[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【セ】貴婦人焦がすは鉄の檻【ドラクルージュ】
1
:
DR死魚
:2017/12/06(水) 23:01:06
貴卿らがいかなる騎士であるか、こと細かに問いはすまい。
また、その必要もないであろう。
故に此度の発端を詳らかにするのであれば、事はさほど複雑でもない。
即ち、貴卿らはある女騎士に救いを懇願された。
不徳の騎士、のさばるも我が力及ばず。
どうか我が姉を救うため、力添え願いたい、と。
不徳を討つは騎士の定め。
騎士道に則り、貴卿らは不徳の住まう『ゲヒェンリッヒ城』へと向かう事にした。
常夜国騎士譚RPGドラクルージュ――――『貴婦人焦がすは鉄の檻』
今宵、貴卿らを常夜へと誘わん。
82
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/03/30(金) 23:49:36
この喧騒こそ、何よりも雄弁に不徳を語るもの。
今さら疑う余地も無し。成すべきは一つ。
「―――仰せのままに。」
―――狩りの時間だ。
貴き人々の言葉の元に。
この身は正しく、猟犬となろう。
83
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/03/31(土) 02:12:18
リネット卿に案内されるままに城内を進めば、さしたる妨害も無く玉座の間までたどり着く。
……油断か、狂気か。
あるいは――――誘っているのか。
いずれにせよ、進む以外の道はありはせぬ。
あけ放たれた玉座の間に足を踏み入れれば――――そこには、唾棄すべき饗宴が催されていた。
______
_.,、<´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`>:..、
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.> " ´ ̄ ̄ ̄` ' <:.:.:.:.:',
,:'.:.:.:.:.:.:.:.:,> "´ _.,、.<´ ̄ ̄ ̄`>..、_\:.:.}
/.:.:.:.:.:.::/ _.,、<´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /´/⌒ヽヾ>く
/.:.:.:.:./ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ { ``"ヾ:.ヽ
{.:.:.:.:/ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ¦ ヽ:ヘ
い:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ:.ノ___ リ:}
〉'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:彡" ___`>.、、_ 、__ノイ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ヽ〃 ヽ 弋ソゞ、 __ , イ
/.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.i ー、,l:| ,,___j
,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:l:(ゝj:j {ソy
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: !.:.:.:. i.:.:.{ ヾ } ∨
i:!.:.:.:.:.:.:.:.:!.:.:|.:.:.:.:.|:.i!ハ、__, 、___ ゞーゝ
l |.:.:.:.:.:.:.: |.:.:|.:.:.:.:.|:.|!:.:.:リ ! `丶`> / 「ほう――――おお、客人よ」
l |.:.:.:.:.:.:.: |:.:.|:.:.:.:. ! |!、:.:ハ \ 、,, / 「よくぞ我が城においでなすった」
!:!.:.:.:.:.:.:.: !:.:.!:.:.:.:.:.\:\ソ ヽ ,' 「我が騎士を連れてきてくれたのかな?」
∨、.:.:.:.:.:.ヽ:.ヽ:.> '"´ ̄`ヽ \ > __ j
\ヽ:.:.:>"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ \ rー―''"´
,、<´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハー-- 、|ノノノ
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ ̄::¬ ! 〕
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:::::::::| | |─────ュ
∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:::::::| | |:::::::::::::::::::::::::::||
∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:________:.ムx:.| | |:::::::::::::::::::::::::::||
,ゝ< ̄ ̄ ̄>─- ____:::::∨!!:::| :::::::::::::::::::::||
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:.:.:∨ヽ::::::::::::::::::::::ij
84
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/03/31(土) 02:16:01
鷹揚に貴卿らを迎えるのは、玉座に腰かける騎士。
……貴卿らの傍らで、獣脚を露わにしたリネット卿が怒りと共に剣を抜く。
【リネット卿】
「アイアンサイド卿……!」
――――彼こそは、“鉄印卿”アイアンサイド・ロッソブルク・フォン・アヴァローム。
リネット卿とその姉を辱めた、不徳堕落の騎士である。
【アイアンサイド卿】
「ははは、そう睨むな、リネット」
「懐かしくなって、帰ってきたんだろう?」
「また楽しく暮らそうじゃないか。なぁ?」
アイアンサイド卿は、上機嫌に両手を広げている。
……そろそろ、この堕落の園について目を向けねばなるまい。
見るも悍ましい、この堕落の園。
――――――――男がおり、女がいる。
それらは思い思いに過ごしていた……と表現するのは、いささか怠惰が過ぎようか。
彼らは全裸体で――――まぐわっているのだ。
好きなように、男女の区別もなく……淫らに、まぐわっている。
嬌声と歓声が部屋に響き、淫靡な水音が絶え間なく鳴っている。
【アイアンサイド卿】
「――――お前もそう思うだろう、ライネット?」
……そして、玉座の隣には、鎖にて繋がれた乙女が一人。
もはや語るまでもあるまい。
この美姫こそ、リネット卿の姉君――――ライネット・グリンシルト・フォン・アヴァローム。
乙女は悲壮に言葉をつかえさせ、涙を流す。
85
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/03/31(土) 02:24:26
_____
,...:::::´:::::::::::::::::::´ ̄ ̄::::::::...、
,.:::´:::::::,::::::::::::::::::::-:::、:::::::::::::::::::::\
/:::::::::/::,::::::::::ヽ::::ヽ:::::\:::::::::::\:::::ヽ
/:::::::::/::/::::::::: Y:∨:::∨::::::\:::::::::::ヽ::::::.
.':::::::::/:::::/::/::::::::::::|:::::V:::::V::::::::::V:、:::::::::V:::::.
