない。
そして、ついに眼前に迫る鹿南に向けて、東雲は怒れる嵐神を解き放った。
それは百以上の形のない鋭い剣が、一斉にこちらに迫ってくる様子にも例えられる。
ただし意識的に発動したものであるため、波旬との戦いでのものより威力は落ちるが――
それでも、十分な威力は持ち合わせていた。
253
:
鹿南
:2011/12/12(月) 22:28:42 ID:3FBgi9l6
>>252
(彼奴め、飛んだかッ!)
狼を掬い上げた直後、落ちたところをその蹄でつき砕かんとしていた牡鹿は、
風を操って空中で体制を整えつつある狼を、忌々しく思いながらも仕方なく前足を地に付ける。
(――― 来る、何かが)
膨れ上がる獲物の妖気に何か大きな一撃が向かってくることを感じて、
牡鹿の身体に絡み付いていた土は護るかのようにその厚みを増しながら身体を覆い始める。
(これじゃ機敏に動けなくなる、今はとどめをさす好機なのに……でも)
攻撃すべきか、護りを厚くするべきか、その逡巡が隙となった。
そのため、這い上がる土が護りに足るだけの厚みを得る前に豪風が牡鹿を包み、
その一撃目が既に傷ついていた肩を抉る。
風刃に不十分な土の護りが削り落とされ、その金色の毛皮に描かれた土の唐草模様には
赤い血が次々と花を咲かせる。
「終わらせる気は――― 無いわよッ!!」
(生きるためにも、殺すためにも、今は立尽くすべきではない!)
風に阻まれ切りつけられながらも、大男めがけて牡鹿は弾かれたように駆け出した。
天敵目掛けて駆けて、駆け抜けた。
乗用車程度なら軽く凹ませられるその質量と勢いを持って、牡鹿は狼に体当たりを狙ったのだ。
254
:
東雲 犬御
:2011/12/12(月) 23:47:28 ID:/AfNAO.Q
>>253
(――コイツ、止まらねェだとォ!?)
あり得ない。
目を見開いて東雲は愕然した。
幾百以上の剣の雨に、逃げることも避けることもせず、この牡鹿は真っ直ぐ突進してきた。
荒ぶる鋭い嵐風は、牡鹿の体を傷付け、肉を削っているというのに。
鹿南は止まらない。東雲はそれを確信した。
こちらへ向かってくる巨大な牡鹿を避けようとする。
しかし、東雲はその場で膝を折ることになった。
(やべェ……もう、妖力もスタミナも限界だ……)
避けれない。
その先にあるのは、死。
「フザケるなよ……ッ」
ゴッ!!
再び、轟音。
鹿南に向かっていた風が、東雲のもとに戻っていく。
東雲の最後の力を振り絞った、防御であった。
「死んで、たまるか……!!」
厚い風の壁が、東雲と鹿南の間に出来上がる。
だが、牡鹿の体当たりはそれを貫くだろう。
しかし、風の壁により、威力を削ぐことはできるはずだ。
――ドッ!!
鈍い音と共に、東雲の体が吹き飛んだ。
牡鹿の体当たりは狼に直撃し、男の体は強く地面に叩きつけられた。
「ガハッ、ガ、フゥッ、う、ぁ…………」
地面に横たわった東雲は、何度か咳き込むと共に、赤黒い血を吐き出す。
ぶるぶると持ち上げた震える腕は宙を掻き、強く強く、鋭い視線で虚空を睨み付けるた東雲は、ついに意識を失った。
255
:
鹿南
:2011/12/13(火) 00:26:58 ID:3FBgi9l6
>>254
牡鹿は風圧に押されながらも駆け抜けた。
その時、体当たりで吹き飛ぶ狼と同時に、サイレンの音と赤い光とがちらりと目に入ったのだ。
(人間が集まってきたか)
今ここで人に化けたとしても、この傷だらけの身体では誤魔化しきれるか判らない。
そのためこの牡鹿は、いち早くこの場から消えることを優先した。
結果として立ち入り禁止の禁を犯した人間の子供も、この狼も、ともに命拾いすることとなる。
迫り来る緊急車両のサイレンの音と赤い光に紛れて、
走り去る鹿南にも倒れた大男にも、薄れつつある赤い獣面文様の障壁は
その存在を感じさせなかった。
『なんだこれは、竜巻か!?』
「おおい、こっちだこっち、誰か巻き込まれてるぞ!」
救急車で応急処置が施される中で、診療所のIDが大男の持ち物から見つかり、
場所が最も近かったこともあって、東雲犬御は診療所へ救急搬送されることとなった。
//ここで〆ます。描写が拙かったり、長く掛かってしまったり、色々とすみませんでした。
&絡んでもらえて、どうもありがとう御座いました!
