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ミラージュ・ストーリー〜出会いの新世界で〜
1
:
疾風
:2010/10/10(日) 20:51:33 HOST:p3236-ipbf1005kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
消去者による戦神界の襲撃から1年後…
新たに発見された3つの新世界…
戦いの火蓋が切られ…
戦火の始まりを告げようとしていた…
その裏で暗躍する全てを抹消する消去者…
鏡の裏で世界を見つめる女神であり暴君…
世界は真の終焉を迎えようとしていた…
****
<注意書き>
このスレはスーパーロボット大戦シリーズ+ナムコクロスカプコン+その他が入り混じった二次創作作品です。
公式とは一切関係ありません。
まず、このスレはミラージュ・ストーリー〜交差する世界で〜の続編です。
前回の話についてはそちらをご参照下さい。
途中参加者の方大歓迎です。
現在はBBS使用不可につきチャットで進行状況をお伝えしております。
詳しい状況については知りたい方はチャットで自分にご連絡ください。
連絡無しの方の書き込みに関しては完全無視していきますので…
継続参加者の方はご了承ください。
ご理解頂けたのでしたらごゆっくり観閲下さい。
142
:
疾風
:2011/11/03(木) 01:46:50 HOST:FL1-125-197-96-114.gnm.mesh.ad.jp
それから三日後…
=ドームポリス・ウルグスク=
ランドの請負した仕事の依頼主であるゲインに案内され…
ウルグスクに潜入した舞人達一行…
ドーム内は巨大な山車や豪華な衣装の搬入…
さらには露店の準備が進められていた…
所がゲインだけはシベ鉄の警備員に発見され…
このウルグスクの公であるメダイユ邸の地下牢に連行されてしまった…
舞人「それにしても随分と賑やかなんですね」
ランド「今日は歌姫ミイヤ・ラウジンの声が聞けるからな…」
メール「そうと決まれば街の人も大はしゃぎするわよ」
ガロード「そのミイヤって誰だ?歌姫って言うけどさ…?」
メール「ミイヤは何代も続いた歌姫の家系なの」
ランド「そして初めてエクソダスを成功させた人物って言われている…」
チボデー「つまり、歌姫様の恩威を受けたまろうと大勢の人が集まるって訳か…」
舞人「歌姫か…ミンメイさんやラクスさん達が聞いたら会いたがっていただろうね…」
浜田「確かに、マイクやバサラさんだったらかなりはしゃぐだろうね」
サイ・サイシー「所で、ゲインの兄貴捕まっちゃったけどいいのかい?」
アルゴ「奴は内部に潜り込む為と言っていたが…」
ランド「何でもお目当てのモノがそこにあるらしい…」
ガロード「じゃあ、俺達は…?」
ジョルジュ「当初の計画通り、私達は私達で動きましょう…彼も彼で事を起こすと思いますし…」
アレンビー「でも、計画の時間まで間があるし…ここのお祭りでも見ていこうよ」
遥「遊びじゃないのよ」
アレンビー「でもさ、別世界のお祭りなんて滅多に見られモゴッ!?」
ランド「ん、どうしたんだ?」
星史「な、なんでもないんでハイ、なんでもないです!!」
ちなみに舞人達はランド達に自分達が別世界から転移してきた事を話していない…
そもそも転移する方法を知っている彼らは話せば混乱を招くと思った為である…
アレンビーが言いかけた為、慌てて口を塞いだ星史であった…
・
143
:
疾風
:2011/12/12(月) 23:24:35 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
その頃…
影牙『そろそろ動くか…』
ウルグスク内の時計塔の天辺から様子を視る影牙…
皐月の命令で単独調査に赴いた彼であったが…
影牙『…だが、少し手を加える必要があるな』
もう一方では…
ゲインがゲイナーと共にメダイユ公の娘である…
アナ姫を連れ去り地下に隠されたオーバーマンを奪取した頃…
舞人一行はドームポリスの外で待機している仲間達の元へ戻り…
『エクソダス』を開始する為だったが…
シベリア鉄道の監視が強まってしまい外部に出られなくなってしまっていた…
舞人「やはり警戒が厳重になってしまったね…」
星児「やっぱりゲインさんが捕まったせいかな…」
ランド「さすがにドームポリスから出ねえと話が始まらないしな…」
サイ・サイシー「オイラ達でアイツらを気を引けるけど…」
遥「でも、ここで騒ぎを起こしたらますます怪しまれるわ…」
ジョルジュ「ええ…ここへ入る時も彼らに絡まれましたからね…」
入国ゲートでシルエットマシンが数機程監視に呈している…
ゲートから出国するキャラバン隊がシベ鉄の監視員達より多額の出国金を巻き上げられていた…
メール「またやってるよ…」
チボデー「ああいう奴らの手鼻をくじいてやりたくなるな…」
???「余り関わらん方が身の為だぞ…」
舞人達の話を横で聞いていたキャラバン隊の老人が話しかけてきた…
どうやら順番待ちの一人であるらしい…
老人「お前さん達もドームの外へ?」
遥「はい、そのつもりだったのですが…」
老人「…もし良かったらワシの隊に紛れて出国するかね?」
星児「ええっ?いいんですか!」
老人「昔からシベ鉄の連中は好かないのでね…」
舞人「おじいさん、ありがとうございます…」
老人「かまわんよ…」
ニコニコと出国の手助けをしてくれる老人の行為に甘え…
ドームポリスの外へ脱出する一行…
そして外部で待機していたサイト達と合流を果たしたのだった…
・
144
:
疾風
:2011/12/13(火) 00:24:42 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
ドームポリスから数キロ離れた場所で舞人一行と離れた老人…
老人「…」
ローブ姿の老人が陽炎の様に姿を変え黒い装甲を纏った騎士に変貌する…
ヴェヒター『お膳立てはした…後はお前達次第だぞ…並行世界の…かつての仲間達よ……』
ヴェヒターの固有特殊の一つ『フェアエンデルング』…
認識した人物や物体の姿へ変化する事が出来る…
しかし自身よりもサイズが異なる変化に関しては…
身体に多大な不可をかけるリスクがある…
そしてキャラバンに擬態していたヴェヒター専用の支援機『ヴァンダーファルケ』…
それに搭乗しその場から離脱を始め…
エクソダスを見物に向かった…
****
ランド「そろそろ時間だ、派手に暴れて居住ブロックが逃げる時間を稼ぐぜ…」
ガロード「メシ喰った分は働かせてもらうぜ!」
東側ドーム付近よりガンレオンとガンダムX
ヤッサバ「くそ、用心棒を雇っていたのか!!なんとしてでもエクソダスを阻止しろー!!」
部下たちに指示を出して住居ブロックの破壊へ向かう
イングリッド「じゃ、始めるかのう…」
龍馬「世話になった恩は…」
サイト「ちゃんと返さないとな…」
サイ・サイシー「オイラ達が居る事も忘れないで欲しいね!」
綾人「ちょっと可哀相だけど…しょうがないよね…」
西側ドーム付近にはシャッフル同盟とTEERAのメンバー
龍馬「俺たちはこっちだ!」
サイト「了解」
龍馬たちは北側ドームへ
それを遠くから無数の触手を持つ単眼の魔物が戦場をじっくりと見ている…
勿論、気付かれずに遠くからこっそりとそれは覗いていた…
舞人「俺達は南側のドームからの居住ブロックの離脱を援護する」
マイトガイン「了解」
南側ドームへ向かう勇者特急隊…
・
145
:
疾風
:2011/12/13(火) 00:25:25 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
サイ・サイシー「唸れ!フェイロンフラッグ!!」
アレンビー「ノーベル・フラフープ!」
動きの早さを利用し敵側のシルエットマシーンに攻撃を加え…
サイト「よし、テックセッター!!」
テッカマンエターナルに変身し戦闘を始めるサイトことエターナル…
エンゲ「ったく、ヤッサバ隊長・・・無茶な命令を下しやがって・・・」
ジャボリ「本当にね・・・・」
西側にて隠れながら応戦する3馬鹿キャラの二人…
エターナル「それそれそれそれ!!」
テックランサーでシルエットマシーンの両腕両足を切り落とし…
ジョルジュ「本当に申し訳ありませんけど…」
ニコッと一声添えてローゼス・ビットでエンゲ機とジャボリ機を包囲する…
エンゲ・ジャボリ「「ちょっ!!?」」
龍馬「さてと俺も行くか」
北側のドームポリス内で物陰に隠れて行動する龍馬…
チボデー「顔に似合わずえげつねえな…」
他のマシーンに攻撃を加えつつガンダムローズに蜂の巣にされる2機に同情する…
ケジナン「くらえっ!!」
北側に来ていた龍馬にキャノン砲を放つが…
アークオルフェノク「グオォォォォォォォォ!!」
直撃したが爆風の中から現れたのはアークオルフェノクに変身した龍馬…
アルゴ「その程度で!」
同時に背後よりケジナン機を持ち上げ投げ飛ばしそのショックで砲身が曲がる…
ケジナン「くっそ…これ、タダじゃないのに!」
コクピット内部で逆さま状態のまま嘆くケジナン…
ヤッサバ「なにしてんだ、お前ら!!」
余りにも不利な状況になって憤慨しているヤッサバ…
アークオルフェノク「グワアァァァァァァ!!」
ゲジナンのマシーンを壊してドームポリスの外へ摘み出す…
ランド「おっとよそ見してやがると!」
メール「バラバラだよ!」
チェンソーでヤッサバ機を攻撃するが…
ヤッサバ「甘い!!ストップビーム!!」
オーバーマンの力でガンレオンの動きを止める…
ランド「オーバースキルかよ!?」
メール「ダーリン、アレ何とかしないと…」
ヤッサバ「んっ!?なんだ、あれは!!?」
・
146
:
疾風
:2011/12/13(火) 00:26:11 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
突如現れた見慣れない列車に驚く…
舞人「勇者特急隊!参上!!」
列車が変形しロボットになる…
イングリッド「頼んだぞ勇者!!」
戦闘中の合間にGGGの長官風に叫ぶイングリット…
星史「俺達もいるぜ!ダ・ガーン!!」
ダ・ガーン「了解、星史!」
続けて現れる地球の勇者一行…
エターナル「話に聞いていたがやっぱりすごいな…あいつら…」
ヤッサバ「やいやいやいっ!!シベ鉄で勝手に列車を走らせるんじゃね!!」
舞人「鉄道は鉄道を必要とする全ての人々の物だ!それを私利私欲の為に独占するお前達を俺は許さない!!」
ジョー「言ってやれ、舞人…」
上空から援護射撃を加えるジョーの轟龍…