/::::::::/:::::/:::':::|:::| ::: |::::::|::::::::V::::::::::V:\::::::V::::}
.':::::::: |:::::::|::::|:::|:::| ::: |::::::|:::::::::|::: |::::::|:::::::::::、:|:::∧
|::|:::::::|:::::::|::::|:::|:::| ::: |::::::|:::::::::|::: |::::::|ヽ_,イ,介、/:}
|::|:::::::|:::::::|::::|:::|:::| ::: |::::∧::::::,::::/:::::∧ 彡-| | |::イ
|::|:::::::|:::::::|::::|:::|:::|!:::::|:::|`'|ー/-/--/-| 彡:、| {:::|
|::|:::::::|:::::::|::::|:::|:::|!:::::|:::| |イ,.ィ震雫ミ、 rハ| |{ V
|::|:::::::|:::::::|::::|:::|:::|V:::|从 }:/Vこzり ノ }= } | V:|
|::|:::::::|:::::::|::::|,::|、:{ V:|/ /' ,.ィ/| | 》
|::|:::::::|:::::::|::::|Ⅵ从 }/ :.:.:.:.:.:.: r'::::|ーイ:| 「――――来てしまったのね、リネット」
|::|:::::::|:::::::|:从 リ 、 .イ::::: }| 〉:::| 「貴女は、逃げてと……そう、言ったのに」
|::|:::::::|:::::::|::::::|、 c っ イ::|::|:::::||':::|::|
|::|:::::::|:::::::|::::::|:` . / |: |::|: /'|::::|::|
|::|:::::::|:::::::|::::::|r=≦ ≧=-- ´ |`|::|-- 、:::: |
|::|:::::::|:::::::|::::::|、 \ } ∨:∧ \|
|::|:::::::|:::::::|::::::| \ ∨ /::/、 \/⌒|
|::|:::::::|:::::::|::::::|-イ} \ {::/ \/\∧
|::|:::::::|:::::::|::::::| / | / |::{ /\ \〉
|::| /|:::::::|::::::|\ l|、 ,: |::|-/ / >--- 、
l/: : |:::::::|::::::| /ー' ー ´j/ イ /: :/ / ヽ
,: :l: : : |:::::::|::::::| \ { / / ̄: / , .
|: ∧' |:::::/::::: | \乂 / /  ̄´ ' |
|:/ /|::イ:::::::/ }_/ / |
|' / |::::: / ∧ ⌒\-=》 ____ 「\ \ー ― - |
じゃら、と彼女を縛る鎖がこすれた。
……これが、鉄印卿の戯れなのだ。
見初めた民を叙勲し……縛り、淫らな饗宴を開く。
決して乙女に手出しはせぬ。
ただ、目の前で交わり騒ぐのみ。
…………ただそれだけが無限に続き、ただそれだけが騎士の心を砕く。
リネット卿の脚が、獣に変じてしまったように。
【リネット卿】
「アイアンサイド卿……!」
「姉さんを、返していただきます!」
【アイアンサイド卿】
「ははは! 相変わらず、血気盛んなやつめ」
「そういうところを気に入っているのだ。くく、客人まで連れてきて……」
「どうだ? 貴卿らも、この宴に加わらんか」
「至上の快楽を貪らせてやるぞ?」
86
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/04/02(月) 23:36:55
「はぁ……」
眉間にしわが寄り、表情が曇る。
まさかここまでとはと言いたそうにコンラッドは片手で自身の頭を抱える。
「堕ちるところまで堕ちるとこうなるのだな……全く、不快なことだ」
そのまま手が髪をかき上げる。
コンラッドの瞳がアイアンサイド卿に向けられる。
「あいにく、快楽とは一滴の滴のようなものだと思っているものでね」
「渇きを抑えるのは一滴の潤い。そのようにとめどなく流れるものは潤いではなく濁流だ」
コンラッドは霧にて弓と矢を生成する。
そして鎖に向けて矢を放たんと指を離した。
「そこに美などありはしない」
87
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/04/03(火) 00:02:49
見よ、この悍ましき腐乱の園を。
堕落とは、まさにこれ。不徳とは、まさにこれ。
これなる在り様を笑い楽しむ者。
これを悪と呼ばずして、一体何と呼んだものか。
聡明なりし真祖とて、そればかりは答えられまい。
―――侍女は何も語らない。
猟犬は静かに控え、主の言葉を待つ。
狩猟の始まりを告げる、一声を。
88
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/04/09(月) 01:25:27
【アイアンサイド卿】
「――――残念だ。実にね」
コンラッド卿が放った矢を、玉座に座ったままにアイアンサイド卿が無造作に掴み取る。
――――その腕は、異形に歪んでいる。
獣だ。
獣の腕が、悪徳の領主の腕として矢を握り折った。
【アイアンサイド卿】
「では、仕方あるまい」
「謳うとしよう。踊るとしよう」
「快楽を、快楽を、快楽を――――さぁ諸君! 宴を始めよう!」
鉄印卿が立ち上がる。
一歩進み出れば、足は獣脚に変わった。
一歩進み出れば、両腕も獣のそれに。
一歩進み出れば、美しき相貌は醜き悪魔の獣となる。
黒山羊卿――――奸智姦淫に溺れた騎士の、堕落の末路。
巨大な山羊の怪物が号令を飛ばせば、玉座にて交わり続けていた男女が歓喜の叫びをあげる。
彼らは好色な視線を貴卿らに向ければ、群れとなって貴卿らを取り囲む。
【ライネット卿】
「ダメ……逃げて――――!」
【リネット卿】
「いいえ、姉さん! 今、貴女を助けます!」
89
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/04/09(月) 01:35:06
――――――――終の幕を始めるにあたり、舞台を解説しよう。
――――――――――――――――――――
【玉座】アイアンサイド卿、ライネット卿(熱烈な味方役)
【宮廷】兵士役×3
【庭園】
――――――――――――――――――――
・リネット卿(存在点10)
【玉座】は、玉座周辺である。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
貴卿らは【宮廷】か【庭園】に駒として自らを配置することができる。
また、貴卿らはリネット卿を『喝采役』として【宮廷】か【庭園】に配置することができる。
【ノブリス・オブリージュ】――――1点の喝采点ないし畏怖点を得ると共に、配置を決定せよ。
90
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/04/09(月) 01:43:27
■訂正■
――――――――――――――――――――
【玉座】アイアンサイド卿、ライネット卿(熱烈な味方役)
【宮廷】兵士役×3
【庭園】
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点20)
【玉座】は、玉座周辺である。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
91
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/04/10(火) 00:50:41
なお、兵士役の主はアイアンサイド卿であり、リネット卿とライネット卿は貴卿らを主とする端役である。
リネット卿とライネット卿が【壁の華】となってもペナルティは無いため、安心されたし。
92
