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格闘ゲームの歴史・レビュー

11★:2003/09/07(日) 14:25
資料的なスレにする予定です。
その作品がどのようなセオリーとなっていて、その結果
どのようなキャラが強かったのか等を書いてください。
若干面白おかしく書いてもいいかもしれませんが、
ただしその作品を「知らない他者」に広める解説記事である意味合いで書いていきましょう。
その作品への愛を込めて。
比較的書き込みの難度が高いスレと認識して下さい。

テンプレ
【作品タイトル】
【ゲーム性説明】
【おそらく仕様外のテクニック・バグ等】
【特色・総括的一口攻略】

120強制はしませんが固定ハンドルを推奨します:2004/09/05(日) 12:47
対戦格闘を開拓したプレイヤー達(初代以前〜初代時代)

世代的にスト2をやっていなかった人は別にして、スト2プレイヤーには大きく分けて2つのタイプのプレイヤーがいます。

一つは初代スト2の黎明期から対戦を始めたプレイヤー達で、いわばこのタイプのプレイヤーは対戦格闘界における開拓者です。

実はスト2以前にも対戦格闘ゲームはいくつも出ていました。しかし、スト2がそれ以前の対戦ゲームと決定的に違ったのは、プレイヤーがお互い本気になって対戦しても、ちゃんと遊べたということです。

それまでの対戦ゲームは、一応二人同時で対戦するモードが付いていたとしてもそれは一人プレイのおまけのような扱いで、本気で対戦するとなんらかのテクニックで相手の攻撃が回避不能になったり、ゲームとして成り立っていないものばかりでした。

それらのゲームは始めは対戦で遊べても、研究が進んでいくと圧倒的に有利な戦法などが見つかってしまい、結局その戦法をやった者勝ち、最初からその戦法以外する必要なし、という状態になってしまっていました。

このように、それまでのゲームでの対戦に面白いものが無かったため、スト2も最初は対戦をしようというプレイヤーは殆どいませんでした。しかし、一人用でクリアできるようになって一通りやり終えたプレイヤーの一部が、新しいスト2の面白さを求めて徐々に対戦プレイを始めていきました。

彼ら自身、スト2も今までのゲームの対戦モードと同じくどこかに穴があり、決定的な戦法が見つかるのではないかと思いながら対戦していたと思います。しかし、スト2はそれまでのゲームとは違い、対戦をしても穴らしいものはすぐには見つかりませんでした。

誰かが返せないだろうと思って考えた戦法も、別の誰かが返す方法を見つけたりします。それが繰り返されていき、プレイヤーの間でスト2の知識が蓄積されていきました。そして、その知識が更に新しい戦法を生み出し、それを返す戦法を作り出してきました。

スト2での対戦は欠点らしい欠点が見つからないまま、プレイヤー達のレベルはどんどん上がっていきました。初めは返せないと言われていた戦法に返し方が見つかったり、絶対に勝てないと言われていた組み合わせで勝てる戦法が見つかったり、スト2の無限とも思える可能性に、プレイヤー達はのめりこんで行きました。

この頃には研究がかなり進んでおり、プレイヤーの実力はキャラクターの有利不利を逆転できるようになっていました。不利と言われる組み合わせでもプレイヤーの実力次第で勝てるようになっていたのです。

ここまで来ると、スト2は多くのプレイヤーにプレイされるようになっていました。今までの対戦ゲームには無かった、プレイヤーの実力が勝敗にきちんと反映される対戦ゲームは、多くのプレイヤーを虜にしていきました。

121強制はしませんが固定ハンドルを推奨します:2004/09/05(日) 12:48
もう一つのタイプのプレイヤー達(ダッシュ時代)

そしてアーケードではダッシュが発売され、スーパーファミコンで初代が発売されます。
このころから口コミで学生達がスト2をやりに来たり、スーパーファミコンから始めて腕に自信を付けた家庭用プレイヤー達がゲーセンへスト2をプレイしに来るようになりました。

ところが、初期からスト2をやり込んでいるアーケードゲーマー達には膨大な知識の蓄積があり、新参のプレイヤーとの間に圧倒的な実力差がありました。新参のプレイヤーが多少有利なキャラを選んだところで、実力でそれをひっくり返すことができました。

しかし、新参のプレイヤー同士ではまだ研究が進んでいないため、キャラ差が勝敗に大きく反映されることになります。彼らの中で多くを占めるライトプレイヤー達はゲームに対してそんなに真剣に研究しようとはしない為、キャラの有利不利を実力でひっくり返せるという発想はしませんでした。

また、古参のプレイヤーにとっては返し方の良く知られた戦法でも、新参のプレイヤーにとっては返し方が全く判らず、また、返し方を研究しようともしないため、それらの戦法は「返せない戦法」と思い込まれるようになりました。

そして彼らはキャラの有利不利で相手のプレイヤーに文句を言ったり、相手が使う先方に文句を言うようになっていきました。実際やり込んだプレイヤーにとっては取るに足らない戦法も、彼らは禁じ手にすべき戦法だと主張し始めました。

そもそも、そんな禁じ手にすべき戦法があるようなゲームなら、それはそれまでのゲームの対戦モードと同じで、真剣にやる価値など無い筈です。これまでスト2をやり込んできたプレイヤー達は、禁じ手無しに対戦できるからこそ、ここまでスト2に夢中になれたのです。そこへ後からやってきて、自分達が勝てないから禁じ手にすべきだと主張されても納得はいきません。

しかし、初代からやりこんでいたプレイヤー達より新参のライトプレイヤー達の方が数が多く、それらのライトプレイヤー達が返せないと主張する禁じ手は、使わないことが「マナー」だなどと言われるようになります。

