リアルなんて無い

175：(･ω･)：2004/03/10(水) 02:03 ID:1xJI4rMw: 彼は高揚していた。
彼が今完成させたものは、システムに大幅な変更がなければ、
ほぼ見つかることのないブラックボックスと化した一つのモジュールだった。

このゲームの開発者の一人である彼は、
開発当初からこの問題点に気付いていた。

「終わりある世界」

この問題を打破しなければ、求めていた世界を作ることは出来なかった。
そこで、彼は誰にも明かすことなく、このモジュールを作り、
ユーザがアップデートする際に気付かれないよう、断片毎に
各クライアントへ送り込んでいったのだ。

「終わりなき世界」

それは、人間としての一つの証明だった。

電脳世界で生きていくことが出来るのか
体と心を別の場所に置いたとき、人間が何処まで人間であるか
人間が新しい世界を手に入れるためにはどうすればいいか。

人とは何か、人としてなくてはならないものとは何か

その答えを求めて、このゲームの開発に携わったのだ。

その答えを導く一筋の光が次のアップデートで明らかになる。

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