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スーパーロボット大戦 インフィニティジェネレーション 外伝
1
:
はばたき
:2010/10/15(金) 22:49:34 HOST:zaq3d2e54a8.zaq.ne.jp
※この小説は、『スーパーロボット大戦インフィニティジェンレーションの外伝に当たる小説です。
細かい事に関しては、インフィニティジェレーション本編をご覧下さい。
尚、書き込みについては本編参加者のみ受け付けます。
また、基本的にアンソロジースタイルを取り、自由な書き込みを奨励します。
書き込み方については
○EX第壱話『※タイトル』○
という形でお願いします。
途中で切れて日を跨ぐ場合は、タイトルの後ろに(番号)と振っていただければ確認がしやすいかと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
2
:
きつぐ
:2011/02/03(木) 21:51:26 HOST:SSJfi-01p5-245.ppp11.odn.ad.jp
※注意:この話は、スーパーロボット大戦 インフィニティジェネレーションの4話であった“それは別の話”の詳細です。
内容的に、キャラ崩壊、設定崩壊などいろいろと次元崩壊レベルの酷い現象が起こっています。
それでも、「大丈夫だ、問題ない」という方はそのまま↓にお進みください。
ARE YOU READY? YES/NO
○EX第壱話『とある何でも屋が受け継いだモノ』○
―――どうしてこんなことになってしまったのでしょう?
己の抱きしめられた右手を見つめながら、フィーネ・ルーンライトはそんなことをぼんやりと思う。さっきまで縮こまりながら震えていた犯人こと、如月天―――この時点で、彼女は名前を知らないが―――は、人のぬくもりに安心したのか、落ち着いた寝息を立てている。
フィーネ「・・・・・・いい気なものですね」
しかし、それは彼女がこの場から動けないことも意味している。
テン「・・・・・・んん・・・うなぁ・・・」
そして、彼は人の手を抱きこんでいることなどお構い無しに、ゴロゴロと寝返りを打つ始末。その度に、彼女はベッドに引き込まれないように体勢を調整しなければならなかった。現に、最初の1、2回は、調整を失敗し、危うく同衾するか・・・というところだった。恥ずかしいので、すぐに記憶から抹消したが。
フィーネ「むしろ・・・あぅ・・・もう少し・・・痛っ!? 寝相良くしなさい・・・あぁ、もう・・・誰か来てくださいよ・・・」
そんな彼女の願いは、もうすぐ叶えられる。ちょっとした誤解を含んだ形で。
§
いつもの食事と比較して、人数が倍近くに膨れ上がったので、家事担当(自称)を呼んでくるね。という話から、そいつに話を聞きに言ったうちのメンバーが帰ってきていないから、ついでに見に行くわ。と続き、女二人で行って何かあったら事だから、俺が護衛をしよう。いや、他意は無いんだ。女の子に囲まれるのが羨ましいとかじゃな―――うごばらっ!? という会話から、ミヒロ、レミリア、諒の3人は、如月天が割り当てられている部屋の前に辿り着いた。
諒「OHANASHI・・・怖い・・・怖いよぉ・・・」
レミリア「ほら、着いたわよ・・・あれくらいでそんなにならなくてもいいじゃない」
ミヒロ「あはは・・・・・・」
道中、いろいろと表に出せないことがあったが割愛。諒の反応を見れば自ずと、答えは導かれるだろう・・・多分。
レミリア「ほら、さっさと呼んで戻るわよ・・・」
ミヒロ「そうですね・・・入りますよ? テンさん」
ノックもそこそこに、ドアを開ける。そして――――
空気がピシリと音を立てた気がした。
諒「てめぇええええっ!? 何羨ましいことしてやがんだぁあああっ!!!」
諒は、一瞬で現実へと舞い戻り、雄叫びを上げ、
ミヒロ「あ、えと・・・お、お邪魔でした?」
ミヒロは、これでもかと言うほどに赤面し、おずおずと扉から出て行こうとし、
フィーネ「あ、え? ち、違いますよ? 何が間違いなのかわかりませんが・・・決定的にその思考は間違っていることだけは確実ですよ?」
それに釣られるように、フィーネも赤面、
テン「・・・すぅすぅ・・・むにゃ・・・」
そして、そんな状況をお構い無しに彼女の手を握り締めたままのテンの脳天に、
レミリア「何、うちの臨時メンバーに手を出してやがんのよっ!!!」
見事なスマッシュパンチを、レミリアがお見舞いした。
3
:
勇希晶
:2011/02/05(土) 21:47:21 HOST:p4128-ipbfp1303fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp
†Side レミリア†
最初に言っておく。私はかーなーり混乱してる。
下心丸出しの発言をした諒の関節を軽く極めて沈黙させて、食事の準備が出来たとあの覗き魔をミヒロと呼びに行く。
ただそれだけのはずだったんだけど・・・まさかあの二人があそこまで進んでいるとは思ってなかった訳で。
「入りますよ? テンさん」
ミヒロがそう言ってドアを開ける。
何事も無かったかのようにドアは開き、そして・・・
何 故 か フ ィ ー ネ と 覗 き 魔 が 絡 み 合っ て ま し た 。
場面が進む前に言っておくわ。私は今、とんでもないものを体験した。
い、いえ、体験したというよりは、見聞したと言った方が正しいのかしら・・・?
