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タブンネ刑務所14

238ゴールドラッシュの残渣(2/3):2020/05/12(火) 16:31:38 ID:87IdQaJw0
逃亡して一週間ほどの夕方・・・

「今日はごちそうがたっぷりとれたミィ。」

そう言いながらパパンネが尻尾にいれて持って帰ってきたのは、ドングリが数十個と干からびたような小さなオレンの実が8つ。

「うわーい!オレンがあるチィ!」「オレンだチィ!」「オレン!!」

大喜びするチビンネにオレンを2つづつ与え、自分達は1つづつだけで我慢する両親。

「街にいた時は、もっと簡単に食べ物も巣も手に入ったのにミィ・・・」

ママンネはそう心の中でつぶやくと、数か月ほど前の事を思い出しました。

毎日どこかのゴミ箱をあされば十数個は真黒くて甘いナナの実や、茶色のモモンの実がありました。
(ただここのところ奪い合いが激しくなっていたので、隙を伺って人間の家に上がって探すご飯探しも増えてました。
 タブンネはまだ音に敏感なのでつかまりにくいのですが、見つかったら危険だとは本能的に分かっていました。)

その辺をあされば段ボールという、触り心地のいい上に最初から覆うような巣材もありました。

でもここは人間がごみを捨てないので山中を捜索して食べ物を探さないといけません、水も麓の池しかないのです。
巣も穴を掘れないかと思ったのですが、この山は砂利の塊みたいな山で掘りにくいし、掘っても崩れるだけで無理でした。
木のうろを探してみたけど、これも大きな木がないここでは無理。毎日やぶの中で寝て、雨の日は寄り添って耐えました。

「でも生きていられるだけましだミィ、ここには僕たち以外誰もいないミィ。」

パパンネがそういって慰めてくれました。

・・・タブンネたちは気が付いていませんが、実はここは自然の山ではなく人間が鉱山の土砂を捨てた山だったのです。

ここは荒野に鉱山ラッシュで人間が住み着いた町で、タブンネを含むポケモンはほぼ全部人間が捨てた野良。
最初の内は人間も野良ポケモンを可愛がっていましたが、敵がいないのでドンドン増えてしまい、
それによって住民の迷惑になりつい先日に全種類の駆除が決まってしまったというわけ。

ママンネもこの山に他のポケモンがいない(耳がいいのに全然気配を感じない)のを変だなぁと思いましたが、
敵がいないのは安心ですし、殺されるぐらいならこの苦労も仕方ないなと思っておりました。




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