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タブンネ刑務所14

418キルクスタウンのタブンネ:2021/02/04(木) 19:45:46 ID:gc55JBXY0

産卵してからおよそ3週間、食事と排泄の時以外は常に胸に抱え暖め続けたママンネの努力の甲斐あって、遂にタブンネ孵化の時を迎える。

最初にタマゴにヒビが入ってから赤ん坊が完全に出てくるまで実に30分。
ママの不安が的中し、低体重で低体力。身長は17cm、体重は500g程。未熟児でも特に小さい部類に入り、ましてタブンネは早産どころか通常の何倍もタマゴの中に居た。

母体の栄養不足に夫を失った強い精神的ショック。更には転居のため長い距離を走った事も乳児の発育不足を招いた。

それでも殻を自力で破り産まれてきたベビタブンネをママは抱き上げるが産声はなく、身体に付着する粘液は既に外気で乾き、至るところの体毛がガベガベに固まっていた。

ママは短い両腕を巧みに使い、左腕でタブンネを抱き、右腕で優しく背中を叩き続けると、やがて
「ヂッ」とかすかな第一声を上げ、ママはケバだった体毛を必死に舐め続け、身体がある程度綺麗になると小さな口を乳首に当てがい、授乳を試みるが一向に飲んでくれない。

抱きしめて撫でる。身体を舐める。乳首に押し当てる、の流れを小一時間繰り返すとようやく乳を飲み始め、コクコクと喉を鳴らし終えた後
「チピッ」と小さなゲップをし、そのまま眠り始めた。

涙を流しながら、眠りについた我が子を眺めるママンネ。しかしその姿に更なるショックが待っていた。
タブンネ最大のチャームポイントであり、野生では生命線でもある触覚が、注意して見なければ気づかない程短かったのだ。

狭い路地裏でゴミを漁り、日中は常に人間の存在に注意を払わなければならない不安定な生活。
弱々しい我が子を育てられるか不安なママンネだったが、大好きだった亡き夫を思いだし
「ミッ!」と短い気合を入れると、夫婦の愛の結晶を胸に抱いたまま、やがて自身も眠りについた。




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