あ、ありのまま今見たことを話すわ・・・。
ドアを開けたら、
『フィーネと覗き魔が“同衾”していた』。
な、何を言ってるかわからないと思うけど、私もすぐに理解はできなかった。
頭が追いついていかなかった・・・。
「天丼ごめん」とか「出会って3日立たずに同衾とかsneg?」とかそんなちゃちなもんじゃ断じてない。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ・・・。
いやまあ、思わずポルナレフ状態になっちゃったけど、同衾って言ってもシーツを間に挟んで並んでるわけだから、厳密には同衾と言えないのかもしれないけど。
というか、最近諒と一緒に寝てないわね、私。いや、別に寂しいってわけじゃないのよ。
諒が誘ってくれたら、喜んで誘いに乗るんだけど。あ、もちろん態度に出すようなヘマはしないわ。いい女っていうのは、そう簡単に内心を表に出さないものよ?
だから、気持ちを出すのは諒が寝てから。諒の胸の中で、そっと「大好き」って呟くの。
……そうしたいんだけど、いつも私が先に寝ちゃうみたいで、実行できたことはないのよね……。
あまり寝顔を見られるのは好きじゃないんだけど……でも、諒ならいくら見られてもいいか、な?
とと、なんだか横道にそれちゃったわね。
しかし、どうしたものかしら。
シーツ越しとはいえ、フィーネの右手を引き込んでる覗き魔。
何の関係もないのなら、こういうことはしないだろうし、それに覗き魔の方はすごく安心した表情をしてる。……小憎たらしい位に幸せそうね、コイツ。
フィーネに至っては、まるで恋人との逢瀬を予想外の人物に見られた時みたいに、ぽかんとした表情してるし。
あ、なんか空気に罅が入る音が聞こえたわ。ピキーンって。私ってニュ○タイプ?
「てめぇええええっ!? 何羨ましいことしてやがんだぁあああっ!!!」
どうやら我に返ったらしく、諒がそんな欲望丸出しの台詞を叫ぶ。……後でもう一回極めときましょうか。
「あ、えと・・・お、お邪魔でした?」
ミヒロはミヒロで、何を想像したのか……は想像に難くないけど、赤面して扉から出て行こうとしてる。
うん、その行動はきっと正しいわ。こんな場面に出くわしたら、誰だってそーする。私だってそーしたい。
フィーネ「あ、え? ち、違いますよ? 何が間違いなのかわかりませんが・・・決定的にその思考は間違っていることだけは確実ですよ?」
それに釣られるように、フィーネも赤面してそう述懐するけれど、そんな状態じゃ説得力皆無よ。ドサイド○にボルテッカ撃つくらい説得力無いわ。
そんな三人を尻目に、
「・・・すぅすぅ・・・むにゃ・・・」
未だ安らかな寝息を立てている覗き魔。もちろん、フィーネの手を抱き込んだまま。
……まあ、うん。とりあえず一発殴っておいた方がいいよね?
出会って間もない人間をナンパしてなおかつ同衾までやろうっていう女誑しは、きっちり躾ないとダメよね?