マイトガイン「銀の翼に望みを乗せて、灯せ、平和の青信号、勇者特急マイトガイン、定刻通り、只今到着!!」
いつもの決め台詞を決める…
同時刻、遠くからのキャンプにて…
???「ふーん、なんか、凄いねー。僕も混ざりたいなー」
???2「駄目よ。今回は、偵察目的・・・。下手に動いたら危ないモノ」
小柄な少年と少女があの目玉の怪物を通して戦況を見ていた…
・
147
:
疾風
:2011/12/13(火) 00:33:49 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
ヤッサバ「何を…!」
イングリッド「ほっほっほ…それでは上へ参りますかのう!」
ヤッサバのオーバーマンを思いっきり真上に飛ばす…
ヤッサバ「うおおおおっ!!?こいつ・・・人間か!?」
イングリッド「続いては下へ参りますかのう…」
少々イラつき重力10倍プラスで地面に叩き付ける…
ヤッサバ「もう…だまらっしゃい!!」
鞴を構えて火炎放射を放つ…
ゲイン「居住ブロックの離脱は完了した後は当分シベ鉄の連中が追っかけてこられない様に派手にやってくれ!!」
全員の通信入れるゲイン…
エターナル「そういうことなら皆さん!離れて!!」
エターナルの両肩が開いてエネルギーがチャージされ…
舞人「ドリルクラッシャー!!」
マイトカイザーの巨大なドリルで火炎放射を切り裂く
ヤッサバ「くそっ!残りの兵力が…撤収だ!!体勢を立て直すぞ!!」
残りの部下達を率いれて撤退し…
エターナル「ボルテッカ!!」
ボルテッカの威嚇射撃で周辺一帯を消滅させる…
星史「そんなの撃って大丈夫なのか?」
消し炭と化した地表を見て
エターナル「大丈夫、あの付近に敵はいなかったしちゃんと威力も加減した」
ランドバイソン「大地を守る勇者の俺としては見過ごせないぞ…」
遠い眼でエターナルを見る
エターナル「ゲインが派手にやれって言うからその通りにしたんだけど…やりすぎたか?」
星史「勘弁してくださいよ、ダ・ガーン達は別世界とはいえ地球の一部なんですから程々にしてくださいよ…ただでさえ弱っているのに…」
綾人「そうですよ、なるべく無駄な破壊は避けてあげた方がいいと思います…」
イングリッド「すまんのう、ワシが何とかするわい…」
掌から光線を出すと焼け野原と化した地表が修復され元通りになっていく…
???「へぇ〜あんなに強い奴らがいるなんて…楽しそうだな〜」
???2「そうね、この事を本部に報告しましょう…」
先程の目玉の魔物を回収終えて空間の裂け目に入り消える例の少年少女の二人…
・
148
:
疾風
:2011/12/13(火) 00:43:49 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
マンモスシルエットを引き連れドームポリス・ウルグスクより撤退する一行…
そしてそれを見つめるヴェヒター…
ヴェヒター『どうやら成功したようだな…』
皐月『そのようね…』
幻影の様にヴェヒターの横に現れる皐月…
皐月『とりあえず彼らが私達と合流出来る事を祈りましょうか…』
ヴェヒター『…』
皐月『何か言いたそうな顔ね…何かしら?』
ヴェヒター『マスター…これで良いのか?』
皐月『当然…余り転移能力の多用は避けたいのよね……奴らがかぎつけるから…』
ヴェヒター『…』
皐月『ま…しばらくはこの世界の彼らと共に行動してもらいましょうか…』
クスクスと笑い…
皐月『後、戻って来て頂戴な……そろそろこちらも動く事になったから…』
ヴェヒター『…場所は?』
皐月『アーモリーワンよ…』
・
149
:
疾風
:2011/12/15(木) 01:24:47 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
ドームポリス・ウルグスクに於ける大規模エクソダスから1週間後…
皐月達一行はアーモリー・ワンで行われる予定のガンダム強奪の真相を突き止める為に…
さる人物とジャンク屋ギルドの協力をへて潜入したものの…
何者かの影が忍び寄っていた形跡を発見したが…
その後の足跡は途絶えてしまった…
****
それから更に1ヶ月後…
ようやく集中治療室から出られたコウとガトー…
それぞれ左上腕部骨折と右臑と足首の骨折が治りかけた頃…
時空転移で落ちてきた理由を詳しく聞く為にクロガネのグリーフィングルームに呼ばれたのだった…
=グリーフィングルーム=
レーツェル「トリントン基地が壊滅しただと…!?」
ガトー「ええ…私とウラキ…他の者と防戦に辺りましたが…」
コウ「得体の知れない化け物と…MSを素手で薙ぎ倒すあの銀髪の狼男に…」
コウの話では全身黒いゴムの様な物で出来た化け物と銀髪の男に基地が壊滅させられ…
偶然、発生した時空の歪みに飲み込まれここへ墜ちたと語った…
皐月「…大体の戦力図は解りました」
コウ達が戦った相手の正体を知っている皐月はその場の全員に話しかける…
カイ「一体、何者なんだ?」
皐月「恐らく、少尉達を襲ったのは消去者の兵力でナイト・ゴーントとその部隊長の雷牙…」
コウ「何者なんだ、そいつらは?」
皐月「ナイトゴーントは夢魔と呼ばれ精神攻撃特化型の殲滅兵、雷牙は消去者に操られた私の元仲間よ…」
ガトー「君の仲間だと?」
皐月「雷牙はウェアウルフと人間の間に生まれたハーフで格闘に長けた奴だった…」
コウ「話は聞いているよ、君も君の仲間も消去者に捕まったんだよね…」
ガトー「…」
皐月「私は運良く…支配下から逃れられたけど…仲間達は…」
ガトー「操られているとはいえ元は君の仲間だ…戦えるのか?」
皐月「はい…むしろ……操られたとはいえ逆らった事を後悔させるつもりですけど?」
ニッコリとガトーの問いに対し冷酷無慈悲な回答する皐月…
ガトー(彼女よりも…その仲間に同情すべきか…?)
コウ(やっぱり伊達に500年も年取ってないな……言っている事が酷すぎる…)
ガトー(あっさりと答えられた時は…背筋が凍った位だ……)
コウ(うん…彼女、ある意味で精神が図太くなったね…)
ヒソヒソと小声で話していた…
・
150
:
疾風
:2011/12/17(土) 22:55:02 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
ギリアム「ガトー少佐、ウラキ少尉、君達に話しておかなければならない事がある…」
コウ「自分達にですか?」
ギリアム「知っての通り、我々は異なる二つの世界を行き来している…」
皐月「今、滞在中のこの世界での貴方達の存在がまずい事で…厄介な事になっています」
ガトー「どういう事だ?」
皐月「単刀直入に言いますと……お二人共この世界では死亡しています」
一瞬の静かな沈黙…
コウ「それはどういう事で…?!」
皐月「星の屑作戦…その責任を問われて少尉とシナプス艦長は銃殺刑…少佐は捕虜として共に」
ガトー「…」
ギリアム「それは表向きの話で…この世界での君達は連邦とジオンの裏取引の情報を知ってしまった事が本来の原因だ…」
コウ「裏取引…って」
ガトー「まさか…シーマの裏切りの事か…」
ギリアム「それもあるが現ティターンズ派の者がソーラーシステムの配置エリアをジオンに流し…」
皐月「わざとコロニー落としをさせたと言う訳…のちのティターンズ設立の大きな契機となる為の伏線ですね…」
コウ「つまりそれを知った俺達は口封じの為に…」
ガトー「並行世界には幸福もあれば不幸になった世界もある……だったな…」
皐月「その通りです…」
ギリアム「そして残りのアルビオンクルーはティターンズへ再編成されたと記録に残されている…」
コウ「……アナハイムは…GPシリーズは…どうなったんですか?」
ギリアム「アナハイムはGPシリーズの抹消を条件に罪に問われる事はなかった…」
コウ「…そうですか」
皐月「続いてはその話の本題…これからグリーン・ノアへ潜入します…」
コウ「グリーン・ノアって…まさか!?」
皐月「ガンダム強奪の手伝い…とティターンズの悪行を一部暴露します」
ガトー「…となると、私達も出撃する事に?」
ギリアム「その通りだ、少佐…」
・
151
:
疾風
:2011/12/18(日) 01:20:47 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
=第4話:ガンダム強奪そして星屑の亡霊達=
****
3週間後…
ティターンズの悪行を早期に終わらせる為に行動を開始した皐月達一行…
怪我から復帰したコウ達のリハビリも一段落が着き…
万全の準備を整えた後…
戦艦の航路をグリーン・ノアへ進路を進めていた…
****
<サイド7内居住用コロニーグリーン・ノア1>
コロニーに突撃するメンバーを残し…
残りは戦艦で待機する事となった…
コウ「警備が変わっていなければあの外部運搬路から潜入出来た筈だ…」
皐月「……ティターンズって意外と間抜けなのかな?」
近くの小惑星で待機しているGP03、GP02、ガーリオンカスタム
GP03はオーキスが修復中の為、シールド付きガトリングガンを装備…
GP02は前大戦で使用したミサイルコンテナを装備…
ガーリオンカスタムはメキボスとの一戦でストライクシールドの武装が破損した為…
ブーステッドライフルとスラッシュリッパーを追加装備に入れている…
ガトー「来たぞ…」
小惑星の影に隠れグリーン・ノアに取り付いたリックディアス3機の後を追う…
彼らが使用した運搬路の隣のハッチを解除し中へ潜入する…
****
その頃…
この世界でのカミーユがジェリドに女扱いされティターンズの基地に連行されていた…
そして…
クワトロ「あれだな…」
アポリー「連中は他の2機の起動実験に入った模様です…」
ロベルト「大尉、どうされますか?」
クワトロ「情報では3機の予定だ…」
ロベルト「では…?」
アポリー「大尉、一機だけ稼働していないガンダムを発見しました…あの基地です…」
クワトロ「…奴らはあの2機の起動実験で手一杯らしい」
ロベルト「このまま奪取しますか?」
クワトロ「待て、このまま様子を視る…」
・
152
:
疾風
:2011/12/18(日) 01:41:55 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
しばらく様子を伺っていると…
アポリー「大尉、ガンダムが動きます!」
クワトロ「あの少年は…」
ロベルト「見た所、民間人の様ですが…」
カミーユ「そこの赤いモビルスーツ、僕は敵じゃない!」
クワトロ「何だと?」
カミーユ「証拠を見せてやる!」
カミーユはどさくさに紛れてガンダムMkⅡを強奪しカクリコンの登場するガンダムMkⅡを攻撃する…
