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タブンネ刑務所14
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─ やるじゃねぇかクソガキィ! ミストフィールドでドラゴン技を軽減して突っ込んでくるなんざ思いもしなかったぜ! ─
兄タブンネは理解できなかった。倒せなかったことそのものもそうだが、何故こいつは眠っていないのだ。
兄タブンネが困惑顔をしているとサザンドラは嬉々として語り始めた。
─ だがあのミストフィールド、アレは悪手だったなァ。フィールドを展開するときは相手も利用できるって事を念頭に置かねぇとな ─
その言葉で兄タブンネはハッとする。
そうか、このサザンドラはあの時わざととっておきを喰らったのだ。
回避できないはずの眠りを回避するために、大仰な演技で倒れ込みミストフィールドを利用したのだ。
サザンドラが眠っていないからくりを理解した兄タブンネは、悔しそうに歯を食いしばる。
だが、まだだ。まだ終わっていない。
例えここで刺し違える事になったとしてもこいつはここで倒さないといけない。
妹のためにも。惨殺された仲間たちの為にも。そしてタブンネの誇りのためにも。
兄タブンネはこの絶望的な状況下で覚悟を決め、自身の命をも視野に入れた逆転のプランを考え始める。
その様子を見てまだ兄タブンネに諦めがないことを理解したサザンドラは次の一手に出た。
サザンドラはゆっくりと右頭を近づけると、持ち上げていた兄タブンネを地面に下ろし解放する。
あまりに突然の事で足に力が入っておらず、解放された一瞬だけよろけてしまう。
そんな兄タブンネをサザンドラは優しく正し、付着した砂ぼこりを払い始めた。
兄タブンネにはその意図が理解できなかった。先ほどまで殺し合いをしていた相手にするような行動ではない。
どういった思惑で自分を解放したのか、兄タブンネが警戒しながら睨みつけてる。
するとサザンドラ額の傷を弄りながらゆっくりと語り始めた。
─ それにしてもまさかここまで手酷い傷を負う事になるとは思ってもみなかったぜ。
てめぇらタブンネにここまでしてやられるなんざ本来ありえないことなんだが……まぁ相手が何であれ慢心はするべきではないってことだな ─
相変わらずの上から目線ではあるが、兄タブンネ自身それを否定するつもりはなかった。
確かにサザンドラには油断や慢心と言った弱点があったことを理解していたからだ。
そしてそれらが無ければ今こうして一矢報いることすらできなかっただろうということも。
サザンドラは少し気恥しそうにしながらも言葉を続ける。
─ まァ……アレだ。今回はてめぇに勝ちを譲ってやるよ、ボウズ。どこへなりとも好きなところに行きな ─
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