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ソロール用スレ
264
:
鹿羽町決戦 3
:2012/04/27(金) 22:22:22 ID:tElbSrz.
「わはははははははははは! 効かぬわぁ!!」
軍用のアサルトライフルの弾丸も、対妖怪用の銀の弾丸も
バックベアードの黒雲のような体を素通りしていく。
「まとめて吹き飛んでしまえーーーーー!!」
大気が変質したかと思った矢先、黒い雪が辺りに降り積もった。
アサルトライフルが火を噴いたとき、その火花に引火し黒い雪は灼熱の熱風と化した。
「クククク・・・、妖怪を誘うはずがニンゲンが来てしまうとは予想外だった!!
だがニンゲンごときにこの我輩がやられるはずないわーーーーーーー!!」
火の海と化した鹿羽町の3番地にて、魔眼の黒雲は高笑いを上げる。
無双の如き強さを誇るアメリカのこの妖怪は高らかに自らの名を名乗った。
「我輩の妖怪としての名は『ハーバー・ボッシュ、オストワルト法』!!
下らぬ自然由来の神などではなく! 西暦以来! 最も多くのニンゲンを多く殺した文明の正体よ!!!」
―ハーバー・ボッシュ、オストワルト法―
大気(水素・窒素)からアンモニアを、アンモニアから硝酸を作り出す化学技術。
これにより人間は、当時希少だった火薬を無尽蔵に作り出すことが可能となり、
19世紀末から20世紀の戦争はそれ以前とは比べ物になら無いほどの犠牲者を出すことになった。
だがこの発明は化学肥料の元でもあり、地球の人間に対するキャパシティを大きく増加させることにもなっている。
もし化学肥料が無ければ60億の人口のほとんどが飢餓状態にあるだろう。
あらゆる意味で西暦上、最も人間の個体数に影響を与えた発明であるといえる。
265
:
失いたくないもの 1/2
:2012/10/31(水) 13:36:52 ID:SmXQZqJk
稲山家――日が暮れてきたころ、十夜の部屋の扉が開く。
『ただいま、十夜。』
妖気の溜まり場で傷を回復し終わった七郎が、稲山家に帰って来たのだ。
「お帰り、七郎。怪我はもう大丈夫なの?」
『ああ、もうこの通りだ。』
七郎は静かに十夜のベッドに腰掛ける。
『ところでよ。十夜。一つ聞くが…』
「何、七郎?」
七郎が真面目な顔で話し始める。
『どうしてあの森に行ったんだ?あの事件のニュースはお前も見ていただろ?』
「う……それは……その……猫が……」
『猫ってお前……まさか、猫があの森に入って行って危ないと思ったから追いかけたってんじゃねぇだろうな……』
「ごめん!その通りなんだ!」
それを聞いて七郎は怒ったような表情になる。
『ったく……どうしてお前は、そういつもいつも』
「ごめん七郎!でも、放っておけなかったんだ……結局、猫はすぐに見つかったんだけど……」
十夜は、その時の様子を話す。ちなみに猫は無事助かったようだ。
266
:
失いたくないもの 2/2
:2012/10/31(水) 13:39:36 ID:???
『それで、お前が迷っちまってあの猿と出くわしたってか?
……十夜、お前自分がどれだけ危険な事をしてたのか、わかってるのかよ!いつも俺が助けに行けるとは限らねえんだぞ!それに助けに行けたとしても、相手に勝てるとは限らねえし、お前を連れて逃げられるとも限らねえんだぞ!今回だって、波洵がいなかったらヤバかっただろう!?』
「七郎……本当にごめんなさい……」
十夜は、目に涙を浮かべながら謝った。
『……まあ、今回は助かったんだ。お前が戻って来てくれて助かったって面もあるしな……
ただ、今度から本当に無茶はするなよ。』
そう言った七郎の顔は、いつもの優しい表情に戻っていた。
「うん……ごめんね七郎。」
『もう、謝んなくていいって。それより、お前そろそろ飯の時間だろ?行って来いよ。あまり遅いと十夜の母さん心配するぞ?』
「あ、そうだった。じゃあ、七郎。また後で」
『ああ。あと、ついでに飯食い終わったらでいいから俺の味噌頼むわ。』
「うん、わかった。」
そうして、十夜は自分の部屋から出て行った。部屋に残った七郎は、腰掛けていたベッドにそのまま寝そべり――
『……本当に無茶はするなよな。相棒を失うってのは辛ぇんだぞ。』
――静かに呟いた。
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