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タブンネ刑務所14

359カンムリ雪原のタブンネ 三つまたヶ原編:2021/01/24(日) 22:04:50 ID:.pjsQMZQ0
メタモンのスカウトもあり、斥候班のタブンネ達は全員遺跡の前へとたどり着いた。
リーダータブンネはメタモンを含む成タブンネ六匹を二人一組の三組に分けて周囲の哨戒を行うよう命令する。
なぜ直ぐに遺跡の中に入らないのか。それは外敵と遺跡の構造の確認のためである。
この遺跡に出入口が一つしか無い場合、階段へ踏み込んだ後に野生のポケモンから後を追われれば袋小路へ誘い込まれてしまう。
そうなった場合群れの全滅は免れないだろう
故に遺跡に入るその前に、外観からわかる範囲での構造の把握と、野生のポケモンへの警戒が必要なのである。

 ─ こっちにおいで、一緒に体を温め合おう ─

一方で周囲の哨戒に加わらなかった子タブンネ達は軒先で身を寄せ合い体を温めあっていた。
体格が大きい方の子タブンネがそういうと小さい子タブンネはその子タブンネの懐へもぐり体を預ける。

 ─ お兄ちゃん、あったかい…… ─

一番小さい子タブンネは大きい子タブンネの胸に頭をこすりつけ甘えている。
この子タブンネは大きい子タブンネの妹のようだ。
兄と呼ばれたタブンネは妹が寒い思いをしないようできるだけ全身を包み込むように抱きかかえる。
本来であればこの二匹はこの探索に加わる予定はなかった。
しかしこのタブンネ兄妹は他のタブンネが覚えない特殊なわざを覚えていたため、いざというときのキラーカードとしてリーダータブンネが同伴を許可したのである。

一寸先で吹き荒ぶ猛吹雪を見ながら兄タブンネは考える。
もしこの遺跡がタブンネにとっての安住の地になるのであれば、今まで行われてきた凄惨な営みから解放される。
そうすれば妹も、望まぬまま子を産まされることも無くなるんだ、と。
兄タブンネは先ほどの長女タブンネ同様、目の前で喰われていく兄弟たちを目にしたことがある。
あの時、兄弟たちを救えなかった屈辱から、末の妹タブンネだけは何としてでも守ってやりたいと決心したのである。
例え自分の身が犠牲になろうとも───




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