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/04/10(火) 00:52:10
現在の畏怖点は5。
配置は【宮廷】としておきましょう。
93
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/04/10(火) 23:08:43
畏怖点を1点得よう。
そして配置は【宮廷】
94
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/04/11(水) 00:53:30
リネット卿は【庭園】にいていただこう
95
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/04/16(月) 23:21:17
――――――――――――――――――――
【玉座】アイアンサイド卿、ライネット卿(熱烈な味方役)
【宮廷】コンラッド卿、サーラ、兵士役×3
【庭園】リネット卿(喝采役)
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点20)
【玉座】は、玉座周辺である。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
――――――――――――では、サーラ卿より手番を開始されよ。
96
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/04/17(火) 00:11:05
r―v‐┬┬ 、
/`Y´\ ̄` ̄ ̄ >、
(⌒Y´| \ ー=≦⌒ヽ
/ Уソ \ \ー=ニ二  ̄`
// .イ/∧ ` ー=ニ二三三二ニ =--‐一
|//|| | \ __ ー=ニ三三 ̄`ヾY´
|/ 八|\ `'ーV》r:≦> 三三二ニ`Y⌒ヽ
{\ | l! |、Υ(乂乂ノ⌒ヽー=≦⌒ヾ|
\\ {V(乂ノY´Y∠二ヽ从≧x. 丿
\\ ((ノΥ ̄ ̄>―-、::\Y(_))
\.X^⌒ヽ{/ ´ ̄)::::>'--、|_
丶二二二二二ヘ.)_)> |〉 ´「ro>< ̄}:::::::`ヽ ____
丶ニニニニヘ.)<.ノーヘ / / ` ー<::::::: ̄`ヽ / /
〈__|_!: : . >-、r<::\__, / {_
\} /::::::::\: . / _\.>:::: | __ / ´ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
|{`'<:::::::\ / / ̄ ̄\ : |/ / / // ̄ ̄ ̄ ',
/|  ̄`ヽ>ヘ { : : : : \ : ////∠ .. __ }
/ | : : :  ̄\ヘ : : : : : :∨: / ∠二二二  ̄` |
(`Y´\ / /\ : : :.二>‐{ : : : : : :∨,/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ |
. |>| \.へ._/三≧∧ : : : : : : 人 ヽ >.)\ \ |
( ∧ ニ=‐Υ// ̄ \ . : : : :/::::::| ヽ. ´ ̄)/二二二ニ==‐ . ∨
)〔\___,>‐='"´. : : : : ノl__/::::::::::〈 く:`ー{ {/_________ >
. `>'´ ̄\ `ー==ニ二  ̄ ̄ ̄>、:::::::`ヽ. ) :人 V\ \\:::::::::::::::::::\
___/ /:\  ̄ ̄ ̄`ヽ: : : :/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::>'<´\ \\>――r三三>
ヽ.二二ヽ.__/ :::::::::: \ . : : : : : : : |:::::::::::::::::::::__/)こノ ̄`Y/\ \\三/\__丿
. )_ 二二二)'´ ̄ ̄〈\: : : : : : : .:.:.:|こ.二.二.入ノ }三三三三三 > \\ ノ
. \_/´ ̄\ ̄ ̄ ̄/ \: : : : : : : |三三ヘー――‐|三三三三三三三∠ ̄´
/ ヽ. <´ ̄ ̄/\: : : :.:.:| ̄ ̄ ∧ |丿 丿 人__)
__/___ /ー―<__.ノ―‐\: : :.|―<_, ヘ 人_/__ノ
/////////∧' \:| ',. ///,\
. /////////////| | |///////|
. |///////////// |///////|
. /////////// `ヾ,////∧
. ////////'/ \///∧
―――影が踊り、刃が舞う。
その歩みは、舞踏の如く軽やかで。
その刃に、慈悲はない。
優雅で、苛烈で、無慈悲。
それが、侍女の仮面の内側だ。
diceBot : (4D6) → 11[3,2,5,1] → 11
己へのノワール「怒」を1点得て振り直しましょう。
diceBot : (4D6) → 14[1,5,2,6] → 14
逸話†もはや手段は選ばず†にて、1を5に変更。
5で兵士役に《怪物を見る目とは》、5で《我は汝が影》、6で《振り向けばそこに》を使用。
兵士役にルージュ2点とノワール1点、旦那様と己にルージュ1点を与えます。
そして旦那様にノワールの肩代わりをする刻印を具現化しておきます。
97
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/04/22(日) 23:20:21
見事、御事、美事。
従者の慈悲無き舞踏が、狂乱する淫蕩の罪人たちを壁の華へと押しやっていく。
彼らは悲鳴を上げることもなく、嬌声の中へと消えていく。
【アイアンサイド卿】
『ほう――――美しい』
『欲しいな。あの、美しい従者も』
黒山羊が、醜悪に嗤った。
――――――――――――――――――――
【玉座】アイアンサイド卿、ライネット卿(熱烈な味方役)
【宮廷】コンラッド卿、サーラ
【庭園】リネット卿(喝采役)
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点20)
【玉座】は、玉座周辺である。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
――――――――次なるは、コンラッド卿の手番である。
98
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/04/23(月) 00:37:16
コンラッド卿は【玉座】に移動する。
diceBot : (4D6) → 17[6,5,4,2] → 17
6で《颯爽たる推参》を使用。アイアンサイド卿に2点ルージュを与える。
4+2で《我と共にあれかし》を使用。ライネット卿の[主]を自身に変更する。
5で《騎士のたしなみ》を使用。アイアンサイド卿に1点ノワールを与える。
「いや、させないとも――――」
跳躍。一気に接近する。
ほの暗い炎が燃える。目の前の騎士の身と体を砕かんとする企て。
堕落した者との共鳴によって起こる誰よりも美しく汚い在り方。
堕落した者だけが理解できるかもしれない美の形。
「コンラッド、馳せ参じた。わが友のためにだ」
99
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/18(金) 03:17:18
【アイアンサイド卿】
『ああ、失敬、失敬した!』
『コンラッド卿、貴卿もまた美しく――――嗚呼、私は貴卿が欲しい……!』
剣戟。
騎士の刃と黒山羊の蹄とが激しくぶつかり合い、もたらすは喝采也。
さながら、舞踏の如く。
堕落した獣を相手にすれど、艶福卿の美麗が損なわれることはなく。
花弁の如く、火焔の如く、危うくも美しい姿が謁見間を魅了する。
【ライネット卿】
「コンラッド郷……!」
故に、乙女の視線も熱を帯びる。
美しき舞踏を、最も間近で堪能できる栄誉。
常夜国広しと言えど、これほどの悦楽が他にあろうか?
