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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

9195/5  8+4:2013/01/19(土) 23:48:04
その後、俺達はいつも通り喧嘩して
こんな日はもう仕事をする気になれないので早めに作業を切り上げてグダグダしながら宿舎に戻った

本当はあんな事言うべきじゃないのも分かってはいた
ただ、こいつになら言ってもいいんじゃないかと思い言ってしまった
困らせてしまったようだし悪かったと思う
ただ、あいつが俺の事を『必要な存在』と言ってくれたことが、とても嬉しかった

だが、なぜ『自分は必要ないんあじゃないか』なんて考えだした訳はーー


ーズキ

実は最近調子が悪い。パデキアはもう飲んだが、なんだか冷たく、消えていくような感じが収まらない
それに頭の奥でこんな声が聞こえてくる
「オ前ハモウイナクテモ大丈夫ダ、ラクニナレ」

と言われている。この何だか心地いい声に流されそうになる

ーだが、8主が言ってくれた通り俺を必要としてくれている人がいる

(うし、明日からまた頑張ろう)
あいつの為ーーいや、皆のためにも

920915:2013/01/20(日) 00:01:21
今回BL要素は少なめです
色々気になる点があると思いますが生暖かい目でスルーしてやって下さい
続きはのんびり投下させていただく予定です
見てくださってありがとでした!

921名無しの勇者:2013/01/20(日) 00:54:02
乙!楽しみにしてます

9221/1 13 微妙に主ヘン:2013/01/29(火) 19:41:33
5主「はあああああああ……」
3主「ん、どうしたんだ5主。盛大にため息ついて」
5主「…いやさぁ、ちょっと名前の問題なんだけどね」
3主「ああ、トンヌラか」
5主「そう、実はこの前ヤってる時に気づいたんだけどさ…」

ーーーー回想中ーーーー

「あっ!…ふぁ……はあっ」
5主「ふふっ大丈夫かい?」
「ひっ………ん!…はふぅ………」
5主「声…我慢しなくていいよ?」グリッ
「ん!……ああ……」

ーーーーーーーー

5主「……って感じだったんだよね」
3主「おいコラお前!誰とヤってたんだよ!4Pでないって事は奥さん達ではないだろ!」
5主「ははっ誰かなぁ♪ まあそれはさておきこっからだよ」

ーーーーーーーー

「と……」
5主「ん?」
「と……トンヌ…」
5主「……え」
「はっ!…んぁあ……トン…ヌラぁ……」
5主「……」
「トンヌ、ラ…と…ンヌ……らっああああ!」

ーーーーーーーー

5主「…と、なってね」
3主「相手が誰だかはもう置いといて、確かにそれはな…トンヌラか……」
バターン!
1主「そうだよ!俺もなんだよ!分かってくれるか5主!」
3主「ああ…『おっ。て』だもんな…お前」
1主「そう!そのせいかイイ所で何だかギャグになってしまう辛さ!せっかくご先祖が俺の名前を喘ぎながら呼んでくれるのにいいいいいい!」
3主「///!おいこら1主!何どさくさに紛れて言ってんだ!」
1主「俺のご先祖がこんなに可愛いわけがありすぎるうううううって状態なのにだよ!?あんまりだ!」
5主「うんうん。だよね、だよね」
1主「わかってくれるか5主!と、いう事でご先祖!これからは小説ネームのアレフで呼んでくれ!」
3主「ちょっ何で」
1主「お願いだあああ!頼む、ご先祖!」
3主「…………いや、だってさ…は、恥ずかしいし…ってああ!い、いいだろ!別に!俺もその方が好きだし!」
1主「!……ご、ご先祖!ありがとうおお!ヤッターゴセンゾガデレテクレタァワーイ」
3主「今半角カタカナでなんて言った」
1主「きゃっほおおお!」
3主「ちょっおまw6主並にテンション高いぞww」
ワーワー
5主「……」
5主「あれ?僕忘れられちゃってる?」
5主「……じゃあヘンリーにも言っておくか」

923名無しの勇者:2013/01/29(火) 20:25:32
13!13!( ゚∀゚)o彡゜

924名無しの勇者:2013/02/07(木) 21:24:15
お゜っての発音できるご先祖Sugeeee
主ヘンもイイヨイイヨー

9251/4 5+4:2013/05/27(月) 02:19:50
BL要素少なめです。

*****
 会議が終わる。父の残した立場が恨めしい。今すぐ、妻たちの元へ向かいたいのに。
 席を立ち上がる。自分が立ち上がらなければ、皆も立ち上がれない。
 くやしい。だけど、国民を、何より残された生まれたばかりの子供たちを置いてはいけない。
 重厚な扉を開いた先に、それは佇んでいた。
 かつて父から託されたもの。一人では立つことなど物理的に無理なはずのそれが、確かにそこにあった。
 柄の意匠のドラゴンが銜える宝玉が煌く。それは、確かに宝物庫に安置していたはずの、『天空の剣』。
 きらり、きらりと意思を持つかのように宝玉が煌く。どちらかというと華奢な意匠のその剣に、誰もが近づけなかった。
 『心のままに生きなさい』
 ふと聞こえた、記憶の奥底、翡翠色の残影の声。かつて、あの人が言った言葉が耳にこだまする。
 『ここは、私が守ろう。新しい主が振るう力を持つ、そのときまで』
 今度は確かに聞こえた。いや、意思だろうか。でも、不思議とあの声と似ていた。
 新しい主?
 きらり、ともう一度、宝玉が煌く。その脳裏に、生まれたばかりの双子の、男の子の顔が浮かぶ。
 あの子が勇者?父が探していた、そして僕が探し続ける。天空の名を抱くもの?
 『さあ、貴方は貴方の心のままに。私が守ろう。子らを、この国を』
 周りがこの声を聞いていないのは明白。でも、幻聴だと思うにはあまりにその意思は強く、脳裏で瞬いた。
 僕は頷き、周りに意思を告げる。
 頭を下げた。頼む、と。本当はもっと早く下げるべきだった。王だろうがなんだろうが、人に物を頼むときは、頭を下げるものだから。
 剣がもう一度瞬く。まるで、そうだと頷いたように見えた。

9262/4 5+4:2013/05/27(月) 02:20:44
 あれはどこだったのだろう。覚えているのは一面の花畑。父は僕を何時も冒険に連れて行ってくれた。
 もちろん、危険がない場所ばかりだったけど、それでも僕は嬉しかった。
 父は僕を置いて、ほら穴に潜っていった。此処からは危険だから待っていなさいと。
 そういうことも珍しくなくて、僕は大人しく待っていた。
 僕はひとり、村の子供が教えてくれた遊びをしていた。花畑の横のあいた土地に、木の枝で丸を書き、そこを片足でぴょんぴょんと跳ねる。
 「けんぱ、けんぱ♪」
 両足、片足、両足。ぴょこぴょこと跳ねるのに僕は夢中になったけど、やがて、自分で書いた丸はすべて攻略してしまうと、手持無沙汰となった。サンチョも父と共に行ってしまったので、僕はひとりきりだ。
 緑の森に包まれたお花畑はとても綺麗だけど、何だか一人ぼっちになった気がして、僕は座り込んだ。
 「うぇ〜ん、おどぉざ〜ん」
 寂しくて、悲しくて僕は座ったまま泣きだした。
 ぐすぐすと泣いていると、影が出来た。
 「おどぉさんっ!?」
 父が帰ってきたのかと顔を上げた僕の瞳には深い緑色の髪が見えた。
 『サンチョが読んでくれたご本の妖精さん?』
 その髪の色は花畑の周りにある常緑樹のような深い色なので、そうかと思った。髪も絵本みたいに長いし。
 「……どうした?」
 見上げたまま何も言わない僕に心配になったのか、心配そうな声が掛けられた。それでも僕が何も言わないと、躊躇うように伸ばされた手が僕の頭を撫でる。
 その手はとても温かくて、僕は悲しいのがどっかにいってしまった。
 「大丈夫、か?」
 紫色の瞳が心配そうに覗きこんで来る。僕が大好きな夕焼けみたいな綺麗な色だ。
 僕が頷くと、その人は僕の横に腰を下ろした。
 見上げていると、その人は自分の膝に手をついて頭を支える。その拍子に髪がさらりと流れた。
 「…あの……」
 「ん?」
 思いきって話しかけると、その人はちゃんと僕と視線を合わせてくれる。
 「あの、僕、リュカっていうの」
 「そうか。ちゃんと挨拶が出来るんだな。えらいな」
 其の人はにこっと笑って頭を撫でてくれる。褒めてくれたのは嬉しいんだけど、聞きたいのはそれじゃなくて。
 「あの、あのね?」
 「ん?」
 「お姉ちゃんの、お名前は?」
 一生懸命頑張って聞いた瞬間、その人は膝についた手が外れ、前に伏せるような格好になる。
 何か悪いこと聞いたのだろうか?
 其の人はしばらくそのまま動かなかった。そして、不意に立ち上がる。
 「あ、あの、ごめん、怒ったっ!?」
 怒ってしまったのかと慌てて服を掴むと、その人はもう一度屈んで頭を撫でてくれた。
 「いや、そろそろ帰らないといけないんだ……坊やの待っている人もそろそろ帰ってくるから」
 そうして洞窟を指さした其の人に釣られて僕も振り向くと、聞きなれた二人の声が聞こえてきた。
 「坊や、此処で僕に会ったことは内緒な?……それと、僕はお姉ちゃんじゃなくてお兄ちゃんだから」
 そう言って、その人はくるりと背を向けて歩きだしてしまった。
 慌てて追いかけようとした僕は転んでしまい、再び顔を上げた時は森に溶けてしまったかのように、その姿を見つけることは出来なかった。

