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お薦めミステリー紹介スレ

122:2009/11/25(水) 23:37:46
綾辻行人『Another』読了。

とりあえず最初に言いたい。アーヤGJ!!
いや、本人が「僕の新たな代表作となるだろう」と言うだけのことはあります。

読んでいる間、さまざまな先行作品が思い浮かんで……まずストーリーと設定は恩田陸のアレっぽいとか、
核となるアイデアは萩尾望都の某名作を彷彿させるとか、微妙に伊藤潤二の某シリーズも入ってるかなとか、
そのアイデアの謎解きとしての見せ方はやっぱり鈴木光司の某有名作品に似てるなあとか、
作品内の「異世界ルール」の説明は何だかフィリップ・K・ディックみたいじゃね?とか……
いやいや、こういうわかったような分析はこの際どうでもいいんです。
個人的に「誰かこういう感じの学園ホラーサスペンス書いてくれないかなあ」と漠然と思い描いていた形に
かなり近い。好きだ〜〜これっ!!

全体のちょうど真ん中あたり――Part1の終盤で、ある「仕掛け」が明かされ、そこから物語が本格的に
動き出すのですが、そこに至るまではやや長ったらしい感じがあります。
しかし、その「仕掛け」が判明することによってそれまでの周到な「タメ」がきっちり活きてきて、
俄然その後の展開への期待が高まってくる。また、Part2に入って以降、
読者がもっとも興味を抱かされる「謎」の性質を巧妙に別方向へと誘導するんですね。
この緻密に計算された語り口と構成は見事。
そして何より、最後の最後にちゃんと「とどめの大仕掛け」を用意してあるのが素直に嬉しい。
やっぱり“ミスター新本格”はこうでなくっちゃ♪

ただひとつ残念な点を挙げるなら、この小説、ホラーなのにあまり怖くないんですよね。。
恐らく原因は綾辻氏の文体にあると思うのですが……何て言ったらいいのかなあ、
端正で程よく透明感があって読みやすいんたけど、描写の「うねり」と「密度」が喰い足りないんだよな〜〜。
これがもし竹本健治の筆致て書かれていたら……などとつい詮ないことを考えてしまいました。

あと、綾波○イの劣化版みたいな重要キャラの少女を含め、もう少し登場人物たちに個性があれば……
ハッ…これはこの人には言ってはいけないんだった(^^;


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