――――――――“熱心な味方役”の効果により、コンラッド卿は己へのルージュを2点獲得せよ。
――――――――――――――――――――
【玉座】アイアンサイド卿、コンラッド卿、ライネット卿(熱烈な味方役)
【宮廷】サーラ
【庭園】リネット卿(喝采役)
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点17)
【玉座】は、玉座周辺である。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
100
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/18(金) 03:31:52
――――では、アイアンサイド卿の行動となる。
《正視に耐えぬ悪徳》目標値:4 間合:0〜1 対象:他の1体(コンラッド卿)
次のターン、対象が使用する[行い]の[目標値]は1上昇する。
この[行い]は[PC人数]回使用してよい。
《正視に耐えぬ悪徳》目標値:4 間合:0〜1 対象:他の1体(サーラ)
次のターン、対象が使用する[行い]の[目標値]は1上昇する。
この[行い]は[PC人数]回使用してよい。
《我こそが王なり》目標値:12 間合:0 対象:エリア(玉座)
対象のエリアにいる全ての[端役]を【壁の華】にする。
貴卿は次ターン開始時に【存在点】10点か、【行動点】20点を得る。
《堕落!おお堕落!》目標値6+4=10 間合:0 対象:エリア(玉座)
[領域具現化]:対象のエリアにいる存在が得る[抗う力]は1減少する。
――――騎士よ、異端よ、[抗い判定]を選択せよ。
【アイアンサイド卿】
『欲しい、欲しい、欲しいィィィィィィィィ!!!』
『なにもかも、なにもかもだ!』
『貴卿も! 貴卿も! 貴卿も!』
『我が快楽の沼に沈んでくれ……!』
暴走する黒山羊が――――ライネット卿を、標的とした。
乙女を拘束する鎖を引き、手元に手繰り寄せようと。
おお――――これを見過ごせば、いかなる悪徳が繰り広げられるかについては、あまりに悍ましき故に筆を置きたい。
もはや彼の騎士は、乙女をその手で汚すことしか頭にないのだから。
101
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/05/24(木) 00:44:12
短剣を投げつけ、鎖を縫い止める。
とは言え、鎖を砕くほどの力はない。
殊更に、相手は先のジョナサン卿よりも高位の騎士。
ちょっとした時間稼ぎが精々であろう。
《我こそが王なり》に抗いましょう。
手持ちの抗う力2点を使って判定します。
diceBot : (2D6) → 6[4,2] → 6
……普通ですね。流石に一人で抗うのは無理がありそうです。
102
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/05/24(木) 23:30:35
舞うように武器を振るう。
迫る鎖に楔を打つ。
「そう猛らないでもらおうか。少々、品位を欠く」
抗う力を2点使う。
8 [2D6] 5,3 (00:46:59)
サーラ卿の6点と合わせて14点で《我こそが王なり》に対抗しよう
103
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/25(金) 23:35:17
短剣が鎖を穿つ。
次いで、槍が。
――――乾いた音と共に、乙女を縛る鎖が砕けた。
【ライネット卿】
「きゃあっ……!」
乙女が重心を崩し、倒れ込む。
怒り狂ったのは、軽くなった鎖を手繰る黒山羊だ。
【アイアンサイド卿】
『嗚呼……酷い、酷い……ワタシはぁ……!』
『私はただ、何もかもが欲しいだけなのにィィィィィィィ!!!』
醜く、獣が地団太を踏む。
……かつては、あれも騎士であった者だ。
美しく、誇りを持っていたはずの者の成れの果てが――――この醜き獣。
なんとおぞましく、残酷な事実であろうか。
貴き真祖の眷属たる騎士が、これほどまでに堕落しようとは……
――――《我こそが王なり》が打ち消され、アイアンサイド卿の【存在点】が1減った。
その他三つの行いは、発動した。
……最後に、ライネット卿及びリネット卿の移動が行える。
決定権は貴卿らに。
移動を行わない場合も、「移動を行わない」と宣言せよ。
104
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/05/26(土) 00:05:25
「欲することでどれだけのものを穢した」
「私には貴様の方がよほど酷いものに映ると知れ」
言葉が己に跳ね返る。
否、それはどこかにいたはずの、いつかいたはずの若者の話だ。
艶福卿、コンラッドの身には帰らぬ言葉。
移動はしない。
騎士は目の前の敵を強く見続ける。
105
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/05/26(土) 00:09:07
「ライネット卿。ここは危険だ。これ以上、花が傷つけられる様を見たくはない」
ライネット卿には宮廷に下がっていただく。
106
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/05/26(土) 00:29:03
リネット卿には、そのままの位置で待機していていただきましょう。
こちらに来ても良い事はありませんし。
107
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/27(日) 22:47:56
【ライネット卿】
「は、はい……御武運を……!」
――――――――――――――――――――
【玉座】アイアンサイド卿、コンラッド卿
【宮廷】サーラ、ライネット卿(熱烈な味方役)
【庭園】リネット卿(喝采役)
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点16)
【玉座】は、玉座周辺である。領域:《堕落!おお堕落!》が具現化している。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
……では、次のターンへ移行する。
各々方、【ノブリス・オブリージュ】にて喝采点と……【抗う力】を獲得せよ。
玉座にいるコンラッド卿は、獲得する【抗う力】が減少する点に注意せよ。
また、両者とも《正視に耐えぬ悪徳》を受けている点に注意せよ。
――――――――サーラ卿より、手番を開始されたし。
108
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/05/27(日) 23:30:33
ライネット卿とすれ違うように、玉座へと歩み寄る。
直後―――おお、これは如何なる仕儀か!
まるで切り取られたかのごとく、玉座周辺が深い闇に包まれたのだ!
逆もまた然り。玉座の間近にある者たちには、あたかも外側が切り取られたかのごとく見えたであろう。
如何なる者が、真祖の恩寵なき真なる闇を越えられようか。
今や二つの領域は、闇の帳にて完全に切り離されたのだ!