256
:
東雲 犬御
:2011/12/13(火) 14:23:41 ID:/AfNAO.Q
>>255
けたたましいサイレンの音と、狭い空間に溢れる濃密な人の気配に、東雲は今にも消えそうな意識を浮上させた。
霞む視界に慌ただしく行き交う人の影。嗅ぎ慣れた薬品のニオイが鼻に付く。
(うるせェ――……)
奴はどこだ。あの牡鹿は……。
しかし体は言うことを聞かず、休息を求めるように、再び意識を沈める。
今回の戦いは、結果として敗北たとはいえ、東雲は戦いの術をまた一つ得たのだった。
――
―
…
その後、東雲が丸二日間、昏々と眠り続けた。
おそらく今までね疲れが貯まっていた所為でもあるだろう。
そして彼が目覚めた時、小鳥遊による「お仕置き」が待っているのは、言うまでもない話である。
//こちらこそ長期間ありがとうございました!!
257
:
モロク&名も無い稲荷神
:2012/03/25(日) 20:50:43 ID:tElbSrz.
「さぁ! イモータルとして私と共に人を導きましょう! 古き時代を取り戻すのです!!」
白い修道女の服を着た少女が小さな神社の子狐に詰め寄っていた。
少女の姿をした妖怪・モロク。
頭には牛のような角が生え、歩くたびに重厚な金属音が響き渡る。
「どうしたのですか? 何を恐れる必要があるのです!? 私達神には人を導くという義務があるのです!」
震えながら子狐は首を振る。
モロクの言うことと、本人の雰囲気は明らかに矛盾していた。
危ない、あまりにも乖離した思考回路がまざまざと感じられる。
小さな神性のささやかな抵抗に、モロクはにっこりとほほ笑んだ。
「そうですか・・・残念です、あなたも時代に流されてしまったのですね・・・」
では、と言うが早いか・・・子狐のいた場所ただの血溜りになっていた。
「あなたの信仰、私に譲りなさい。あなたの分まで私が人を導いて差し上げましょう!」
258
:
ミナクチ
:2012/03/25(日) 21:02:24 ID:3FBgi9l6
>>257
「酷いことをしなさる…」
ぽつり、と少女の背後に呟きが落ちた。
伊勢屋、稲荷に犬の糞。かつてはそう言われたほど多くの稲荷があり、社に使える狐が住んでいた。
しかし
「今はこの社に残された信仰も、殆ど無いに等しいというのに」
子供の姿の水神は静かに血の跡へ歩み寄ると、一滴の涙を零した。
落ちた雫は、血溜まりに赤く溶けてゆく。
259
:
モロク
:2012/03/25(日) 21:14:16 ID:tElbSrz.
>>258
「信仰を集めるには、まず質より数なのですよ! いきなり大きな所を狙ってはいけません!
小さな地盤固めがより集めってこそ、後に国家的な規模を動かせるのです!!」
血溜りは涙が染み込んでも風化が止まらず、
やがて塵となり消えて行った・・・。
――神格殺し
神性に宿る信仰を根こそぎ奪い、存在自体を消失させる。
既にモロクの神性狩りは、かなりの数に及んでいた。
「ふふふ、あなたも中々の信仰を集めておいでですね!
私と一緒に人々を導きましょう!! 恐怖こそが神を形作るのです!
人は地獄に落ちるのが嫌だから善行を積むのです!
首を切られるのが嫌だから罪を犯さないのです!
人は恐怖によって管理され、素晴らしい社会を形作ってきました!
故に我々、恐怖から生まれし妖怪は!! 人を導く義務があるのです!!」
260
:
ミナクチ
:2012/03/25(日) 21:28:42 ID:3FBgi9l6
>>259
「信仰は―――」
ミナクチは言いかけて、言葉を切った。
「―――いえ、私はまだ信仰を集めては居りません。人を導く役割の神ですら無いのです」
ミナクチが担った神性にあるのは素朴な祈りのみ。
人を導いたり畏怖させる力や神性は持っていないのだ。
「あなたが人を導こうとするのなら、それが貴女の役割なのでしょう」
導くのが正の方向でも負の方向でも、この少女が妖怪であるならば「そういうもの」だと、
ミナクチはあるがままに受け止めることにした。
「しかし、ああいう形での神格狩りは……止めては頂けないでしょうか?」
先の子狐へのしうちはやりすぎである、そのやり方だけでも変えさせるのが己のすべき事だと
ミナクチは感じ、そのとおりに行動することを選んだ。
261
:
モロク
:2012/03/25(日) 21:40:44 ID:tElbSrz.