……オーケイ。「リア充爆発しろ」っていう叫びがどこからか聞こえてきたことだし、ストレス発散も兼ねて一発殴っとこう。うん、決定。
「何、うちの臨時メンバーに手を出してやがんのよっ!!!」
とりあえず覗き魔の脳天に、拳骨を落としてみた。
4
:
きつぐ
:2011/02/08(火) 22:22:09 HOST:SSJfi-01p5-245.ppp11.odn.ad.jp
レミリア「で? 何か申し開きはある?」
“ぷんぷん”という擬音が、リアルに聞こえてきそうなほどに怒りを前面に出しているレミリアの前に、ぼんやりとした焦点の合っていないテンが正座させられている。その様子を、ミヒロとフィーネは少し離れた場所で見つめ、諒は、レミリアの傍に守護騎士のように控えている。
テン「・・・・・・・・・えと」
レミリア「発言するときは、挙手しなさい」
テン「あ、はい」
言われた通りに、挙手をする。すぐさま指を指されるが・・・なぜか、その後が続かない。怪訝な顔をしていると、ミヒロがすすっと、レミリアに近付き耳打ち。
レミリア「・・・はい、如月君」
諒「・・・・・・あぁ、名前がわからなかったのか」
う、うるさいわね、と諒に突っかかっていくレミリアに対し、
テン「なんか、頭痛い」
取り急ぎ、今一番自分が気になることを言ってみた。それに対しては、問い合わせた本人ではなく、
諒「そらそうだろ。寝ぼけてちょっとおちゃめしたお前の脳天に見事なスマッシュパ―――」
傍に控えていた諒が答えようとして、
レミリア「記憶を失えぇっ!!!」
諒「そうやって、都合が悪いことがあると即、物理ダメージに訴えるのはやめ―――ぎゃぁっ!?」
口封じされた。
レミリア「さて、それで・・・なんだったかしら?」
“ぜはーぜはー”と息が荒げている女性を前にして、“はて?”と思う。なんだったと聞かれても自分が聞き返したい。むしろ、今も自分の脳天を蝕み続けている鈍痛について聞いているのに、前触れもなくドツキ夫婦漫才を見せられたのは何故だろう。つか、ミヒロちゃんが壮絶に顔を引きつらせているなぁ・・・どうしよう。
テン「・・・・・・・・・多分、女の子には噛み付かないと思うよ?」
ミヒロ「え?」
レミリア「人を猛獣みたいに言うなっ!!」
“ぎゃおー”と威嚇してくる女性。多分、次の台詞は“たべちゃうぞー”だろう。とと、思考が迷走し始めている。つか、これは――――
レミリア「今、何を考えた?」
テン「・・・・・・・・・・・・ぐぅ」
レミリア「寝てんじゃないわよっ!!!!」
活動限界を迎えたテンに、見事なスマッシュパンチ(二発目)が炸裂した。
ブレス「おう、遅かった・・・・・・どうした? 頭に鏡餅なんぞ乗せて・・・」
ズキズキと痛む脳天の原因は、鏡餅らしい。不思議なこともあるものだ。
テン「俺もよくわからない・・・・・・ところで飯の用意だっけ・・・?」
ブレス「おう、人数が増えたからな・・・手を貸してもらおうかと・・・」
テン「りょーかい・・・ちゃっちゃとやりますか」
ひとつ深呼吸をして、脳天の痛みを脇に置き、目の前の仕事に取り掛かることにした。
手がけた食事は、概ね好評だった。マヨ分が足りないとダダをこねる人はいつものことなので黙殺した。
フィーネ「さて、改めて聞きたいことがあるのですが・・・」
洗い物を終えて戻ってくると同時に、そう切り出される。しかし、目の前の人物に聞かれるようなことには心当たりが無い。なので、素直に聞き返す。
テン「んあ? 聞きたいことって?」
フィーネ「あの機体のこ―――」
レミリア「何、またちょっかい出そうとしてんのよ・・・」
何か重要なことを言われそうになった気がしたが、ジト目のレミリアが割り込んでくる。
テン「や、ちょっかいも何もそっちから話しかけてき―――」
レミリア「しゃらっぷっ!! 初対面の女性をベッドに引き込もうとした癖に」
フィーネ「ですから、それは・・・・・・」
このままでは、話が進まないと判断したフィーネが誤解(?)を解くために説明しようとするが・・・、
カズマ「え? 何々? 何の話?」
トビー「へぇ・・・やるねぇ・・・少年」
諒「しかも、幸せそうな顔してたしなぁ・・・お前」
ことごとく割り込みがかかる。というかこれは・・・、
フィーネ「皆さん、割り込むタイミングを狙っていますよねっ!?」
この後、曲がり角の向こう側に、主だったクルーが連なっているのが発見された。
5
:
飛燕
:2011/02/08(火) 23:00:47 HOST:opt-183-176-116-38.client.pikara.ne.jp
