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FFDQかっこいい男コンテスト 〜なんでもあり部門〜

1名無しの勇者:2006/07/12(水) 21:32:41
FFDQなんでもあり部門の小説専用スレです。
シリーズ、作品の枠を超えた作品を投稿する時はこちらで。
書き手も読み手もマターリと楽しくいきましょう。

*煽り荒らしは完全放置。レスするあなたも厨房です*

ネタスレについては>>2以降(テンプレ考案中)

78748で性なる夜 3/3:2009/12/25(金) 20:18:06

「…おはよう」
「…おはようございます」
「……」
「…あれっ? あっ服っ? あれっ写メがっ4主さんのガールがっ」
「寝ぼけてんのか」
「寝ぼけてなんかないですよっ! 4主さんがサンタガール着てくれたのに写真撮れなかったー!
 もう一回!もう一回着てくださいっ あっでもその前にビデオカメラ取ってきますっ」
「もう一回…ねぇ…」
「そうですよもう一回! 昨日の夜……………ってあぁぁぁぁあああ!」
「朝からうるせぇよ! ふさぐぞ!!」
「あ…あああぁぁあの…昨日…僕…」
「昨日はごちそうさまでしたね」
「…ごちっ……やっぱり…夢じゃ…」
「夢にしようとすんな。現実だ。写メ見るか?」
「とっ撮ったんですかっ!?」
「イった直後に気失ったから撮っておいた」
「ちょっ消してっ消してくださいっ!」
「消したらもう一回撮るぞ。消させねぇけど」
「…もう一回…?」
「別に消さなくても撮るつもりだったし」
「あああのっ…もう一回が…あるんですか…?」
「お前から貰ったふくろの中に、こーんなにゴムが入ってたからな。こんだけしてもいいってことなんだろ?」
「えっ…(あれ…お徳用120個入りなんですけどっ…)」
「この量は一日じゃ無理だしなー…とりあえず今夜もここに来いよ」
「えっ…(今夜!?今夜って言った!? また…あの4主さんと…?)」
「顔赤いぞ。風邪ひいたか? 今日はやめておくか?」
「えっ…!」
「お前さっきから“え”しか言ってねぇぞ。どうなんだよ。」
「…あっあの…僕は…」
「…ほんとに体調悪いなら…やめてもいいんだが…」
「体調は悪いわけではないですけど…」
「じゃぁ決まりな。夜に」
「…ああああの…また、僕が下…?」
「騎乗位がいいならそうするが」
「そうじゃなくて…僕が4主さんに…?」
「…あぁ、そうか。諦めろ。俺はお前を抱く気はあっても抱かれる気はない」
「えー!」
「大丈夫。優しくするから」



「(袋の中に用意していたアレコレは、4主さんの手によって僕自身に使用されることとなりました
 少し、予定と違ったけど、HAPPY Christmas…)」

78848で性なる夜 4/3:2009/12/25(金) 20:20:09
宝船…騎乗位の変形

以前にあったネタとかぶり気味で申し訳ない。
8主を右側にしようとしたらこうなってしまった。

789名無しの勇者:2009/12/25(金) 20:26:36
性夜にプレゼントキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
ごちそうさまですありがとうございます

790名無しの勇者:2009/12/26(土) 22:38:17
あなたがサンタさんだったのか・・・っっ
プレゼントごちそうさまでした!GJ!

791保守コネタ:2010/03/26(金) 21:36:33
4主「……」
5主「どうしたんだい4主、元気がないね。
よーしパパ、4主のこと抱っこしちゃうぞー。ぎゅー!」
4主「……ぎゅー…」
5主「ぎゅー。君はもうちょっと、人に甘えてもいいと思うよ」
4主「……うん…」

5勇「あっズルい! お父さん、僕も僕もー」
5主「おや5勇もかい? よーしおいで!」

5主は りょうてを ひろげて わが子を かき抱いた!
5勇は ひらりと みを かわした!

