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FATAL DREEM+

1はばたき:2009/09/10(木) 21:05:20 HOST:zaq3d2e47fa.zaq.ne.jp
この小説は、オリジナルキャラクターによる等身大ファンタジーリレー小説の再編成です。
詳しい事はBBSに記載しておりますので、興味をもたれた方は一度ご覧になって下さい。
途中参加等も今の所、受け付けておりますので、参加したいという方はBBSかチャット等でご一報くださいませ。

※原則、挨拶のない書き込み、参加等は規則違反として即時削除依頼を出させていただきますのご注意を。

でわ、興味をもたれた方、面白いと感じられた方がおられましたら、どうぞ、ごゆるりとご堪能くださいませ。

2はばたき:2009/09/10(木) 21:06:42 HOST:zaq3d2e47fa.zaq.ne.jp
 『エステレラ』と呼ばれる世界がある

ルオサロック「ぬははは!
       効かん、効かんぞ!『魔族』共ぉっ!!」

 魔術、錬金術、法術、世の理を超える奇跡が跋扈し、幻想の獣が息づく世界
 多種多様な技術と文化が入り乱れ、多種多様な種族が共生する世界
 幻想の世界たるこの世にも人の世の営みは存在する

ルオサロック「うぬらの軟弱な魔術如きでは、『ルミナス』にその人あり!と詠われた儂を止める事等出来んわぁ!!」

 ある者は大陸の覇権を賭け、またある者は己の野心の為に。
 ある者は己が本懐を成し遂げる為。またある者は己の護るべきものを護る為に
 世界は巡り、流転する

少女「・・・・」
ルオサロック「どけぃ!小僧。
       貴様の様な矮躯でこの『大戦斧のルオサロック』を止める事など・・・」

――――ザンッ――――

ルオサロック「なにぃっ!!?」
少女「・・・・・・」

 かつて、世界に『魔王』があった
 その吐息は世界を穢し、その羽ばたきは天を覆い、光を殺した
 河は枯れ、海は朽ち、自然は悉く死に絶えた
 嘆くは人の悲鳴
 散るは明日への希望
 絶望の体現者を前に、世界はただただ煉獄の如き姿を晒すのみであった
 そして
 絶望が理不尽であったように
 奇跡もまた唐突に訪れた
 神が遣わしたとされる七つの光が世界を照らした
 闇色の翼は、七色の光によって切り裂かれ、封印された
 暗黒時代は終わり、人の世の再来であった
 七色の光は剣となり、世界を護る礎としてこの世に留まった
 だが
 世界を手にした人々はそれでも満足はしなった
 獣を狩り、森を狩り、海を踏破し、空を望んだ
 そして、『魔王』の残した闇の欠片、『魔族』
 人と魔は争った
 世界の覇権をかけて
 誰がこの世の支配者であるかを知らしめる為
 あくなき戦乱時代は繰り返し、屍山血河は世界を再び汚した
 そして幾星霜
 時代は流れ、平穏と戦乱が秤にかけられる時代
 新たなる七本の光剣の物語が始まる

ルミナス兵1「る、ルオサロック将軍が・・・・」
ルミナス兵2「金色の大剣(クレイモアー)・・・・奴はまさか」
ルミナス兵3「『常勝の姫将軍』『黄金の龍を手懐ける者(ドラゴンテイマー)』・・・」
ルミナス兵4「『アンブラ』君主!『魔王』の愛娘。リフィアだぁっ!!!」
 瓦解は一瞬で始まった。
 兵を率いる将を欠いた軍など烏合の衆。
 瞬く間に散り散りになる敵陣を見ながら、少女―――リフィアはその手に構えた大剣を戦旗の様に高らかに掲げた。
リフィア「追撃!!」
 燦然と輝く黄金の剣が、鈴を鳴らすような少女の号令とともに振り下ろされる。
 逃走を始める敵軍を追って、まるで戦女神に率いられたかのような猛然たる戦意を振りかざし、彼女の軍は突撃を開始する。
 それを見送りながら、少女は戦いの趨勢は決したとばかりに、その小柄な少女の体には不釣合いな大剣を地面に突き立て、その柄に両手を添えて、遠くを見るように一人その場に佇み、真直ぐに丘の上から見える蒼穹を見据えていた。