カクリコン「お前はさっきの小僧!?」
カミーユ「このっ!」
しかし、カミーユのビームサーベルをシールドで防ぎ事なきを得る…
クワトロ「そこのガンダムMkⅡのパイロット、名前は?」
カミーユ「カミーユ、カミーユ・ビダンです」
クワトロ「君が敵で無いと言うのであれば、協力してもらおう」
カミーユ「はい」
クワトロ「これから我々はこのコロニーを脱出する、着いてこれるか?」
カミーユ「や、やってみます」
クワトロ達のやり取りを盗聴している皐月達一行…
皐月「カミーユ君ってあんなに熱血漢だったの?いつも冷静だと思ってた…」
コウ「昔はね…今は落ち着いている方だよ…」
ガトー「やはり、まだ素人…敵中に飛び込むとは無謀もいい所だ…」
コウ「仕方がないよ、時間が逆行して過去の記憶を見ている感じだからね…」
皐月「そろそろ…まずそうだか少し手を貸しますかね…」
リックディアスがマラサイ数機と交戦している頃…
上空からミサイル攻撃が降り注ぐ…
クワトロ「何だ?」
アポリー「大尉、新たな機影を確認しました…3機です!」
クワトロ「あれは…ガンダムだと!?」
ロベルト「もう一機は見られないタイプです…何処の系統にもあのタイプは……」
カミーユ「新手か?」
そしてGP03とGP02の姿を視たティターンズは…
ジェリド「あれは一体…」
カクリコン「そんな、あれは!?」
ジェリド「カクリコン、知っているのか!」
カクリコン「ああ…あれはアナハイムの抹消されたGPシリーズだ…だが計画は破棄された筈だ…」
ジェリド「どういう事だ?まさかアナハイムが裏切ったのか!?」
カクリコン「解らん…」
ジェリド達のやり取りを盗聴してクスクスと笑っている皐月…
皐月「さて、暴露大会はこれからよ…フフフっ」
・
153
:
疾風
:2011/12/18(日) 02:00:33 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
皐月「…エクセ姉様持込みの台詞でぶちまけますけどいいですかね?」
コウ「まあ…いいんじゃないかな?」
ガトー「時間に限りがある…とっととやってくれ…」
声を変声機で変えて外部スピーカーに電源を入れる…
皐月『其処のデクの坊ども!耳がっぽじって良く聞け!』
コロニー内に凄まじい音量が響く…
皐月『私達は貴様らの悪行を全て知っている!!』
ティターンズに対して暴言を吐く皐月…
クワトロ「彼らは何を…?」
カミーユ「ティターンズの悪行を知っている…?」
ジェリド「何だ貴様は!?」
皐月『黙れ、この負け犬!貴様程度なんぞ眼中にない!!』
ジェリド「何を!?」
皐月『ティターンズが隠蔽した星の屑作戦と30バンチ事件の真相をこの場で洗いざらい暴露してやるよ!!』
カクリコン「隠蔽だと?」
皐月『30バンチ事件は貴様らティターンズがコロニーにG3タイプの毒ガスを注入したのが真実!良くも伝染病なんて大層な事が言えたものだな!!』
カミーユ「何だって!?」
皐月『星の屑作戦で北米に落とされたコロニーはティターンズ派の連中が故意に情報を流してソーラーシステムを破壊させ阻止しなかった!!』
クワトロ「それがあのコロニー落としの真実か…」
アポリー「大尉、彼らは…」
クワトロ「恐らく、彼らは我々以上に真実を知りすぎているらしい…」
皐月『コロニー落としの真意はジオンに敵意を向けさせティターンズ決起為の道具にした!これが真実だ!』
エマ「…何て非道い事を」
皐月『死んだ亡霊は黙っていない…貴様らに屠られた命は亡霊となり牙を剥くだろう!!』
・
154
:
疾風
:2011/12/18(日) 02:17:52 HOST:FL1-118-108-136-24.gnm.mesh.ad.jp
ジェリド「…奴らめ、何を根拠に」
カクリコン「…ジェリド、大佐からの緊急通達だ」
ジェリド「何だと?」
カクリコン「騒音量で暴言を吐いた未確認の機体とGPシリーズの捕獲だ…」
ジェリド「MkⅡはどうするんだ!」
カクリコン「1機位、奴らに奪取されても構わないのだろう…」
ジェリド「くそっ…」
ティターンズはクワトロ達から目線を変えて皐月達に眼を向ける…
皐月『そこの赤いモビルスーツ聞こえますか……?』
クワトロ「聞こえている…」
皐月『奴らは目的を我々に変えました…貴方方はこのままコロニーから脱出してください…』
クワトロ「君達は一体…?」
皐月『我々は亡霊…または異邦者…そう呼ぶに相応しいでしょう…』
クワトロ「君達の援助に感謝する…」
カミーユ「何処のどなたか知りませんがありがとうございます…」
皐月『また何処かでお会いする事になるでしょう……では、その時まで…』
先にクワトロとカミーユ達がコロニーより離脱する…
コウ「マラサイが16機…ガンダムが2機…」
皐月「一人6機…割り当てですね…」
ガトー「機体の性能が良くても扱える腕がなくては…」
それぞれが操縦桿を握り締め攻撃を開始した…
・
155
:
疾風
:2011/12/21(水) 00:33:21 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
コロニー内から犠牲者を出さないように市街地から離れ戦闘を開始するが…
先程の挑発で頭に血が上った一部のティターンズによって戦闘は激化し…
民間人にも目もくれずその攻撃に激しさを増す…
コウ「やっぱり民間人にはお構いなしか…」
ガトー「…」
皐月「少佐、エゥーゴがコロニーからの離脱を確認しました…」
ガトー「了解した、我々も戦場を宇宙に移すぞ…」
皐月「はい…」
コウ「ガトー、宇宙でのポジション変更は?」
ガトー「引き続き、藤岡は前衛、ウラキは後方支援、私が後衛を務める…」
皐月「了解です」
各自がコロニーの外へ撤退しつつマラサイ数機と再度交戦に入った頃…
運命の悪戯か…
第3区画の宇宙港に星の屑に因縁を持つ戦艦が入港していた…
<グリーン・ノア1内・第3区画宇宙港>
=アルビオン・ブリッジ=
???「…了解しました」
グリーン・ノア1に滞在していたジャマイカンよりアルビオン艦長へ通信が入り…
コロニーでのガンダム強奪と謎の集団による襲撃を受けたと聞かされ…
その集団は現在コロニー外への離脱を試みている様子であり…
アルビオンはそのまま出港し捕獲もしくは迎撃せよと命令が下ったのだ…
???「現在、コロニー内で謎の集団による攻撃を受けている…アルビオン出港準備!」
パサロフ「了解!」
???「コロニーより出港後、MS部隊に出撃要請を!」
シモン「了解です、コンディションレッド発令!MSパイロット各員は出撃準備を!」
???「敵は3機だが相当のやり手らしい…各自、気を引き締めて取り掛かれ…!」
・
156
:
疾風
:2011/12/21(水) 02:19:38 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
この世界のアルビオンが出港準備に取り掛かった頃…
=アルビオン・更衣室=
モンシア「相手は3機だと!これだからあのお坊っちゃん共は…」
ベイト「ま、あのエリート気取りの奴らにはいい薬だろうさ…」
アデル「それにしてもその3機…中々のやり手でしょうね…」
バニング「何しろ、生け捕りまで命令されているらしいからな…」
キース「…」
モンシア「おい、キース!聞いているのか!?」
キース「す、すみません!」
モンシア「ったく…何時までもアイツの事を考えたって仕方がねえだろ…」
バニング「キース、ウラキの事は残念だったが……今を考えろ…」
キース「大尉、すみません…」
アラーム音と共に艦内に緊急放送が入る…
シモン『敵機、コロニー外へ逃走!MSパイロット各員は即時出撃してください!』
モンシア「こら、キース!さっさと行くぞ!!」
キース「りょ、了解です!」
・
157
:
疾風
:2011/12/21(水) 02:38:53 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
コロニー外へ脱出した皐月一行…
宇宙空間に先程まで稼働していた何十体ものマラサイの残骸が漂っていた…
しかし、ジェリド達の搭乗するガンダムは弾倉が尽きると撤退して行った…
皐月「人選ミスの様な気もするな…あのガンダムmkⅡのパイロット…」
コウ「むしろ君の酷い戦法にもよると思うけど…口頭挑発しまくって離れて敵の射程外から狙撃なんて…」
皐月「…そもそも挑発なんかで頭に血を昇らせるのが悪いんですよ」
コウ「…逢わない内に性格悪くなったね、ガトーはどう思う?」
ガトー「私に聞くな…」
皐月「あ、レーダーに反応…」
アラーム音でレーダーを確認するが…
皐月「あらら…まずい事になったな……」
ガトー「…何があった?」
皐月「この世界のアルビオンが来ます…おまけに肉眼でも確認済みです…」
コウ「…」
ガトー「行動不能程度まで奴らを追い込んだらこの中域から撤退するぞ…それでいいな?ウラキ」
コウ「ああ…」
・
158
:
疾風
:2011/12/21(水) 03:00:32 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
皐月「それとコウさん、何があっても彼らとの会話は…」
コウ「避けるだったね……分かっているよ…」
皐月「同じ存在でもこの世界での貴方は死んでいます…死人が生きていたなんて事になったら混乱を招きますから…」
コウ「…ああ、悪いけど大尉達には早急に退場してもらうよ」
皐月(そして残された人達の精神にもそれは混乱を招く……余りにも辛く酷な現実を…)
ガトー「…来たぞ」
アルビオンが肉眼で確認されMS部隊が出撃していた…
ティターンズに編成した為か乗機はジム・クゥエルが3機と塗装変更されたジム・キャノンⅡが2機…
それらが迫りつつあった…
アデル「大尉、見えていますか?」
バニング「ああ…これなら夢であって欲しいくらいだ…」
キース「う、うそだろ…何でGP02と03があるんだよ…」
バニング「大方、太陽に突っ込む前に鹵獲されたのだろう…」
モンシア「このテロリスト共が…」
ベイト「大尉、どうする?」
バニング「相手の出方が解らない以上、下手に触れば自滅する…各機応戦し相手の様子を伺う!」
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159
:
疾風
:2011/12/21(水) 03:41:55 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
皐月「少佐、ポジション変更は…?」