※注意:この話は、スーパーロボット大戦 インフィニティジェネレーション内での出来事ですが、かなり先の出来事かつ、舞台裏的なものです。
内容的に、キャラ崩壊、設定崩壊、口調崩壊、性格崩壊、平常運転なまち針、などいろいろと次元崩壊レベルの酷い現象が起こっています。
それでも、「大丈夫だ、問題ない」という方はそのまま↓にお進みください。
DOTH。
民間組織の1つであり、魔術的(オカルト)、科学的(サイエンス)、テロ鎮圧(ジェノサイド)、何でも御座れの寄せ集め集団。奇人と変人のご一行。常識を不法投棄してる団体。
その技術力や人員は他の組織の頭一つ抜きん出ているとも言われるが、それらを差し引いてもやっぱり変人共、と称されるのは何時ものこと。
地球人同士ですらも口を揃えて「変」と言うのだから、よほどの事なのだろう。
それも、とりわけ目立つのがやはり彼、だろうか。
○ EX第弐話 『カリスト・ホーク・ライムサワーの一日』○
朝の場合。
世界が滅亡しようが、株価が世界的暴落しようが、日本の政治が外国に管理される世の中になろうが、生きていれば空腹を覚えるのが生物である。
当然ながらおなかが空けば、ご飯を食べるのは人間も例外ではない。
だもので、食堂へと続く廊下で食パン談義をするまち針が居ても、なんら不思議ではない。
=戦艦ヒルコ内 〜食堂へと続く廊下〜=
ライムサワー「オラは食パンは”マーガリン派”でも”ジャム派”でもねぇ。カリカリに焼いた食パンの上に半熟のとろっとした目玉焼きを乗せた食パン派だ」
真「ふーん」
ライムサワー「ミヤワザ ハリオ作の『天宙の城 ラピョタ』で出てきた料理なんだけどな。これがまた上手いのなんの。シンプルイズベストって言うだか?単調ながらも、口の中に広がるハーモニーはえも言わせないものがあるだ。モッツァレラチーズとトマト、ご飯に梅干し。それらと肩を並べるほどのものがあるだ」
真「へぇ………で?」
ライムサワー「…………蒼と白のストライプはとても眼福でしたお。オラ、とっても幸せでry」
真「下着を覗いた事を謝れっつってんだよ、このド低脳ォーがっ!!」
ブチ切れた般若とも夜叉とも呼べるそれは雄叫びを上げると、30秒ほど前。地面に落ちてるただのまち針のフリをしてスカートの中を覗いてきた不埒な輩を両手で握り締めると、力いっぱいへし折った。
ライムサワー「い゛ぇ゛ぇ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!?」
へし折り、未だに怒りが収まらない阿修羅とも金剛とも呼べるそれは、
物理的に真っ二つになったそれを壁へ放り投げると巌のような拳で殴りつけた。
それはもう壁にひびが入るやら、クレーターが出来るやらと、見る者を恐怖のズンドコへ叩き落とさんばかりの勢いで。
伊庭《真くん、殴るのは構わんが針だけに被害を留めてくれ。もろ被害の7割ぐらいがこっちに来てる》
真「ふー……ふー……うし、落ち着いた。いや、悪いとは思ってるよ。でも、たかが壁が凹んだ程度で怒らないでもいいじゃないか」
伊庭《キミは血管が他人によって故意にベコベコに凹まされても文句を言わないのかね?》
真「ああ……そいつぁ悪かったよ。うん。すまなかった」
ライムサワー「お、オラへ…の贖罪は無………いや、ナンデモナイデス」
6
:
飛燕
:2011/02/08(火) 23:02:58 HOST:opt-183-176-116-38.client.pikara.ne.jp
昼の場合
世界がごちゃまぜになって混迷を極めようが、1kgの定義が今更変更すべきだと学会が議論しようと、相撲界が八百長してたと今更騒ごうが、生きていれば誰だって汗もかくし、埃で汚れるやもしれない。
だから、人間はそれを嫌って、衣類を着替えたり、或いは、汗を流すために衣類を脱いだりする事だってある。
だもので、着替えるための部屋の中に衣類を作るのに使うまち針が居たって、なんら不思議ではない。
=房総半島 連邦軍・極東基地 女性更衣室=
ライムサワー「オラはカレーライスにはぜったい”福神漬け”を入れる。香辛料、野菜、肉、そしてご飯が織り成す四重奏<カルテット>。そいつは完璧なカルテットだ、崩しようのないカルテットだお。だが!そこに福神漬けが加わる事で、究極の五重奏<クインテッド>になるんだお」
但し、会話内容は食事に関する事だったので、やや的外れではあったが。
レミリア「ふーん……」