「色々と目に余りましたゆえ、覆いをかけさせていただきました。」
「不作法の程は、お許しを―――」
足取りは軽やかに、翻る手は冷酷に。通る声は、涼やかに。
鋭利な刃が、獣に迫る。
まず畏怖点を1点獲得。現在の畏怖点は6点となります。
このうち2点を使い、行い判定のダイスを2個増やしましょう。残る畏怖点は4点ですね。
diceBot : (6D6) → 21[3,6,4,6,1,1] → 21
栄光の目がふたつ。3,4,6,6,1,1,10,10となりますね。
まず玉座に移動。10にて《黒く黒く満たせ》(目標値8+1)を使用。玉座と宮廷の境界は、私の[境界具現化]を解除しない限り何人たりとも通過できません。
さらに1,10にて《この身は猟犬》(目標値10+1)を旦那様に使用。次の旦那様の行いの目標値をすべて2減少いたします。
3,4にて《影は傍にて離れず》(目標値6+1)、6,1にて《振り向けばそこに》(目標値6+1)。旦那様に1点、アイアンサイド卿に3点のルージュを与え、アイアンサイド卿へのルージュを2点得ます。私の得るルージュの属性は憐にでもしておきましょうか。
最後に6にて《称賛の声はなし》(目標値4+1)。畏怖点を1点獲得。これで残る畏怖点は5点になります。
109
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/27(日) 23:57:18
御武運を――――すれ違いざま、乙女の声援が従者にかかったやもしれぬ。
正義を――――その背に、乙女の悲願が投げかけられたやもしれぬ。
二人の姫君を、闇にて切り離す。
これより演じられるは、あまりに浅ましき堕落者の末路であるが故。
短剣を突き立てられた獣が――――喜悦に、悲鳴を漏らした。
――――――――――――――――――――
【玉座《堕落!おお堕落!》】アイアンサイド卿、コンラッド卿
《黒く黒く満たせ》
【宮廷】サーラ、ライネット卿(熱烈な味方役)
【庭園】リネット卿(喝采役)
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点13)
【玉座】は、玉座周辺である。領域:《堕落!おお堕落!》が具現化している。
【玉座】と【宮廷】の間には、境界:《黒く黒く満たせ》が具現化している。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
――――――――次なる行動は、コンラッド卿によるもの也。
110
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/05/28(月) 00:40:51
「サーラ! 苦労を掛ける」
コンラッドの鎧が霧と化し、この世から失われる。
しかし霧は未だ消えず。新たな形をこの世に産み落とす。
まるで舞踏会に華を添えるが如き美しい礼服。
それこそが艶福卿であるコンラッドの真の鎧。
全てを舞うかのように優雅に行うという意思の表れである。
「さぁ、まだ我が手を緩めるには至っておらんよ」
喝采点を1点受け取り、2点使用する。
diceBot : (6D6) → 27[4,5,3,6,6,3] → 27
栄光の目によって 4,5,3,6,6,3,10だ。
《麗しき我が血統》(目標値17-1 10+6使用)を使用。
形態具現化。これより宣言する[行い]の対象が[自身]以外である時、その[行い]の間合いは1増加し、与えるルージュは1点増加する
《武勲知らせる囁き》(目標値4-1 3使用)
アイアンサイド卿にルージュを1+1で2点を与える。
《甘き口づけ》(目標値8-1 3+4使用)
アイアンサイド卿と1+1で2点を与え合う。
《華散らす銀閃》(目標値3-1 5使用)
アイアンサイド卿に1点ノワールを与える。
《騎士のたしなみ》(目標値4-1 6使用)
アイアンサイド卿に1点ノワールを与える。
これで4点のルージュと2点のノワールのはずだ。
111
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/29(火) 23:43:51
【アイアンサイド卿】
「おおお……!」
ひとつ、ふたつ、みっつ!
踊るように、次々と黒血が迸る。
玉座を穢し、蒸気となって溶けていく。
罪を示す、醜悪なる黒血だ。
――――――――――――――――――――
【玉座《堕落!おお堕落!》】アイアンサイド卿、コンラッド卿
《黒く黒く満たせ》
【宮廷】サーラ、ライネット卿(熱烈な味方役)
【庭園】リネット卿(喝采役)
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点7)
【玉座】は、玉座周辺である。領域:《堕落!おお堕落!》が具現化している。
【玉座】と【宮廷】の間には、境界:《黒く黒く満たせ》が具現化している。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
112
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/29(火) 23:47:40
――――――――――――――――――――
【玉座《堕落!おお堕落!》】アイアンサイド卿、コンラッド卿、サーラ
《黒く黒く満たせ》
【宮廷】ライネット卿(熱烈な味方役)
【庭園】リネット卿(喝采役)
――――――――――――――――――――
・アイアンサイド卿(存在点7)
【玉座】は、玉座周辺である。領域:《堕落!おお堕落!》が具現化している。
【玉座】と【宮廷】の間には、境界:《黒く黒く満たせ》が具現化している。
【宮廷】は、嬌声響く玉座の間である。
【庭園】は、玉座の間手前の廊下である。
113
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/05/30(水) 23:36:02
――――では、アイアンサイド卿の行動となる。
《正視に耐えぬ悪徳》目標値:4 間合:0〜1 対象:他の1体(コンラッド卿)
次のターン、対象が使用する[行い]の[目標値]は1上昇する。
この[行い]は[PC人数]回使用してよい。
《堕落の偶像》目標値:14 間合:0〜1 対象:エリア(玉座/コンラッド卿・サーラ)
対象のエリアにいる任意の存在が持つ全ての[絆]に、加えられているルージュと同量のノワールを与える。
《禁じられた悦び》目標値10+2=12 間合:0 対象:他の2体(コンラッド卿・サーラ)
対象の【潤い】を1点減らす。
――――騎士よ、異端よ、[抗い判定]を選択せよ。
【アイアンサイド卿】
『暗い……暗い……暗いぞ……!』
『暗いのは……嫌だ……輝きがなくては……輝きが……!』
傷付いた黒山羊が、己の胸を掻きむしる。
飛び散る黒血――――それが、じゅうと音を立てて香気へと変じる。
堕落の獣が放つ、醜悪なる魅了の香気――――騎士とて、浴びれば正気を保つのは容易ではあるまい。
114
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/06/05(火) 22:57:01
《正視に耐えぬ悪徳》に抗う力1点で対抗しよう。
diceBot : (1D6) → 3
一つ足らず。コンラッド卿は敵の攻撃をかわしきることはかなわなかった。
115
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/06/05(火) 23:02:08
では、こちらの[抗う力]2点を使い、《正視に耐えぬ悪徳》に協力して抗いましょう。
出目を合計すれば1ゾロでも問題なく判定に成功しますので、判定は省略。
116
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/06/06(水) 22:50:51
では《正視に耐えぬ悪徳》が無効化され、アイアンサイド卿の存在点は【6点】となる。
《堕落の偶像》《禁じられた悦び》は発動――――各員ノワールを獲得し、潤いを減らしたまえ。
117
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/06/06(水) 23:03:32
己へのノワールが4点上昇。渇きが1点上昇。
リネット卿へのノワール(妬)が2点上昇。
旦那様へのノワール(妬)が3点上昇。
アイアンサイド卿へのノワール(殺)が2点上昇。
潤いが1点減少。残る潤いは2点となります。
118
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/06/07(木) 00:00:15
自身へのノワールが2点