>>260
「未知の力さえあればそれは恐怖に繋がるものなのですよ!
自信を持ってください! あなたの持つその力は人を支配するには十分です!!」
手を組んで朗らかに語りかけるモロク。
ミナクチの語りかけは無駄に終わる。
このモロクは、妖怪は人を支配するための存在だとしか思っていない。
「神は人を導かねばならないのですよ、それが神なのですから!
どうもこの国の方々とは話が合わないですねぇ!」
クスクスクス、と笑いかける。
黒い妖気の渦がモロクの周囲に湧き上がっていた。
【首切り役人・スケアクロウ】!!
黒い渦からギスギスと細い体系の、手足の異様に長い処刑人が現れる。
先の丸い剣を掲げ、目の穴の開いたズタ袋を被ったその姿は生理的な恐怖を引き起こす。
「さぁ、私と一緒に人を導きましょう!
・・・駄目だというなら、あなたの力・信仰、私が役立てて差し上げますよ!
妖怪として! 神として! 本来の役割を果たすためにね!!」
262
:
ミナクチ
:2012/03/25(日) 22:07:13 ID:3FBgi9l6
>>261
「未知の力は確かに恐怖とも繋がりますが、同時に憧れにも繋がりうるのでは?」
恐怖と憧れ、相反するものの入り混じった畏敬の念は、ただの化け物を神格にもする。
「貴女は私よりもずっと、人に近しい存在とお見受けします」
能力が処刑人の姿をとる事から、この少女はおそらく人の中に根ざした存在と見てとれた。
「元々私はただの蛇で、人の子からミナクチの名を得てこの姿となりました。
担う力の性質からも、人を支配したり導く存在にはなれないのです。
もし貴女が何がしかの神性を持つ、或いは持っていた方ならば、貴女の名を教えて頂きたい」
もしも少女が神格であるなら、その性質によってはぶつかり合うこともやむを得まいと、
覚悟を決めて下級の水神は少女にそう名乗った。
263
:
モロク
:2012/03/25(日) 22:27:19 ID:tElbSrz.
>>262
「ふふふ、なかなか素敵な方ですね。あなたはできれば殺したくないものです!」
モロクは両手を広げ、朗らかに語りかける。
修道女の服からバラバラと拷問器具が毀れ落ち、二人の処刑人がモロクの両脇に並び立つ。
「私の今の名はモロク、ルーツの名は〝ファラリスの牡牛″。
古の時代から王の傍らで恐怖によって人を支配した、神そのものです!!」
―処刑器具・ファラリスの牡牛―
古代ギリシアで設計された拷問および処刑のための装置である。
アテナの真鍮鋳物師であったペリロスによって、シチリア島アグリジェントの僭主であったファラリスに献上された。
それにこたえてペリロスはすべて真鍮で雄牛を鋳造し、中を空洞にして脇に扉をつけた。
有罪となったものは、雄牛の中に閉じ込められ、その下で火が焚かれる。
真鍮は黄金色になるまで熱せられ、中の人間を炙り殺す。
牛の頭部は複雑な筒と栓からなっており、断末魔が猛る雄牛のうなり声のような音へと変調されるという。
「恐怖こそが神であり、恐怖による支配こそが人の歴史です!
しかし今、人は神を失い長年続いた支配の歴史は終わってしまおうとしています!
故に! 我々妖怪は失われた神となって! 再び人を支配せねばならないのです!!」
さぁ、話は終わりだとばかりに。
2人の処刑人は小さな水神に向かって剣を振り上げた。
「あなたは恐怖に支配されますか?」
264
:
ミナクチ
:2012/03/25(日) 22:51:27 ID:3FBgi9l6
>>263
「私は恐怖を知っています」
二人の処刑人が振り上げる剣の輝きを、子供の姿の水神はまぶしそうに見上げた。
「そして、恐怖を否定はしません」
恐怖は生き延びるために必要な要素。
恐れを知らぬことは命を落とすことに繋がる。
「かつて貴女の支えた王、現人神が居ない今、人は恐怖を忘れたとお思いですか?
貴女が恐怖であるならば、既に貴女は十分人間を支配している。失われた神などではない」
かつてただの地を這う生き物だった水神は、恐怖を打ち消そうとするのは愚かな行為と理解していた。
打ち消すことは出来なくても、克服することは出来ることも知っていた。
まずこの剣を、モロクの恐怖を正面から受けなければ、それを克服する道もないのだと、
そう悟って、ミナクチはその場から動かずに居た。
(私は水。あるがままに映せれば、それで私の意はこの神へも示せる筈)
265
:
モロク
:2012/03/25(日) 23:03:37 ID:tElbSrz.
