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タブンネ刑務所14

327ガラルタブンネ牧場:2021/01/11(月) 20:27:28 ID:AO.5I2e20
ところ戻って青年トレーナー宅の庭。
「おまたせ!ふたりとも大人しく待ってたな。偉い偉い。」
姉弟もミッ!とその声に笑顔で応え、新しい家族との対面を楽しみにしているようだ。

「ルカリオ、出てこい!」
トレーナーが勢いよくボールを投げると、姉弟、トレーナーのいる位置から5メートル程先、青く強そうな見た目をしたポケモンが現れる。

「ミィ・・・。」
 見た事のないポケモンの登場に感嘆の声を上げる姉弟。弟ンネの方はちょっぴり怖い様で、トレーナーのズボンをちょこんと掴んで立ちすくむ。
 そんな弟をよそに、先に動きだしたのは姉ンネ。ミッミッ♪という鳴き声と共に、可愛らしく尻尾を振りながら新しい家族の元へ歩み寄る。

「はじめましてミィ!ミィ達はタブンネミィ!あなたは・・・」

 ガッ!「ミ゛ィ!?」
姉ンネの可愛らしい自己紹介を遮るように、待ちきれないと言わんばかりの表情を浮かべたルカリオがその首元を描き掴む。

「ミィ?」
弟ンネは口をポカンと開き呆けた表情を浮かべその様を見つめる。

 ボンッ!  ビチャッ

「ミ゛ッ!?ゴフッ!ミボルルルッ...!」

 ルカリオの波動弾が姉ンネの下腹部を貫通し、肉も尾も臓器も跡形も無く消し飛ぶ。辛うじて原型を留めた大腸の一部が僅かな肉片毛皮片と共に姉ンネの後方5メートル程先の芝生の上に転がり、生まれたてのヤクデの如く微かに蠕動している。

「おいおい、ルカリオ。そんな派手にやったら喰うとこ無くなっちゃうぞ!」
 優しい笑顔を浮かべ青年が言う。

「ミゴッ!ミヒィン...ゴブルルルル」
 血の泡と共に漏れる姉ンネの声はもう言葉として意味を為していないだろう。眼からは力なく涙が流れ、無惨に千切れた下腹部からドバドバと血が流れる。股まで完全に割かれており、両脚は脇腹から続く肉に何とか繋がっている状態である。
 ルカリオは追撃するでも食べ始めるでも無く、暫し絶望に満ちた姉ンネの瞳をしげしげと見つめている。
 
 
 ここガラル地方ではまだミィアドレナリンの存在は殆ど知られておらず、この青年トレーナーもその例に漏れないのだが、ルカリオが生き餌として子タブンネを与えられるのはこれで4度目。即死させず、心臓や肺を避けながらじわじわ食した方が旨味が増すことを理解しつつあるようだ。
 因みにだが下腹部を躊躇なく破壊したのは過去に食してきた経験から、腸に残っている場合の多い糞の味がこのルカリオの口には酷く合わなかった為である。

「ミ⁉︎・・・ミ、ミ゛ィーーーーーー!!ミビィーーーーーーーーー!」

 あまりの惨劇に一瞬硬直した弟ンネだったが、姉ンネの凄まじい悲鳴と見るに耐えない身体、更にはみるみる弱っていく心音に現実を理解し、尻餅をつき大量にお漏らしし、街中に響き渡らんばかりの絶叫を上げる。
 
ただこの弟ンネ、少しは♂らしい意気地があるようでいつまでもヘタり込んでは居ない。流石にルカリオに向かって行くことはしないが、立ち上がるとトレーナーのズボンに必死にしがみつき
「お姉ちゃんが死んじゃうミ゛ィーー!早く、早くやめざぜでびぃーーーー!」
 全身全霊の懇願にトレーナーは見向きもせず、穏やかにルカリオを見つめるだけ。この場に居る誰も知らないことだが、こういった人間の無反応、平常心はミィアドレナリン分泌に大役を買っている。

 頃合いと見たのかルカリオは両脚両腕、次いで両耳及び両触覚と綺麗に食い千切っては、その未熟な骨ごと美味そうに咀嚼していく。
その度姉ンネの身体はビクッと大きく痙攣し、
「ミッ、ヒッ」と僅かに声とも息ともつかぬ叫びが小さな口から漏れていたが、ルカリオがチロチロと出入りしていた可愛らしい舌を根っこから引っ掴み、思いきり引っこ抜くと
「グゲッ」という僅かな音が姉ンネ今生最期の言葉となった。

 両眼から生気が感じられなくなった事を確認すると、ルカリオは残った胴体、顔までをペロリと平らげ、姉ンネだったものは最初に飛び散った僅かな腸とルカリオの足元にある巨大な血溜まりを残して全てこの世から消え去ってしまった。




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