9273/4 5+4:2013/05/27(月) 02:21:48
 「リュカっ!?」
 「坊っちゃまっ!?」
 僕が寝転んだままだったので慌てて父とサンチョが駆け寄ってきた。
 父の強い手が僕を抱き上げ、目を軽く擦る。大好きな父の手を暫く味わってから、結果がどうだったと尋ねたら、どうやら、お目当てのものは見つかったけど、手に入れることが出来なかったらしい。
 それから、父は何度もここにやってきた。僕は宿屋でお留守番しているか、と言われたけど、どんなに言われても付いて行った。だって、あそこに行けば、またあの人に会えるかもしれない。
 そうして、僕の予想通り、再び僕はあの人に会った。
 僕が一人になると、まるで風のようにあの人は現れ、僕と遊んでくれた。
 だから、父に悪いと思いながら、僕はここに何度も来れることを楽しみにしていた。
 「お兄ちゃん〜っ」
 「また、来たのか」
 大きな声で呼ぶと、森から溶け出したかのように其の人は現れる。その名は教えてくれなかったので、僕は其の人をお兄ちゃんと呼んでいた。
 「あそぼっ!」
 「はいはい。今日は何をする?」
 「お絵かき〜」
 この日が終わるなんて思っていなかった。何時までも、この人と遊んでもらえると思っていた。
 いつものように持ってきた画用紙に絵を描いていると、その人が顔を上げたのが分かった。
 「お兄ちゃん?」
 「試練を乗り越えたか……リュカ、お父さんもうすぐ戻ってくるよ」
 「???」
 なぜかいつも、この人は父が戻ってくる時間を言い当てる。そして、父には決してその姿を見せないのだ。
 僕は思わず、その服の裾を掴んだ。
 「リュカ?」
 「お兄ちゃん、また、遊んでくれる?」
 どうしてそんな問いかけをしたか、解らない。だけど、何か、僕の中の誰かが、この手を離してはダメだと言っていた。
 「……リュカ」
 其の人は屈んで、僕に視線を合わせた。紫色の瞳が宝石のように煌めいている。
 「心のままに生きなさい。どんな強力な存在だろうと、心だけは、従わせられないはずだから」
 「お兄、ちゃん?」
 「自分の心だけは偽らないで。負けないで。どんなに苦しくても、明日は来るから。きっと、光は見えるはずだから……ごめんな。もう会うことは出来ない……君が頑張って、心のままに生きれば、いつかまた、会えるかもしれない」
 優しく頬を撫でる手。その人は儚く微笑んでいた。
 「……覚えていないのが一番なのだろうけどね」
 その笑顔は綺麗だけど悲しくて、だけど僕の伸ばした手は空を切り、その人の姿はかき消えた。
 そして、そのあとは何も覚えていない。

9284/4 5+4:2013/05/27(月) 02:22:37
 目の前を赤いバンダナの青年が通り過ぎる。それを追って、翡翠色の髪の少年が追いかけていく。
 5主は微笑んだ。
 ああ、あの時あれほど会いたかった人が目の前に居る。
 翡翠色の髪、紫水晶の瞳。妖精の女王より美しく、儚い笑みを浮かべたあの人。
 クロリュウヌッコロスーワーワーギャーギャ-
 『……面影、かけらもないけど』
 ちょっと泣きたくなるけど、当たり前のことだ。自分にとっての過去は彼にとっての遠い未来なのだから。
 本当は、交わらないはずだったその接点。
 あの人は知っていたのだろう。僕が頑張れば会える、と確かに言ったのだから。
 頑張って心のままに、妻たちを愛し、子供たちを愛している。
 だから、出会うことが出来た。
 「……何笑ってるんだ、エロキン」
 「其の呼び名はやめてくれる?3主」
 「この上なくお前を示す言葉だろうが。また羊アタック喰らうようなことか?」
 呆れたような眼差しが向けられる。これは自分の行いが悪いのだろう。
 「いいや、初恋の人を思い出していたんだよ」
 「おんやぁ、お安くないねぇ」
 にやりと笑うと、3主も釣られたように笑う。
 「……僕はね、あの人があんなに儚い笑みを浮かべるのをもう見たくないんだ」
 「ふぅん?」
 「だから、この宿舎を作った人には感謝している。あの子もあんなに笑うようになったしね」
 「邪悪一直線だけどなー」
 赤いバンダナを射程内に捕らえ、ギガソードが炸裂する。
 倒れた青年を足蹴に笑うさまはすっかり魔王だ。
 「……まあ、無表情より良いということで」
 「視線逸らすな、現実を見ろ現実を。なんかパワーアップしてるぞ、あいつ」
 「逸らさせてくれよ」
 思わず零れた言葉は3主に笑われてしまった。
 幸せになってほしいと思った。幸せにしたいと思った。
 ……その努力は実を結んでると思いたい。

929名無しの勇者:2013/05/27(月) 03:14:07
お姉ちゃんwww
5主かわいいなー

930名無しの勇者:2013/05/27(月) 09:03:58
かわええー

931名無しの勇者:2013/06/18(火) 23:33:18
5主可愛いw

93284 1/3:2015/02/22(日) 00:27:45
さわさわと風に靡く木々、空を流れる白い綿雲。
椅子代わりに腰掛けた切り株の脇から生える新芽に触れば、つるりと水を含んで仄かに冷たい。
元幹の樹皮のごつごつとした手触りとはまるで対照的だ。
平地よりもやや標高が高いので気温は僅かに低めだけれど、
日差しの暖かさがあるからさして寒くはない。
凛と澄んだ空気を深々と吸い込んでみれば、それだけで回復効果がありそうだった。
唯一の例外を除いては、辺りに人の気配はない。
身近な生き物と言えば草葉を這う虫や枝上を忙しなく駆ける動物たち、
それと時折上空を行き交う鳥くらいなものだ。
ぴーひょろろ、笛の音のような鳴き声が木霊する。
当然ながらオーブも紋章も此処にはない。

「相変わらずクッソ田舎ですね」

トロデーン城の周りも少し開けた地ではあるけどここまでではないし、
そもそも城自体が多くの人で賑わっているからこんな閑寂はこれっぽっちも感じない。
長閑だと言ってしまえばそれまでだけど、このあまりのド田舎感は正直どうかと思う。
こんなとこで十七年も暮らしていたのなら、そりゃあ世間知らずにもなるはずだ。
その後の旅路でそれなりに常識は身に付けたらしいけど、
最初のうちはご同行されたお仲間方も随分苦労なさったのではないだろうか。
普段は真面目くさっているあの人が時々信じられないようなボケをかます理由も、
彼が生まれ育ったこの土地を見れば推して知るべし、というものだ。

93384 2/3:2015/02/22(日) 00:28:39
「そう思うんならそんな所にボケッと座ってないで余所へ行けよ。
 さっきからずっと傍に張り付いて、監視でもしてるつもりか」
「いやですよ4主さんの監視なんて何の面白味もない。
 フィールドで突っ立って太陽の動きを眺めている方がまだ建設的です」
「じゃあそうすりゃいいだろが」

この山奥にある小さな村――最早村とも呼べないのかも知れない――に暮らす唯一のひと、
畑仕事に精を出している天空の勇者様は、持っていた鍬を杖代わりに立ててその上に顎を乗せ、じとりと此方を睨んできた。
只でさえ目つきが悪いのにそんな顔してたら、以前の7主さんみたいな気の弱い人ならば竦み上がってしまうだろう。
魔物の気配をあまり感じないのもこの所為だったりして。
一瞥するだけでトヘロスの効果。さすが魔王顔と言われるだけのことはある、面目躍如だ。

「別に出て行きたいなんて一言も言ってないでしょう、なんだってそんなに追い出そうとするんですか。
 オニ、アクマ、コケコッコ」
「最後のやつ関係ないだろが!てか前二つもいらねえよ!何なんだ、いきなりルーラしてきたかと思えばいつもみたく喧嘩売りに来たってか?
 そんな下らない理由でこんな田舎までわざわざご苦労なこった」
「4主さんって他の人にはわりと落ち着いた対応なのに、僕に対してだけは短気ですよね。
 そういう差別は良くないですよ」
「OK、胸に手を当てて日頃の行い振り返ってみろ」

おっとやばい、目が座ってきた。これ以上からかうとギガソード発動フラグだ。
やれやれと軽く肩を竦め、風で乾いた唇を湿らせる。

93484 3/3:2015/02/22(日) 00:29:21
「理由なんてないですよ」
「あ?」
「理由なんてないけど、ただなんとなく4主さんの所に来たくなったから来た。
 それだけです。何か問題が?」
「……あ、いや」
「ならいいですよね。では僕に構わず、どうぞ作業を続けて下さい。
 でも出来ればもうちょい構ってください暇なんで」
「……一つの台詞の中に矛盾が盛り沢山だぞ」

4主さんははあ、と息を吐くと、気まずそうに頬を掻いて再び鍬を握り直した。
いや違うな、あれは照れているんだ。その証拠にほら、耳の先が少し赤い。
元々肌がそう黒い方でもないから余計に目立っている。
鍬が振り上げられては下りる度、翠の髪と耳朶のスライムピアスが揺れる。
髪の毛長いよな、邪魔じゃないんだろうか。5主さんみたく結ぶとか、或いは切るかしたらいいのに。ああ、でもやっぱり切っては欲しくないかもな。勿体無いから。

「そこ、何を植える予定なんですか?」
「えーっと……春野菜をいくつか、ソラマメに玉葱にジャガイモ、水菜なんかかな。
 あとは……苺とか」
「苺、」

苺と言えばあらゆるスイーツと相性のよい食材だ。
これは我がプリン研究にも一役買ってくれるに違いない。
俄然瞳を輝かせた僕を、4主さんは子供を諫める母親のような目で見遣った。

「一応言っとくけど、皆で食べるものだからな。お前にだけ贔屓はしないぞ」
「そんなの分かってますよ。でも何が食べたいかのリクエストくらいはしてもいいでしょう?」
「何だよ」
「決まってるじゃないですか」


この閑散とした土地でただ一人、せっせと畑を耕して、家畜を飼って木を植えて。
確かにヒトこそ居ないけれど、生き物の気配はそこら中に満ち満ちている。
すべては彼がやったことだ。滅ぼされ、毒に侵された土地を蘇らせて、もう一度生命を芽吹かせた。あの、やけに野良仕事が様になっている勇者様が。



「苺プリン、食べたいです」



赤く熟れた実の収穫くらいは手伝ってあげてもいいかなと、口に広がる甘酸っぱさを追想しながら僕はちいさく微笑んだ。

935名無しの勇者:2015/02/22(日) 00:35:54
ここ見てる人どれだけ居るか分からないけど折角書いたので投下しときました。

936名無しの勇者:2015/02/22(日) 00:57:44
おおー!久々の更新があって嬉しい!

