したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

タブンネ刑務所14

482キルクスタウンのタブンネ:2021/02/25(木) 19:50:24 ID:pt4juP.Q0

今まで同様、人間が寝静まった夜中になるとタブンネの活発な行動が始まる。

眠るベビを右脇に抱え、左腕を器用に使い、頑張って糞運びをした。


ベビが生まれる直前まで、タブンネは負傷した右腕を使うことが一切なかった。
糞運びをする時はいつもタマゴを寝床に放置していた。今はベビを置き去りにするなんて発想は毛頭無い。

タブンネの右腕、手先の粉砕は相変わらずで、指爪を使うことは許されなかったが、半分から付け根の部分はいつの間にか腫れが引いていて、今のように脇にベビを抱いたり、左腕の補助として添え手をするくらいは充分に可能だった。
これはベビンネが気付かせてくれた事実。野生で生きる上ではかなり大きなことだった。


2匹分の糞や、汚した雪まで片付けなければならないので糞運びの大変さは倍増したが、それでも4往復くらいして寝床付近を綺麗にした。
今までと違ってこれを惨めに思うことも、ストレスを感じることもなかった。

糞運びを終えると、足早にステーキハウスへと向かった。しばらくご無沙汰だったが、授乳の為により多く栄養をつけたかった。
ベビ誕生の翌晩からステーキハウス通いを復活した。

廃棄場にたどり着くと、すぐにはゴミ漁りを始めず、建物裏口前に立ち必死に耳をそば立てた。過去の失敗からより慎重さを増していた。

人間の気配が無いことを確認すると、裏路の雪の無い場所にベビを寝かし、袋に手をつけた。
苦手なマトマやフィラ、そんなに好きではない生肉も選り好みせず、沢山食べた。

ステーキハウスでの食事を終えると野外泉には向かわず、イオニアの廃棄場で野菜芯や木の実片、日中の非常食を少し蓄え、一度寝床に戻った。
温泉に行くのはベビが夜鳴きをしたタイミングや早朝、ベビが目を覚ました時に、一緒に向かった。

ベビンネも温泉は好きだったようで、タブンネに抱かれて入浴する度、「チィチィ♪」と嬉しそうに鳴いた。

タブンネはこれまで以上、よく身体を綺麗にした。ベビの排泄物処理も行う為、口内も入念に濯ぎ、水分もしっかりと摂った。

温泉から上がり、側路に置いてやると四つん這いでプルプルと湯雫を飛ばすベビンネ。タブンネはベビのこの姿を見る度に悶絶し、目尻を限界まで下げて顔を綻ばせた。完全に親バカだが、とにかくタブンネはベビに溺愛、幸せ一杯だった。

湯浴みを終え住処に戻ると授乳をし、親子で静かに過ごした。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板