コンラッド卿へのノワール(殺)が2点
潤いを1つ失い残り1
119
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/06/12(火) 00:02:52
では、最後に絆奏――――各自はアイアンサイド卿に【殺】のノワールを受けよ。
そして各自が【抗う力】を1点ずつ獲得し――――第三ターン。
サーラ卿より、手番を開始せよ。
120
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/06/14(木) 00:59:45
呻く黒山羊の喉元に、突き立つ刃。
肩を、手を、足首を。矢継ぎ早に貫く刃。
騎士も、異端も、堕落者とて、その程度では死ねまいが―――
肩を射抜かれれば、手に力は籠らぬ。
手首を射抜かれれば、手は動かぬ。
足首を射抜かれれば、歩みは進まぬ。
喉を射抜かれれば、言葉は紡げぬ。
無論、傷が癒えれば刃も抜けよう。
傷が癒えるまでに、さほど時間も掛かるまい。
しかし、それはもはや、問題ではない。
何故ならば。嗚呼、何故ならば。
121
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/06/14(木) 01:01:01
, -‐ ‐ ´ ` 、
/ \
/ __ r‐、 ,‐‐、
/ __ .,´ `i/ Vヾ二´ /`‐-‐イ\
/ ,ィ´ ∨_ j { l / 人
/ , フ、/ / i ノ |/
/ . / / ./ / , -‐‐ -、 `ヽ |
/ / 7/ / , ィ ´ / ヽ|
/ / / / / ,,,,, -‐ / ',
,' ,' / { ∥ /_ -―'''' _, 7 / ',
i / ,' / / l ` |/.:∧ -=彡イ/ /} |
/_,イ i / { | l 乂.ノノ)'乍芹ミX / ∠z7 /} |
/ l i/ ∧ l | :Yイ ハ Vノ // ,イリヾ.:| / ,' /
', .| ./ ∧ | l 乂.ノノ) `¨ / {-' / リ!/'/
V . { / ∧i l i l',|:Yイ ハ ∨厶イ)
\∧/∨ 〉 | ! l l 乂 ノノ)、 __ イ |.乂`Y ―――それでは、後はお願いいたします。
/ ,´! ト、| l l Yイ ハ |`:く ! | 乂ハ ・ .・..・ .・ .・ .・
/ ` 、}.|.l 乂ノ.ノ) l__ ∧/ 八 乂`Y 私は、部屋の片付けがありますので。
/ l/ :Yイ ハヘ ∧./ j 乂ハ
〉、 く⌒Y⌒ヘ ∧ <⌒Y⌒>
,':::::`ヽ、 :レ介ーく∨∧ ∨ハ⌒ヾイ
i::::::::, -‐==、-- 、 :| ハ 乂 ∨∧ 人 ....彡′
!:::::/ \ ヽ!乂ミ=ー、 ∨∧  ̄
_. l::::/ `、:::::::ヽ `ヽ::\∨∧<ヽ-、
/ \ |::/ ! `、::::: ヽ _ ∨.へ.ィ/ /
―――狩りの時間は、もう終わり。
後に待つのは、裁きの時だ。
diceBot : (7D6) → 31[6,6,6,2,4,5,2] → 31
6,6で栄光の目が成立し、10が追加。さらに渇き1点を保持しているため、6のうち1つが7になります。
つまり宣言に用いることのできる出目は7,6,6,2,4,5,2,10となりますね。
2,10にて《嘲笑う因果の車輪》を宣言。このラウンド中、私は行いの目標値を1増やす事で、その行いを2回宣言できます。
5,2,7にて《影は傍にて離れず》(目標値6+1)を2回、6,6にて《怪物を見る目とは》(目標値5+1)を2回、4にて《血塗られた業》(目標値4)を1回宣言いたします。
アイアンサイド卿にルージュを6点、ノワールを3点与え、私はアイアンサイド卿へのルージュを4点獲得します。
おや、アイアンサイド卿への絆が潤いになりましたね。これで手持ちの潤いは3点です。
122
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/07/03(火) 04:58:20
――――アイアンサイド卿の存在点が、0になった。
各自、【潤い】を一点獲得せよ。
――――――――交戦意思を持つな脇役がいなくなったため、戦闘処理を終了とする。
【アイアンサイド卿】
「バカな……!」
踊るが如き、従者の猛攻。
……否や否。
主従の舞踏と、そう呼ぶべきか。
美しき薔薇は花弁を散らし、月を蝕む者は湖上の如く。
穿たれ、穿たれ、穿たれる。
獣の黒血が玉座を濡らす。
【アイアンサイド卿】
「何故だ……!」
「何故、私のものにならない……!」
獣が吠える。
喉に刃が。
血を吹き、血を吐き、言葉が消える。
ど、と黒山羊が膝を突いた。
……限界、ということだ。
堕落者は今、討伐され――――
_ィ<二二二二二/}トニニ―_
_ィニ/ 。...¨..<二二/.....jj...}二二ニィ.〉
_-=ニニ/。.......゚..>个ー-f ⌒Y...ノ ̄)/.../
《...>-〈..,,ィ⌒i 人_ノ⌒< ̄>ノ⌒>/== ―ミ
`\ 〉 t__ し<:.:.:ト:.:.:.:.:.:.:.:.:Y⌒>' ̄> ¨¨⌒ヽ \
r≦__/^爪:.:.:.、:.:.:.斗z≧'':.:.:.:.:}`ー <ミ=ー
', /¨:.:‐:‐ト、:.:.ミ ィ存歹;.:ヽ:.:ト............/∧ 〉 )
乂{:.:.:.:.:|ハリ ,\  ̄¨V:.:.:リ.:.\......../∧ / / 「――――――――罪状」
}Ⅵ:从f苡 ル人:.:.:.:.:.\...._〉ニ≦/
乂:.ゝ _ ノイ:.:.ト:.:.:.:.:.:.:.Yヽ≦三三三ニ==ー _
/:.:.:ト. ‘ ル从ハ:.:ミ.:.:.:.}_  ̄¨¨ ・・==三三三三ミ
.:.:.:.:.小)≧o。__,,,≦zzzyVヘ:、.:V...........ヽ
/.:.:.:∧トミ _《ニr]i[ョ二彡〃......リ...≫==》
{.:.:.〈/ >... ̄...辷宀¬二《......../" > ¨¨`-…ミ
>x:ミ《......_彡斥ニ‐二二ヾ≪ // \
// 厂¨¨/二、○''二二二Y , ' / >…==ミヾ \
// / ,'ニ二二二二二二ニ] { / /¨¨ ̄ ̄ `y 〉
// / {二二二,ニ二二二ニj { V /{ λ 厂 Ⅳ
〈 v二ニ_^二二二ニ入 j{ {iiiy//} Ⅳ'\
《≧ry三}二二○二二二二Vニ>{ {iiiV/从 |////\
/ 」ニ二二二二二二ニY 〈 iiirV//乂 ノ//////\
r'^ ヾ rf][ ][二二][ ̄][二ニ]} \ⅷr'V/////////////\
/ >二二二^ミ二二二ぇY ¨と y//////////////\
/ >ニ二二二'○、二二二二ニ\ 〈_У//////////////∧
,‘ >ニ二二二二二二二二二二ニへ〉 V,////////////,/ /
f≧<二二二ニイ'|二二二二二二二\ V//////////// /
/¨¨ヾ\二≫゚/| [二二二二二二二二〉 ∨////////// /
/ >…イ' ト “<二二二二二>' イ V ̄_ ̄_]./
/ / i \“<二二>”< 八
――――いる。
いる。
既に。
黒き御髪を小さく揺らし、鎖を鳴らして現れる。
ヘルズガルド家現当主、マルグレット公――――堕落者に、判決を告げる者。
【マルグレット公】
「我欲に呑まれ、民を虐げ」
「快楽に溺れ、従者を弄び」
「人心に病を投じ、醜くも堕落を晒す」
「――――その上で騎士に敗れた以上、貴卿に下す判決はただひとつ」
「いざ開け、地獄の門」
開く、開く、開く。
彼女の背で、地獄の門がゆっくりと開いて往く。
地獄の亡者どもが白き腕をまさぐらせ、道連れを求めていた。
獄卒共が、その奥から堕落者を嘲笑っている。
鎖が伸びる。
黒山羊を捕らえた。
【アイアンサイド卿】
「い、いやだ……!」
「私は、私はまだ、なにも手に入れていない!」
「ライネット! ああ、私のライネット!」
「何故だ! なぜ君は私の側にいないのだ!」
「どうして君は、私のものにならないのだ! 何故!」
黒山羊が喚く。
その巨体が、徐々に地獄へと誘われて行く。
誰も抗う事など出来ぬ。
常夜国の、罪人である限りは。
二人の乙女は、二度と姉妹が引き裂かれることがなきよう、白き指を互いに絡ませる。
リネット卿が、ライネット卿が、涙ながらに怒りを宿す。
123
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/07/03(火) 04:59:00
. . . .-―‐-. .