937名無しの勇者:2015/02/22(日) 01:36:44
乙!
コケコッコわろたwww

938名無しの勇者:2015/02/23(月) 14:29:15
やっぱりこの二人大好きだ!萌をありがとう!

939名無しの勇者:2015/02/27(金) 00:21:01
>>936-938

反応ありがとうございます
自分以外にもここ見てる人がまだいると分かって嬉しい


調子乗ってまた投下です
84シリアスめ、ちょい長

94084 1/6:2015/02/27(金) 00:23:19
緑溢れるこの村の中で、一カ所だけぽつんと置き去りになっている場所がある。



分厚い板を打ち付けて、更には四方に楔を穿って鎖を通し、
幾重にも鍵を掛けて封印してあるそこは彼が持つ中でも最も深い闇の記憶が眠る場所だ。
僕はその鍵のひとつひとつを開錠して鎖を解き、手にした槍で板をぶち破った。
雷光一閃。
いくら厚くても所詮は木、衝撃に耐えきれず文字通り木っ端微塵に砕け散った。
メタルキングの槍をそんな事に使うなんて、と各方面から嘆きの声が聞こえてきそうだがさして気にしない。
武器も道具も使いたいように使ってこそ活きるものだ。
厳重なバリケードを突破した先には、地下へと降りる石造りの階段がある。所々にひびが入り、隙間を苔が侵食していた。
ぽっかりと口を開くその様はまるで地獄の底へと続いているかのようにどこまでも暗い。

「……さて」

常備している松明を取り出して火を灯し、一歩ずつ階段を下っていった。よく見れば足元だけでなく壁にまで亀裂が走っている。
余程激しい衝撃を受けたのだと、否が応にも窺い知れた。
そんな禍々しい雰囲気とは裏腹に、元々そう大仰な造りでもなかった階段は程なく最深部へと到達した。
目の前にあるのはややひしゃげた木製の扉。取っ手は付いておらず、代わりに外側から掛ける型の閂がある。
しかしそれもどうやら壊れているらしく、役目を失ってぶらりと力無く垂れているだけだった。
見たところ内側から壊されているように思える。
恐らく何度も何度も殴られた所為で、閂を留める釘が外れて床に落ちたのだろう。
それを証明するように、赤茶色に錆びた釘が隅の方に転がっていた。
ひとつ深呼吸をした後で、ゆっくりと扉を開けていく。
むわ、と黴と埃の混じった臭いが鼻を襲い、地下特有の湿り気を帯びた空気が肌を撫でた。

94184 2/6:2015/02/27(金) 00:24:43
室内に入ってからすぐに、くるりと振り返って背面の扉を見遣った。
思った通り、そこには空気に触れて黒く濁った、拳形をした夥しい数の血痕があった。
割れた木片が刺さったのか、或いは叩きすぎて皮膚が裂けてしまったのか。

「何にせよ、よく指とか手とか骨折しなかったなあ。実はしてたんだけど気がつかなかった、とかかな」

きっとここから出ようとひたすらに、死に物狂いに足掻いたんだろう。
一度だけその痕をそろりと指先で辿ってから、改めて周囲を照らし出す。
煌々と燃える松明の灯に曝された室内は、予想以上に散々たる有り様だった。
そこかしこに壷や樽の破片が散らばっていて、一歩足を進める度にぱき、だのべき、だのと音を立てる。
恐らくこれもここを脱出するために扉に投げつけたんだろう。もしくはどうしようもなくなって、ただ『外』で起きている惨劇に耐えられずに壊して回ったのか。
たぶん、両方だ。
どのくらいの時間そうしていたのかまでは分からない。
きっと彼にとっては気が狂いそうになるくらいに長い時間だったに違いない。
彼はここで何を考え、何を思ったのか。どれだけの絶望をその心に負ったのか。
今はただ荒れ果て静寂に包まれた部屋で、一人扉に縋って崩折れる背中を瞼に思い描きながら、そっと肺に溜まった息を吐いた。




「…………ここで何してる」




不意に背後から掛かった声に、さして驚きもせずに振り向いた。まあ来るだろうなとは思っていた。
と言うか来て貰わなければ困る。
壊れた扉の向こう、地下室のぎりぎり外側の位置に立っている4主さんの姿を認め、僕はにこりと笑って見せた。

94284 3/6:2015/02/27(金) 00:25:56
「思ったより早かったですね。もう少しくらいはバレないかと思ってたのに」
「質問に答えろ」
「……鬼の居ぬ間に少々散策を、と思いまして」
「ここにはお前の野次馬根性を満たすようなものは無い。出ろ」

普段の数倍は声が低い。まるで呪詛を吐いているみたいだ。やや俯いているせいではっきりとした表情は見えないけれど、
前髪の隙間からのぞく眼差しは氷のように鋭くて冷たい。
そうしていると本当に魔王みたいですよ、なんて軽口も許されないくらいに張り詰めた雰囲気が辺りに満ち満ちていた。
けれど怯んではいられない。でなければ、わざわざ手間をかけてまでここに入った意味がなくなってしまう。

「他は綺麗にしてるのに、どうしてこの部屋だけは片付けてないんですか。掃除好きな4主さんらしくない」
「出ろ」
「折角の地下室なんだから、作物の貯蔵庫とかにしたらいいのに。というか元々そういう目的で使われていたんでしょう」
「早く出ろ」
「ま、多少の補修工事なんかは必要かもですが。いつもみたく6主さん経由でハッサンさんにお願いすればすぐですよ。
 なんなら代わりに頼んできてあげましょうか?」
「さっさと出ろっつってんだよ!!」


怒声が壁に反響してわんわんとうねる。俯いたまま胸元を押さえて荒い息をつく4主さんを、僕はどこか冷めたような気持ちで見つめていた。
何をしているんだろう、この人は。

「そんな風に怒鳴るくらい嫌なんだったら、潰してしまえばいいじゃないですか、この部屋。
 あんな風に面倒な鍵なんてつけていないで。何でわざわざ残してるんです?」
「っ、お前には……関係ない」
「……そうですね。確かにこの部屋のことについては、僕は関係がない」

手にしていた松明を床に落とし、先端に残っていた火を靴底で踏み消した。途端にふっと暗闇が訪れる。

「それなら、そんな所に居ないでちゃんとここへ来てそう言って下さい。僕の目を見ながら、ね。
 そしたら二度とここには近付きません。約束します」
「…………ッ」

94384 4/6:2015/02/27(金) 00:27:21
びく、と身体が震えたのを見咎めて思わず半眼になる。
相変わらず入口で足を止めたまま、4主さんはそこから一歩も動かない。

「どうしたんですか?早くしてください」
「……信用、できない」
「酷いなあ。確かに普段の僕は色々嘘をついたりはぐらかしたりしてばかりですけど、
 今ここでやらかすほどに捻くれちゃあいないですよ」

だから、さっさとここまで来てみせて下さい。
そう言葉にしないまま訴えると、4主さんはひくりと喉を震わせ、奥歯を強く噛み締めたようだった。
そんなことをしたところで何も変わりやしないだろうに。
僕は溜息をひとつ吐くと、その場から動けずにいる4主さんに向かってやれやれと手を差し伸べた。


「ほら」
「っ、なに、」
「いつまでそうして怯えているんです。ここには貴方を閉じ込める人も、貴方を置いていく人も居ませんよ。居るのは僕だけです。
 ……僕は、貴方を置いてはいかない」
「ッ!!」


暗闇にも随分目が慣れてきて、僅かながら4主さんの表情も読み取れるようになった。
紫がかった深い蒼の双眸が子供みたいにぽかんと僕を見つめている。
なんて顔をしてるんだろう。
折角の美形もこれじゃあ台無しだ。

「置いていったりしませんよ。僕はちゃんと貴方の前に、こうして存在している。生きている」
「……はっしゅ」
「だから4主さん」


おいで。


しばらく呆けた後、4主さんは恐る恐る、といった感じで漸く足を踏み出した。一歩、二歩、三歩と震える手を伸ばしながら、
亀の歩みよりも遅い速度で僕の手を目指して近付いて来る。
やがてその指先が触れるか触れないかまで接近したあたりで、ぐい、と手首を掴んで引き寄せた。