ガトー「藤岡、君は連中の注意を引きつけてくれ…私とウラキで奴らの行動を抑える!」
皐月「了解」
ガトーは弾倉が空になったミサイルコンテナをパージし腰部に取り付けてあるビームバズーカに装備を変更する…
皐月「ブースト展開…!」
五月は攪乱攻撃としてソニックドライバーで敵の注意を惹きつける…
アデル「大尉、あの機体は高速戦闘型の様です…!」
皐月「気づくのが遅すぎたね…」
ブースデットライフルでアデルとキースのジムキャノンⅡのキャノン砲を打ち抜く…
ベイト「アデルとキースがやられた!?大尉!」
ガトー「遅い!」
バニング「くっ!」
モンシア「このヤローが!」
ジムキャノンⅡからの支援攻撃を断たれ…
連携に乱れが出た所をGP02が突撃しバニングのジム・クゥエルの足を切り落とす…
同じく応戦するモンシアだがGP03のガトリング攻撃による銃撃を喰らい足止めされる…
ベイトの援護射撃でGP02から退避するバニング…
そして2機のGPシリーズの攻撃パターンに違和感を覚える…
バニング「あのGPシリーズの動き…何処かで…」
アデル「大尉!」
バニング「アデル少尉、無事か?」
アデル「自分もキースも無事です、動けますがキャノン砲をやられてしまいました…」
バニング「そうか…」
アデル「大尉、敵の攻撃パターンが記録データにありました…」
バニング「何だと…!」
アデル「それもウラキ少尉とソロモンの悪夢の戦闘パターンに告示してます…」
バニング「ウラキのだと…!」
モンシア「ウラキの戦闘記録をコピーしたOSの間違いじゃないのか!」
アデル「確かに自分もそう思いましたが…ですが、動きが機械的じゃないんです…」
キース「でも、何で…本当にあれはコウが乗っているのか?」
モンシア「何言ってやがる、ウラキは銃殺されたんたぞ!?葬式にも参列したじゃねえか!」
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160
:
疾風
:2011/12/21(水) 04:14:38 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
バニング達の通信を傍受した皐月…
皐月「少佐、コウさん…予想以上にあの人達の感づきが早かったみたいです…」
ガトー「どうするつもりだ?」
皐月「合図と同時に指定エリアまで撤退してください…小惑星帯で攪乱させた後、私の空間転移で一気に脱出します…」
コウ「…」
皐月「残念ですが今回はここまでです…」
コウ「この世界のアルビオンの皆、ごめん…」
小惑星帯まで交代を開始するGP02と03…
皐月は身動きの取れないバニング達に向かい光の暗号を送信し…
その後に交代を開始する…
バニング「光通信だと…?」
アデル「内容は『星の屑の中心に居た者へこれ以上の詮索は貴公らの身を滅ぼすぞ…星屑の亡霊より』です」
モンシア「亡霊だと?ふざけやがって!」
アデル「大尉…奴ら何故自分達が星の屑事件に参加していた事を知っていたのでしょうか?」
バニング「解らん…ただ言える事は奴らは何かを知っている…そうとしか思えん…」
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161
:
疾風
:2011/12/21(水) 04:49:56 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
皐月一行の攻撃によりMS部隊の半数が壊滅寸前まで追い詰められた…
もしも他の敵に狙われたら一溜りもない程に…
=アルビオン・MSデッキ=
過去の柵で5機しかMSが配備されていないアルビオン…
その5機の内の3機が中破した…
破壊されたMSを足元から眺めるモーラ…
モーラ「随分と酷くやられたもんだね…」
キース「ごめん…」
モーラ「いいって、無事に帰ってきたんだからね……それよりも」
キース「GPシリーズの事…?」
モーラ「やっとニナもウラキ少尉の死から立ち直ったって言うのに…これじゃあ…」
キース「でも、あれに乗っていたのは本当にコウなのかはまだ解らない…」
モーラ「だろうね…でも、もしウラキ少尉が乗っていたのなら何で姿を見せないんだか…」
キース「俺には解んないよ……アイツがいきなり銃殺刑になった時も驚いたし…」
モーラ「アンタさ…刑執行の日にウラキ少尉の最後の言葉を聞いたんでしょ…?」
キース「ああ…今でも覚えているよ…」
『本当の事を話せなくてごめん……でもいつか解る日が来るのを俺は信じているよ…』
キース「アイツの言っていた本当の事って一体、何だろう…」
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162
:
疾風
:2011/12/22(木) 01:06:27 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
モーラとの会話の最中に上のMSデッキからバニングが降りてくる…
バニング「キース、此処に居たか…」
キース「バニング大尉、どうされたんですか?」
バニング「ああ、これから補充要員が来るそうだ…それも2名もな…」
キース「はぁ…」
バニング「おまけにガンダムタイプが2機こっちに運ばれる事になった…」
キース「ガンダムタイプ!?」
バニング「盗まれたガンダムmkⅡとは別系統で作られたガンダムらしい…」
モーラ「って事はパイロットはエースって訳ですか?」
バニング「生憎だがキースと同じヒヨッコだ…」
キース「大尉、そりゃないですよ〜」
バニング「悪い、それに…例の化け物共に襲われて奇跡的に助かった連中だ…」
キース「それってあの…最近現れた骨と植物みたいなのですか?」
バニング「ああ…しかし彼女達を襲ったのはそいつらの親玉らしい…」
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163
:
疾風
:2011/12/22(木) 01:20:02 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
話している最中にカタパルトに入ってくるガンダムタイプ2機…
空欄のMSデッキに機体を収容するとヘルメットを取ったパイロット達が降りてくる…
バニング「君達が補充要員か?」
サーシャ「はい、自分はサーシャ・シスネル少尉です」
ミーネ「同じくミーネ・リーライム少尉です」
サーシャ「所属隊の『ジュエル小隊』が壊滅した為、本日付でアルビオンに異動配属となりました」
バニング「ご苦労、それと…あれが君達の機体か?」
ミーネ「はい、トルネードガンダムと言います…えと…」
バニング「ああ…俺はバニング大尉、ここのMS部隊の隊長をしている…横に居るのがキース少尉と技術班班長のモーラだ」
キース「よろしく…」
ミーネ「よろしくお願いします」
バニング「他の連中も居るが後で顔を合わせるだろう…」
サーシャ「では、我々はこれで…これから艦長へご挨拶に参りませんと…」
ミーネ「では、失礼します」
一礼し格納庫から離れていく…
キース「ちょっと可愛かったな…っていででで!?」
モーラ「キース…私と言うものがありながら目処前で浮気かな?」
キース「ご、ごめんよ!?モーラ!!」
下心丸出ししたキースはモーラに耳を引っ張られたのは言うまでもない…
?
164
:
疾風
:2011/12/22(木) 01:35:52 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
一方その頃…
=緋鋼・ブリッジ=
皐月「これで奴らは私達に目線を向けるでしょうね…」
煉牙「しかしマスター…何故、あの様な事を?」
皐月「エゥーゴはまだ動き出したばかりだ…それに獲物が増えれば奴らもあっちに手出しは余りしなくなる…」
煉牙「ですが我々の身を危険に晒さなくとも…」
皐月「大丈夫…奴らが視た機体がここになければ何も言えない…しばらく機体の偽装で誤魔化させてもらう…」
煉牙「本当に貴方は面白い方だ…」
皐月「ただ問題はアルビオンだ…恐らくこっちに頭を突っ込んで来る事が多くなるでしょうね…」
煉牙「マスターが危惧していた事ですね…」
皐月「そ…それにティターンズが黙っていないでしょうね……」
剛牙「どうするんだ?お嬢…」
皐月「このままエゥーゴの後を追ってみよう……ちゃっかり面白そうな展開になりそうだからね…」
ペルソナ「では、進路の計測を始めます…」
皐月「…」
・
165
:
疾風
:2011/12/24(土) 21:06:33 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
ペルソナ「マスターどうされたのですか?」
皐月「…グローリー・スターの事が気になってね」
煉牙「時空転移の嵐に巻き込まれた…でしたね?」
皐月「そう…能力の一部を封印されている私でも気配位は感じ取れる…」
罪牙「確か、人為的かもしれないと?でしたね…」
皐月「ま、あんなややこしい転移を使うのはアイツしか居ないけどね……」
ペルソナ「アイツ…ですか?」
皐月「まだ確信を持てた訳じゃないからあえて名前は言わないけど…」
罪牙「…」
皐月「それにしてもグローリー・スターの面々…逃がす前にミネルバに監禁されちゃったしどうしたものかな…」
ペルソナ「マスター、ザフトまでも相手にするとこちらも動きにくくなってしまいますよ…?」
皐月「ええ…ただでさえ『作戦』の為に連合と連邦を敵に回したから…」
罪牙「…マスター、そろそろその『作戦』とやらを話していただけませんか?」
皐月「…あえて言うなら『黒い道化』を燻り出す為の下準備とだけ言っておきましょうかね」
煉牙「…黒い道化?」
皐月「そう…そいつがいずれこの世界を混乱に招く…私欲の為にね…」
ペルソナ「マスター、機体の改修作業が終了しました…」
皐月「そう…それじゃあ、これからミネルバを追いかけましょうか…」
ペルソナ「…ティターンズやエゥーゴを放って置いていいんですか?」
皐月「奴らもしばらくは動けないでしょう…それに…」
ペルソナ「それに…?」
皐月「あの黒い道化がこの機会を逃す筈ないから……」
何かを知っている様で若干それを楽しんでいる皐月…
ブリッジの天井に浮きながらひっそりと顔を歪めた…
『私とて大切な箱庭を壊されたくないから……』
と誰かの意識がうっすらと囁いた…
・
166
:
疾風
:2011/12/28(水) 13:59:54 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