                        FATAL DREEM+

3はばたき:2009/09/10(木) 21:08:04 HOST:zaq3d2e47fa.zaq.ne.jp
 エステレラにおいて、最も北方に近い地域。
 寒暖差の激しい地域にあって、比較的気候の安定した南方の地を『オルクス地方』と呼ぶ。
 その一角に『アンブラ』と呼ばれる国があった。
 地上の魔界、『魔族』の支配するこの世の地獄。
 恐怖の忌み土地、穢れの残滓を残す魔境。
 今、その首都となる街の門を、一人の少女が潜ろうとしていた。
アンブラ民1「!姫様が帰られたぞ!!」
アンブラ民2「うおおぉぉぉっ!!姫様ぁっ!!」
アンブラ民3「姫様ばんざーいぃっ!!」
アンブラ民4「『常勝の姫将軍』ばんざーい!!」
 城門から王宮へ続く大通りは、さながら祭りの日のように湧きかえっていた。
 石畳の通りを埋め尽くす人人人の群れ。
 老いも若きも、男も女も、ある者は通りに駆け出し、またある者は家々の窓から顔を出し、従軍する軍隊の先頭に立つ少女を一目見ようと街の中心部へと集まっていく。
 遠巻きに凱旋してきた彼らの軍とその君主を取り囲みながら、街は喝采に溢れかえる。
 色とりどりの紙ふぶきが舞う中を、黄金の大剣を背にした少女が威風堂々とした佇まいで進んでいく。
 彼女が一歩歩くたび、また顔を周囲の民達の方へ巡らすたび、悲鳴にも似た歓喜の声が沸き立った。
カーネル「お帰りなさいませ、姫様」
 長々と続いた民の道を通り抜け、王宮の門までたどり着いたリフィアを一人の男が出迎えた。
リフィア「カーネル、留守中異常はなかったか?」
カーネル「万事恙無く。
     姫様こそ、ご無事で何よりです」
 カーネルと呼ばれた長身の男は、リフィアに頭を垂れながら、次いで戦勝の祝いの言葉を重ねる。
リフィア「只の小競り合いだ。名誉も何もない」
 体に付着した紙ふぶきや花びらを払いながら、リフィアは淡々とした調子でそう答えた。
カーネル「いえいえ、『常勝の姫将軍』の二つ名があればこそ。
     此度の勝利も姫様の戦歴に残る戦果となりましょう」
 あくまでリフィアを称える姿勢を崩さないカーネルに、リフィアも軽いため息をついて諦めたようにいわせるに任せた。
カーネル「さ、どうそ、王宮に戻り、お体をお休めください。
     今日は良い葉が入っております。
     それとも先に湯浴みになさいますか?」
リフィア「よい、多少は疲れた。
     自室でゆっくりさせて貰う」
カーネル「御意いに」

§

 =アンブラ王宮 アートルムパレス=

 『アートルム』。
 アンブラの首都と同じ名の王宮。
 その屋上、街を一辺に見渡せ、城内でも最も高い場所の一つである庭園で、リフィアは一人、外壁の上に腰掛けていた。
リフィア「メイ、いる?」
 誰もいないはずの庭園。
 月明かりに照らされた夜の庭で、リフィアは月を見上げながらそう呟いた。すると
メイ「ここに、姫」
 闇中に浮かび上がるように、一人の少女がそのシルエットを現した。
 青い、丈の短い装束。
 オルクス地方では見ない設えの服装の彼女は、遠く遠方の地よりやってきた異国の民だ。
 人間の身でありながら、『魔族』の支配する地であるアンブラにおいて、リフィアの側役に抜擢された異色の存在。
リフィア「『魔族』による世界の統率・・・」
 月を見上げたままの姿勢で、リフィアは呟くようにアンブラの目指す大陸支配の構想を口に出した。
リフィア「その為に、私は民を率いて戦っている・・・・」
 月を見上げていた瞳が、ふと動いて自身の掌へと向けられた。
リフィア「でもおかしいね。
     私は『半分は人間の血が流れているのというのに』・・・・」
メイ「姫・・・・」