「なっ……」
「はい、ゴール」

身長こそ負けてはいるものの、腕力に関してなら4主さんとの間にさほど差はない。むしろ僕に分があるくらいだ。
僕自身そりゃあお世辞にも体格がいいとは言えないけれど、これでも一応暗黒神を打倒した身なのだ。
少なくとも、この人の頭を抱え込むくらいの胸の厚さはある。

94484 5/6:2015/02/27(金) 00:28:51
「8主、離……」
「……この部屋に近付くと、思い出すんでしょう。……ここが滅ぼされた日のこと」
「!」
「まあ、それも当然でしょうね。だからって部屋自体を潰してしまうのは、かつての思い出すらも消してしまうようで怖かった」
「…………」
「結果としてどうしようもなくなって、あんな拙い封印まがいをするに至った……そんなとこですか?」
「……そこまで分かってるなら、わざわざ言うな」
「面倒臭いようで意外と分かりやすいんですよ、貴方の思考は。まあ、だからこそこうして荒療治も出来るんですが」
「……それ、」
「はい?」
「なんで、こんなこと……しようと思ったんだ」

ここでその質問をするのか。まあ自力で悟れだなんて、この人には無理な相談かも知れないけれど。
少し考えれば気付きそうなものなのに。
けれど、これが4主さんだから仕方がない。

「そうしたかったから」
「は?」
「そうしたいと思ったから、したんですよ。4主さんの為にも、僕の為にも。それだけです」
「なんだ、それ……」

呆れを含んだ乾いた笑いがかさりと落ちた。
この人が負った傷は未だに根深い。ふとしたときに泡沫のように浮かんできては夜毎に心を苛んでいく。
青ざめた顔で、この世の終わりが訪れたとでも言わんばかりに魘される姿を一体何度見てきたことか。
いい加減何とかしないとこっちが寝不足になる。
ただそれだけの、酷く利己的な理由だ。
世界を救った勇者にしては随分と頼りなく思える背中を撫でていると、ふ、と開きっぱなしだった扉から吹き込んできた外の風を感じ
微睡むように目を閉じた。
どんよりと沈澱していた空気が、緩やかな微風に浚われていく。

94584 6/6:2015/02/27(金) 00:29:52



「……おい」
「はい?」
「いつまでこうしてるつもりだ」
「んー、もうちょっと?」
「……離せよ」
「嫌です」
「なんで」
「勿体ないですし。それに嫌なら4主さんから離れても良いんですよ」
「……嫌だ」

ぼそりと零して額を擦りつけてくる勇者様の頭をもう一度強く抱え直して、ついでに旋毛のあたりに唇を落とした。
こんな機会でもなければ出来ないことだ。僕は巡ってきたチャンスは逃さず手にする主義なのだ。
しかし美形という人種は髪の先まで余さず美形なんだなと、妙に感心してしまった。
するすると指の間をすり抜けていく翠の感触は旅の途中で触れた清流のそれによく似ている。
髪が綺麗な人は水分がたくさん含まれているから触るとひんやり冷たいのだと、確かククールあたりがそんなことを言っていた気がする。

「今度一緒に片付けましょうか、この部屋。仕方がないから手伝ってあげてもいいですよ」
「……お前の場合、まず自分の部屋を先に片付けるべきじゃないのか」
「それはできない相談ですねえ」


声にいつもの調子が戻ってきている。これなら今夜からはぐっすり安眠できそうだ。



悪夢に怯えるこのひとを、慰める手はもういらない。これからは同じ夢を見ればいいのだから。

946名無しの勇者:2015/02/27(金) 00:32:31
いいなー

947名無しの勇者:2015/02/27(金) 02:15:27
またまた乙!
萌えたよーありがとう

948名無しの勇者:2015/02/27(金) 13:01:32
乙ー
萌えすぎて変な声出た!

9491/2 484:2015/03/04(水) 18:51:48
「4主さあん。悲しい人ですよねえ、あなたって」

へらへら笑いながら、夕飯の支度をする俺へ話しかけてくる信号機。苛立ちを煽る間延びした口調。

「誰よりまともそうに見えて、その実誰よりも狂ってんですよね。よく言いますもんねえ、真の狂人は狂気を隠すって」
「黙れ」
「ま、ここの住民に、すっかりまともな人なんていませんよね。世界を救うなんていうのは、人として大切な何かを失わなくっちゃできないことです」
「黙ってろ」
「人権、安寧、故郷、父親、夢、親友、身分……。幼馴染?」
「ギガソ」
「おおっと」

呪文を奴へ向けて完成させる前に、ひやりと冷たい手が、その細さからは想像できないほど迅速にそして痛いほどの強い力で俺の口をふさいだ。くそ、こいつ力の上限500か。おれは255だのに。
奴は自分の胸元へ突きつけられた俺の指を、空いてるもう一方の手でそっと包んだ。

「すぐに手を出すの、駄目だと思いますよ。勇者として。その聖なる雷、同胞に使わないでくださいよ」
「手、離せ」
「……4主さん。そういえば僕ら、本気で相手の息の音を止めようと殺し合ったことありませんよね。いつも、本当にどっちかが力尽きる直前で、他の誰かが止めてましたもんね」
「俺はいつでもお前を殺したいと思ってるけどな」
「今。ここ。僕ら以外誰もいませんね。止める人はいないわけですね。……うわぁ、なんだか、久々にわくわくしてきちゃいました」

未知の経験へ心を躍らせる冒険者の表情。狭い村の外の世界に夢を見ていた頃の俺も、こんなに楽しそうな笑みを浮かべていただろうか。もう思い出せなかった。
奴は、俺の口を押えていた手を頬へと這わせ、うっとりと息を吐く。

「天空の勇者と、命をかけて戦う……。……とっても、素敵です」
「触るな穢れる」
「ねえ4主さん、僕と」

一回、やってみません?

ぱふぱふなら50ゴールドよ、と妖艶に微笑む娘を気取っているのか、首をかしげてあざとい上目使い。
その深い色の瞳に胸が高鳴る。もちろん怒り的な意味で。

9502/2 484:2015/03/04(水) 18:52:25

「お前、何がしたい?」
「何でもしたいですよ。だってもう、ラスボスも裏ボスもスキルタネ集めて各スキルカンストも錬金レシピコンプリートも全称号獲得も、全部ぜーんぶやっちゃったんです。
僕、兵士ながらに生粋の冒険者気質でしてね。常に冒険していたいんです。わくわくしたいんです。
でも、僕の世界はもう全部終わっちゃいました。だってもう10年、10年以上ですからね。そりゃとっくに遊びつくしちゃいましたよ」
「だから俺で遊ぼうと?」
「ええ。ここに来たのも10年前ですが、まったく飽きませんよ。終わりが無いでしょう。
終わりが無いって素晴らしいことですよ、本当に。僕は2主さんや9主君が羨ましい。
だって、ずっとずっと楽しい仲間たちとスリル満点の洞窟を攻略できるんでしょ。まだ終わりを見てない。
あの何にも代えがたい達成感と、全てをやりきったという恐ろしい空虚をまだ知らない。うらやましいことです」
「じゃあお前ロンダルキア行ってこい。それでブリザードにザラキ食らって死んで来い」
「僕寒がりなんです。この、あったかくて楽しくてにぎやかで終わりのない、楽園が大好きなんですよ。
ついでに4主さんのことも大好きです。あなたといると退屈しませんからね」
「俺はお前が大嫌いだ」
「そんなこと言って、本当は僕と喧嘩するの楽しいんでしょ?知ってますよ」
「くたばれ」
「ええ、くたばらせてみてくださいよ、さあ。どうせ教会に送られるだけですけどね。
だからこんなに退屈で仕方ないんでしょう。嫌になっちゃいますよ」
「お前、何か趣味見つけろよ。昼寝でもPCでも。錬金以外な」
「冒険が僕の趣味で、人生であるんです。退屈だと、僕、死んじゃうんです。お願いです4主さん、僕を楽しませてください」
「夕飯の支度の途中だ。手を離せ。宝の地図にでももぐってこい」
「なるほど、僕に勝てる自信がないから逃げるんですね。ははあ。
意外と臆病ですねえ、天空の勇者様も。まさにチキン」
「よし、表に出ろ」
「そうこなくっちゃ!」

輝くような笑顔になり、俺から手を離す。

「さすが4主さんです。覚悟してくださいね、今日こそ僕のブーメランの錆にしてさしあげますから!」
「こっちの台詞だ」

切っていた野菜にラップをかけて、楽しげに宿舎の庭へ向かうあいつを追いかける。
平凡な日常の中の、かつての冒険を思い出す血沸き肉躍るあいつとの喧嘩。
ほんの少しだけ楽しんでいるなんて、絶対に言ってやらない。

うきうきと弾んでいる、目に痛い色のあいつの背中。
自分の世界に飽きてしまって、英雄たちの集まるこの宿舎さえも退屈と感じてしまったその時は、自称生粋の冒険者のこいつはいったいどこへ行くのだろうか。
せいぜい極寒の地に行って凍死すればいいと思った。