その頃…
=???=
何処までも続く長い黒い結晶造りの廊下…
足音を立てる度に凛とした音を立てる…
聖牙「…行かれるのですね」
蒼牙「ああ…」
聖牙「マスターがあの場所へ戻った事…先程当主より伺いました…」
蒼牙「マスターはあの頃よりも更に凶暴になっている…内に秘めた狂気がな…」
聖牙「でしょうね…『自身の障害となる者は総て蹴散らす』が彼女の心情でしたから…」
蒼牙「…」
聖牙「あの…何か?」
蒼牙「どうしたんだ…それは?」
聖牙の唇に桃珊瑚色のルージュが塗られている事に気づく…
それは聖牙が持つ女性としての良さを引き立たせていた…
聖牙「紅牙から頂いたものです…言い遅れてしまってすみません…」
蒼牙「紅牙が?」
聖牙「半分女性なのだから化粧位は良いだろうと…恥ずかしいので落としに行く途中だったのです…」
蒼牙「……弟の事はすまん、アイツも悪気があってやった訳じゃない」
聖牙「解っています、ですからこれは一時の楽しみだけにしておきますね…」
蒼牙「ああ…」
聖牙「……では、ご武運を」
蒼牙「すまない、ロードも出撃するが…弟には何が遭っても取り乱すなと伝えてくれ…」
聖牙「必ずお伝えします…」
・
167
:
疾風
:2011/12/28(水) 16:19:00 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
別の空間では…
=???=
かつてINPACTアースでロンドベルの混合部隊が激戦を繰り広げた場所と酷似した空間…
そこに巨大な繭に覆われた存在とアインストに変化しつつあるアルトアイゼンとソウルゲインに搭乗した…
キョウスケとアクセルがそこに居た…
???「…」
キョウスケ「…」
アクセル「…」
キョウスケ「主の目覚めは…程遠く…そして弱い…」
アクセル「…ならば?」
キョウスケ「多くの種…多くの力の…見定め…そして…喰らう為の糧を…」
アクセル「その見定めの継続…」
キョウスケ「それが主の…望み…」
アクセル「だが…それを阻むもの…」
キョウスケ「我らの元より除外されしもの…その命を…喰らう…」
アクセル「…」
キョウスケ「世界の乱れ…荒れ狂い…そして…」
アクセル「…静寂を乱す」
キョウスケ「…」
アクセル「静寂は…主の望み…我らの総意…」
キョウスケ「静寂の鍵…静寂への扉…今、開く為に…」
・
・
168
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疾風
:2011/12/28(水) 17:05:28 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
アーモリーワンとグリーン・ノア1の襲撃から1日後…
ファントムペインから強奪された3機のガンダムを追跡していたミネルバは…
この小惑星帯で彼らを補足した…
それと同時に揺らぎからこの場所へ転移させられ…
交戦中だったエゥーゴとティターンズもまたその場所へ引き寄せられたのだった…
=地球近海・小惑星帯=
ブライト「何がどうなったんだ…?」
カミーユ「ティターンズとコロニー近海で交戦中だったのに…ここは…」
見られない艦隊を目視したシン達、ミネルバも驚きを隠せずに居た…
シン「何なんだ?あれは…」
ルナマリア「まさか連合の新型とか…?」
レイ「それにしては様子がおかしいが…」
アーサー「艦長、捕虜の居た牢屋の電子ロックが外されています!」
タリア「何ですって!?」
メイリン「第3格納庫のハッチ破壊されました!」
爆発と共に宇宙に脱出するグローリー・スター…
デンゼル「全機、無事か!」
セツコ「はい、3号機、2号機共に健在です」
トビー「しっかし、ラッキーだったぜ…電子ロックが外れてさ!」
デンゼル「そうだな…だが、それよりも!」
デンゼルは全通信回線を開きティターンズの母艦アレキサンドラに語りかける…
デンゼル「ティターンズの艦へ、こちらは月面駐留軍所属のデンゼル・ハマー大尉だ!」
ジャマイカン「グローリー・スターか…何の様だ!」
デンゼル「状況は不明だが、この場での戦闘は得策ではない!直ちに停戦を!」
エマ「MIAになったはずの彼が何故あの艦に!?」
ジェリド「エゥーゴの連中に丸め込まれたんだろうぜ。連中もスペースノイドに変わりはないからな!」
カクリコン「要するに懐柔されて連中の手先になったって訳か…」
・
169
:
疾風
:2011/12/28(水) 18:41:50 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
ジャマイカン「デンゼル大尉、貴様のしている事は越権行為であり我々の任務の妨害に当たる」
トビー「何言ってやがんだ、あのヒョーロク玉は!?」
ジャマイカン「これ以上、我々の邪魔をすると言うのなら、利敵行為とみなし実力で排除する!」
デンゼル「待ってください、我々はもしかすると異世界に跳ばされたのかもしれないのです!!」
タリア「異世界…!?彼らは何を言っているの…!」
アーサー「た、確かに、そう考えればさっきのチグハグな尋問も総て納得できるけど…」
デュランダル「…」
デンゼル「自分としても詳しい状況は不明ですが、そうとしか考え…」
ジェリド「何が異世界だと?裏切りをやるんだったら…もう少しはマシな言い訳を考えな!」
ハイザックのマシンガンを乱射しバルゴラに向けて撃ち始める…
セツコ「撃ってきた…!」
トビー「駄目だ、チーフ!ティターンズの連中、ハナッからこっちの話を聞く気がねぇ!」
デンゼル「…」
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170
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疾風
:2011/12/28(水) 19:43:50 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
そして更に耳鳴りに似た音が中域に響きわたる…
それと同時に現れたのはアインストの軍勢と緋色の戦艦だった…
セツコ「あれは…緋鋼!?」
トビー「おっ、グットタイミング!…と言いたい所だが厄介な連中も居るがな!」
クワトロ「例のアンノウン…それにあの戦艦が何故この場所に…」
ジェリド「ちっこの忙しい時に…!」
グローリースターの姿を見つけたペルソナは彼らに通信を送る…
ペルソナ「グローリースターの皆さん、ご無事ですか!?」
デンゼル「ペルソナ艦長!」
ペルソナ「どうやら皆さんも時空転移に巻き込まれた様ですね…」
セツコ「でも、ペルソナ艦長…どうしてここへ?」
ペルソナ「私達も奴らとの交戦中に転移に巻き込まれた様です…」
皐月「ペルソナ、詮索は後回しだ…今は奴らを抑えなければ…」
ペルソナ「はい、マスター…」
皐月「グローリースターのデンゼル大尉ですね…」
デンゼル「貴方は?」
皐月「私は藤岡皐月、ペルソナ達のマスターです…この緋鋼の総責任者を務めています…」
セツコ「貴方が皐月さん…!?」
トビー「ええっ!?どう見てもセツコと歳が変わらねえだろ…!?」
エクセレン「あらあら〜そういう事、言っちゃう訳?」
皐月「…エクセ姉様、今は戦闘中ですが?」
エクセレン「皐月ちゃんの眉間に皺寄ってるからフォローしたのに…」
皐月「要らぬ心配です…毎度同じリアクションに飽き飽きしただけですが…?」
エクセレン「あらそうなの…」
皐月「……全機出撃、目標はアインスト!残りは手出ししない限りこちらから相手にするな!」
エクセレン「ま、今日はキョウスケに会えそうな雰囲気だから張り切らせてもらうわよ…」
皐月「…煉牙、ペルソナ、艦の方は任せる」
煉牙「出撃ですか?」
皐月「ええ、奴らの気配がするから…」
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疾風
:2011/12/29(木) 01:48:12 HOST:FL1-122-132-141-97.gnm.mesh.ad.jp
ペルソナ「マスター待ってください、ティターンズの中にアルビオンが!」
皐月「やはり前線に出してきたか…ネーベル、少佐達に回線を!」
ネーベル「了解…繋がりました」
皐月「ガトー少佐、ウラキ少尉、ティターンズの中にアルビオンが居ます…」
コウ『何だって…!?』
ガトー『…』
皐月「今回の目的はアインストです、乱戦になるかもしれませんが彼らとの戦闘は極力避けてください…」
コウ『…』
皐月「場合によっては貴方達の鹵獲もする筈…常に二人で行動して貰います…気を付けてください…」
ガトー『了解した……ウラキ、それでいいな?』
コウ『ああ…』
皐月「御免なさい…あのような術式を貴方達に組み込んでしまって……」
ガトー『君が必要と思った策だろう…それに万が一に鹵獲されても安易に情報漏らさずに済む最善の策だ…』
コウ『君を責めるつもりはないよ、君が誰かを守りたい気持ちは皆知っているから…』
皐月「ありがとうございます……」
・
172
:
疾風
:2012/01/22(日) 00:57:53 HOST:FL1-122-134-119-136.gnm.mesh.ad.jp
緋鋼よりそれぞれが出撃し配置に着く…
さすがに特機の様な大型の機体に適合が世界だった為か…
タスクのジガンやコウタのコンパチカイザーに驚きを隠せなかった…
コウタ「やっと俺達の出番だぜ!」
ショウコ「お兄ちゃん、戦闘中よ!」
コウタ「そんなもん解ってらぁ!それよりもあの化け物共を倒すぜ!」
ショウコ「うん!」
エクセレン「…」
ラミア「エクセ姉様…」
エクセレン「まだ、キョウスケ達は現れないみたい…」
アルフィミィ「はい、気配は感じるのですが…」
ラミア「やはり、様子見でしょうか?」
エクセレン「そうね…ここはキョウスケらしい戦法なのよねぇ…操られても相変わらずなのは…」
ラミア「隊長も同じ選択をしたと思います…」
エクセレン「私達の戦力を確認した上で奇襲でもするつもりかしら?」
タスク「げっ…そりゃないっすよ!」
レオナ「でも、私達もまたキョウスケ中尉達の戦法を知っている…」
エクセレン「ま、対策は何とかなりそうだけど…彼って出たとこ勝負に持ち込むから…」
皐月「要は気を抜くなって事ですね……」
エクセレン「そうそう、さっすが皐月ちゃん!伊達にあっちで隊長さんやってた訳じゃないわね」
皐月「ともかく、消去者の気配も感じるので私は別行動を取りますので…」
ラミア「だが…狙いは皐月、お前だろう?」
皐月「だからこそです、あっちも一人ですし…一体一の決闘を望んでいるようですから…」
