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DQBR一時投下スレ

760転がり込んだ幸運 ◆EJXQFOy1D6:2019/12/23(月) 23:09:09 ID:RUDAQ9iE0
「よくぞご無事で……畏れ多くも陛下より賜った近衛兵長の役にありながらこのエイト、今の今まで
姫のお側に馳せ参じる事が出来ず、申し訳次第もございません!」

「良いのですエイト。あなたも無事でいてくれたのですから…さあ立って、私たちは道中を急いでいる所
なのです。向こうのお二人の事も紹介しなくては」

促されてエイトは二人の男の方を見る。ようやくか、と言った風情でレックとキーファは蚊帳の外の位置から
歩み進んだ。

「私とレックさん、キーファさんはお城を目指しているのですが、先ほども言った通りあまり時間が
ありません。進みながら説明しますね」

「解りました姫。私はトロデーン近衛兵長、エイトと申します。どうやらお二人とも姫を守って下さって
いた様子。深く感謝します」

その名を聞いたエイトは一瞬眉を顰めた。しかしすぐに了承し、型通りの挨拶と謝辞を述べる。
そして一路トロデーンへと歩き出す道すがら、ミーティアはこれまでの経緯と目的をエイトに説明した。
一時離れていた間の事などもレックとキーファが補足する。黙って聞いていたエイトが再び口を開いたのは、
トンネルを抜けた直後の事だった。

「皆さんの話は一つ一つ納得出来ましたし、悪くない考えだと私も思います」

その声に前方を歩いていたレックとキーファが振り返る。すると、エイトはその場に立ち止まり
ミーティアを片手で制している。

「ですが、これ以上姫を危険に晒す事を許容出来ません。私はここで姫と共に残ります」

「エイト!それは駄目です!」

ミーティアはすかさず反駁したが、レックとキーファはさして驚いてはいなかった。この短時間に
目の当たりにしたエイトの忠臣ぶりから見れば、さもありなんと言った所だ。

「うーん、実は俺もそうした方が良いかもしれないと思ってたんだ。俺とキーファだけなら走ればまだ
充分に間に合う。その間君がミーティアを守っててくれるとなると、むしろ好都合なんだよな」

「それはそうだがレック、姫さんがいないと場所が解らないぜ?」

ミーティアとしては意外な事に二人は同意を示した。反論しようとした矢先、エイトが更に提案する。

「それについても考えがあります。この鼠、トーポと言うんですが普通よりずっと頭が良く城内の
事なら全て理解しています。この子を案内にお貸ししますよ」

エイトはポケットから顔を出していたトーポを手に乗せると、素早く一言囁いた。

(レックさんには一応気を付けて下さい。何かあったら、すぐ引き返して)

そして二人に差し出す。

「エイト、お爺…トーポに私たちの役目を押し付けるだなんて…あ、待って!」

しかしトーポは一言きゅっと鳴くと、差し伸ばされたレックの手を伝い肩に飛び乗った。


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