951名無しの勇者:2015/03/06(金) 09:57:28
いいなあこの距離感

95264エロ 0/5:2015/03/23(月) 00:29:56
64の甘エロ投下
がっつりやってるので苦手な人は注意

95364エロ 1/5:2015/03/23(月) 00:30:29



もうとっくに日付も変わった時間帯、寝所に突然何者かがやって来たと思ったら唇を塞がれ、
そのまま息苦しさに咳き込むまでずっと胸元をまさぐられつつディープキスをされていたというのは
強姦として取り扱っても充分許される案件ではないだろうか。
馬乗りになって覆い被さり、鎖骨のあたりまで寝間着をたくし上げて好き勝手に振る舞っていた相手をぎろりと睨みつけると、
枕元の燭台のみが照らす薄闇の中で「ははは」と笑う気配があった。
「……何の真似だ、6主」
「うーん、何て言うか……夜這い?」
「疑問形かよ」
「いや最初はこんなことするつもり無かったんだけどさ。4主の寝顔見てたらムラっときて、つい」
「つい、で人を襲うのかお前は。色魔か」
「別に誰でもいいって訳じゃないぞ? 4主だから襲ったんだ」
「んなきっぱり宣言されても……っておいコラ。その手はなんだ」
「4主ってわりと着痩せするタイプだよな。服の上からだと分かんないけど、直に触るとちゃんと筋肉ついてる」
「話を聞け! って、あ……っ」
奔放に動いていた指が胸の先を掠めた途端、4主は思わず高い声を上げてしまった。その反応に気を良くしたのか、
6主はそこを重点的に責め始めた。くりくりと摘むように擦られては、指の腹でやわく押し潰される。
時折戯れるように強く爪先で弾かれて、その度に身体を震わせながら、4主はやがて自分の奥に
抗い難い熱が灯っていくのを感じていた。
「……ろく、しゅ」
「ん〜?」
「……ゆび、ばっか、嫌だ」
「足りない?」
「足りない……、舐めて」

95464エロ 2/5:2015/03/23(月) 00:31:07
今度は声に出さずにニッと笑うと、6主は請われた通りに舌を這わせた。
突起の周りを円を描くようになぞり、舌先を使って執拗にねぶる。ちゅくちゅくとわざとらしく音を立てて吸っては
揶揄うように甘噛みした。
「んあっ……、あ、あぁ」
「何だかんだで4主っていつもノッてくれるよな。そゆとこ好きだぜ」
「だ、って……お前、嫌だっつっても聞かないだろ……、っあ」
「それそれ。最終的には俺のこと甘やかしてくれんの。お返しに、今日はいっぱい気持ち良くしてやるから」
「……ん」
ちゅ、と触れるだけのキスが落とされ、それに応えるように4主の腕が首に回った。
次第に深くなる口付けの中、6主の手が下着の中へと侵入していく。
「あ……6主、ちょっと待て」
「うん? どした」
「……脱ぐ、から。服」
「ワオ積極的。でも俺的には自分で脱がしたいとこなんだけど」
「お前がやると伸びんだよ……引っ張るから。この間も俺のトランクス一枚駄目にしただろ」
「あーあれな! いや、あの時は失敗だった。悪い悪い」
「……別にいいけどさ。新しいの買ってもらったし」
「下着を贈るのってなんか意味深だよな」
「バーカ」
下らない掛け合いをしている間に身に纏っていたものをすべて脱ぎ捨てた二人は、改めてシーツの上にもたれた。
6主の硬い髪先が4主の耳朶をくすぐり、少しかさついた唇が首筋を辿る。むず痒さに身体を捩ると
その反応を面白がるように益々肌を暴かれた。

95564エロ 3/5:2015/03/23(月) 00:31:39
「あんま気付かなかったけど、こうして見ると結構日焼けしてんのな、肌」
「ん……、まあ、日中は農作業とかしてるし。っあ、」
「胸とか、脇とか、臍とか……日に当たらない部分は他のとこより白いから、暗いとかえって目立ってる。……ここも」
「ひあっ!」
唐突に触れられた4主の中心は未だ柔らかいままだったが、6主の掌がもたらす温度と摩擦にすぐに硬度を増していった。
一見武骨なようでいて意外に繊細な動きをする指先は、付け根の袋からくびれにかけてを幾度も往復し、
やがて鈴口からとろりとした液体が溢れ始めると今度はそこを中心に弄り出した。
4主が嬌声を上げるたびにふわりと目を細め、或いは舌を絡めて吐息を奪い、空いた手でまだ先程の余韻に浸る乳首を再び苛める。
やがてすっかり快楽にとろけ、性器からだらだらと涎のように蜜を垂らして喘いでいる4主の手を自分の牡へと導くと、
6主は眦に浮いた涙を拭うようにくちづけた。
「っあ、あぅ、ん……あっ」
「な、4主も俺の、さわって」
「ふ、ぁ?」
「お前の手さあ、普段から鍬とか握ったり水桶運んだりしてるから、マメできてるだろ?
 それで擦られると、すっげ、きもちいーんだ……、っく」
「は、なんか、ヘンタイくさ……」
「っ、いいじゃん、4主もきもちいーこと、スキだろ?」
「ん、すき……」
身体を起こして向かい合い、舌を重ねながら相手の性器を扱いていく。
その倒錯的な状況に、ひとつまたひとつと理性がゆっくり麻痺していった。
やがて6主の手が4主の後ろに伸び、つぷ、と孔に侵入した。既に互いの精でねらねらと濡れていた指先は
容易く内部に受け入れられ、熱く蠢く襞に飲まれていく。

95664エロ 4/5:2015/03/23(月) 00:32:10
「迎える準備万端、ってカンジ……、かな」
「あぅ! っく、うあ……!」
勝手知ったるとばかりに胎内を動き回る6主の指に、4主はひくひくと震えながら身悶えた。
やがてゆっくりと指が抜かれ、未練がましく糸を引いて惜しむそこを恥じる間もなく
内壁は次いで訪れた熱い楔に即座に食らいついていく。
ぽっかりと空いていた虚が満たされるような感覚に、4主は思わず恍惚とした息を吐いた。
「あ……ん、ああ……」
「っは、やっぱ、いつ入っても良いな、4主の中。俺用に誂えてあるみたいだ」
「っそりゃ、今まで何回ヤッてきたと思ってんだよ……。いい加減、んっ、カタチ覚えるって……あ、」
「まじで? じゃあ、こんなのも、覚えてんの……っ」
「あッ!? ぅあ、ひっ、ああぁ……!」
6主は4主の両腿を抱え込んでより深くまで穿つと、ずぽずぽと泡立つほどに激しく律動した。
固く張り詰めた牡が内側を抉るたびに四肢が跳ね、堪えきれずに溢れた飛沫が腹の上を白く汚す。
「は、ほんとだ。突くたびきゅんきゅん締まってくる……! 型でも、取られてるみたい、だ……っ」
「ふあっ、だから、そう言った……んっ、ふ、んぅ……!」
「ん……4主の中、上も下もあっついな……。最高……ッ」
「んっん、う、んー……!」
咥内を舌で、胎内を陰茎でそれぞれ犯しながら、6主は4主の身体を強くかき抱いた。
背中に回る手が爪痕を刻み、抱えていた脚が腰に絡む。
そのまま二人揃って我を忘れる程に貪り合い、やっと解放の瞬間を迎える頃には、相手の骨を折ってしまうかと思うくらい
力一杯にしがみついていた。

95764エロ 5/5:2015/03/23(月) 00:32:37
「あっあ、あぁ、あーっ……!」
「っく、ぅあ……!」
どくどくと放たれる劣情を、4主は自らも射精しながら受け入れた。恐ろしいまでの愉悦が全身を駆け巡っている。
二、三度腰を揺すられて奥の奥まで注がれてから、未だ繋がったままの相手の頬にゆるりと手を伸ばして汗を拭った。
「……抜かない、のか」
「……抜いてほしい?」
言外にまだこうしていたいと意志を示され、4主は小さく微笑んでからきゅう、と後ろを締めることで応えた。
すぐに硬さを取り戻した剛直が自分の中で膨らんでいく。その快感に酔いしれながら、降りてきた唇を迎えて食んだ。
「な、このまま抜かずに何回出来るか試してみないか?」
「……いいけど、そしたら明日一日分の掃除とか洗濯とか食事当番、全部代われよ。絶対立てなくなる」
「おっけーおっけー。とりあえずは二回目、な……っ!」
「あ……! ちょっと、急すぎ……あ、あぁっ」
再び勢い良く腰を振られ、今度はしがみつく力もなく4主はただ流されるままに喘いだ。
吐き出された精液が潤滑剤代わりになり、より深くまでを貫かれる。


その日は結局朝まで啼かされ続け、一日どころか丸二日は動けなくなった4主によって、6主は向こう一カ月の家事全般を命じられたのだった。

958名無しの勇者:2015/03/23(月) 21:22:11
甘々ごちそうさまです!
なんか4主がふわふわしててかわいいな

95984 0/3:2015/08/04(火) 00:07:44
84の日おめでとう!
ひさびさだけど投下

96084 1/3:2015/08/04(火) 00:08:57
とりあえず一番は顔です、と言われた時には、正直ぶん殴ってやろうかこの野郎、と思った。

そもそも訊いた自分も馬鹿だったのだ。恋に浮かれる町娘でもあるまいに、お前は俺のどこが好きなんだ、だなんて。本当に何とはなしに口をついて出た問いだったが、今にして思えば頭が沸いていたとしか考えられない。
けれど女々しいことだと自覚しつつも、気になるのもまた事実だった。別に相手の口からそれを言わせて愉悦を得ようなどとは思っていない。単純に疑問だったのだ。
顔を合わせれば悪態をつき合い、時には物理的に交戦し、お互い犬猿の仲もとい鳥竜の仲――この呼称は自分達の様子を見た第三者から勝手に名付けられたものであり、断じて自称している訳ではない――でありながら、ふとした瞬間には周囲の目を盗んで唇を重ね、身を寄せ合い、そのまま夜を共にすることもある。
いつからこんな間柄になっていたのか、もうはっきりとは覚えてはいないが、それでも4主は8主とのこの関係が嫌いではなかった。