これが、俗に言う投げハメ論争の最初です。そもそもの投げハメ論争は、初代からやり込んでいたスト2プレイヤーと、新参のライトプレイヤーとの争いなのです。

この禁じ手を主張するライトプレイヤー達が、もう一つのタイプのプレイヤー達です。投げハメ論争の決着は付かず、相容れぬまま、古参のプレイヤー達と新参のプレイヤー達は同じゲームをプレイし続けました。

もちろん、新参のプレイヤー達の中にも不利を実力でひっくり返したり、返せない戦法が返せるようになる楽しさに気付いて古参のプレイヤーと同じ考えを持つプレイヤーもいましたが、殆どの新参のプレイヤーは雑誌などの情報をそのまま鵜呑みにするだけで自分達で研究したりはしない為、それらの面白さに気付くことなく単に優越感や爽快感を求めて薄っぺらな対戦を繰り返していました。

122強制はしませんが固定ハンドルを推奨します:2004/09/05(日) 12:49
第一次暗黒時代(ターボ時代)

その頃、カプコンのスト2スタッフはダッシュの続編であり、新システム基板CPS2の目玉となるゲーム、スーパーストリートファイター2の開発を行なっていたそうです。しかし、ダッシュ後期に海外でダッシュのコピー基板が出回り、単なるコピーどころか一部パラメータなどを弄った上で新製品と偽って、日本にも入ってきました。俗にレインボー等と呼ばれる基板です。

新しいプロテクトが搭載されているスーパーが発売されれば、それらのコピーを一掃することが出来ますが、スーパーの発売まではまだ期間があります。そこで、別のスタッフによる新しいスト2が開発されました。それがターボです。

これが本来のスト2スタッフによって作られたならこんなバランスにはならなかったでしょうが、ターボは商業面を優先して主に人数の多いライトユーザー達をターゲットに作られたため、彼らの喜ぶようなバランスになりました。スピードを速くし(これはオペレータに対する売りも兼ねますが)、跳び込みや突進技の判定を強くしました。細かい駆け引きよりも、爽快感を優先したのです。

これによりライトユーザー達は喜びましたが、本来のスト2の面白さは失われました。実力が勝敗に反映される割合が低下したのです。それまでのスト2なら一見強い技でも弱点を見抜いてタイミングや間合いをその弱点に合わせれば返せてたのが、圧倒的に大きな攻撃判定などで攻撃を当たりやすく調整されたため、緻密さはなくなり大雑把な対戦しかできなくなりました。

古参のプレイヤーの多くがターボを期にスト2を離れました。逆にライトプレイヤーはますます増えました。そして、ライトプレイヤー達が多くなると、当然投げハメなどを禁じ手とする風潮が強くなりました。ターボのバランスもあり、この頃のスト2には心理的な駆け引きは殆どありません。

123強制はしませんが固定ハンドルを推奨します:2004/09/05(日) 12:49
スト2の復興と終焉(スーパー〜X時代)

そして長いスト2冬の時代の後、ついにスーパーが発売されます。それは正しくスト2の続編と呼べるものでした。ターボとは正反対の、初代、ダッシュの方向性と同じスト2です。各技のバランスも見直され、よりプレイヤーの実力が勝敗に反映されるように、つまり、より優れた対戦ゲームになるように調整がされていました。

古参のプレイヤーも戻ってきました。またスト2ならではの熱い対戦が繰り広げられるようになりました。しかし、ライトプレイヤー達にとっては面白くありません。実力の反映されるゲーム性は、彼らの勝率低下を招きます。そして、多くのライトプレイヤー達はスーパーを詰まらないと言って去っていきました。

丁度餓狼2の続編である餓狼スペシャルが発売され、これはライトユーザーの喜ぶ方向性だったので、彼らの多くは餓狼スペシャルに流れました。逆に、ターボが嫌で餓狼2をやっていた元スト2プレイヤーは、スーパーに帰ってきました。

そして、スト2史上最もレベルの高い対戦が日々行なわれました。ライトプレイヤーが少ないこともあって、スト2で行なわれる対戦は腕に覚えのあるプレイヤー同士の、非常に濃い内容の対戦がいつも行なわれていました。

ここで終わりなら良かったのですが、ゲーマーよりもライトプレイヤー(含む学生)が多い店などはスーパーはターボよりもインカムが悪かったため、オペレータから苦情が来たのでしょう。ターボと同じ方向性の続編が発売されました。それがXです。

ターボと同じように跳び込みや突進技の判定を強くし、更に餓狼で受けの良かった超必殺技を追加しました。これによって実力的に負けている相手に対して、運良く一発が当たれば勝てるかもと思わせることができます。

ライトユーザーに受けるために、将棋のように実力が勝敗に反映されるゲームではなく、マージャンのように運の要素が強いゲーム性にしたのです。そして、ライトユーザーはこれを歓迎しました。投げ受身も一見投げハメに対しての対策になりそうですが、実際は全く逆であることにライトユーザー達は気付いていません。

こうして古き良きスト2は消滅しました。殆どの古参プレイヤーは去り、新参プレイヤー、それもXでのシステムを最大限利用したタイプのプレイヤーが幅を利かせるようになりました。もはや実力がキャラ差を凌駕し、間合いを駆使した心理戦が行なわれるスト2は存在しなくなったのです。

そして、このゲームの面白さよりも爽快感などでライトユーザーを取り込む手法がゲーム業界の主な手法となり、マスコミを利用して盛り上げたバーチャファイターシリーズ等によって決定的にゲーム業界は滅んでいきます。面白いゲームは無くなり、ライトユーザーを喜ばせることを目的とした、浅いゲームばかりになっていったのです。


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