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サーナイト18禁小説スレ4【R指定】

14RANGE:2010/03/10(水) 18:13:23 ID:Rmc7Qvbw
5. 一瞬、ライズは自分の耳を疑った。確認の為、もう一度尋ねる。
「なぁ…今俺のことなんて言った…?」
「え?だからお兄ちゃんって…」
聞き間違えではなかった。お兄ちゃん、と言ったからにはこの女性が自分の妹なのだろう。
思いかえせば数日前、ライズは遠くに旅をしている妹から手紙を受け取っていた。たしかその内容には、あと数日でここに帰ってくる、と書かれていた筈だ。
そして今日――手紙を貰ってから3日たった今、ライズの前には自分の事をお兄ちゃんと呼んだ女性がいる。確かにそう言った。全ての条件が一致した。
と言うことは…とライズは彼女に恐る恐る尋ねる。
「お、お前……もしかしてクレスか…?」
すると彼女――クレスは、いかにも「呆れた」という表情を造り、苦笑いを浮かべながら、「そ―よ。お兄ちゃんの妹、クレスよ。…もぅ、やっとわかったの?自分の妹の顔も忘れちゃうなんて、相変わらずのお馬鹿さんなんだから」
と少々憎まれ口を叩きながら告げた。
この、明らかに兄を馬鹿にしている口の聞き方はクレスだ。間違いない。
馬鹿にされた怒りより、妹のその成長ぶりに驚愕したライズは、しばらく声を失っていた。しばらくして我に帰ったライズは、彼女は自分の妹なんだと改めて確認した後、家に帰ってきた者に対して誰しも必ず言う、『あの』台詞を言う。その台詞はもう、長い間使っていなかったはずなのに、妹を前にすると、毎日のように言っていた気がする。
「クレス………」
「な…何?」
クレスは、さっきまであれほど驚いていたのに、急に真顔で自分に話しかけてきた兄を訝しげに見ながら返答した。
そんな視線を気にせずに、ライズは微笑みながら
「………おかえり」
と言った。
するとクレスも、さっきまでの訝しげな眼差しをやめ、微笑みながら、
「………ただいま!」
と改めて言うのであった。


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