それなのに、返ってきた答えがそんな身も蓋もないものだったら、思わず渋面を作るのも仕方のないことだろう。
「うわ、4主さん今の顔すっごいブサイクですよ。せっかくの美形が台無しじゃないですか。アイデンティティの崩壊です」
「俺のアイデンティティそこかよ。殴るぞ。つうか殴らせろこの野郎」
「暴力はんたーい。ヤですねえ、これだから単細胞のトリ頭さんは。顔が好みだって言って何が悪いんですか。むしろ褒めてるでしょう」
「悪いとこしかねえよ!」
「どこがですか? 赤が好きとか黄色が一番とか思うのと同じで、4主さんの顔が好きだと思うことは悪いことだと言うんですか。人の好みにケチつける気ですか? まあ確かに貴方は世間一般で言うところの美形で、だからこそ僕もその顔立ちが好きなんですが、それを悪だと責め立てるのはちゃんちゃら可笑しいってもんですよ。だいたい余程の特殊性癖でもない限り誰だって醜いよりは綺麗なものを好むでしょう。貴方はこの世に生まれ落ちてからただの一度も見た目で物事を判断したことがないとはっきり言い切れますか。世の中の人間全てを相手に美醜を以て嗜好を決めるなと糾弾して回るつもりですか?」

96184 2/3:2015/08/04(火) 00:10:33
一分の隙も挟む余裕もなくそうまくし立てられて、4主はただ目を白黒させることしか出来なかった。
そりゃあ確かに歪なものよりは整っている方がいいし、くすんで土気色のものよりは色艶がよい方を選ぶ。
傷がついたものより無傷のがいい。なるほど確かに自分も美醜で物事を判断しているのかもしれない、野菜とか。4主は軽く混乱していた。
「そもそも貴方、人の話ちゃんと聞いてないでしょう。そんなんでよく大所帯のリーダーなんて務まりますね。
 どうせ散々迷惑掛けまくってたんじゃないですか」
「んだとテメ、」
「僕は『一番は』と言ったんです。顔以外にもちゃんとありますよ、好きなとこ」
「は、」
「体つきとか」
「やっぱ殴る」
「あとその外観と噛み合わない口の悪さとか、理知的に振舞っているように見せかけて実は直情的だとか、
 からかわれると怒るくせに構われないとこっそり落ち込む寂しがり屋だとか」
不意にさらりと髪に触れた手に、思わず肩が跳ねてしまったのは不覚としか言いようがなかった。
8主はこうして時折4主の隙をついてはスキンシップを図り、それに動揺する様を見て愉しむという質の悪い趣味がある。
髪をかき分ける指がそのまま頬に触れ、やがて掌全体で包み込んできた。掠めたスライムピアスがちりり、と硬質な音を立て、
親指だけが下唇へと移動する。そのまま幾度も往復されて、どんどんと上昇する体温を止める術を、4主は持ち合わせてはいなかった。
「そうやって今みたく僕の挙動の一つ一つに反応して赤面してるとこ、思春期迎えたオンナノコみたいで
 似合わなすぎてチョーウケるんで大好きです!」
「この野郎!」
放った拳は難なく躱され、代わりに口を塞がれた。どのみち当てる気もなければ避ける気もなかったのだから自分も相当悪趣味だ。
こんな男にまんまと絆されてしまっているのだから。
指の腹とは違った柔らかさに唇を食まれながら、4主は嘆息したい気持ちを誤魔化すように、バンダナの結び目が揺らめく首の後ろへと
手を回した。もしかしなくても今夜はきっとこのまま朝までコースだろう。
やられっぱなしは癪である。せめて逢瀬が終わるまでの間に一回くらい、いや十回くらいは何かやり返してやろう。
4主はそう心に固く誓ったのであった。

96284 3/3:2015/08/04(火) 00:11:15

***


「それで、4主さんの方、こそ、どうなんです……?」
「っ、あ? なに、がっ」
「貴方は、僕の……、どんなとこが好きかって、聞いてんです……よっ」
「ぅあっ!? んな、きゅうに……あ、そだ、」
「?」
「8、主が……俺に、キスする、とき。身長足りないせいで、いつも下から背伸びするみたくなってるとこ……
 かわいくて、けっこう、好きだな、」
「……っぶん殴りますよ、この野郎!」
「はは、これで一回……ん、ああっ!」


果たして朝を迎えるまでに、4主が自らに科した誓いを全うすることが出来たのか否かは、
本人のみぞ知るところである。

963名無しの勇者:2015/08/04(火) 00:11:55
ちょっと1/3のとこ改行失敗しました、すみません

964名無しの勇者:2015/08/04(火) 02:30:45
84の日おめ!&投下乙!
背が低いではなく身長が足りないと表現する4主になんか萌えた
背伸びしてキスする8主もかわいいー

965名無しの勇者:2015/08/04(火) 06:14:55
8/4おめ!素直じゃないからこその饒舌8主かわいいなぁ

966名無しの勇者:2015/12/15(火) 21:43:49
しばらく巡回してない間に投稿キテター
皆さん乙です楽しかったです

967名無しの勇者:2016/04/12(火) 08:50:42
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97384(エロあり) 0/2:2016/08/04(木) 23:52:18
もう一年経ったとかシンジラレナイ
懲りずに今年も84投下 84の日おめでとう
エロありなので注意

97484(エロあり) 1/2:2016/08/04(木) 23:54:28

「っあ、う、は……っ」

 寝台の上で獣のように四つん這いになり、揺れる身体を捕らえて更に奥へとねじ込んでいく。
 翠髪が振動に合わせて躍り、普段は隠されている項が露わになった。

「……4主さん、」
「ぅあっ!?」

 其処へ口づけようと身を寄せれば、繋がりがより深くなる。仰け反る背が綺麗な弧を描き、ひときわ高い嬌声が響いた。
 陽に晒されることのない首筋は他の部位に比べて色が白い。ちゅ、ちゅ、と音を立てて啄む度、組み敷いた肢体がびくびくと震え、収斂する内壁が雄を締め付けた。
 それだけで意識を持って行かれそうになるのを腹に力を入れて堪え、更に唇を落とし続ける。

「ひ、ぁあ……!」
「ほーんとココ、弱いですよね。そんなに敏感で大丈夫ですか? 髪の毛が当たるだけでも、感じちゃうんじゃ、ないですか……っ」
「っさい、なわけ……るかっ、あ!」
「どうだか、」

 悔しそうにシーツにしがみつく様を嗤いながらかぷりと歯を立ててやれば、いっそう中の締め付けが増した。
 その快感に煽られるように抱えた腰をより高く持ち上げ、突き刺すように内部を穿つ。ぱん、ぱん、と肉と肉とがぶつかり合う音が部屋に響いた。

「あぅっ、ぁ、ああぁああぁ!」
「く、っあ……!」

 襞がひときわ大きく蠢き、雄を呑み込む圧が増す。4主が達してからいくらも経たずに、8主もまた溢れる熱を放出した。

「ふ、ぁ……」

 どくどくと劣情が自分の中に注がれるのを感じ、4主が甘い声を漏らす。その口端にはたらりと涎が伝い、快楽の軌跡をまざまざと残していた。
 8主は徐に手を伸ばし、今にも滴り落ちそうなその雫を拭った。そのまま腔内まで指を入れると、噛みつかれるかという予想に反してぬめる舌に迎えられる。
 ぴちゃりぴちゃりと、まるで口淫をしているかのようないやらしい水音の合間に、互いの熱い吐息が零れ落ちた。

「ぅ、ふ」
「……指、好きなんですか?」
「んんっ」

 違うとばかりにかぶりを振っておきながら、ねぶる動きは一向に止む気配はない。
 こんな時でも意地を張るかと喉の奥だけでちいさく笑い、ちゅぷ、と生々しい音と共にふやけた指を引き抜いた。

「んぅ……っ」
「はは、糸引いてる」

 しとどに濡れた指先をゆっくりと舐める。単なる唾液でしかない筈のそれも、好いた相手のものだと思うと途端に甘く感じられるから不思議だ。
 どんな甘露よりも癖になる。
 そうして8主が極上の馳走を味わっている間、漸く責め立てから解放された4主はと言えば、倒れ込むようにシーツに身を沈め、上がった呼吸を整えるように深く息を吐いていた。

97584(エロあり) 2/3 ←ミスった:2016/08/04(木) 23:56:30
「……おい、馬鹿竜」
「何ですか阿呆鳥さん」
「イッたんなら一度抜けよ。そんで退け、重い」
「え、まだ嫌ですよ。あと三回くらいはシてからじゃないと」
「殺す気か」
「平気でしょう、枯れてる訳でもあるまいに。……それに」
「ぅあっ!?」

 横たわっていた身体を強引に起こすと、そのまま背後から抱えるような体勢を取る。
 繋がったままの局部がぐちゅりと鳴り、しなやかな太腿が大きく跳ねた。

「や、待っ、まだ」
「知ってます? イッた直後の4主さんの中って、最高に具合が良いんですよ。すごく熱くて、トロットロで……すぐ抜いちゃうなんて勿体無い」
「あ、ゆす、るな、っひ!」

 一度は萎えた筈の雄が胎内でむくむくと膨れ上がっていく。
 これ以上ないほどダイレクトに突きつけられた情欲に、只でさえ敏感になっていた下肢は制止の声とは裏腹に嬉々として自分を貫く楔に食らいついた。