>>264
「・・・私達は人を導かねばならないのですよ。
あなたのように否定せず、征服せず、脅そうとせずではやがて存在の意味をなさなくなります」
親指が下へと向けられた。
「さようなら、優しいだけでは神は成り立ちませんよ」
煌めく2本の剣が、ミナクチの居る場所へと振り下ろされた。
266
:
ミナクチ
:2012/03/25(日) 23:54:26 ID:3FBgi9l6
>>265
ざくり、と処刑人の剣が肉と骨を断つ。
血飛沫が白い服を汚し、その赤く彩られた空間から周囲へ、ゆらゆらと幻の風景が広がっていった。
…
……
酷い傷を背に負って尚、子供は走っていた。
衣の袖は真っ赤に濡れて、頬には煤の汚れと涙の跡。
背後の建物は既に火をかけられ、黒煙が立ち上っている。
池のほとりの草むらへ逃げ込むと、子供は荒い息を整えた。
(おいで、こっちへおいで)
池の底からあぶくが一つ、誘う声と共に上がってきた。
はっと顔を上げた子供が見回しても、辺りには誰も居ない。
(おいで、名をくれた礼に匿ってあげる)
いぶかしんでいる間にも、がさがさと騒々しく草むらがかきわけられ、
追っ手の気配が迫ってきた。
(水の中においで)
誘われたためか追われたからか、子供は池へざんぶと飛び込んだ。
……
…
「助かりたい、というあの子供の願いを、まだ神格ではなかった私は叶え損ねたんです」
両の肩に刃を受けて血に汚れた子供は、そう言って修道女に掌を差し出した。
池も燃えた建物も消え、次第に大きく広がる血だまりの中、ただ一人そこに残る子供の頬に
今は煤の汚れは無い。
「私が神格に登る切欠になったのが、これ。このささやかな祈りが私の力の元なのです」
その掌に乗った仄かな蛍火色の光の粒は、幻の見せたあの日の子供の願い。
それは『生きたい』という気持ちであった。
「でも貴女の周りに、同じものは沢山ありますね」
拷問の犠牲者たちのそれなのか、小さな光はモロクの周囲を羽虫の群れのように飛び交っていた。
267
:
モロク
:2012/03/26(月) 00:09:56 ID:tElbSrz.
>>266
「これは・・・」
小さな明かりはモロクの周囲をくるくると回り、
非情の表情を浮かべる旧神の顔を照らす。
「・・・どういうことでしょう?
私には願いなど無いはずなのですが」
処刑人達は止まったまま、事の顛末を眺めている。
「願いから生まれた? あらゆる神は恐怖から生まれたものではないのですか?」
268
:
ミナクチ
:2012/03/26(月) 00:35:28 ID:3FBgi9l6
>>267
「正直、私は貴女が怖い。私よりも遥かに古く、強い力を持つ恐怖の神である貴女に、
元々生き物である私は逆らうことができません」
歯向かったならば、あっけなく消去られるであろう相手を前に、恐怖しないでいることは難しい。
「だから私は私の在り方を示すことでしか、貴女に対抗できませんでした。
貴女は何のために、処刑をしましたか?何のために、支配しようとするのですか?」
目指すところは法か、秩序か、或いは支配者の欲を満たすためなのか。
拷問する目的がそもそも間違っていたことはあるかもしれない。
が、人が人として社会を作るために権力は必要であり、法や秩序を守る手段として
恐怖の利用するのは間違いではないのだ。
「その光はそうですね……貴女にとっては副産物のようなものだと思います。
死んでいった人間たちの恐怖が貴女の力の元となると、死の間際の願いは掬い取られずに
そうやって残るのでしょう。
貴女と比べれば弱すぎる存在で、普段は目にも留まらないことと思いますが」
既に立っていられなくなり、己の血の池の中へ青ざめた水神は膝を付く。
「私は全てを知るものではないので、貴女の問いの答えは判りません。
でも多分、さまざまな成り立ちがあるのだと思います。
現に貴女は恐怖から、私はそれと違うものから生じています。
もっとも私のような、信仰するものの居ない神を神と呼べるのならば、ですが」
一度処刑人の刃を受けたからこそ、力の差はひしひしと感じられ、どうしても恐怖は膨らんでゆく。
そんな自らを勇気付けるように、ミナクチはそっと祈りの光の粒を握り締め、額に浮かぶ汗を拳で拭った。
269
:
モロク
:2012/03/26(月) 00:53:58 ID:tElbSrz.
