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DQBR一時投下スレ

723その翼、絶望か希望か ◆qpOCzvb0ck:2019/01/02(水) 20:44:14 ID:Z.uZw2LI0

しかもタイミングの悪いことに、ティアが泣き始めた。
「おにいちゃん!!たすけてぇ!!どこにいるの!?おにいちゃぁん!!」

「静かにしろ!!キサマの兄は死んだ!!」

言ってすぐに、自分の行動を後悔した。

「おにいちゃんはどこぉ!?おにいちゃんが……しんじゃうはずがない………。」

子供をあやしたことなんて、一度もない。
どうにもできない状況で、予想外な周りの状況の変化に頭が回らない。

厄介な事態はさらに続く。


「そうだ!!お城にかえれば、おにいちゃんも、みんないるはずだよ!!」

ティアが自分のザックを探り始めた。

「待って!!ティア!!」

アンルシアがそれを止めようとする。
全く持ってこれは予想外だった。

私はてっきりティアがおわかれのつばさの使い道を知らずに、しまっていたのだとばかり思っていた。
だが、既に知っていたとは。

大方、仲間と共に使いたいとか、人間特有のくだらない理由だろうが、今更理由などはどうでもよい。


「あれ……!?どうして……ないの?」
当然ながら、ティアがおわかれのつばさがないことに慌て始める。


しかし、アンルシアは、もう一つのことに気付いていた。

「あなた……どうして……?」
その目線は自分のザックからはみ出ていたたおわかれのつばさに注がれている。


(!!)


これはまずい。

こうなってしまったが最後、おわかれのつばさを用いて脱出するしか道はない。

だが、おわかれのつばさを手に入れたのはよかったが、それの使い方までは知らない。
また使用した後、いつになれば帰ることが出来るのか。

一瞬で帰れるなんてことは、誰も言っていない。


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