「はぁっ、ぁんッ! あっあ、あぁ!」
「っあー、ほんっと、きもちい……堪んない」

 蠢く肉が、内部にずっぷりと埋め込んだ楔の根元から先端まですべてにいやらしく絡みついて離さない。少し身じろぎするだけで擦れた箇所から熱が弾け、眩暈がするほどの快感を生み出す。
 頭がとろけそうなこの感覚をもっと堪能したくて、胸部に抱き込んだ相手の肌をゆるゆると撫でさする。
 ツンと尖った先端を掠める度に爪先で引っ掻いてやると、啼声にいっそう艶が増した。

「っや、ぁあ……は、しゅ、……それ、嫌だっ」
「ど、して? ココいじられるの、好きでしょう……っ」
「すき、だけど……! そうじゃなくてっ、あ!」

 親指と人差し指で摘みあげ、くりくりと捻ってやれば4主の身体は面白いくらいに反応する。すっかり硬さを取り戻した8主の砲身を、まるで射精を促すようにきゅうきゅうと収縮しながら食んでくるのだ。
 どんなに意地を張ろうとも4主自身が悦んでいるという何よりの証拠だった。
 そんな様子に気を良くした8主がそのままゆすゆすと揺さぶりをかけながら内部の熱を愉しんでいると、それまで嬌声を紡ぐばかりだった口が不意に何事かを呟いた。

「……らを、」
「っ、え?」
「……っ」
「4主さ――うわっ!?」

 聞き返した途端にしかめ面で舌打ちされ、唐突に頭を引き寄せられる。
 無理な体勢に文句を言う前に、熟れた唇が押し付けられた。
 入り込んだ舌が歯列をなぞり、咎めるように此方の舌を噛んでいく。

「……うし、ろから、ばっかじゃなく、少しはそのツラ見せろってんだ、よ……!!」

 この馬鹿竜。
 酸欠なのか羞恥なのか判別のつけかねる状況で顔を赤らめながら罵倒する4主の姿は、8主の心臓を壊すのには充分だった。

「……ああ、もう!」
「っひぁ!?」

 どんなに身体を蹂躙し、思うままに貪っても、こんなたったの一言で敵わないと思い知らされる。惚れた弱みとはよく言ったものだ。
 弱みを握られた側の8主に出来ることと言ったら、せいぜい彼が望んだ通りに動くくらいだ。
 好き勝手に振る舞っているようで、その実彼の掌中で踊らされているだけだ。

「あ――あァ……!」
「こ……して、欲しかったんで、しょう……っ!」
「んっ、あ、ぁあああぁっ!」

 無理矢理に身体を捻って真正面から向き合い、奥の奥まで押し入っていく。しなやかな両脚を肩に引っ掛け、押し潰すように暴いてやれば、紫電の目に隠しようのない欲が浮かんだ。
 もっと欲しいとねだる獣の欲望。
 いくら特殊な血が混じろうと本能の前には逆らえないケダモノだ。
 それなら獣は獣らしく、もう余計なことは考えずに目の前の贄を余すところなく貪り尽くそう。8主はべろりと舌なめずりをし、口元にまで降りてきた汗の雫を舐めとった。

「は……っしゅ、8主、も、いく……ッ!」
「4主さん……っ」

 律動を更に速め、小刻みに揺れる肢体をつよく抱きすくめる。
 やがて8主が限界を迎えた熱を胎内に叩きつけた頃、4主もまた放った飛沫で腹部を白く汚した。

97684(エロあり) 3/3:2016/08/04(木) 23:57:09


* * *

「やっぱり結局は、そういうことなんですよね」
「……何が」
「僕と貴方が。半分違う血が流れていようが、お腹は空くし眠くもなるしセックスだってしたくなるでしょう。そこらへんは普通の人間と変わんないんだよなあと」

 額に貼りついた翠の房を、8主のやや武骨な指が緩やかに梳いていく。その感触がもたらす心地良さを瞼を閉じて享受しながら、4主は確かにな、と囁き返した。

「けど、一応カミサマ連中には貴重な存在らしいからな。あんまり好き放題サカってたらそのうち説教食らうかも知れないぞ」
「んなモン腹の足しにもなりませんね。連中が何と言おうと僕は自分が食べたいときに貴方を食べて、寝たいときに貴方と寝て、抱きたいときに貴方を抱きます」
「……全部俺かよ」
「当たり前でしょう」

 言い捨てる様はやたら豪気で、触れる唇の柔らかさとはまるで正反対なのが面白い。
 4主はくつくつと笑いながら、大嫌いな竜の血を宿す青年の背に腕を回した。


 なあ、見てるかい神様共。
 こんな自分勝手なケダモノ二匹、飼い慣らそうとするだけ無駄だよ。

977名無しの勇者:2016/08/05(金) 05:04:57
おおー!84だありがたや

978名無しの勇者:2016/08/05(金) 21:12:18
今年も84読めて嬉しいよ
ありがとう
えろいなあ……

979名無しの勇者:2016/08/28(日) 14:53:57
素敵でエロい84をありがとうございます…!!
やっぱり84はいいものだ…

98084 1/2:2016/11/05(土) 21:34:42
 単なる身体上の一器官でしかない。
 食事、呼吸、それから会話。日常生活に欠かせないものだとは理解しているが、けれどやっぱりそれだけのものだ。
 それだけなのに、どうしてこうも目が離せないのか。



「4主さん」
「あ?」
「4主さんの唇って薄いですよね」
「どこ見てんだお前」

 家計簿に向かう真剣な表情から瞬く間に呆れ顔へと変貌した4主さんは、電卓を叩く手を止めて胡乱な眼差しを僕に寄越した。

「実際そうじゃないですか。薄くてのぺっとしてて、ついでに血色もあんま良くない」
「へえ」
「おまけにカサついてる」
「ふーん」
「ちなみに僕の唇は張りがあって小振りでふっくら、此方のアスカンタ産高級リップクリームのお陰でいつでもつやつやに潤ってます」
「この世で一番どうでもいい情報をありがとよ。そのまま消え失せろ」
「失敬な。大事なことですよ」
「どこが――」

 胸倉を掴んで強引に引き寄せ、続く言葉を無理矢理に封じる。
 何回か角度を変えながらじっくりとその感触を味わった後、駄目押しにぺろりと舐め上げてから徐に顔を離した。

「ほら。柔らかくって気持ちいいでしょ?」
「…………っ」

 4主さんは何も言わない。けれど、その表情だけで返答は明確だ。
 目元を微かに紅潮させ、瞬きに合わせて紫の瞳に透ける睫毛がしなる様子はまるで絵画で、目つきを緩めて黙ってさえいればぱっと見は本当に非の打ち所のない人なんだよなあとつくづく思う。まあ黙っていなくても美形には変わりないのだけれど、如何せんガラが悪すぎる。

「全く、僕の方はこんなに気を遣ってお手入れしてるってのに、貴方ときたらまるで身嗜みに無頓着なんですから。いくら元がいいからって、あんまりほったらかしだといつかその顔劣化しますよ」
「ほっとけ! ……てかお前、まさかさっきみたいなことする為にわざわざリップクリームだなんて女々しいもん付けてるんじゃないだろうな」
「ジイシキカジョー。歴とした旅の知恵ですよ。唇が荒れてたせいで細菌に感染、なんて事になったら笑い話にもならないでしょう」

 それの予防です、と舌を出して嗤ったら、4主さんは片眉をぴくりと跳ね上げるとああそうかい、と吐き捨てて再び家計簿へと意識を戻してしまった。その横顔がさっきより不機嫌そうに見えるのは、きっと気のせいではないだろう。本当に分かりやすい人だ。

 別段、今言ったことは嘘じゃない。様々な気候の土地を飛び回る上、時にはパルミドのような不衛生な街や、はたまた闇の世界のような別次元にまで足を運ぶのだ。傷口からの感染を防ぐため、僕らの旅では少しでも怪我をすればすぐに薬草を貼るし、乾燥した地域などでは必ずリップクリームを付けるようにしている。あのヤンガスですら(ゲルダさんに脅されて仕方なくとは言え)律儀にやっていたのだ。
 けれども4主さんがほんの僅かに――僕じゃなきゃ気付きもしないレベルで気恥ずかしそうに訊いたさっきの言葉も、理由の一つでない訳ではないのだ。

98184 2/2:2016/11/05(土) 21:35:31
 この人に口付けたいがために、自分の身なりを整える。

 唇に限らず、手や指も。荒れたり掠れてたりしていないか確認して、髪も念入りに洗髪して。服装も――僕と彼とのセンスの差異は置いとくとして、皺が寄ったり汚れがついてたりなんて以ての外だ。体臭にだって気を配っている。
 そうやってこの人を惹き付ける自分を形作ることで、ほんの少しでも「もっと触れたい」とこの人に思わせることが出来たなら、それだけでもう僕の人生の一勝ってものだろう。

「ねえ4主さん。僕ってこう見えて結構負けず嫌いなんですよ」
「は? ……知ってるけど」
「だから勝負と名の付くことには必ず勝ちたいんです。そりゃもう意地でもね」
「何の話を――んっ」

 言い終わる前にまた口を塞いだ。呼吸に合わせて唇をゆるゆると動かし、4主さんのそれを食むようになぞる。翠色の髪を梳いて後頭に手をやり、もう一方の手で逃げられないように肩を抱くと、微かに身じろぎをしたのが伝わってきた。
 いつもみたく立った状態だと上を向かなければいけないが、今みたいに4主さんが座っていれば僕の方から覆い被さってのキスができる。いっそ常にそうしてて欲しい。上向いたままキスし続けるのって結構首が疲れるのだ。長ければ長いほど苦しくなるし、かと言って短く済ませる気もないし。

「ん、う……」
「は……っ、……ん」

 抱き寄せた身体の厚みに少しだけ笑う。確かに身長は一歩及ばないかも知れないが、単純な体格としてならそう負けてはいない。どころか肩や胸板の厚さに関してはこの分なら僕の勝ちだ。ざまあみろ。
 ちゅぷ、と音を立てて顔を離すと、表情こそなんとか取り繕っているものの、4主さんの瞳はすっかり熱に蕩けてしまっていた。けどまあそこに映りこんでいる自分の顔も似たようなものだったのでここは引き分けだ。

「物足りない、って顔してますねえ」
「そりゃお前だろ。馬ー鹿」


 単なる身体上の一器官でしかない。
 それでもこうして磨き上げれば、この人に対する唯一絶対の武器になる。

 さながら銃弾のような、唇という存在。

982名無しの勇者:2016/11/05(土) 23:59:11
84投下乙!
4主を惹き付けるために身なりを整える8主に萌えた

983名無しの勇者:2016/11/06(日) 06:25:34
8主健気だなぁ……

984名無しの勇者:2016/11/08(火) 16:12:53
ところでここって次スレってどうしたらいいんだろう
まだ早い?