ライムサワー「オラは基本的に合唱ってのは好きだ。なになにが得意、この分野は十八番、って奴らが力を合わせた時、それは人に興奮と感動を与えるからだ。椎茸、人参、ゴマ、牛蒡、ご飯が織り成す五目寿司。ネギ、紅生姜、小麦粉、卵、タコが織り成すたこ焼き。そして、ゲッターロボに対するゲッターチーム……」
レミリア「へぇ………で?」
ライムサワー「………黒のソフトブラと濃紫のパンツの組み合わせって意外と魅力的で、オラ眼ぷry」
レミリア「覗いた事を謝れっつてんだよ、このタンカスがぁーっ!!」
ぶち切れた豹とも虎とも呼べるそれは咆哮すると、20秒ほど前。女性更衣室内のロッカーに不法侵入した挙句、ロッカー前に磁石ではりついてるただのまち針のフリした愚かな不埒者をむんずと掴むとロッカーの扉に一旦、挟み込んだ。
直後、渾身のヤクザキックが扉に命中。
ライムサワー「い゛ぇ゛ぇ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!?」
呆気なくへし折れた針先はロッカー内へカツンと落ち、まち先は宙を舞った。
4回転半したところで、ジャキンと何か銃器の安全装置を解除したっぽい音がまち針の耳に届いた。
音のした方へと視線を向けると、満面の笑顔で口角を上げ、怒りの炎で爛々と両目を輝かせた獅子が、9mmパラベラム弾を射出してくれる拳銃を此方に向けていた。
レミリア「Fuck.くたばれ、地獄で懺悔しろ」
ライムサワー「ちょ、そんな大口径(針にとって)をこっちに向けちゃらめぇぇぇ!!」
虚しい銃声が一発、女性更衣室内で木霊した。
あと、何か小汚い陶器がこなみじんに砕けるような音も気がした。
7
:
きつぐ
:2011/02/12(土) 19:05:00 HOST:SSJfi-01p5-245.ppp11.odn.ad.jp
○EX第壱話『とある何でも屋が受け継いだモノ』 その2○
状況分析・・・。左側には、ヴァルストークのキャプテンであるブレスを筆頭に、クルーが並び、それと向かい合う右側には、デンゼルをはじめグローリー・スターの面々、L5戦役を生き抜いたスカーレットことレミリアなど、強者が並ぶ。そして、俺・・・こと、如月天は、俗称お誕生日席と呼ばれる机の短辺側のひとり席に着席させられて・・・。
テン「・・・・・・これ、なんて異端審問? もしくは、軍法会議?」
アクセル「いや、お前がやったことを考えれば・・・あながち間違いじゃないだろ・・・これがな」
いや、わかっていますけどね・・・軍の試作機を盗み見た挙句、ちゃっかり生き残っていたのだから。
デンゼル「まぁ、そのことについては、キャプテン・ブレスと話がついているがな。既にここにいる面子には、戦闘の様子を見られてしまっていることもあるしな」
テン「わーい、お咎めなしだー」
トビー「おいおい、調子のいい奴だな」
それが取り得だからなー。と、ニコニコ顔で答えるテン。それに対して、データ化した分は全部提出してもらう。という言葉を、デンゼルから聞かされ、即行で机に突っ伏したが。
セツコ「それでは、この集まりは一体何なのですか?」
カズマ「あ、それは俺も気になってた」
諒「ははは、何言ってんだ。そんなの、フィーネちゃんとの馴れ初めを根掘り葉掘り聞いちまおうっていう―――」
フィーネ「違います」
不自然な形で言葉を途切れさせた諒を皆が確認すると、見事にマグカップが顔にめり込んでいた。
諒「ぐぁぁぁああっ!?」
フィーネ「全く・・・それ以上、妄言を吐くようだったら容赦しませんよ?」
レミリア「既に容赦してないと思うわよ・・・それ」
珍しく、レミリアがツッコミ役に回った瞬間であった。
フィーネ「では、気を取り直して・・・聞きたかったのは、先の戦闘中にやりとりした内容と、貴方の乗っている機体の件です」
トビー「おー、既にメール交換をするな―――いたたたっ!? そっちに関節は曲がら―――」
フィーネ「ふぅ・・・如月と上月・・・前者は、あれに乗っていたキサラギ少佐。そして、後者は、私の部隊の発案者・・・コウヅキ少佐のことですね?」
的外れな茶々を入れようとした、トビーに軽く関節を極めた後に確認する言葉を目の前の少年にぶつける。
テン「はー、二人とも少佐だったのか・・・俺にとっちゃ、ただのバカ兄貴とぐーたら姉貴だからなぁ」
カルヴィナ「つまり、貴方はL5戦役で全滅した部隊の・・・」
テン「あー、そういやそうだっけか・・・まー、あの当時の状態だったら、ハリボテもいいところだったしなー。あ、だから、兄貴の奴やられたように見せかけてとっとと帰ってき―――」