5主「あれ?」
5勇「4主さん、ぎゅー!」
4主「…ぎゅー」
5主「え? アレ!?」

792名無しの勇者:2010/03/31(水) 09:15:25
ぎゅー‥、('ヮ'*)ノイイワァ

793名無しの勇者:2010/03/31(水) 12:10:56
54キタワァ

794名無しの勇者:2010/03/31(水) 22:18:48
甘えてる4主かわいい(*´∀`)

795sage:2010/08/04(水) 19:06:29
84保守

79684版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)0/9:2011/02/20(日) 22:12:07
突然、萌えが再燃したので投下させていただきます。
映画「恋愛睡眠のすすめ」の8→4パロです。
通し番号がずれたらごめんなさい。

妄想激しい8主のバカで都合のいい夢の話です。
8主が最高にヘタレです。

79784版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)1/9:2011/02/20(日) 22:12:45
一日目

最初は別にどうでもよかった。
端正な顔とか珍しい髪の色とか、それを上回るどす暗い不幸オーラが出過ぎてて、ヒーローにあるまじき陰気さだったので正直お近づきになりたくないと思った。今も別にどうでもいい。
ただ少し、笑った顔が見てみたい。 これはあの仏頂面がだらしなく緩んだらどうなるんだろうという興味本位で、決して好意なんかじゃない。
きっかけは意地の悪い、ちょっとしたいたずら心だ。



「いい天気ですね!」
裏庭で洗濯物を干してる4主さんに声をかける。彼が少し振り向いてとてもイヤな顔をしたのを見たら、僕はとてもいい気分になった。
4主さんは僕を無視することに決めたらしい。何も言わずに洗濯物の続きに取りかかる。
「羽を伸ばせますね!」
「お前はそんな嫌味を言いにわざわざここまでオレを追いかけてきたのか」
あ、反応があった。
「せっかくだし」
「マメだな」
吐き捨てるように言って、後はもう振り返らなかった。
最近は前みたいに簡単に激昂したりしない。お互い慣れすぎてどうでもよくなった。いつも僕が軽くあしらわれて終わる。
でもなんとなくちょっかいを出しに行かずにいられない。もうすでに半分意地だと思う。だって前みたいにすぐこっちを見てくれなくなった。
僕は苛立ちばかり募って、余計に子供みたいな手で嫌がらせをするしかない。こっちを向かせるには、そういう方法しか知らない。
「おい、手伝おうという気はないのか」
「ないです」
4主さんが舌打ちをした。条件反射だ。
悪いとは思わないけど、ひどく気分が悪くなる。4主さんの人相も一層悪くなる。
そういう顔が見たいんじゃないのに。

79884版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)2/9:2011/02/20(日) 22:13:18
「おい!」
ものすごい形相で、 4主さんが駆けてくるなり僕の肩をつかんだ。普段とは違う、乱暴というか強引な態度に面食らう。
「な!なんですか?!」
振り向こうとして、予想外に顔が近くて思わずたじろいだ。しかもえらく興奮していて、頬が上気している。瞳孔も開き気味だ。そんなでも見られる顔という事実に多少イラッとする。イケメンなんて滅んでしまえ。
「お前!」
「はい!」
一瞬間があって突然、粘土が崩れるみたいに4主さんが破顔した。
「お前が錬金釜で作った××××な!あれすごいぞ!○○が□□になるんだ!」
「××××……」
なんだっけ?とか思う間もなく、4主さんが畳み掛ける。
「お前実はすごいんだな!見直したぞ!」
いつもの仏頂面はどこへやら、ものすごくいい笑顔とはこういうことを言うんだろう。しかし僕は思った。この人は笑うと意外とかわいい。いつもこういう顔でいればいいのに。
4主さんが無理矢理僕の腕を取って、ぶんぶんと握手を始めた。骨っぽい感触がした。
「ありがとうな!助かるよ」
4主さんが僕の目を見て、嬉しそうにはにかんだ。あまりに出来過ぎてて気味が悪いけど、僕はとてもいい気分だった。天にも登れそうだ。
あの4主さんが僕に礼を言った。勝ち誇った気分。
僕のしたことが4主さんの役に立つ、それでこんなに喜んでもらえるなら、そのことで僕がこんなにいい気分になるならまあ悪くない。いがみ合うよりよっぽどいいかもしれない。



そこで目が覚めた。
あまりにベタな展開で溜息も出ない。夢の中でなら4主さんともうまくいく。むやみに怒らせたりしない。
完全に願望だ。だって僕は平和主義者で、できるなら誰とも波風立てずに生きていきたいのだ。その方が楽だし。
4主さんはものすごく笑っていた。そして僕に礼を言った。現実じゃまずありえない。
いい気分なのは優越感からだろう。あの4主さんが僕に頭を下げた。決して役に立てたから、4主さんが喜んでいたからではない、と思う。
そんな殊勝なことを僕が考えるなんてありえない。僕はそんな柄じゃない。

