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DQBR一時投下スレ
736
:
愛さえも、夢さえも
◆EJXQFOy1D6
:2019/09/01(日) 22:34:11 ID:gYmjXASs0
「…オ前ハワタシノ問イニ、マダ答エテイナイ」
目の前の小さい人間は、主のアベルについて話したいと言った。それはジンガーの中で高い必要性を評価されている。
故に彼は一時的にサフィールと話をすると言うコマンドを割りこませる事が出来た。
「いいえ、答えました。私はあなたとアベルと言う人の話をしたかった。そして私の話はこれでおしまいです。
聞いてくれてありがとう。ジンガー、心から感謝します」
「ソウカ。…ソウダナ」
ジンガーは理解した。
彼には、アベルについて話せる事が何もなかった。よって彼は当初の役目に復帰しなくてはならない。
「ジンガーよ。酷だとは百も承知で言わせて貰うぜ…破壊だけを求めてやり通したとして、お前はそこで不要になる。
アベル本人も自身の存在を必要としなくなるだろう。残るのは無だけだ」
ジャンボが天使の鉄槌を携えながら進み出る。行き場のない苦渋の色が顔に浮かんでいた。
「…ぼく、きみの敵になりたくないよ。友達になれたらいいのに。だけど、だけど…」
ホイミンはその先を言えなかった。
「ワタシトシテモ本意デハナイ。個人的ニ武器ヲ返シ全力デ戦ッテミタカッタガ、ソレハ叶ワナイ。許セ、同胞」
沈黙を守っていたネプリムが声を掛ける。同じキラーマジンガだからこそ彼は知っていた。与えられた命令を
自分の判断で破棄する方法は存在しないという事を。
(シカシソコヘ行クト、今ノワタシハ何ナノダローカ。マッ、イイカ)
「───我ガ主ノ娘ヨ、修理ヲシテクレタ事ニ感謝スル」
サフィールは頷いた。そして一歩後ろへ下がった。その顔にはジャンボと同じく苦渋が満ちている。
不可避の戦いを前に張り詰める緊張を破ったのは、鼓膜を叩いた僅かな振動だった。
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