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ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第6巻 ーーー

548DOAX3 〜開けてビックリ水上相撲〜 第2話:更衣:2024/04/13(土) 09:52:09 ID:???
床から天井まで、壁一面の巨大で解放的な窓の外にプールを見下ろすホテル内の一室に、3人は案内された。

(私に少し似てる?)
案内役の女性の姿を見て、霞はそう思った。
清純な感じで端正な顔立ちの美少女だが、どこか幸薄そうな、儚げな雰囲気を
ほんの少し漂わせている…ような気がするところは確かに、霞に似ているところもあった。

そして彼女の服装もまた、どこかで見たことがある気がした。
全体的にゴシック調で装飾の多いデザインで、パッと見は露出度が低い感じだが
お腹を露わにした、いわゆる「ヘソ出し」スタイル。
グレーを基調とした地味な配色だが、肩から腕にかけての青色が特徴的。
腰から太腿のあたりはボディラインにぴったりとフィットしていて、
特に後ろ姿が意外とセクシーな感じだ。

(エレナさんが以前、格闘の試合の時こんな服を着ていた時もあったような…。
 コスチュームになんか変わった名前をつけていて、走馬燈? スタイル? とか言ってたかしら)
霞はふと、西洋人の劈掛拳の使い手の事を思い出していた。
くわえて、霞と綾音はその案内役の女性に対して奇妙な既視感を覚えた。
似たような人と会ったことがあるような気がする…。

案内役の女性は、霞たち3人の身体をまじまじと眺める、そして…、

「地味ね」

「は?」
思わず綾音が呆れたように聞き返す。

「このチャレンジをしてもらうのにそんなに大きな布地の水着じゃあ、ちょっとイケてないのよねえ」
彼女達が着ているのは、ごくスタンダードな形状のビキニ。
確かに、この島で出回っている水着の中では比較的無難なデザインだが、
世間一般の感覚からすれば十分露出度は高いのだが…。

「貴女達にはこちらのほうが似合うわ。着替えてくれる?」
そう言いながら彼女が見せてきたのは、この島においてさえ最高レベルの
露出度を誇る(?)「フォーチュン」という名称をつけられている水着だ。
大事なところを隠しているのは、ごく小さな宝石と、それよりは辛うじて一回り程度大きい布きれのみ。

「何を企んでるの?」
不信感を隠そうともせず、綾音が言い返す。

「そんな怖い顔しないで。私だって、似合うと思わなかったら勧めないわよ。
 誰にでも着こなせるわけじゃないんだから」

「…それにこの水着、今回は私からじゃなくてオーナーからのプレゼントなのよねぇ…」
「「「オーナーさんから?」」」
オーナーから、という言葉に、3人は少なからず反応する。

「オーナーからのプレゼント」だと言われれば、本来はもらって嬉しくないはずの物でも
不思議と拒むことが出来ず、気付けば受け取ってしまっている…。
この島で過ごすうちに、なぜか彼女達はそんな性分が身に付いてきてしまっていたのだった。

ちなみに、今彼女達が着ているのは、霞が「純白のビキニ」、
紅葉が「黄金のビキニ」、そして綾音が「漆黒のビキニ」。
いずれも、その名称どおりの単色・無地の、シンプルでスタンダードなデザイン。
彼女達はそれぞれ、「オーナーさん」にせがんでプレゼントしてもらう形でそれをそのまま身に着けて今に至っている。

また、霞と綾音はこの「人当たりの良い態度で言葉巧みに大胆過ぎる水着を着させようと
勧めてくる感じ」を以前も再三体験した気がするような、何とも奇妙な感覚を味わっていた。

(…あれ、「今回は」?「私からじゃない」って……?)
(今回「は」って、どういう意味だろう?)
霞は頭の片隅でそんなことを思った。そのことについてはもっと深く考えた方が賢明であったのだが、
その「水着ハンガーにセットされたまま手渡された紐と宝石のようなもの」にじっと見入っているうちに、
そのことはすぐに忘れ去られた。


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