79984版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)3/9:2011/02/20(日) 22:13:54
二日目

「今日もご苦労なことで」
今日も今日とて裏庭までちょっかいを出しに来た僕を振り返りもしないで、4主さんが言う。声だけでイヤそうなのがわかって内心ほくそ笑む。
「その鳥面を見ないと一日が始まった気がしないんです」
これは本当。この顔を見て話すと目が覚める。
「暇なんだな」
「いいえ!わざわざ来てるんで!これから錬金釜持って走らなきゃいけないし!」
「お前、錬金と言えばな」
「はい?」
「お前が錬金釜で作ったやつな」
ん?
この流れ、どっかであったような。あれ?
僕が考え込んだ一瞬後に、4主さんが洗濯を干す手を止めて白け切った顔で言った。
「あれ最悪な。なんなのあれ。ガラクタもいいとこだな」
現実は厳しかった。
「もう余計なもん作るなよ」
僕が明らかにがっかりした様子を見て、4主さんはわかりやすく機嫌が良くなった。そのまま鼻唄まで歌って、宿舎へふらふらと歩いていく。
いつだって僕が面白いことが4主さんには面白くなくて、4主さんが面白いことが僕には面白くないのだ。
嫌われてるとは思わないけど、好かれてる気はしない。僕らそんな一触即発な状況でずっといる。

80084版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)4/9:2011/02/20(日) 22:14:29
「よう」
珍しく向こうから挨拶をしてくる4主さんを、僕はふて腐れた顔で迎えた。
「何。どうしたんだよ」
楽しそうな声だ。僕が元気がないのがそんなに楽しいか。
「8主、あれすごく役に立ってるよ。またなんか作ってな」
あれ?僕は顔を上げる。
「これ夢ですか?」
4主さんの顔には、トレードマークの眉間のしわがない。不自然だけどこの方が好きだ。
「そう。お前の夢だよ」
「じゃあ、あなたは僕の想像の4主さん?」
「まあな。機嫌いいだろ?」
確かに。
「本当の4主さんは僕の作ったの、最悪だって言いましたよ」
「言わねえよ。最高だろ」
「もう余計なもの作るなって」
「いやいや。お前はやればできる子なんだ」
「わかりました。とりあえず一言謝ってください」
「………………………………。しょうがねえな。悪かった」
「じゃあもう僕が何しても怒らない?」
「まあ場合によるな」
「僕の夢なのに態度デカイですね」
「じゃあ怒らない」
「…………何かしてくれる?って頼んでも怒らない?」
「内容による」
「そんなひどい」
「アホか」
確実に夢だこれは。こんなに彼が優しい筈がない。
夢ならいっそ、何をやっていいか。僕は気が大きくなっていた。何でもできるし、何にでもなれる。例えば親友。例えば恋人。
「じゃあ……」



朝だった。
なんておいしいところで目が覚めてしまったんだろう。もったいない!
……しかし僕は何をしてもらおうと思ったんだろう。て言うか何だってあの人も二日も連続で、人の夢に出て来るんだ。気軽に出て来ないでほしい。
僕が機嫌のいい4主さんに会いたいみたいじゃないか。自分が本当は4主さんとどう接したいのか再確認させられてるみたいで気分が悪い。
僕の本心なんて別に知りたくない。面倒なのはもう姫だけでこりごり。

80184版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)5/9:2011/02/20(日) 22:14:56
三日目

目覚めのひどく悪い頭を抱えてキッチンへ行くと、例の人がいた。
間が悪い。身勝手な夢を見ちゃったせいで、なんとなくばつが悪くて嫌だ。
目が合ってあからさまに4主さんが身構えたので、僕があえて無視を決め込んだら相手は肩透かしをくらったみたいだった。横を無言で通り過ぎて冷蔵庫へ向かう。
「よう」
夢と同じで、珍しく向こうから挨拶がくる。僕はしょぼくれた顔を上げた。
「……ひどい顔だな。雨でも降るか?槍か?」
眉間のしわは深く刻まれていた。かわいくない。
「……夢見が悪くて」
「お前が?」
ものすごく意外だという顔をされた。心外だ。
「どんな?」
「…………」
言葉に詰まる。あなたの夢ですなんて口が裂けても言えない。
「……ほっといてください」
間髪入れずに舌打ちされた。この人はなんだか最近険悪だ。
僕ら、いつからこんな感じに喧嘩もままならなくなったのだろう。ひどくやりづらい。
前はお互い沸点が低くてすぐキレて、でも言いたいことは言ってた。もっと正面切って喧嘩してたから、嫌な感じじゃなかったし僕は正直楽しかった。
最近は顔を合わせれば舌打ちとかで、真剣に打ちのめされる。
あがけばあがくほどおかしくなって、でも今日こそは変わるかもと思って毎日喧嘩しに行くのに毎日険悪になる。それがきつい。

