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タブンネ刑務所14

50ショーケースの裏側で:2017/06/14(水) 03:11:44 ID:ddkwLB.g0
タブンネたちの食事の後、遊び疲れたベビンネたちはうつらうつらと眠そうにしていた
するとチビママンネはベビを一匹ずつ優しく抱っこして次々と寝床へ運んでいく
寝床は女子社員がたまたま準備室にあった毛布を折りたたんで作った即席の物だが
初めて体験する毛布の柔らかさと心地よい肌触りにベビ達も気持ち良くに眠りに落ちていった

「ミィ… ミィ… ミ…」
「あぁ、お母さんタブンネもお疲れさんですね…」

寝床にベビたちを集め終えたチビママンネは自分も寝床の上に寝そべり
自分に密着させるように抱き寄せてるうちにいつの間にか眠ってしまっていた
親子がくっついて眠るのは母親の体温で温める事によってか弱いベビたちを夜の寒さから守るという
誰に教えられた訳でもないタブンネの自然の知恵、つまりは習性だ
女子社員はそんな事を知る由もないが、目の前の暖かな親子のふれあいにほっこりとした気持ちになっていた
しかしチビママンネが寝ると毛布の上は満員で、
勇者ンネは女子社員が新たに持ってきた座布団の上で体を丸めて男一匹寂しく眠るのであった

現在は閉店時間の午後10時。タブンネ達の声が消えると騒々しかった部屋も一転して静かになり
することが無くなった女子社員は思い出したように遅い夕食をとった
メニューは買っておいたコーヒーとカツサンド
冷めきってはいるが、ソースの濃い味が未だ口内に不快感を残す小ベビンネのよだれの口直しにはちょうどいい
食べてる音でタブンネ達が起きるといけないので準備室の外で立ったままこっそりと食べる
この時、会場に置かれたままの子タブンネ達が入れられたケージが不意に目に入る
数時間前まではミィミィミィミィと群れたムックルの如く喧しかったが、
店の照明が消えて暗くなった今では火が消えたように静まり返っていた

「おちびちゃん達は大丈夫かな?」

女子社員はケージを見ているうちに気になってきてしまい、その様子を見に行く
ちなみに大勢の檻に閉じ込められている子タブンネ達は夕食抜きである
昼に客たちから餌をしこたま貰っているから大丈夫だろうというざんす男の判断だ
女子社員は内心、本当に大丈夫なのかなと心配していたのだが
いざ様子を見てみると大多数が気持ち良さそうに寝息を立ててるので、この判断は間違ってはいなかった様である
ここで「大多数」と表現したのは、そうでない子タブンネもいるからだ

「ミ… ミ…」「ヒィック… ヒィック…」「ズッ… グズッ…」

檻の傍に居ると子タブンネの寝息やいびきに混ざって、かすかにすすり泣く声が聞こえてくる
女子社員はどうしたのかと不安に思い、聞き耳を立てて泣き声の出てる檻のひとつを探し当て、
起こさないよう気をつけながら懐中電灯光量を弱くして照らし、出入り口の格子の隙間から中をのぞいてみる
そこには数匹ずつ固まってすやすやと眠っているタブンネ達の姿が見えた
泣いているのはその中のうつ伏せで壁に顔をくっつけながら寝ている2匹の子タブンネだった
他の子タブンネと見比べると小さく幼い子タブンネで、薄暗い中だとベビンネのようにも見えてくる
懐中電灯の光をそっと当てて目を凝らしてみると、確かにその頬にはキラリと反射する真新しい涙の跡が
だがキラリと反射したのは頬だけではなく、子タブンネの顔の付近のケージの壁もテカテカと濡れていた
最初は涙が壁に付いたのかと思った女子社員だったが
よくよく見てみると涙にしては量が多く、顔の位置から考えて舌で舐めた跡だなと何となく推理した

「…ごめんなさい」

懐中電灯を消し、小声でそう呟いてからケージから離れていく女子社員
本当はあの子タブンネたちをケージから出して慰めてやりたかった
しかし、あのケージの金属製の扉は開け閉めするとガチャンと大きくて耳障りな音が鳴る
唯でさえ耳が敏感なタブンネたちだ
せっかくぐっすり眠ってくれてるというのにそんな音を鳴らしてしまったらどうなるか…
他の子タブンネの事も考えると、あの子たちは泣くままにしておくしか仕方がない
泣いてる子タブンネは他にもいるが、睡眠が心を癒してくれる事を願うほかなかった




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