したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

タブンネ刑務所14

367カンムリ雪原のタブンネ 三つまたヶ原編:2021/01/24(日) 22:12:47 ID:.pjsQMZQ0
サザンドラが次の獲物を物色していると一匹、逃げ遅れたタブンネと目が合った。
恐怖で体が竦んで動けなかったのだろう。部屋の隅で胸に両手を当てながら涙目でこちらをじっと見ている。
次はあいつにしよう。思い立ったサザンドラはそのタブンネへと近寄る。
返り血にまみれたサザンドラに対し「ミヒィッ!」と悲鳴を上げへたり込むタブンネ。
目の前の存在がただただ恐ろしかった。この恐ろしいドラゴンから一刻も早く解放されたい。
タブンネはなんとかしてサザンドラから逃げられないかを考える。
サザンドラはもちろんタブンネが何か考えて行動しようとしているのを理解している。
理解しているからこそ今はまだ何もしない。タブンネ達が行うささやかな抵抗、それを踏みにじるのが楽しいから。
恐怖で追い詰められたタブンネはふと、自身のしっぽにオボンの実を隠し持っている事を思い出した。
少し前の遠征で見つけたのを有事に備えてしっぽの中に隠していたのだ。
オボンの実はタブンネ達にとっては貴重品だ。きっと目の前のサザンドラもオボンの実を欲しがるに違いない。
しかしこのオボンの実を投げたところでサザンドラからは逃げきれない。
だったら、このオボンの実を使ってサザンドラと仲良くなろう。
そうすればきっと、きっとみんな生きてここを出られるはず───
そう考えたタブンネはしっぽからオボンの実を取り出しサザンドラへ差し出した。

 「ミゥミゥ……ミゥゥ……」─ オボンの実を上げるので私達を見逃してもらえませんか…? ─

サザンドラはこのタブンネのあまりにも局面と違う行動に面食らってしまう。
こちらの顔色を伺うようなヘラヘラとした顔で変色したオボンの実を差し出すタブンネ。
そもそもこういった交渉事はリターンが釣り合っていない限り受け入れられることはない。
タブンネ達にとっては貴重品であるオボンの実も、サザンドラからすれば毎日好きなだけ食べれるようなものだ。
このタブンネは知ってか知らずか、タブンネから得られる経験値をそんなオボンの実一つで諦めろと言ってきたのだ。
あまりにもリターンが釣り合っていない交渉、当然サザンドラもそんな交渉を受け入れるつもりはない。
だがここで普通に断ったところでパフォーマンス的に面白くはない。
目の前の存在の生殺与奪の権を握っているのは自分だ。であればもっと面白さや楽しさを意識したい。
そう思ったサザンドラその交渉を受け入れるそぶりを見せた。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板