「8主」
名前を呼ぶその声が、思いがけず柔らかいのでなんかやりきれない気分になる。
「はい」
「お前はさ」
4主さんが言いにくそうに視線を泳がせてから、たっぷり十秒くらい黙った。言いかけてやめるのは一番感じが悪いと思う。
「僕は?」
先を促す。4主さんは目を伏せた後、僕を見た。
「何がしたいんだ?」
「え、」
「そんな、一方的に怒られてもオレはわからない」
「怒るって」
「なんでいつもオレに苛立ってる?」
「え…………」
「言いたいことがあるなら言え。ないなら陰険に怒るな」
「…………」
「そんなんで会う度に悪意をぶつけられると、さすがにこっちもへこむ」
「…………」
「…………。何かオレに言うことは?」

僕はなんて答えたか覚えていない。ただ見切りをつけて去って行った4主さんの顔だけは覚えてる。

80284版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)6/9:2011/02/20(日) 22:15:53
「おーい」
あ、これは。
「…………」
僕の想像の優しい4主さんだ。眉間のしわなし、かわいい笑顔の4主さん。
4主さんは僕の前までゆっくり歩いてきて、僕と目線を合わせるために軽くかがんだ。4主さんの方が少し背が高い。気に入らないがこればかりは仕方がないので、気にしないことにする。
「新しいの、なんか作った?」
錬金釜での話だろう。確かに日頃碌なものを作っていないけど、実は役に立ちたいなんていう願望でもあるのかな。
「作ってないです」
「作れよ。オレが楽しみにしてるだろ」
この想像の4主さんは、本当の4主さんが絶対に言わないことを選んで言ってくるので、あまりのそぐわなさに吹き替えでも見てるようなチグハグな印象がする。
「……これはまた夢で、あなたは僕の想像の4主さんですよね?」
「いかにも。何の確認だ?」
「いや、じゃあ今から言うことも夢の中の戯言だから」
「?」
「見なかったことにしてください……」

これは僕の夢でこの4主さんは実物じゃない。だったら夢の中でくらい、素直になってみてもいいんじゃないだろうか。開き直りつつも恐る恐る、僕は手を伸ばした。
まずその緑の髪に触れる。ゆっくりと手の位置をずらし、その耳と顔と首に触れる。そこまでで緊張しすぎて感極まりそうになって、ひと呼吸入れる。
4主さんは僕のなすがままで、何も言わず薄く笑ってから目を閉じた。
その一連の動作に見とれ、見とれたことにひどく敗北感を覚える。何だってこの人、何しててもこんなに格好いいんだろう。
考えがまとまらなくなって、思考を振り払うように僕はそのままその首に巻き付いた。
「おおぉっ」
驚いた4主さんが呻き声を上げた。予想外に勢いがついていたのか、二人してその場にしりもちをついてしまった。
4主さんは二人分の体重を引き受けて、また呻いていた。しばらくどうしたものかと困っていたようだけど、僕が首にしがみついたまま離れないので、仕方なく4主さんが僕の背中に腕を回して僕を支えた。
「重いんだけど」
「すみません」
「首、苦しいんだけど」
「すみません」
「なあ」
「ごめんなさい」
「何が」
僕は4主さんの首に額を押し付けたまま、話し続ける。唇が動くとたまに4主さんの首筋に触れてくすぐったかったらしく、4主さんがよじって避けようとしたけどびくともしなくて諦める。その時、僕はそこまで気が回らなかった。
「僕は、現実でも夢でも4主さんを困らせてますね」
また避けようともぞもぞしていた4主さんが動きを止めた。
「困らせたいわけじゃないのに、どうしたらいいかわからないんです」
4主さんは黙っている。
「怒らせたいわけでもないんです。普通に会話して、たまには喧嘩したりしたいんです。苛立たせたいわけでもない」
「8主」
4主さんが僕を呼ぶ。
「…………何かオレに言うことは?」
なんとなく、もうごまかす必要はないと思った。これは夢だし、何がどうなってもかまわない。
もうどうだっていい。