そこまで呟いた言葉を受けて、連邦側の面々が“は?”と声をそろえて反応する。
デンゼル「ちょ、ちょっと待ってくれ。残骸が回収されてないというのは?」
テン「あ、やべ」
フィーネ「それが本当であれば、それこそ軍法会議ものなのですが・・・」
テン「いやいや、敵前逃亡とかじゃないって聞いてはいるぞ? ちょっと戦ってみて、『うん、俺の部隊じゃ無理!!』って叫んで、撤退させてくれーっていったらしいし、それに、元々完成していない機体を出撃させるとか正気の沙汰じゃねーというか・・・」
だらだらと、汗を流しながらわたわたと手を動かすテン。何か余計なことまで喋っている気はするがそんなことには気付かない。
レミリア「ということは・・・誰かが情報を隠した?」
テン「隠して無い隠して無い。ちょっと、繋がりがわからないように加工して行方不明って形にしただけ・・・だ・・・し・・・?」
もう、大暴露もいいところである。
カルヴィナ「ルーンライト少尉」
フィーネ「はい、コウヅキ少佐に確認を取ってみます」
テン「ああ、やめてっ!? 姉貴に連絡するのはやめれーーーっ!?」
諒「はいはい、大人しくしような」
トビー「人間諦めが肝心だぜ」
アクセル「大丈夫だ。悪いようにはならないさ・・・これがな」
テン「何を根拠に言ってんだぁああっ!?」
通信端末を操作し始めたフィーネに飛び掛ろうとして、歴戦の勇士3人に羽交い絞めにされ、拘束される。じたばたと暴れるがその程度では当然抜け出せるはずもなく。
フィーネ「はい、アイギス04です。定時報告には少し早いのですが・・・少々お聞きしたいことがありまして・・・・・・」
通信が繋がったのがわかった瞬間、テンの可哀想になるくらいの悲鳴が響き渡った。
8
:
きつぐ
:2011/02/12(土) 19:07:43 HOST:SSJfi-01p5-245.ppp11.odn.ad.jp
テン「うぅ・・・めっちゃ怒られた・・・」
フィーネ「自業自得でしょう・・・それにしても、少佐たちが裏で糸を引いていたとは・・・」
わかった情報をまとめると、ソウルセイヴァーをテンに託したのは、兄であるショウ・キサラギ少佐。この男、自分が死亡扱いになったのをいいことに、悠々自適に過ごしているらしい。現在は、メイア・コウヅキ少佐の衣食住を管理しているとのこと。今回、バルゴラの情報をテンに流したのは、そのメイア・コウヅキ少佐。ようは、ソウルセイヴァーを受け取ってから一向に顔を見せに来ない義弟を罠にかけたとのこと。義弟が心配なのはわかるが、軍規度外視の戦法を取るのはどうなのだろうと思う。ばれたらそれこそ軍法会議ものである。
フィーネ「ま、少佐なら『ばれなきゃいーのよ。ばれなきゃ』で片付けそうですが・・・」
テン「ばれても、あの手この手でお咎め無しまで持っていくぜ・・・あの女」
フィーネ「ふふ・・・そうかもしれませんね」
テン「あ・・・・・・」
初めて対面してから、ずっと敵対状態だった彼女が見せたその表情。
フィーネ「・・・・・・何か?」
それは、
テン「い、いや、なんでもない・・・つか、早く修理しないとな」
少年が直視には眩しすぎる。
フィーネ「そうですね・・・またいつ襲撃を受けるかもわからない状況ですしね・・・では、流用できるパーツなどの相談から始めますか」
テン「お、おう」
綺麗な微笑みだった。
○EX第壱話『とある何でも屋が受け継いだモノ』 了○
トビー「なぁ・・・」
諒「言うな・・・」
トビー「現実に目を向けるんだっ!!」
諒「馬鹿野郎っ!! 何が悲しくて良い雰囲気になっている奴らを見なきゃいかんのだっ!!」
トビー「くそぅ・・・あんなに寄り添いやがって・・・・・・」
諒「くくく・・・どうせなら、あること無いこと噂にしてやるぜぇ・・・リア充爆発しろ・・・だ」
トビー「お前が言うな・・・と言いたいところだが・・・・・・今はこの怒りをぶつける場所が必要だ・・・協力するぜ」
諒「流石だな、我が友・・・では、手始めに・・・・・・」
レミリア「へぇ? 面白そうなお話してるじゃない?」
トビー「そう思うかい? なら、いろいろ意見をぼしゅ―――」
諒「まずは、クルー全員に周知してや―――」
諒・トビー「はっ!?」
レミリア「二人とも・・・・・・OHANASHI・・・いいかしら?」
○EX第壱話『とある何でも屋が受け継いだモノ』 ホントに了?○
9
:
飛燕
:2011/02/16(水) 22:09:10 HOST:opt-183-176-118-100.client.pikara.ne.jp
