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ダンゲロスSSRace 幕間スレッド
18
:
無知園児
:2015/05/29(金) 23:59:21
――――――All Characters Epilogue ――――――
5/7 12:40 <舟行 呉葉>
「舟行、もうすぐ保健室だ! しっかりしろよ!」
短時間に二回、後頭部を強かに地面に打ち付けられた舟行は意識朦朧としたまま、調達部部長の大山田に背負われて、新校舎二階廊下を移動していた。
屋上に倒れていた舟行を最初に発見したのは、大山田であった。大山田が保健室に運ぶため舟行を抱え上げたとき、舟行は意識を取り戻した。そして、自分がパン崎に敗北したことを思い出して愕然とし、傍らに散らばるパンツの残骸を見て、さらに絶望的な気持ちになった。
ノーパンスカートで恥ずかしくて保健室にすら行けないような状態だったが、大山田がたまたま履いていたズボンとブリーフを借り受け事なきを得た。普段は割とお気楽な部長だが、こういう時はやはり頼りになる。「キャー!」「うわー!」「大きいー!」等とすれ違う生徒が悲鳴をあげるが、そんなに大きなこぶでもできているのだろうか。謎だ。
大山田の背中におぶさる舟行の頭は、鈍痛でぼんやりとしていたが、心は屈辱に燃えていた。パン崎に敗北したことよりも、パンツを取られた恥ずかしさよりも、自分が狩猟されたというその事実が耐え難かった。それは、狩人を生業にするものとして、最大の屈辱だったのだ。
少なからず、調達部のエースとしての矜持はあった。だが、自分の強さに胡坐をかき、技術を磨くことを忘れ、怠惰な毎日を送っていた。その結果が、これだ。
拳を握りしめる。目に涙がたまる。こんなに悔しいのは、生まれて初めてだ。
それは、天性のセンスに頼って戦っていた舟行に欠けていた、貪欲な思い。強くなりたいという、純粋な思い。
「部長…。怪我が直ったら…稽古つけてもらってもいいっすか」
突然の言葉に目を丸くした後、大山田はにやりと笑った。
「ああ、もちろんだ!」
舟行が、学園史に名を残すハンターとなる日は近い。
そして、大山田が公然わいせつの罪で風紀委員に断罪される時も近い。
<舟行呉葉:Created by “しろは”>
【向上心を手にいれる】
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