ギリアム「解った、ここは我々で任せてもらおう…」
カイ「いいのか?」
ギリアム「彼女なら心配ないですよ…それに少佐も分かっている筈です」
カイ「まあ…余り心配する事はないが…敵に同情はしたくなるな…」
173
:
疾風
:2012/01/22(日) 02:56:21 HOST:FL1-122-134-119-136.gnm.mesh.ad.jp
クルーゾ「ウルズ7、ラムダドライバーの状態は?」
宗介「良好です、大尉殿…」
クルーゾ「よし、ウルズ2は俺と、ウルズ6はウルズ7の援護に回れ!」
クルツ「と、言う訳だ…後ろは任せろよ宗介!」
宗介「了解した」
フィオナ「お兄ちゃん、本当にコスモドライバーを使っちゃっていいの?」
ラウル「ああ、俺はこっちのストライカーの方が相性がいいからな」
フィオナ「まさか、ライトニングとエターナルがあそこまで壊れちゃうなんて…」
ラージ「仕方がないですよ、フレーム自体が残っていただけでも奇跡ですからね…」
ミズホ「しばらくはこっちのフレームで補ってください」
ラリアー「僕らもサポートしますから…」
デスピニス「そんなに落ち込まないでください…」
ティス「二人が言ったらあんまし説得力ないわよ…」
剛牙「確かにな…」
ティス「何よ、首無しおっさん…」
剛牙「はっきり言ってくれるな…」
ティス「いきなり首ポロじゃビックリするでしょ!二人なんてトラウマになった位よ!!」
剛牙「ま、その後お嬢にボコボコにされたけどな…仕方ねえだろ取れちまうんだからよ…」
ティス「だったら鎖でも繋いでおければ?」
剛牙「余計に邪魔で首が回せねえよ…」
174
:
疾風
:2012/02/07(火) 00:06:44 HOST:FL1-122-134-126-191.gnm.mesh.ad.jp
皐月「…この気配、やっぱりアイツか」
罪牙「お知り合いで?」
皐月「貴方も知っているでしょう?アーカード家の末裔の事は?」
罪牙「なるほど…行方不明と聞いていましたがまさか兄弟共々貴方の元に居たとは…」
皐月「…」
罪牙「…本当に貴方は面白い…次はどんな手を見せてくれるのでしょうね?」
皐月「黙れ…もう一回締められたいのか?」
罪牙「いえ、遠慮しておきますよ」
皐月「言っておくが妙なマネをすれば首をへし折る程度では済まさない…いいな?」
罪牙「ええ、我がマスター…」
皐月「煉牙、ペルソナのサポートを頼む…それと、奴が妙な動きをしたら構わず殺れ…」
煉牙「了解した…」
ペルソナ「マスター、それはちょっとやりすぎじゃ…」
皐月「いいのよ…」
ガーリオンに搭乗した皐月は目処前に現れた空間に視線を向けた…
罪牙(さて、私もマスターに尽くしますかね…今は…忠実に…)
・
175
:
疾風
:2012/02/24(金) 23:57:26 HOST:FL1-122-134-131-87.gnm.mesh.ad.jp
空間の歪から出現したのは見られないアインストの軍勢…
エクセレン「何だか見た事がない種類が増えているわね…」
ペルソナ「あれは近年機械界でも出現を確認しているアインストです…」
ラミア「どう言う事でございますですの?ペルソナ艦長…」
ペルソナ「えと…マスターの話では世界には時折綻びが出来てそこから偶然に平行世界の存在が入り込む事があるとの事です…」
ラミア「私の事は気にするな…言語機能の調子で敬語を使うとこうなるだけだ…」
ペルソナ「は、はい…綻びに関してはごく稀に起こる現象の為に確認された種は希少種に認定されているのですが…」
ギリアム「稀に起こる現象か…」
ペルソナ「ですが、近年に入りその現象も度々現れるようになったのです…」
煉牙「そしてマスターが姿を消したあの日より現象は更に悪化していったのだ…」
ペルソナ「この話は後程に…まずはアインストを止めないと…」
エクセレン「ま、詳しい話は後で皐月ちゃんに聞いた方が早いって訳だし…」
アルフィミィ「…来ますの!」
ペルソナ「各機は散開後にアインストの殲滅を優先、他は攻撃を加えるまでは手出しはしないでください…!」
煉牙「本艦はこの場を維持しつつ後方より支援…常に状況の変化に注意せよ…」
・
176
:
疾風
:2012/02/25(土) 00:11:07 HOST:FL1-122-134-131-87.gnm.mesh.ad.jp
一方その頃…
ロード「行かなくて良いのか?」
皐月「敵に心配される必要はないと思うけどね…」
他のメンバーがアインストと交戦に入った頃…
目隠しの為に張った結界の中に月面基地を襲撃したロードと蒼牙が現れた…
ロード「初めましてだな…我が名はロード…お見知りおきを…」
皐月「へぇ…お前がロードね…紅牙の奴が見たらまっ先に飛びつきそうだ…フフッ」
ロード「…そうか、貴様はアノ女の呪縛から解かれたと言う訳か…」
皐月「だったら…どうするつもり?」
ロード「いや…それだけを確認しておけと薙人と消去者現当主に命じられただけだ…」
蒼牙「ロード、先の戦いの傷が癒えていない…余り前線に出るのは控えてもらいたい…」
ロード「心配するな、グノシスの様な二の舞いは踏まぬ…最も覚えているかどうかはアノ女は知らんが…」
皐月「では、奴に伝えておきなさい……必ず貴様らをこの手で潰すとね…」
蒼牙「そうだな…」
さり気なく笑う…
ロード「伝えておこう。仲間との再会を喜ぶが良い…」
皐月「さて…よくも私に顔を出せたものだな…蒼牙?」
蒼牙「貴方に似たのですよ…」
皐月「例え邪神の力を手に入れたとしても……母なる闇に勝てる筈ないでしょ?」
蒼牙「どうかな…」
・
177
:
疾風
:2012/02/25(土) 00:48:07 HOST:FL1-122-134-131-87.gnm.mesh.ad.jp
皐月「ま、取り敢えず変身でもしておきますかね…本当の姿に…」
以前、左耳のピアスにしていたクリスタルを簪に変えており…
先程まで髪留めとして使用していた簪を抜き取り、ガーリオンカスタムのコックピットから出る…
皐月「テックセッター…」
眩い閃光と共に現れる浅葱と白の装甲の機兵…
ノヴァ「こっちの方がしっくりくるね…」
フロスティ「フ…」
同じく深青の装甲を纏った騎兵が姿を見せる…
ノヴァ「相変わらず武装は変わってないのね…ま、大体は私が創ったんだけど…」
フロスティ「だが、魔力は強化された…」
ノヴァ「ま、戦ってみれば分かるどね…」
それぞれの武器を構えると高速で移動し互いの刃が火花を散らす…
ノヴァ「貴方の持つクレイモアの後に創ったアックスだ…切れ味は抜群よ…」
フロスティ「そのようだ…」
互いが戦っている最中…
ロードは観客としてその戦いを見守っていた…
ロード(こちらも楽しませて貰おう…最高の決闘を…)
・
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178
:
疾風
:2012/03/13(火) 15:28:33 HOST:FL1-122-134-131-87.gnm.mesh.ad.jp
一方その頃…
共に現れたアインストに応戦する緋鋼の部隊…
それと同時に共闘を心がけるデンゼル達…
ブライト「彼らは一体…」
クワトロ「…」
カミーユ「ブライト艦長、大尉…彼らと協力して戦いましょう…」
ブライト「しかし…」
クワトロ「私もカミーユと同感だ、彼らは奴らとの戦いに慣れているようだ…まるで今まで戦ってきたかのように…」
ブライト「…各員に告ぐ、我々はこれより紅の戦艦と共闘しあの化け物共と叩く!」
カミーユ「艦長…」
同時刻、ミネルバでは…
デュランダル「艦長、我々もあの紅い戦艦と共に化け物達の掃討に共闘すべきと思うが…」
アーサー「しかし、議長…奴らを逃がす事になりますが…」
タリア「待ってアーサー、この戦艦の後方にはプラントがあるのよ、奴らをここで抑えなければ…」
アーサー「すみません、失言でした…」
タリア「これより我が艦は奪取を一時中断、化け物の掃討にかかる!」
シン「そんな…あと少しで追い詰められるのに…」
レイ「シン、議長や艦長の考えは正しい…ここで俺達が抑えなければ…」
ルナマリア「そうね、もう二度とプラントを壊させる訳にはいかないもの…」
シン「分かった」
・
179
:
疾風
:2012/03/13(火) 15:45:22 HOST:FL1-122-134-131-87.gnm.mesh.ad.jp
ネオ「スティング、アウル、ステラ、戻ってくるんだ」
アウル「何でだよ、まだ俺達戦えるのに」
ネオ「奴らが化け物共を相手にしている内に我々も撤退する…」
スティング「行くぞ、アウル、ステラ…」
アウル「ちぇっ…」
ステラ「うん…」
ファントムペインは状況を見てガーディ・ルーを反転させ中域から脱出し…
ティターンズもまた中域からの脱出を試みていた…
ジャマイカン「各員、帰投せよ…我々はこの場から撤退する」
ジェリド「ちっ、あいつらにやられてばっかだってのに…」
カクリコン「ジェリド、そう熱くなるな…」
ジェリド「解っている、奴らにはあの化け物共と遊んでもらうさ…」
ジャマイカン「ヴィルヘルム艦長、我々が撤退するまでの間…後詰は頼んだぞ…」
ヴィルヘルム「了解しました……」
・
180
:
疾風
:2012/03/13(火) 16:12:47 HOST:FL1-122-134-131-87.gnm.mesh.ad.jp
ヴィルヘルム(後詰か…なるほどね…小物らしいやり方だ…捨て駒にされた以上、それなりにやらせてもらおう…)
ジャマイカンはアルビオンを囮にしアレキサンドラを撤退させる…
残ったのはアルビオンとエマの搭乗するガンダムmk-Ⅱであった…
エマ「ヴィルヘルム艦長、自分も旗艦と共に戦わせてください…」
ヴィルヘルム「君はエマ・シーン中尉だったな…?」
エマ「はい…」
ヴィルヘルム「捨て駒にされた我々に何故協力する…?」
エマ「これ以上、被害を増やす訳にはいかないと思ったからです…」
ヴィルヘルム「………君の支援に感謝する」
エマ「有難うございます」
ヴィルヘルム「各員に告ぐ、我々はこれよりティターンズより除隊しエゥーゴに投降する…」
パサロフ「艦長…」
ヴィルヘルム「今だティターンズに与するのであれば本艦から脱出艇にて宙域より離脱してもらいたい…」
艦内放送ならびに中域に出ている所属MSパイロット達にもヴィルヘルムの言葉か響いた…
しかしアルビオンクルー達は誰も退艦せずにその場にとどまった…
バニング「艦長、その言葉をクルー全員が待っていました…」
ヴィルヘルム「大尉…」
バニング「我々もティターンズを見限っていた…と言う訳です」
