したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

タブンネ刑務所14

328ガラルタブンネ牧場:2021/01/11(月) 20:37:25 ID:AO.5I2e20
必死の懇願も全く聞き入れられず、状況に絶望していた弟ンネはその場に蹲っては両耳を押さえ、顔を俯き目を固く閉じ、大量の涙、尿を撒き散らしガタガタと大きく震えるだけであった。

 大好きなお姉ちゃんとの永遠の別れから来る悲しみ、信じられないほどの惨劇を目の前で見せられた恐怖。様々な感情が渦巻いている中、一番強く思うことは奇しくも姉ンネが意識を失う刹那感じた事と同じ
(何でニンゲンさんは助けてくれないミィ?タブンネがこんなに苦しんでるのに平気で居られるのミィ?)
といった事だった。

「バウッ!」   「ミヒィ⁉︎」

 いつまでも感傷に浸っている場合ではない。姉ンネを平らげたルカリオはマスターの足下でうずくまる新たな獲物に目を向けると一目散に駆けてくる。

「ミ゛ッ⁉︎ミビャーーーん!」
「戻れ!ルカリオ!」
弟ンネにルカリオの手が届くすんでの所で、トレーナーがルカリオをボールに戻す。
ミフウッ!感情が落ち着いた訳ではないがひとまず目の前に迫った危機を脱し、弟ンネは尻餅と共にひと息つく。

「ごめんなルカリオ。お前はまた今度な。」
「出てこい!オノノクス!」

「グルルルルッ!」
先程姉ンネが作った血の海の真ん中に新たなポケモンが繰り出されると、ボールの中で自分の番を今か今かと待ち侘びていたのだろう。美味しそうなエサを一心不乱に見つめている。

「ヒャッ!」
恐怖の余りまともに叫ぶ事すら出来ない。この弟ンネ、その生い立ちからか野生的危機意識にはだいぶ欠けているようだが、姉が目の前で喰われ、次いで新たにいかにも獰猛なポケモンが繰り出されたことの意味が理解できる程には賢いようである。

「ミ゛ッ!ミィーーーーーー!ブヒェーーーーーン!」
(おねがい!あのポケモンさんをすぐにしまって!ボクをたべさせないで!)
ここまでで一番の剣幕と声量で、トレーナーのズボンを引っ張り喚き散らす弟ンネ。

「お前ちょっとうるさいぞ。そこに居たらオノノクスが食べづらいだろ。」

ポフッ!  「ミビッ」

人間とポケモンによる見事な会話のキャッチボールが成立した後、これまた見事なインサイドキックでトレーナーが可愛いタブッ腹に蹴りを入れると、オノノクスの脚にポヨンとぶつかりその前に転がる。

「ーーーーーーッ」
弟ンネが声にならない叫びを上げるや否や、もう充分に旨味が凝縮されているのであろう、その間僅か10秒に満たないであろうか、オノノクスは左手で弟ンネの頭を引っ掴むと
「グチッ」
首から下の胴体を一気に噛みちぎりほぼ丸呑みすると
「ミ゛・・・ビ・・・。」
断末魔と呼ぶにはあまりにも弱々しい叫びの余韻に浸る間もなく、綺麗なブルーをした両眼と一瞬見つめ合った後、残った頭も丸呑みする。その喉元を通る際、「ミィ--!」と最後の叫びが聞こえたが、オノノクスもトレーナーも全く意に介していない。

 満足そうなオノノクスをボールを戻すと、伸ばしたホースから水を流し、淡々と血溜まりを掃除していくトレーナー。
 この様な凄惨な場面もすっかりここガラルでも日常的光景として定着しつつある。この日もあらゆる街々、道路やワイルドエリアと至る所で、老若男女沢山のタブンネ達が高価な栄養源として、その命の役割を終えていく。

 このガラルの新産業、(実質)生き餌用タブンネ牧場が興るに至るまでの紆余曲折を少し紹介する。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板