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タブンネ刑務所14

304カンムリ雪原のタブンネ 三つまたヶ原編:2020/12/20(日) 03:28:31 ID:T3kMW8xE0
吹雪が吹き荒れる極寒の雪原、三つまたヶ原。
意思無き者が足を踏み入れれば瞬く間に白い闇に飲まれてしまいそうなその土地を、一人のトレーナーが歩いていた。
トレーナーは鼻の下を覆うパリパリに凍った鼻水を手袋越しに指先で剥がす。しかし数分としないうちにまた鼻水が覆ってしまった。
何故トレーナーがこんな辺境へと足を踏み入れたのか。それはある噂を耳にしたからである。
曰くこの三つまたヶ原にある遺跡の中には恐ろしく強い伝説のポケモンが眠っていると。
トレーナーはその強いポケモンとやらには全くと言っていい程興味がなかった。既に手持ちには強力で全幅の信頼を置けるポケモンがいるからだ。
しかしこのポケモンがずいぶんと育つまでに時間がかかるポケモンで、加えて最近伸び悩んでいたためここはひとつ強いポケモンとやらを倒し多くの経験値を得ようと考えたのである。
やがてトレーナーは入口の開いた遺跡のような古びた建物を見つけると、まるで砂漠の中にオアシスを見つけたかのように駆け足でその遺跡へと入っていった。

古びた建物の中に入ると、そこはまさしく遺跡と呼んで差支えのないような場所であった。
意味ありげな石造に床には丸いタイルが左右対称になる形で並べられている。
トレーナーは如何にもなその遺跡の雰囲気に飲まれ浮足立つが、ふとその割にはポケモンの気配を一切感じない事に気付いた。
一通りあたりを散策してみる。銅像に近づいて触ってみたり、足元に置かれたタイルを踏んだりするが反応は帰ってこない。
嫌な考えがトレーナーの頭をよぎる。
その後も遺跡を調べ倒したが何の成果を得る事もないまま時間だけが過ぎていく。
噂が嘘だったのか、それとも既に誰かが捕まえてしまったのかは定かではないが、既にこの遺跡は主を失いもぬけの殻となっていた。
吹雪の中やってきてお目当ての物も無し。トレーナーは遺跡の中央で深く落胆した。




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