ヴィルヘルム「諸君らに感謝を述べたい……ありがとう…」
ヴィリヘルムは軍帽を取りクルーに向けて一礼し軍帽を被り直すと…
エゥーゴに通信を行う…
ヴィルヘルム「初めましてブライト艦長…」
ブライト「お噂は予々耳にしていますよ、ヴィルヘルム艦長…」
ヴィルヘルム「本艦はこれよりティターンズから脱退し旗艦に投降する…」
ブライト「それでは…」
ヴィルヘルム「旗艦らと共に共闘させてもらいたい…よろしいですか?」
ブライト「旗艦の援護に感謝します…」
・
181
:
疾風
:2012/06/18(月) 00:42:02 HOST:FL1-118-108-135-140.gnm.mesh.ad.jp
敵対していた者同士の共闘により…
数を減らしつつあるアインストであったが…
アルフィミイ「来ますの!」
かつてアインストの一人であったアルフィミイが新たな敵の気配を感じ取った…
彼らが待ち望んだ仲間の救出の為の敵の増援であった…
ゲミュート級とレジセイア級が数体の奥に見られない機体が一体と…
静寂の蒼で染められたアルトアイゼンとソウルゲインが現れたのだった…
エクセレン「キョウスケ…」
キョウスケ「…」
アルフィミイ「アクセル…」
ラミア「アクセル隊長…」
アクセル「…」
エクセレン「今度は私達が皇子様に目覚めのキスをしてあげる番よ…」
キョウスケ「噛み砕け…!」
ペルソナ「各員に告ぐ!増援アインストを殲滅しつつキョウスケ中尉とアクセル中尉の救出せよ!」
煉牙「正体不明機には十分に警戒してくれ…!」
ペルソナ「プラーゼ、音声通信で現宙域内の残存艦へ現状を呼びかけてください…」
プラーゼ「了解です!」
ペルソナ「ネーベルは引き続き艦付近の索敵をお願いします」
ネーベル「解りました!」
ペルソナ「残りは艦の応戦と各機体の破損状況を確認後、修理が必要な機体に通信をお願いします」
ペルソナは標準の指示をし対応を急ぐ…
182
:
疾風
:2012/06/18(月) 10:30:38 HOST:FL1-118-108-135-140.gnm.mesh.ad.jp
エクセレン、アルフィミイ、ラミアを先頭に…
キョウスケ達の救出に向かう緋鋼のメンバー…
しかし、共に現れた1体の正体不明の敵からの奇襲によりその連携が崩されようとしていた…
バニング「あの機体は一体…」
サーシャ「ミーネ…」
ミーネ「うん、間違いないよ…あれは隊長の機体…でも何で…?」
バニング「もしやお前達の居た部隊の…」
ミーネ「はい、ジュエル隊の隊長…ヒスイ・フェクトリス大尉の…」
サーシャ「トルネードガンダムです…ですが…」
ミーネ「形状が違っていて…それに隊長機は私達の目処前で…」
サーシャ「爆発四散したんです…私達を護る為に…」
ジュエル隊を襲ったアインストから自分達を護る為に…
彼女達の隊長は散ったと語るサーシャとミーネ…
しかしこの場で再びめぐり合うとは思いもしなかった…
183
:
疾風
:2012/06/22(金) 00:17:35 HOST:FL1-118-108-135-140.gnm.mesh.ad.jp
アインストの増援との交戦が始まった頃…
ノヴァ「……そろそろお暇をしたいのだけど?」
フロスティ「………」
かつての仲間である蒼牙ことフロスティを追加武装であるギミックアーム…
通称『真紅ノ爪』で串刺しにし事静かに語ったばかり…
そのフロスティも串刺しによって身動きが取れず出血し気を失いかけていた…
ノヴァ「言ったでしょ?私も…あの頃とは違うと……」
フロスティ「……」
ロード(やはり…薙人でなければあの女を倒す事は出来ない…)
ノヴァ「私が与えた力を…己が自由に扱えなければ…与えた意味がない…」
ロード「どう言う事だ…?」
ノヴァ「私と同様に彼らにも進化する権利があるけどトラウマがそれを邪魔をしている…それだけよ…」
ロード(つまりトラウマさえ克服できれば彼らも大きな戦力になりえる…)
ノヴァ「…ま、知った所でどうにでもなる訳じゃないし」
ロード「貴様は何がしたいのだ……?」
ノヴァ「さあね…でも、教えといてあげる…私は…倒すべき相手がいる…たとえ仲間を失おうとも…それだけよ…」
・
184
:
疾風
:2012/06/30(土) 23:22:22 HOST:FL1-118-108-135-140.gnm.mesh.ad.jp
ロード「どう言う事だ…仲間を犠牲にするのか?」
ノヴァ「その言葉をどう取るかは貴方次第…私はあのキチガイ死神と同じく謎掛けが好きだから…」
ロード「…」
ノヴァ「最後に…あの女って事だったわね…」
ロード「そうだ…」
ノヴァ「…彼女もまた犠牲者とでも言っておきましょうかしら?」
ロード「何?」
ノヴァ「……世の中は綺麗事だけではすまない…これがヒントよ」
串刺しにしたフロスティをロードに投げ飛ばすが…
ロードはあっさりとフロスティを姫抱きにしてキャッチする…
ノヴァ(ちっ、そのまま落ちれば良かったのに…ま、良いものが見れただけいいか…)
ロード「……(別の意味で邪なオーラが見えたのは気のせいか?」
フロスティ「いつもの事だ…気にするな…」
ロード「そうか……帰ったら治療だな…」
ノヴァ「来るならいつでもどうぞ、その代わり……速攻瀕死で返すけど…」
フロスティ「………」
ロード「…同情はしよう」
ノヴァこと皐月の変貌した性格の犠牲となった…
フロスティこと蒼牙に対し改めて同情するロードであった…
・
185
:
疾風
:2012/10/07(日) 21:59:54 HOST:FL1-122-132-145-194.gnm.mesh.ad.jp
その頃…
エクセレン「キョウスケ!」
キョウスケ「…」
ライン・ヴァイスリッターとアルトアイゼン・リーゼが交戦する中…
エクセレン「キョウスケ…いつも私に言ってくれたわよね…自分を失ったら撃ってって…」
キョウスケ「ならば…お前が…」
エクセレン「でもね…皆と一緒に居る内に考えも変わっちゃったのよね…諦めないって!」
キョウスケ「!?」
ラミア「エクセ姉様の言う通りです、私達は不可能を可能にしてきた!」
アルフィミイ「だから…こんどは私達がお助けしますの!」
ペルゼインリヒカイトの武器マブイエグリに使用される鬼人達に拘束され…
身動きの取れないアルトアイゼン・リーゼとソウルゲイン…
アクセル「ぐっ!」
アルフィミイ「今ですの!!」
エクセレン「キョウスケっ!!」
ラミア「アクセル隊長!」
アルフィミイの合図と共に二人の武装が紅いコアを貫いた…
そしてコアの破壊と共に何者かの意識が抜けていったのだった…
レオナ「…中尉達はもう大丈夫です」
タスク「妙な気配もバッチし消えたっすよ!」
レオナとタスクの念の力で気配を感じ取り…
禍々しい気配はなくなったと伝えた…
エクセレン「キョウスケ…良かった…」
ラミア「隊長…」
アルフィミイ「よかったですの…」
皐月「どうやら終わったみたいですね…」
その戦場に頭部破損した皐月のガーリオンカスタムが戻ってくる…
エクセレン「皐月ちゃん、そっちは終わったの?」
皐月「一人のして一人にかっ去られました…暫くは動けないでしょう…」
エクセレン「あらら…相変わらずえげつないわねぇ…」
皐月「置き土産にメインカメラを破壊されましたしね…(次遇ったらシメてやる」
アルフィミイ「俗に言う仕返しですの…」
ラミア「後はあちらだな…」
キョウスケとアクセルをアインストの呪縛から開放した頃…
残りのメンバーは大型アインストの掃討にあたっていた…
コウタ「カイザァァッ!トルネェェェドッ!!」
コンパチカイザーの攻撃とGサンダーゲートのコンビネーションで倒されていく中…
コウ「…」
バニング「ウラキ…本当にお前なのか?」
コウ「違う、俺はウラキじゃない…」
モンシア「ウラキじゃねぇなら誰だって言ってんだよ…」
コウ「この世界のコウ・ウラキは既に死んでいる……人違いだ…」
キース「コウ!どう言う事なんだよ!!」
コウ「これ以上、俺達に関わらない方がいい…」
ガトー「話は済んだようだな…行くぞ」
コウ「ああ…」
攻撃に曝されたアルビオンに援護に入ったGP03とGP02…
会話を傍受され正体が発覚しそうになっていた…
元々死んだ人間がここに居る事自体が不自然なのだ…
彼らはあえて人違いを貫いてその場から離れていった…
・
186
:
疾風
:2012/10/07(日) 22:12:34 HOST:FL1-122-132-145-194.gnm.mesh.ad.jp
異形と化したトルネードガンダムとアインストを退けたアルビオン隊…
GPシリーズに乗っていたパイロット達との会話の後…
サーシャとミーネは不自然さを感じ取った…
ミーネ「お知り合いだったのですか?」
バニング「古い…戦友だ…」
サーシャ「…」
ミーネ「でも、不思議ですね…」
アデル「どう言う事だ?」
ミーネ「知らない人を助けるのに意味は必要ないですけど…あの人達の場合、一番狙われやすい所で助けてくれたんですよね…」
サーシャ「そうよね…自分達が危険な目に遭うのは解っているのに…」
ミーネ「それに…関わるなって事はよっぽど危ない事に手を出してるって言っているものですよね…?」
サーシャ「確かに…拒絶はしているものの…声に哀しさがあったものね…」
ベイト「新人ちゃん達にしては見事な洞察力だな…」
アデル「確かに彼女達の推測が正しければ…」
バニング「アレに乗っているのは間違いなくウラキ達だ…ただ違うのは俺達の知らないウラキ達って事だけだ…」
キース「それって…」
バニング「グローリースターの連中の言葉を借りるなら…あいつらは別世界のウラキ達って事になる…」
・
187
:
疾風
:2012/10/07(日) 22:19:42 HOST:FL1-122-132-145-194.gnm.mesh.ad.jp
皐月( とりあえず、エゥーゴとザフトが一時協力関係になった…
今は彼らの行動が今後の戦況に強く出るのは間違いない…
そろそろサンジェルマンさんと連絡とって次のステップに乗る必要がある…
この世界における独立機動部隊の発足の為に…
そして…
真の敵に立ち向かう為に揺るがない心を育てる為に…
私が出来る事をしなければ… )
アインストを退けた一行は突如起きた時空転移でグローリースターと共に…
この世界の地球へと流されたのであった…
・
188
:
疾風
:2012/10/17(水) 16:03:30 HOST:FL1-122-132-145-194.gnm.mesh.ad.jp
負傷した蒼牙とロードが帰還した頃…
=???=
賢治「随分とやられたみたいだね…君達の姫君も手を抜かないし」
紅牙「兄さん…」
聖牙「賢治、蒼牙の容態はどうなのでしょうか?」