、丶`: : : : : : : : : : : : : : : . .
_ . : : : : : : : : : /: : } : : : : : V/: : : .
ニ-_ /: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : :V/: : : :\
ニ=-_ , : : : : : /: : : : : :/: : : : : : : : : : : : v/: : : : : .
-=ニ-} /: : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : } : : : : : : : V/
=--=ソ. /: ::/: : :/: : : : : /: : : : : : } : : : : : : : ::}\: : : : : : :V/
-==心. , : ::/: : :/: : : : : /: : : : : : /: : : : : / : : : V/: : : : :}
=-ニ-} /: ::/: : : : : : : : :/!: : : : : : : : : : : :/ : :/ :}: V/: : /i:{V/
ニニ-} . : /: :/ : : : :{ : : : :/ |: : : : :/: : : : : /: : / : :} V//{i:i:{ V/
-=ニソ/: : /: : : : : :{ : {: : : / { : : : /:::/::/}/}/}:} }/i:i{i:i:{ V/
///:}: : : // : : {: : : : : :{ jI斗ャ=ミ、//)/ /jI斗ャ==ミ、/i:i/{i:i:V V/
///:}: : /::{: : : :{: : : : ::∧\ _)/r} _)/rノ/i:i:i:/ Vi:i:\}i}
=- _}: ::{:八: : 八: : ::{: :ハ `¨⌒ <! `¨¨/i:i:i:/ .Vi:i:i:i:/
ニニ=-_r<ニニニニ=- _: } /i:i:i:// .}i}
ニニニ=-ヽニ=-‐=ニニニ込、 ./i:i:i:/. / //} 「――――騎士道を知らぬ畜生に」
ニニニニ=-}ニニ=-‐=ニニニ_ r::、 {i:i:i:/ ‐七I〔i:i:/: i
ニニニニ=-}ニニニ=-‐=ニニニ _ニニニニニ=- _{i:i:/ / : /:/i:i:/: : :}
ニニニニ=-}ニニニニ=-‐=ニニニVニニニニニニニニ=-,/:/i:i:/}: : : V/
ニニニニ=-}ニニニニニ=-‐=ニニVニニニニニニニニニ}/// , :! : : : .
ニニニニ=-}=-‐=ニニニニ=-‐=ニニ}/,ニニニニニニニニ:}//////,_: : : :v/
ニニニ=-/ニ=-‐=ニニニニ=-‐=ニ}//,ニニニニニニニ '//////}-: : : :V/
ニニニ=- {ニニニ=-‐=ニニニ=-‐=}///,ニニニニニニ////////=-: : : :\
ニニ=-/ [ニニニニ-}ニニニ=-‐=}////,ニニニニニ////////=-: : : : : : :丶
ニ=- ニニ{ニニニ=-/ニニニニ=-‐V/////,ニニニニ////////-/=、 : : : : : : \
ニ=- ニニ{ニニ=-/ニニニニニ=-‐V//////,ニ////////-‐=ニ=-_ : : : : : : : :V/
=-/ニニニ:{ニニ=-/ニニニニニニニ=-:\//////////////-‐=ニニニ=-_: : : : : : : .
-/ニニニ:{ニ=- ニニニニニニニニニ=-\////{ ̄{ >。,‐=ニニニニ=-_: : : : : : : V/
/ニニニニV-/ニニニニニニニ=- '/////////:{ { ``Vニニニ=-_ \ : : : .
ニニニニニ=-}ニニニニ=- '//////////////{ { Vニニニニ=-_: :丶: : V/
ニニニニニ=-/ニニニ=- '/////////////////:{/\ }ニニニニ=-_V : \:}
ニニニニ=- ニニ=-'///////////////////// ,\ \ /}/,ニニニニ=-/V: : : 丶
ニニニニ=-/=-///////////////////////////,\ \////,ニニ=-: : : :}V : : : : V/
ニニニ=- V////////////////////////////// ,\//////,ニ=-: : : : : /V : : : : .
ニニ=-/ V/////////////////,、丶`‐=ニニニニニニ=-////}- : : : : : :/ : V : : : : V/
ニニ=- V///////////////‐=ニニニニニニニニニ=-///}-_: : : :/: : : } : : : : : }
¨¨¨´ V////////////‐=ニニニニニニニニニニニ=-//=-: :/: : : : /} : : : : : }
V/////////‐=ニニニニニニ=-――‐-=ニニ=-}=-//: : : ::/ !} : : : : : }
V//////‐=ニニニニ=- -=-}-/: : : : ::/ !} : : : : : }
124
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/07/03(火) 04:59:43
_____
,..-'´:::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::/::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::ヘ
|: |:::: :::::/:::: :::ヽ:ヽ:::lミ: ::::::::::::|
|: |::::::|:::|:::::::::::::|: :|:::|ミc、::::::::|
|: |::::::|V∨:::::::/::/;斗ミ:| |`!::::|
|: |::::::|示∨::/∨ィ=、|:| | |: ::|
|::|::::::|弋ソ∨ 弋ツ |:|_|_|: ∧
|::|::::::| ' /: :|-、::::∧ 「――――語ることなど、御座いません」
_|::|::::::|` 、 - ./l: :::| |::: ::∧
_, -‐'´ |::|::::::|/_≧._≦/!:::::| k::::::::∧
、-‐'´ ∧. |::|::::/|∨: :「|:::::::://::::/ ./\::::∧
, -'´∨ ∧ |/∨-レV: :|.|:::::::||:/::::// \: !