○ EX第弐話 『カリスト・ホーク・ライムサワーの一日』 その2○
夜の場合
=房総半島 連邦軍・極東基地 ゲストルーム2号室=
セツコ「ふぁ……やっぱり、すごい……」
メール「だよねぇ。あたしも何回かやったけど、こんっっっなに気持ち良いの初めてだよ♪」
レミリア「わ、私にもさせてよ。ちょっと昼間にむかつく事があったから、癒しが欲しいのよ」
マリア「ふえ?何があったんですか?」
ゲストルーム。基地を訪れた来客用の個室。
その一室に少女達が、ぐるりと円陣を囲んでおしゃべりを楽しんでいた。
白くて黒くて、それはそれはとてもふさふさしたまぁるい物に抱きついたり、或いは肉球の感触に歓喜の声を漏らしたり、まぁるい顔に頬ずりして至福のひと時を楽しむ者など、多種多様に過ごしているが皆して共通してる事がある。
それは、―――
テンちゃん『ちょぉっとお わぁたしで あそぉぶねいでーーーー あぁ、じが うまくかけないよぉ〜〜お!?』
ずぶ濡れの子犬のような情けない曇り声を上げているパンダをオモチャにして、おしゃべりも楽しんでいることである。
だが、オモチャにされる方はたまったものじゃない。
抗議の声も届かないと分かった彼女は抗議文を書いたものの、妨害を受けてとても意思疎通できるような文字にならない。
3歳児でも、もうちょっとうまく書けるだろうというギリギリ読解できないレベルのひらがなを見て、ひとり。もとい、一匹で絶望していた。
レミリア「いやさ。昼間、あんのまち針の奴がさ、ロッカールームで待ち伏せしてたわけよ。しかも、ロッカー前の磁石に堂々とくっついて。気付いたのはいいけど、気付いたの制服を脱ぎ終わった後だったから最悪………んぅ、でも、そんなのもなんか、どうでもよくなるくらい癒されるわー」
たれセツコ「一日の疲れっていうんですかね。それらを吹き飛ばしてくれますよねぇ………はぁぁっ、ほっぺなんか凄いもふもふしてますねぇ(///」
たれマリア「……甘いです。セツコさん、それはもふもふなんていうレベルじゃないですよ。それはもうふわふわってレベルです!(///」
たれメール「あーー、分かるかも。そこは、なんか、お日様の光りをたっぷり吸収した、羽毛布団的な柔らかさだよねー(///」
たれテンちゃん『うぅ〜〜 だれぇも きぃてくんないよぉ 』
たれレミリア「半べそかいてるパンダってのも可愛いわね」
たれテンちゃん『うえぇえん わぁざと、するーするなんて ひづぉいやーぉ あ、またうまく かけねぃよry』
なんかSD化された少女達とぱんだの組み合わせという可愛らしい生物共の夜は未だ続く。
10
:
飛燕
:2011/02/16(水) 22:15:48 HOST:opt-183-176-118-100.client.pikara.ne.jp
=房総半島 連邦軍・極東基地 居住ブロック周辺=
この極東基地に滞在して2日目。
気候も穏やかで過ごしやすい。ただ、どうもこの日本という国では禁煙法なるものの影響で煙草を吸える場所が少ないらしい。
この基地でもそれが施行されてるらしくて、2日かけても喫煙場所が見当たらない。
手持ちの煙草の数も心許ない。
お酒なんて嗜好品は売店にすら置いてなかった。
嗜好が煙草、飲酒である傭兵。
天槻 空にとって、この現実は果てしなく厳しいものがあった。
空「街に繰り出す………いや、先ず、手持ちの金を換金せにゃ使えん。こんな夜中に換金所が開いてるわけねぇし、どーしたもんかなぁ……」
心の贅沢ができない事にひもじい思いをした空は、がっくりと肩を落としてトボトボと自分に充てられた部屋へと戻る………その道中での事だ。
ぬぅっと大きな影が視界に入ってきた。おおよそ、誰なのか見当はついているが、それでも顔を上げた。
空「あ、こんばんは」
尚也「ん、空か。こんばんは」
老眼鏡を目にかけ、幾つかの書類の束を大事そうに小脇に抱え持った大男。藤堂 尚也がそこにいた。
おそらくは何らかの会議の帰りなのだろう。肩幅の広いスーツを着ているのは何時もの事だが、細かい字を見るため等に用いる老眼鏡を必要とする状況は、他に考えられない。
別にゴマをするわけでもなく、最低限の労いの言葉をかけた。
空「遅くまで大変ですね、仕事ですか?」
尚也「いや、もう終わったところさ。そうだ、空。これから、ちょっといいかな?」
空「ん、何です?」
尚也「いや、ね。これから何人かでお酒を飲むんだけど、空もどうかなと思ってね。声をかけてみたのさ」
と、ここで空の脳内会議が始まった。
Q:誘ってくれた人物は誰だ?
