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隔離部屋〜眠れぬ夜の姉ちゃんの為に〜
520
:
第5話<8>
:2004/09/18(土) 19:12
途中、屋台で焼きたてのたこ焼きを買い、
歩道の中心に立つ裸婦像の側のベンチに、二人で腰を下ろした。
「食べよ。あったかいよ」
座るやいなや、ひなたは弾んだ声で包みを解くと、
湯気の立ったたこ焼きを一つ楊枝に刺して、
「はい」カズナリの口元に突き出した。
「え……」カズナリは、あからさまに照れてみせる。
何しろ、周りは結構な人出なのだ。
「いいから、ほらぁ」
カズナリの困惑をちょっと楽しむように、ひなたは笑う。
「……ん」カズナリは、しぶしぶ目の前のたこ焼きをかじって、
「ふっ、ふはっ!あひっ……」あまりの熱さに身を捩った。
「あははぁ、熱かった?ごめんごめん」
「ふっ、ふがっ……ごめんじゃないよ、俺猫舌なんだからー」
熱い塊をようやく飲み下し、カズナリはペットボトルのお茶をあおった。
「もうすぐ、クリスマスだねえ」
温かい食べ物で人心地ついた頃、ひなたがふっと呟いた。
「うん。クリスマスが終わったら、年が明けて受験本番だねえ」
「そういうことじゃなくてえ……それ、わざと?それともマジボケ?」
「へ?」
質問の意味がわからず、カズナリはぽかんとする。
「あたしたち、一応付き合ってるんだよねえ?」
「うん」
「そりゃあ、受験生だから羽目は外せないけどさ」
「んー?」
「クリスマスとか初詣とか、やっぱ節目のイベントだと思わない?」
「あー……そうだねえ」
「だからぁ!」
カズナリの鈍すぎる反応に、さすがのひなたもしびれを切らしたらしい。
やや、強い調子で言葉を継いだ。
「クリスマス、一緒に過ごしましょうよって言いたいわけよ」
「ああ!」
ようやく得心がいった、というふうに、カズナリは大きく頷く。
「ああ!じゃないよ、ほんとに……」
ひなたはどんよりとうなだれたが、もちろん本心からではない。
察しの悪い、鈍感な彼氏を、半分面白がっているのだ。
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