[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
ムーンペタ@ムーンスレ緊急避難所
47
:
ムーンクエスト21/26
:2003/09/28(日) 21:14
21
「危ないところをありがとうございました」
女の子は――女の子って言ってきたけど、落ち着いてよく見ると、わたしより年上みた
い。顔色はまだ青ざめているけど、思ったよりしっかりした口調で話し出した。
「失礼ですが、この町の方ではないようですが……旅の方ですか?」
それは、質問というよりも確認だった。まあ、わたしたちの旅装束を見れば一目瞭然だ
けどね。
わたしたちは簡単に自己紹介した。もちろん身分や本当の旅の目的は明かさなかったけ
れど。
「まあ、それなら……!」
わたしたちがローレシアからムーンブルクを経て、ルプガナに着いたばかりだと知ると、
女性の目が輝いた。
「私について来て、どうかうちのおじいさまにも会ってくださいな。さあ、こちらへ」
彼女についていくと、海の水を自宅に引きこんで、内部にドックを作っている大きな家
に案内された。
「おじいさま、ちょっと……」
声をかけながら、女の人が家の中に入っていく。戸惑いつつ、わたしたちも後に続く。
部屋の奥でしばらく話し声がしていたかと思うと、やがて老人が出てきた。
こ、この人は……!
うーん、女の人によく似てるわ。
「可愛い孫娘を助けていただいたそうで、なんとお礼を言ってよいやら。そうじゃ! あ
なたがたに船をお貸ししようぞ。どうか乗ってくだされ」
思わぬ申し出に、わたしたちは歓声を上げた。
ルプガナより先は海がなければ、どこにもいけないんだもの。
きっと女の人が話をしてくれたんだろうな。なんていい人なのかしら。
「ラッキー! こういうの棚からぼた餅って言うんだよな」
「違う! 情けは人のためならず、だよ」
ローレシア王子とサマルトリア王子が後ろでこそこそ話してる。いったい何の話をして
るんだか。
「ありがとうございます。とても助かりますわ」
わたしはにっこり笑って、老人の手を握った。彼もまた、暖かい笑顔で握り返してくれ
た。
「気をつけてゆきなされよ」
■チェックは?
ある→
>>52
へ
ない→
>>36
へ
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板