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タブンネ刑務所14

43ショーケースの裏側で:2017/06/06(火) 02:54:34 ID:9mShWw2U0
(そうか… タブンネたちは赤ちゃんが硬いもの食べられるようになった事を、
 成長した事を喜んでいるんだ)

そう解釈した女子社員は優しく声をかけながら二匹の後から加わるようにそっと頭を撫でた
こうやって大人の真似をしながらも時には冒険し、子供たちは成長していくのだと
この大都会のデパートの片隅で、タブンネの親子の野生での生き方を垣間見た気がした

「チ、チィ」
「え、おちびちゃん?」

喜びの余韻が残る中、チビママンネの後ろから小ベビンネが出てきて餌皿へと這い寄っていく
何をするかと思えば餌皿に乗りかかり、その中からブロッコリーの芯のスティックを手に取った
チビママンネたちに褒められてる同郷ベビが羨ましくなり、自分も同じものを食べて褒めてもらおうという魂胆なのだ

「キュェッ!!」
「あっ、やっぱり!」

何も考えずに芯を口に入れた小ベビンネは、二、三回チュパチュパとしゃぶったかと思うと
すぐさま嗚咽とともにそれを大量のよだれと一緒に餌の上に吐き出してしまう
ミルクの味しか知らない未熟すぎる舌に独特の癖のあるにおいと味は耐えられなかったのだ
その後当然小ベビンネは号泣し、チビママンネが大慌てで抱っこして揺さぶりあやし始める

「ど、どうしようこれ…」

皿に残っていた餌は小ベビンネの唾液がたっぷりと掛かりあんかけ状態となってしまっていた
こうなっては勿体ないが捨てるしかないと女子社員はゴミ袋を用意しに行って戻ると
勇者ンネと同郷ベビは気にせずパクパクと食べていた
野生暮らしだとベビンネの唾液程度では汚物扱いしないのである
その様子に女子社員は少し引いてしまったが、まあポケモンだからしょうがないと自分を納得させた

その後小ベビンネが泣き止んでチビママンネも食事に戻り、3匹一緒に餌を食べ始めた
同郷ベビはミルクも飲んでいたので数口で満腹になって食べる手を止め
勇者ンネとチビママンネは夢中で食べ続けているように見えたが
残り1/4程残して食べるのを止めてしまった

「あれ、もう食べないんですか?」
「ミッ、ミィ」

2匹で食べるには少し足りないくらいの量だったので満腹になるのは妙だと女子社員は思ったが
チビママンネが皿を持って笑顔で差し出してきた事でその意図を理解した
これはあなたの分だから食べてと言ってきてるのだ

「い、いいですよぅ」
「ミィ、ミィ?」

女子社員は夕食がまだでおなかが減っているのは確かだ
チビママンネはタブンネ特有の優れた聴覚によりそれを察したのだろう
しかし、食べてと渡されたものはベビンネのよだれにまみれたポケモンの餌だ
さすがにこれは食べられないと突き返しかけたその時

「チィィ?」「チー?」

同郷ベビと小ベビンネが自分を不思議そうにじっと見ていることに気づいた
同時に、先ほどのタブンネの子供は大人の真似をして育っていくという事が頭に浮かぶ

(あの赤ちゃんだって不味い野菜を頑張って食べたんです
 この子たちに大人の私が好き嫌いをする所を見せるわけにはいかないです…!)

変なところで発揮されてしまった持前の責任感により、
人生最悪の野菜あんかけを無理やり笑顔を作りながら涙目で完食するハメとなった女子社員であった




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