985名無しの勇者:2016/11/10(木) 19:40:43
気になってたんだよね
まだ他のスレ動いてるのかな
そもそもスレ立て出来るんだろうか

98684 0/2:2017/08/04(金) 00:49:09
世間は11で賑わってるけど懲りずに今年も84投下に来ました
ここもまた活性化してほしいなあ

98784 1/2:2017/08/04(金) 00:49:51
 目の前がぐるぐると暗くなっていく。
 思わずその場にうずくまると、珍しく焦ったように僕の名を呼ぶ声がどこか遠くからぼやけて聞こえた。


* * *


「……あれ」

 生ぬるい雫がこめかみを伝う感覚で目が覚めた。

 気が付けば仰向けでベッドに寝転がっていて、現状を把握しきれずに暫し茫然とする。
 視界に映るのはよく見慣れた天井の壁紙だけれど、自室のそれとはだいぶ違っていた。まず煤けたりひび割れたりしていないし、人の顔に似た謎のシミもついてない。端的に言って綺麗な、ごくふつうの天井だ。
 視線だけで横を向くと、読書灯のついた小さなキャビネットの上に読みかけの本が一冊置いてあって、「夏野菜のすすめ」というタイトルと一緒にトマトやキュウリなどの野菜の写真が表紙を飾っていた。
 ここは、やはり。どう考えても。

「お、気がついたか」

 ガチャ、と扉が開くとともに掛けられた声で、誰の部屋であるかを確信した。

「……4主さん」
「具合は? 吐き気したり、頭痛かったりとかは」
「いえ、別に……」

 起き上がろうと力を入れたところでくらりと眩暈がした。咄嗟に肩を支えられ、翠色の髪がほんの微かに頬を撫でる。

「っ、」
「バカ、いきなり起きようとするやつがあるか」

 普段よく言われる「バカ」とは全然違う柔らかな声音。例えるならそう、子供に言い聞かせるような。
 一瞬だけ髪の毛が触れ合うくらいに近かった顔はすぐに遠ざかってしまい、なんとも勿体無い気分になった。出来るならもう少し匂いとか温度とかを感じていたかった。

(…………、…………は?)

 一拍おいて、瞬間的に頭を過ぎった思考のあまりの有り得なさに思わず真顔になった。いくらなんでも今のはひどい。何考えてんだ僕は。

「……気持ち悪、」
「ああほら、言わんこっちゃない。とりあえずポカリ持ってきたからこれ飲んで、あと塩飴舐めとけ。ここに置いとくから」

 思わず零れた本音を、目の前の人はうまい具合に勘違いしてくれたようだった。畑仕事に荒れた手がキャビネットの上の本を退かし、空いたスペースにペットボトルと飴の袋が置かれる。ボトルのキャップが一度開封されてからゆるめに締め直される様子を、再び寝台に横たわった僕はフィルムを覗くような心地で眺めていた。
 キャップをわざわざ開けたのは、恐らく未だ手に力の入らない僕への配慮だろう。気が回りすぎていて逆に引く。何この人。なんでこんなに、

「……優しいん、ですね」
「そうでもないだろ。ていうか、いくらなんでも病人相手にいつもみたくやり合うようなことはしねぇよ」

 それだけだ。
 その言葉にほっとしたと同時に、なんとも言えないモヤモヤが胸の内に巣くう。裏を返せば、病気でもなければこの人が僕に優しく接してくれることなどありえないということなのだから。日頃の行いを棚に上げて、心の中でだけケチんぼ、と小さく毒づいた。

「ていうか、何でまた室内で熱中症になんかなったんだよ」
「あー……何か、錬金? 新しいレシピ、試してて……気づいたら、水分取るの、忘れてました」

 程よく冷えたポカリをひとくち飲み下す。独特の甘味がすうっと身体に染み入るようだ。

98884 2/2:2017/08/04(金) 00:50:24
「……試してたって、あの部屋でか?」
「はい」

 釜にアイテムを入れては吐き出され、うまくいきそうな兆しが見えたら抱えながら壁に向かってひと走り。現代科学のアレとかコレで僕んとこの錬金も走らず出来るようになったらしいけれど、長年慣れ親しんだ手法のほうが馴染みが良い。全く悪びれずに即答すると、4主さんは呆れを隠そうともせずに溜め息をついた。

「あんな空調も効かなくて換気もできないような部屋で水も飲まずに走り続けりゃ、そりゃぶっ倒れもするだろうよ」
「……僕も、そう思って水分補給しに行ったんですけど……、時既に遅し、でした」

 階段を降りているときに一瞬ふらっときて、まあ気のせいかとそのまま食堂に向かったら、冷蔵庫へと辿り着く直前に急に目の前が暗くなった。丁度洗い物をしていた4主さんがその場に居たのは僥倖だったと思うべきなんだろう。……それがこの何とも言い難い状況を導いたのだとしても。

「……4女さんは、」
「他の女主とシンシア連れて買い物に行っちまったよ。サマーバーゲンなんだと」
「……さいで」

 間が持たない。
 下手に口を開こうとしたところで、熱にやられた今の頭じゃ碌な言葉を紡げないし、そもそもあまり喋るなと牽制されるだろう。勿論怒りからではなく心配から。
 不快な訳じゃない。落ち着かないのだ。
 こんな風にこの人から優しくされることなんて滅多にないから、どうしていいか分からなくなる。いつもは息をするように湧き出る嫌味も皮肉も、今に限って枯渇中だ。困る。本当に困る。

「そうだ、ちょっとタオル替えるぞ。冷えピタ丁度切らしててな」

 額の汗を軽く拭いてから、ぬるくなったタオルが除けられ、代わりにキンキンに冷えた新しいタオルがそっと置かれる。一瞬だけ触れた指先が同じくらいに冷たくて、恐らく氷水に漬けたのを手ずから絞ってくれたことに思い当たってしまい、落ち着いていた筈の呼吸が一気に苦しくなってしまった。この人は、本当に。

「……めてください、」
「あ?」

 もどかしさをやり過ごそうと瞼を下ろした途端、ゆるゆると溶けるような眠気が思考を侵食してきた。
 4主さんの匂いに満ちた寝台で、4主さんの看病を受けながら眠りに就く。照れ臭いのも恥ずかしいのもあるけれど、それ以上に湧き上がる嬉しさが勝ってしまうのは、きっと身体が弱ってしまっているからだ。そうに違いない。

「……んな風に、優しくされたら……、惚れ直しちゃうでしょう……」

 再び暗転する視界の向こうで、4主さんがどんな表情をしていたのかなんて、僕には知る術のひとつもなかった。


* * *


「……ばか」

 声が上擦りそうになっているのに気付き、相手が眠ってしまったと知りつつも咄嗟に口元を手で抑える。頬が熱を持っているのが嫌でも分かった。
 普段はあれだけつっかかってくる癖に、狡い。卑怯だ。言葉に出来ない非難が湧き出ては沈み、胸の奥にもどかしい澱を堆積させる。
 年上とは思えない8主の童顔にかかる焦茶の髪を払い、4主はいくらか血の気の戻った頬にそっと唇を寄せた。

 こんなときでなければ素直にもなれない、お互いの頑なさを誤魔化すように。

989名無しの勇者:2017/08/06(日) 18:20:17
84投下おつ!
氷水でも手でタオル絞る4主とそこに気付く8主に萌えた

11発売でここも賑わうといいねえ

990名無しの勇者:2017/08/13(日) 00:56:54
今年も84が見れて嬉しい
投下おつです!

991名無しの勇者:2017/08/15(火) 04:00:16
投下乙です!
萌えたよ!

992名無しの勇者:2017/10/15(日) 11:33:38
投下乙!
次スレ立ててもいいかな?テンプレはこのままでいい?

993名無しの勇者:2017/11/22(水) 14:24:14
>>992 お願いします〜!!

994名無しの勇者:2017/11/23(木) 04:22:55
次スレ立てました
テンプレ追加あればお願いします
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/3012/1511378489/

995名無しの勇者:2017/11/23(木) 05:49:25
スレ立ておつです!

996名無しの勇者:2017/11/24(金) 01:03:21
スレ立て乙!うめうめ

997名無しの勇者:2019/08/05(月) 21:34:00
埋めとく

998名無しの勇者:2020/08/04(火) 12:00:42
うめ

999名無しの勇者:2020/08/12(水) 09:48:11
うめ


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