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レズリョナスレ

735レズリョナSS 10:2015/10/08(木) 02:16:24 ID:???
しかし、その顔には未だに意志が宿っていた。
リコの心は、まだ折れていない。
その事実が、女不良をさらに憤慨させる。

「なんだてめぇ…… その眼は…… ナメてんのかぁ!? あぁ!?」

女不良は、もう一人に声をかける。

「おい…… コイツもう一回抑えろ…… 今度こそブッ殺してやっからよ……」

「ちょ、アンタ、まだやる気なの!? これ以上はさすがに死ぬって!! アタシだって人殺しになるのはごめんなんだよ!!」

「あぁ!? てめぇ…… オレに逆らおうってのか!?」

「そ…… そういうコトじゃなくて……」

そこまで言った長髪の女不良が、驚きで表情を歪めた。

「なんだよ、オイ、最後まで言えや」

大柄な女不良がふとリコのほうを見やると、同じようにまた表情を歪める。

リコが立ち上がっていたのだ。

両足はがくがくと震え、虫の息だったが、確かに立っていた。

「はぁ………… はぁ………… ひゅう…………」

おそらく、眼が見えるようになっていたこともリコが立てた一因だろう。
先ほどまで開かれることのなかった眼は、確かに女不良を見据えていた。

女不良は心の底から不愉快そうな表情を露わにする。

「おい、お前…… まだ、殴られ足んないようだな」

そう言いつつ、手頃な大きさの石を二つ拾う女不良。
それを、両手で握り込む。

「オラァア!!」

石を握り込んだ拳で、まだ満足に動けないリコの鳩尾を殴った。

「げあぁぁぁっ!」

リコは苦痛のためにまた倒れそうになるが、どうにか耐える。
その瞳には、既に涙が浮かんでいる。
吐き気がこみ上げてきたが、それもどうにか飲み込んだ。

前屈みになったリコの顔を、再び殴る女不良。
ガッ、と固いものと固いものがぶつかるような嫌な音がした。

「ぐうぅぅっ……!」

涙を押し殺した声で呻くリコ。
今度はさすがに耐え切れず、うつ伏せに倒れてしまう。
それでもリコは立ち上がろうと必死に胴体を持ち上げる。

しかし、それを許すほど女不良も甘くはなかった。
固い靴底でリコの背中を勢いよく踏みつけた。

「けはぁっ…………!」

リコはそれでも身体を上げようと全身を震わせるものの、そこをまた踏みつけられる。

唯一傷のなかったリコの背中に痣が増えていく。
リコはもう全身文字通り傷だらけだった。
それに加えて、直前までのゴミ掃除による疲労。
とうに限界など超えていた。

「ううぅぅぅ……」

リコはそれでも全身を震わせ立ち上がろうとするが、身体が心についていかなかった。

「その様子じゃ、もうテメェは駄目みたいだな。おい、一応押さえとけ」

そう大柄の女不良が命じると、長髪の女不良はしぶしぶそれに応じた。

「ホラホラ、大人しくしときなさいよ」

そう言って、背中からリコを押さえつける。
そして彼女らは、標的をリコからヨシエにシフトした。
ヨシエは先程から泣くばかりで、もはや状況すらわかっていなさそうだ。

「ここまで手間かけさせたんだ…… なんか良いもん持ってるんだろうなぁ?」

ヨシエのカバンを漁るが、大したものは見つからなかった。

「はぁぁ…… シケてやがんな、てめぇらは」

女不良は視線をヨシエに移す。
舐めまわすように全身を見、彼女が首からかけたロケットペンダントが目に留まる。

「おぅなんだお前、イイもん持ってんじゃーん!! ギャハハハ!!」


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