賢治「暫くは動けないだろうね……何せ修復が最も遅い場所を徹底的に突かれたからね…」
紅牙「僕が代わってあげたいよ…兄さん……」
賢治「僕はこの件を当主と薙人達に話してくるよ…」
聖牙「私の修復でもここまで掛かるなんて…」
紅牙「聖牙、無理しなくて良いよ…兄さんや僕は自己治癒能力に関しては強い方だから…」
聖牙「紅牙…」
紅牙「だから……今は兄さんと二人っきりにさせて…」
聖牙「解りました…」
賢治に続いて聖牙もその場から離れていった…
紅牙「皐月…解っているけど…僕らはもう…戻れないんだよ……人と交われないんだよ…」
・
189
:
疾風
:2012/11/09(金) 23:57:56 HOST:FLH1Aaq051.gnm.mesh.ad.jp
宇宙での戦いを終えた私達は地球へと強制転位させられ…
グローリー・スターと共に地球連合軍の攻撃を受ける事となった…
偶然にも私達はこの世界における宇宙科学研究所の面々に救われ…
現在に至る…
宇宙科学研究所に到着するまでの間…
私はグローリー・スターに私達の素性を明かして欲しくない事を説明した…
<緋鋼・ブリッジ>
皐月「始めまして、私が藤岡皐月です」
デンゼル「地球連邦軍所属…いえ、元ですかな…」
皐月「詳しい事情はペルソナから聞いています…デンゼル大尉」
セツコ「…」
皐月「…驚かれましたか?」
セツコ「はい…」
トビー「アンタって本当に魔族なのかよ…?」
デンゼル「トビー中尉、失礼だぞ?」
皐月「いえ、構いませんよ…」
自分達と同世代であろう人が独特の気配を出しつつ…
重い十字を背負っているなど到底思えなかったが…
それでも戦い続ける彼女達を信じるしかなかった…
皐月「貴方達に折り入って話があります…」
デンゼル「何でしょうか?」
皐月「これから関わる人々に対して私達の素性を明かさないで頂きたい…」
セツコ「えっ?」
皐月「私達はこの世界において民間の傭兵部隊として話を通しています…」
トビー「つまりお宅らが別世界から転位したって話をするなって事か…」
セツコ「確かに普通に話せば信じてもらえないでしょうけど…」
皐月「もしも私達が時空転移に関して多くの情報を持っていると様々な組織に知られれば…」
デンゼル「……全てを敵に回す事になりますな」
皐月「そうです、偽りの身分ではありますが…私達の本当の素性を明かさないで頂きたい…時が来るまでは」
セツコ「皐月さん、本当にそれでいいんですか?」
皐月「これは私達全員の総意です…時が訪れるまで私達は偽りのベールを被り続けます…」
デンゼル「解りました…」
トビー「いいんすか?」
デンゼル「今後の保障を引き受けてくれると了承してくれたんだ……それ位のお礼はしないとな?」
セツコ「私も秘密を護ります、助けていただいたご恩に報いる為にも…」
皐月「ありがとう、グローリー・スター…」
****
一方、食堂では…
罪牙「どうやらマスターとの話は纏まった様です…」
タスク「あ〜良かったぜ…」
レオナ「一先ずは安心できるわね…」
ケーン「皐月さん、交渉決裂だったら直接手を下すって言ってたもんな…」
タップ「そうそう、美人さんなのにX達に聞いたらトンデモ武勇伝まで持ち出されたもんな…」
ライト「向こうで色々あったって事だろう…」
小牟「500年近くあっておらん内にワシらよりも数倍LVUPしおってるしのう…」
零児「だが、その身に抱える爆弾はとんでもない代物だがな…」
小牟「無理しおって…ただでさえ人間として生きられない事を悔いておったのに…」
罪牙「残念ですが、その甘さは消えています…もう立派な魔族ですよ…あの方は」
小牟「罪牙とか言ったのう…お主程の者が何故に皐月の配下に成り下がったんじゃ?」
罪牙「…好奇心でしょうかね?」
コウタ「きつねのばーちゃん、一体どう言う事だ?」
小牟「ばーちゃん言うな!ワシはまだ765歳のピチピチの仙狐じゃぞ?」
零児「普通にみれば婆さんにしか思えんがな…」
小牟「零児まで〜」
零児「話がずれたが……罪牙の正体は聖書にも出てくる大物だ…」
小牟「魔界における7大悪魔の一人…色欲のアスモデウス…それがこのオッドアイの正体じゃ…」
罪牙「今はマスターに伏せられ…罪牙と名乗ってますがね」
零児「……」
罪牙「それに能力の一部を封印されております…ヘタに開放させればマスターのキツイお仕置きが待ってますので…」
小牟「あーあれじゃな……よく耐えられたもんじゃ…」
ショウコ「何だが嫌な予感が…」
零児「X達から聞いた話では皐月の奴は命令違反をした配下には……コスプレをさせるらしい」
かなめ「はい?」
小牟「普通のR指定の拷問では効き目がないんでの……精神的ショックな奴にしたらしんじゃよ…」
タスク「姐さんの悪影響がめっちゃ出てるじゃないっすか…!」
ケーン「ううっ思い出したくねえ…」
タップ「ありゃさすがに…」
ライト「確かに…」
・
190
:
疾風
:2012/12/07(金) 18:03:26 HOST:FL1-122-134-121-11.gnm.mesh.ad.jp
かつてエクセレンにコスプレの餌食にされかかった少年達は隅で項垂れており…
唯一、宗介に関しては特に反応を示していなかったが…
彼曰く「千鳥のハリセンが最も怖いぞ…」と断言した所…
その本人から般若顔でハリセン地獄を喰らう事になった…
罪牙「それよりも…問題はこれからでは無いでしょうかね?」
少年ズの状況を完全に無視し話を進める罪牙…
罪牙「マスターから説明された通り、我々はあの消去者を相手にしなければなりません…」
零児「そうだな…」
罪牙「事実、我々の手勢は余りにも彼らとの戦力差は天と地の差がありますし…」
小牟「お主はどう考えておるんじゃ…かつての魔界将の意見も聞きたいのう?」
罪牙「今はマスターの考え通り、手勢を増やし…奴らの妨害を第一とするしかありませんね…」
ラリアー「前から聞きたかったのですが…貴方のあのテッカマンの能力は一体?」
罪牙「私の能力は配下を生み出し使役する能力です…改良の余地があるとの事で現在はマスターに封印されていますが…」
ティス「ま、見た所…戦闘能力が低そうな連中しか居なかったしね…」
小牟「皐月もお主が裏切る事を予測しておったのじゃろうな…」
罪牙「ええ、私としても…あの頃のマスターに従う事は出来ませんでした」
零児「今は違うと?」
罪牙「はい、あの方は完全に人の甘さを捨てました……ですから再び配下に戻ったのです」
小牟「言っている事は危なっかしいがのう…」
罪牙「まあ、私の身の潔白は今後の活動で示しますよ……」
煉牙「…未だ信用は出来ないがな」
不機嫌な顔で室内に入って来る煉牙…
煉牙「マスターと、どの様な関係にあったにせよ…私は貴様を信用していない…」
罪牙「その様な事を私はしましたからね…ごもっともです」
煉牙「貴様…」
罪牙「おやおや、私の様な低能な悪魔に殺意を向けるとは…さすがの魔神も愛すべき人が見つかるとこの程度ですか…」
煉牙「私を愚弄するのは勝手だが…マスターの意志に背くようであれば私自らが貴様を始末する…覚悟しておく事だな…」
罪牙「聞き捨てなりませんね……私とて今のマスターの決意に背くとはありませんよ…」
小牟「おどれら!!このせまっくるしい室内の中で重度の瘴気を垂れ流しすな!!」
零児「俺達は兎も角、他の連中は医務室送りになっているんだぞ!!」
罪牙と煉牙の胃も真っ青な毒舌が飛び交う中で…
彼らの意思に反して魔族特有の瘴気が立ちこみ…
ごく普通の人間である他のメンバーの体調を悪化させ…
ついには卒倒する始末である…
なお、零児と小牟はそれなりの耐性を持っていた為に無傷である…
皐月「まったくよね…喧嘩なら他所でやりなさいよ…」
小牟「ほらほら、お主らの飼い主が来おったぞ……覚悟するなら今の内じゃ!」
皐月「…」
煉牙「マスター、申し訳ありません…」
罪牙「以後、気をつけます…」
皐月「私がそんな事で許すと思った…?」
瘴気が漂う室内に更に絶対零度と思わせる重圧感を漂わせる…
皐月「お仕置きよ、後で私の部屋に来なさい……いいわね?」
女帝に相応しい目線で彼らを見下し…
すまし顔をしていたさすがの配下二人も…
飼い犬同然に言葉を引っ込めていた…
・
191
:
疾風
:2016/07/02(土) 22:30:17 HOST:p10004-ipngn2001kokuryo.gunma.ocn.ne.jp
場所を変えて緋鋼艦内・個室…
皐月「罪牙、煉牙、危うく口を滑らせそうになったな…」
罪牙「…何の事でしょうか?」
皐月「とぼけるな…!」
煉牙「申し訳ありません、私とした事が…」
皐月の怒りは普段の怒りを通り越して落ち着いていたが…
澱み切った負の念を出していたのは間違いない…
皐月「今回は未遂だったから良かったものを……」
罪牙「ではマスター、何故彼らに真実をお話にならないのですか…共に戦火を潜り抜けた仲間なのでしょう?」
皐月「……」
煉牙「罪牙、いくら貴様が当主の側近とは言え…口が過ぎるぞ…!」
罪牙の発言に口を閉じる皐月、それに対し煉牙は罪牙の発言に怒りを覚えていた…
皐月「今の彼らに全てを知る必要はない…」
罪牙「貴方の計画……それを完遂するには貴方自身が当主の座に戻らねばなりません…」
皐月「解っている……だが、今戻る訳にはいかない……」
煉牙「戻れぬ事情は重々承知しております……ですが、同志達は…」
皐月「今暫く…猶予を与えて欲しい………全てを語るのはそれからだ…」
罪牙「マスター…」
皐月「まだ彼らには力が足りない……全てを終わらせる為に必要な結束が…」
煉牙「では、その猶予の時をお教えいただきたい……」
皐月「自由と衝撃が白き世界で対立する時……その時、私は真の姿と目的を語る……」
罪牙「『ワンダーアリスの世界時計』は全てを変える事は出来ません……」
皐月「判っている…だが、世界を覆う闇達を取り払うには時間が足りない…」
煉牙「……同志は兎も角、あの3名を抑えるにはもう猶予はありませんよ?」
皐月「……話は終わりだ、この事は他言無用。」
罪牙と煉牙は皐月に一礼すると部屋を退出した…
皐月「望まぬ結末とその記憶を持つのは辛い……何度繰り返そうとも私は未来を変えたい……この身滅びようとも…」
皐月は服のポケットから太陽と月の装飾が施された懐中時計を取り出すとその秒針を見つめた…
皐月「本当に何度繰り返しているんだろうね……私の強くてニューゲームを…」
※前回投稿から4年程経過していますが仮復活します。
こちらの執筆可能範囲で執筆したいと思います。
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