. /,__ ∨ ∧, -'´ |V::||::: :::||:|:::// __ ._, -‐`ヽ、
| .///〉 |\, -‐'´ /:::::::|::: :::::::|///, -'´, - '´ ̄ \ , -'⌒i
l// | / /:::::::::::/::::::::::::::\ヽ| ./´ , -'´´ ̄ \ __/ /
.  ̄ ` /::: ::::::::::/::::::: :::::::::::::∨ | / __`ヽ、 __, -‐'´ /
〈:::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::|∨ / / ._, -―'´ /
\:::::::::|::::::::::::::::::::::::::/ \| ./ ./ 、 _., -┬'´ ̄
`ー!、ゝ::::::::::::::::::/ ∧ / / 、 ` ̄., ∧
| |:::/`¨Τ¨´ /. \___/´ `ヽ__ 、 \ \
| ∨ | / / , ´ ` V |
| || ./ 〈 / / ̄ `ヽ、_, -― - 、! `i、
/ || { \/ / / l、 \
/ ./l< `! `ー‐'´ /´ l、 \__>
l´ /: :| ∨ ., -‐ 、. \ _ <__, -‐'´∨ ∧
/ /∨::| ∨ / `ヽ、__` ̄/`ヽ、 \__l
/l ./:l: :∨| X \ ̄´:::::::::::::\
| |/::/:::::|: :V _/、 `ー< ̄ ̄ ̄, -‐'´ ̄ ̄`!
125
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/07/03(火) 05:01:30
「「……さようなら、領主様」」
乙女らの最後の呟きは、如何なる想いが込められたものか。
黒山羊が、喚き散らして地獄へと。
亡者獄卒の無数の腕が、堕落の獣を掴んで離さぬ。
【アイアンサイド卿】
「嫌だ……!」
「私は、嫌だァッ!」
【マルグレット公】
「残念ですが――――」
「汝、罪有り」
「地獄への幽閉を、執行します」
獣の怨嗟の叫びごと……地獄は、深く飲みこんだ。
重々しい音を立て、地獄の門が閉まっていく。
後に残るものはといえば、血塗られた玉座があるばかり。
……堕落者は、地獄へ堕ちたのだ。
【マルグレット公】
「…………お疲れ様でした」
「堕落者を見事に討ち取った貴卿らの名声は、未来永劫語り継がれることでしょう」
マルグレット公の淡白な称賛が、どこか場違いに響き渡った――――
126
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/07/05(木) 23:34:34
「手間を取らせました」
コンラッド卿は静かに礼をした。
地獄の中を垣間見たものの、彼の心に揺らぎはない。
自身もあそこに落ちるのかもしれないという不安はない。
潤い、満たされた心に影の差し込む隙間はない。
「……さて、では、帰るとしようか」
「貴卿らはどのようにする?」
127
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/07/06(金) 00:07:46
処刑が執行される中、無数の使用人らが具現化し、手際よく民らを戒めから解き、穢れを掃き出す。
かくて執行終わりたる頃には、堕落者が宴の残滓は、今や玉座の血痕が残るばかり。
堕落者は繋がれた。もはや、民らが脅かされる事はない。
「―――勿体無きお言葉にございます、閣下。」
サーラ・ヘルロット・フォン・カルンシュタインは考える。
猟犬に誉は不要。ただ餌があれば、それでよい。
故に、称賛にはさほど関心を抱かない。或いは、抱けないのか。
ともあれ、ただ一点を除き、一通りの掃除は完了した。
ただ一点―――血塗られた玉座を除いては。
「―――畏まりました、旦那様。」
ちらり、と。血塗られた玉座を見遣り。
ちらり、と。姉妹を見遣り。
そして、まるで何事もなかったかのように、涼やかに応じる。
128
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/09/20(木) 00:40:18
【リネット卿】
「そうですね……どうしましょうか」
【ライネット卿】
「領主がいないまま、というわけには行きません」
「民のためにも……新たな領主を見つけなければ」
ふと視線をやれば、既にマルグレット公の姿は無い。
次なる罪人を裁くため、遍歴の旅に戻ったのだろう。
あのお方は決して一か所に留まるということを知らぬ。
【リネット卿】
「……我々は……強制的な叙勲から、まだどれほども年月を経ていません」
「私に至っては夜獣」
「私たちが領を治めるというのは、いささか難しいことでしょう」
彼女らは確かに騎士ではあるが……その心根は、およそ民に等しい。
貴族としての務めを果たせというのは、いささか酷だろう。
【リネット卿】
「ですから――――――――」
リネット卿の瞳が、そっとコンラッド卿を捉えた。
捉えて――――遠慮がちに微笑むと、瞳は姉へと向けられた。
言いかけた言葉があった。
その言葉は、そっと乙女の胸の内に。
【リネット卿】
「――――代わりを探すことにいたしましょう」
「探し、待ち……やがてこの領が元の通り穏やかになるように、身を砕きますとも」
そう言って――――乙女たちは、美しく笑ったのだった。
彼女たちを閉じ込める檻は、もうないのだから。
129
:
”艶福卿”コンラッド
:2018/09/20(木) 01:02:39
「そうか、であればこれ以上私が口を挟むこともあるまい」
「とはいえ、何かあれば我が領主へ文を出されよ」
「すぐに馳せ参じる」
柔らかく笑む艶福卿。
しなやかで強く、そして優雅であれとする心。
それさえあればどんな道も光がさす。
彼はそう信じている。
「行こう。サーラ」
130
:
“月蝕卿”サーラ
:2018/09/20(木) 01:16:16
彼女らには、領地を治めることは難しい。
しかし―――それでも、領地に騎士は必要だ。
故に彼女らは、この地を離れることはできない。
「騎士と異端に時の枷はありません。」
「縁あらば、またお会いすることもあるでしょう。」
「―――それでは、またいつか。」
最後に一つ、礼をして。
静かに身を翻す。
131
:
『貴婦人焦がすは鉄の檻』
:2018/09/21(金) 01:40:18
【リネット卿】
「……ええ、またいつか」
【ライネット卿】
「本当に、ありがとうございました」
【リネット卿】
「またいつか――――またいつか!」
乙女たちは静かに手を掲げる。
その手の内には、具現化にて生み出されたいくつもの花弁。
騎士と従者の出立を祝福するように、花弁が高々と振りまかれる。
騎士と異端に時の枷は無く――――それ故に、悠久に果ても無く。
またいつか、と。
その言葉に、どれほどの祈りが込められたものか。
花弁が舞う。
貴卿らが呪われた城を後にして、やがてその城が見えなくなるまで。
風に乗った一片の花弁は、遥か彼方まで貴卿らを見送るのであった――――――――
――――――――――――【終の幕、閉幕】
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板