A:擬人化した塗り壁。間違えた、藤堂 尚也さん56歳。
Q:この人物が酒を飲む場に自分が行って大丈夫なのか?
A:頑丈さが変態レベルだけど、それを差し引いても常識ある大人だ。
変な物を出すという事は先ず無いだろう。むしろ、嗜好は高級品を好む傾向があるので、リッチな気分になれるんじゃね?
Q:となると、残る問題点は何だ?
A:それが奢りかどうか。後、”何人か”って、口に出してたけどそれが誰か。それが問題点だ。
空「いやぁ……でも、俺、今月はちょっと持ち合わせがぁ……」
両手を顔の前で合わせ、頭はペコリと下げる。
打算的と呼ぶなら呼べ、だがこの天槻 空。奢ってくれる確率が高いリッチメンが目の前に居るなら、安いプライドは簡単に放り捨てる。捨てちゃう。捨てました。
プライドだけで、腹と財布は膨れないのだ。
予想通り、目の前の男は軽く微笑むと首を横に振った。
尚也「はは、悪い悪い。言葉が足りなかったね。俺が趣味で集めたウィスキーで酒盛りをするんだ。だから、酒代なんて要らないよ。強いて代金を取るとするなら、一緒にお酒を楽しんでくれる。それでいいよ」
空「いやぁ〜〜、な、なんか悪いっすねぇ」
と、口にしながら空は尚也からは巧妙に(というか身長差のせいで絶対)見えない角度で口角を吊り上げた。
良し。これで奢りは確実。自分の懐は一切痛まない状況だ。
11
:
飛燕
:2011/02/16(水) 22:31:06 HOST:opt-183-176-118-100.client.pikara.ne.jp
※9にてマリアと名うっていますが、作者の凡ミスによるものです。実際は一姫で御座います。大変、お見苦しい物となってしまい、申し訳ありませんでした。
だが、油断するな俺。ここは、大胆に、だが慎重に、だ。
ここは、さりげなく遠回しに誰が参加するのかを尋ねるのがベターな選択。
空「で、他の人にも俺みたいに声をかけたので?」
尚也「ああ。空の他にも、男性陣では、レーツェル、キョウスケ、諒、女性陣は詩紀、シェリーに声をかけたね。お酒のおつまみはレーツェル氏が作ってくれるそうだから楽しみだよ」
と、嬉しそうに笑う50代後半の言葉に空も頷いた。
レーツェル・ファインシュメッカー、正体不明。謎の食通と自称した変装道具がゴーグルだけとかいう胡散臭い人物だが、その料理の腕は確かなもので何度かご相伴させて貰ったが、思わず「ンまぁぁぁああいっ!」と叫び声を上げるほどである。
その彼が腕を振舞うというのだから、これはもう期待しない方がおかしい。
更に面子もとりわけ目立った”奇行”をするような奴が居るわけでもなく、絡んできたりするようなのも居ない。
相方や部下についての愚痴は出てくるかもしれないが、なに構うものか。てきとうに聞き流すだけで、タダ酒+タダおつまみが出るのだ。
目を瞑るべきだろう。
尚也「後はMr.ダンディにも声をかけようかなとも思ったんだけど……空は知らないかい?」
おっと、危ない、危ない。
危うく追加でやってきた特代級の大型地雷を踏むとこだった。
ふと、ここで尚也と出くわす数分前。
ここを通りかかる途中で、公共浴場の男湯方面から何やら、
「やめろぉぉおお!」だの、
「助けてぇえええ!」やら、
「そいつにハグをさせるなァーーzーーっ!」、
「いいえ、限界よ。ハグしちゃうわぁン♪(ズドドドと何やら勢い良く走る音」とか、
「ぎぃやぁあああ!」、
「あんまりだぁー!」、
「HOLY SHIT!」的な喚き声やら悲鳴やら、なんか気持ち悪い喘ぎ声が聞こえたのを思い出した。
少し、考えるフリをした空は一言。
空「今日は予定があるらしいから、声はかけない方がいいんじゃないですかね?」
他の人間を生贄に差し出すことにして、自分は助かった上に嗜好を楽しむ道を選ぶことにした。
尚也「あ、そう……なら、この面子だけで呑もうかな。あ、10分後にゲストルームの5号室に来てくれ。俺はレーツェルさんと一緒に肴を運んで来るから後から来るよ」
空「ん。りょうかい、尚也さんの部屋ですね」
ヒラヒラと手を振り、尚也を見送ると「ひとつ鼻歌でも歌いたい気分」と言わんばかりの軽やかな足取りで空はトイレで用を済ませてから、ゆっくりと尚也に充てられた部屋へと向かった。
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