4きつぐ:2009/09/30(水) 23:08:30 HOST:SSJfa-02p6-26.ppp11.odn.ad.jp

トリウィウム―――別名“十字路の街”。

すなわち、人、物が地方に渡るためには必ず通る・・・交易の要。

拠点として、かなり重要な意味を持つこの地は・・・現在、束の間の平穏に包まれていた。


「ほい、これを3軒先のおっちゃんのところにお願いね」
「ん。わかった・・・・・・つか、多くね? 俺の身長の5倍はあるんだけど?」
「ふん、その程度運べなくて、わらわの使い手は務まらぬと思え」
「相変わらず、スパルタだねぇ・・・ニムさんは」
「そう言いながら、笑顔で俺の上に荷物を積んでいく女将さんの方が酷いとおもぉぉおおおおっ!?」
「5倍とは言っても、あたしの身長より低いからね・・・男の子ならいけるでしょ?」
そう言って、微笑む宿屋の女将さんはすごく素敵な笑顔の女性です。
え? 俺? そんな素敵な女将さんが営んでいる宿屋に文無しで転がり込んだ行き倒れ・・・・・・うん、自分で言っていて悲しくなる。
ま、名前はリュー。本当はもうちょっと長いんだけど、面倒なのでこう呼ばれることがデフォになっている。そして、特徴は・・・・・・・・・2頭身。

頭の上に詰まれた荷物を崩さないように“ぴょこぴょこ”と3軒先のおっちゃんの店を目指す。最初の頃は、奇異の眼で見られたが気にせずに続けていると人間慣れるもので、
「お、リュー。また、おつかいか?」
「今日はどこまでだ?」
「3軒先のおっちゃんとこ」
 箱に詰められた荷物が、上下に“ぴょこぴょこ”と動く光景にも気さくに声をかけてくれるようになってくれている。
「おっちゃーん、お届け物だよー」
「おう、すまんな。そこに置いておいてくれ」
「りょーかい」
 “ひょいひょい”と、荷物を置いていく。
「お前さん、相変わらず不可思議な格好しとるの・・・」
「好きでしているわけじゃないよ・・・っと、伝票にサインちょーだい」
 サインをしてもらったのを確認してから帰路に着く。何故か、おっちゃんからリンゴを貰ったので、適当にジャグリングしながら宿屋まで戻る。
「ただいまー、おつかい終わったよー」
 今日も、“十字路の街”は平和である。この瞬間は―――。

5勇希晶:2009/10/30(金) 22:10:20 HOST:p6254-ipbfp505fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp
―――だが、平和というものはいとも簡単に破られたりする。
「あぁ?! なんだこら、やんのか!!」
「それはこっちのセリフだ! 覚悟はできてんだろうなァ!?」
宿屋の入り口をくぐったとたん、そんな言い争いが聞こえてきた。
どうやら、宿屋と兼業している酒場で真昼間から呑んだくれてるやつらがいたらしい。
一人はガタイのいい大男で、もう一人はいかにもチンピラといった風情の男だ。
見ると、テーブルの上にカードが散らばっている。おそらく、賭け事にでも興じていたんだろう。
食ってかかったのがどちらかはわからないが、一目見て険悪な雰囲気であることは簡単に伺える。
このまま店の中で暴れられると、テーブルやいすなどに被害が出ることは確定的に明らかであり、女将さんも困った顔をしている
まさに一触即発という雰囲気を悟ってか、いそいそと被害が及ばないような位置に移動する客や、急いで食事をかき込む客も見受けられる。
リューはため息をつき、女将さんにアイコンタクトを取ろうと―――
「おい、そこの二人」
横合いから割り込んだ声に邪魔された。
「「あぁ?!」」
突如割り込んできた声の主へと視線を向ける二人の間に、

ヒュッ

聞こえた声の主の手元がひらめき、礫のようなものが言い争っている二人の顔のちょうど中間を通り過ぎた。
一瞬のことに声も出ない男二人。リューが見た先にあったのは、若干ウェーブがかかった銀髪とそこからぴょこんと飛び出た△耳、そして体には動きやすそうな軽装鎧と籠手をつけた女性魔族だった。
割り込んできた女性は一つ頷くと、
「そんな大声で叫んだらほかの客に迷惑だろう。言い争うのならほかのところでやれ」
そう断言した。


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