>>268
「・・・そうなのですか」
モロクはポツリと呟くと、首切り役人を黒い渦の中に沈める。
カチャカチャと不気味な金属音の鳴る修道服を揺らし、
血だまりの中の小さな水神へと歩み寄る。
「私は支配する為に処刑しました、私は従わせる為に拷問しました、
私は強欲な王と秩序の神の為に支配しました」
しかし、と。モロクは顎に手を当てふと呟く。
「私とは違う神々を、あなたのような者達をこの国の者達を。
私と同じ役割とみなすのはいささか強引だったのかもしれません。
・・・少しやり方を変えて、願いを叶える者などに頼らず、
もう一度世界を統べてみようと思います」
モロクはそういうと、自らも黒い渦の中に沈んでいった。
「さようなら、次に会うときはきっと。
民主主義などではない、人が人を支配するというあるべき形に戻して見せますよ」
270
:
ミナクチ
:2012/03/26(月) 01:09:43 ID:3FBgi9l6
>>269
「願わくば、その時には貴女の選んだ権力者が、貴女の副産物であるその願いを
掬い取ることの出来る人物であるように」
ミナクチはモロクが考えを変えてくれたことに胸をなでおろした。
そして、彼女の残した言葉にも、さほどの不安は持たないで見送る。
人の上で人が支配する世界でも、安定した治世を作ることは可能だからだ。
「…お稲荷様。傷が癒えるまで、しばし社をお借しください」
守るもの居なくなった小さな社へ、それでも一言断りを入れると、
身体を引きずった水神は、倒れこむようにして眠りに落ちた。
271
:
白龍
:2013/06/04(火) 20:55:20 ID:0nXiSNBo
山の中にそびえ立つホテル・・・
そこは人々に忘れ去れた廃墟。
『何人殺 したのかな・・・』
廃墟に似合わないイスに腰掛けた女性はぽつんとそこにいた。
悲しげな表情で辺りを見渡す。
272
:
現人
:2013/06/04(火) 21:01:30 ID:rRrCSwK.
>>271
ふむ、
【目が完全に隠れるほど深く帽子を被った青年が歩いてくる】
273
:
白龍
:2013/06/04(火) 21:07:57 ID:0nXiSNBo
>>272
『あなた様は・・・いつしかの・・・。』
困惑の表情、それを現人に向けた。
手首には無数の傷跡も見られた。
『なぜここに・・・』
274
:
現人
:2013/06/04(火) 21:10:23 ID:rRrCSwK.
>>273
ん、いよう
【片手を軽く上げ挨拶】
ただの散歩だ
【廃墟にか?】
275
:
白龍
:2013/06/04(火) 21:15:46 ID:0nXiSNBo
>>274
『散歩・・・ですか。』
はぁ、と溜め息をつく。
内心、この人は読めない、そう悟ったのだろう。
『あまり近寄らない方がいいですよ・・・』
276
:
現人
:2013/06/04(火) 21:20:06 ID:rRrCSwK.
>>275
ん?そりゃまたなんでだ?
【首を傾げ】
277
:
白龍
:2013/06/04(火) 21:27:20 ID:0nXiSNBo
>>276
『それは・・・私が貴方様を・・・・殺 してしまうかもしれないから・・・』
それは彼女の裏の姿、今は安全であるもののいつ裏になるかは分からない。
手首の傷から血が出続けているためか、床が赤く染まり不気味なコントラストを醸し出している。
278
:
現人
:2013/06/04(火) 21:30:55 ID:rRrCSwK.
>>277
そんな簡単に殺される程やわじゃねぇよ
【ニッと爽やかに笑う】
怪我してんのか
つ【薬&包帯】
279
:
白龍
:2013/06/04(火) 21:37:25 ID:0nXiSNBo
>>278
『・・・クスッ、貴方は優しく接してくれるのですね。ありがとうございます・・//』
素直に薬と包帯を受け取り、器用に巻いていく。
・・・どっから包帯!?という疑問は置いておき、紅茶を用意した。
280
:
現人
:2013/06/04(火) 21:40:55 ID:rRrCSwK.
>>279
なに、気にすんな
【無駄にイケメンスマイル】
//眠いざますー
281
:
白龍
:2013/06/04(火) 21:47:46 ID:0nXiSNBo
>>280
『・・・よろしければ、また今度お会いしましょう。』
すっと、血溜まりに消えてしまった。
//了解!絡みありがとうございました!
282
:
現人
:2013/06/04(火) 21:54:31 ID:rRrCSwK.
>>281
ああ、またな
【手を振り見送った】
//お疲れ様でした!
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