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タブンネ刑務所14
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新規習得した癒しの波動を用いてベビの介抱を続けること約10分。
不思議な光は段々と弱くなり、やがて完全に出なくなってしまった。
—どうしてミィ?どうして!おねがいおねがい!もう一度出て!ベビちゃんが...ベビちゃんが......
愕然と両膝を着き、ベビを見つめたタブンネ。
必死の介抱の甲斐なく一瞬だけ息を吹き返したベビは再び呼吸をやめ、もう振動することもなく、動かなくなった。
癒しの波動はそもそも命の瀬戸際の者を回復させる技ではない。
奇跡の新技習得は、タブンネに余計な希望を与え、ふたたび絶望させる無駄な時間に過ぎなかった。
暫し膠着を見せた親子であったが、ベビンネの胸元がかすかに上下し、息とも声ともつかぬ音を小さな口から漏らした。
......マ......マ.........ス......ス...ッ........———
ベビちゃん⁉︎ カッと右眼を見開いたタブンネ。今確かにベビの漏らした吐息はタブンネの言葉として何かを紡ぎかけていた。
「ベビちゃん!ベビちゃんおねがい!しっかりして!ベビちゃん!ベビちゃん!」
ひたと抱き上げ、膝の上に乗せると我が子へ向け必死に呼びかけ続けたタブンネ。
グ...グジュルルルグギギ...ッ...グジィーーィッ...ゴププルッ...
我が子の口から漏れた返答は、生物の発する音とは思えぬ、残酷な音であった。
鼻腔から一筋、深紅の液体を垂らすと、口角からそれと同じ色のあぶくをコポコポと吹き出し、ガクッとこうべを垂れた。
「.......ッッ......ベ..........」
タブンネはまともに言葉も出なかった。触覚で生命音を探る術を持たぬタブンネ。それ故か第六感には多少秀でていたのかもしれない。ベビの最期を、はっきりと理解した。
生後15日、ひと月にも満たぬ、短い生涯であった。
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