「あなたが好きです」
僕は顔を上げず、4主さんも動かなかった。
「なんかもう、この気持ちが好意なのか、ただの執着なのかわからないんです」
「…………」
「僕は、もうどうしたらいいのかわからない」
「……うん」
「………………………………」
「知ってた」
ゆっくり僕の髪をなでて、一回ぐしゃっとする。
何を言っているんだ。知ってるわけないじゃないか。慈しむように優しく髪をなでる手が愛しくて、涙が出そうになった。
夢の中でだけうまくいくなんてひどいじゃないか。こんなに打ちのめされることはない。あんまりだ。
むなしすぎてやりきれない。

80384版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)7/9:2011/02/20(日) 22:16:33


「泣くなよ」
「泣いてないですよ」
「じゃあオレの首を濡らさないでくれ」
「無理です」
「おかしくねえ?」
「これは僕の夢だから許されるんです」
「……なるほど」
明らかに納得してない口調だ。夢のくせに生意気な。
「ていうか僕の夢なら、慰めのキスくらいさらっとしてみせてくださいよ」
「わりーその発想はなかったわ」
「想像力ないですよね」
「お前はありすぎるな」
こんな何気ないやり取りが嬉しくて仕方ない。飢えていたんだなあと実感する。
「するんですかしないんですか」
「えー……マジ勘弁してほしいんだけど、一応聞くけどどこに?」
「そりゃ口でしょう!」
「ふざけんな。調子に乗るな。口はオレにはハードルが高すぎる。全然無理」
「だらしないなあ」
「…………。妥協案を考えようぜ」
「じゃあ五択で。目、耳、鼻、頬、おでこ」
「…………耳かな」
「口はナシなのに耳は有りなんですか!?おかしくないですか!?」
「え!?」
「ど変態じゃないですか!耳の方がハードル高くない!?」
「あっじゃあ無難におでこで!」
「いや僕はどこでもいいんですがね。なんだよ、4主さんもしかしてムッツリですか?」
「……………………」
やってられん、というように4主さんは黙ってしまった。
赤くなって河豚のようにむくれていてかわいい。とか思ってたら突然頬を強くつねられる。
「いたいってば4主さん!あっしかも引っ掻いた!」
軽くミミズ腫れになってしまった頬をさする。

「…………もういいから黙ってくれ」
「わかりました」
4主さんが息を飲んだのがわかった。
「8主」
僕の額にかかる髪をそっとかきあげる。僕も息を飲んだ。
触れるか触れないくらいかのキスだった。
優しすぎて嫌になる。涙が出そうだったけど、僕は泣かない。
「お前に応えてやることはできなくても、嫌われてないってわかって嬉しかった」
そんなことは言わなくていい。僕の勝手な思いなんて引き受けなくていい。優しくなんてしなくていい。
「ありがとな」
ただ、笑顔が見たかったんだ。笑ってほしかった。
それが僕のためじゃなくてもいいから。



ひどく身勝手で疲れる夢だった。起きたばかりなのに疲労困憊だ。
後ろめたくて、今日は4主さんの顔を見られそうになかった。

80484版 恋愛睡眠のすすめ(8→4)8/8すみません:2011/02/20(日) 22:17:11
最終日

わざわざ朝食の時間をずらしたのに、例の人はどっかりダイニングテーブルで新聞を読んでいた。おっさんか。
「……おはようございます」
仕方がないので声をかけたら、4主さんは僕をちらっと見てから思いっきり目を逸らした。返事もない。
……別に、今更そんなんどうってことないけど。
僕はもう4主さんの存在を無視して、朝食の続きに取りかかろう。そう思って冷蔵庫の扉を開けた時、何か痛みが走った。
「いたっ」
少し遅れて、4主さんが顔を上げる。
「どうした?」
「なんか顔に傷ができてるみたいで……」
「ああ……」
顔をしかめて、4主さんが立ち上がった。
「オレが引っ掻いたやつだな。悪い」
「あ、いえ大丈夫で…………」







確かに時間が止まった。僕らは顔を見合わせた。
「ええぇ?!」
「はっ?!」
「ちょっと……」
何が起こったのか理解できない。でも僕らは確かに、同じ夢を見ていたようだ。
咄嗟に思ったのはやばいやばいやばいくらいで、思考回路が完全に壊れた。
あれは夢だったから好き勝手やれたんだし素直になれた。実は全部相手にだだ漏れだったなんて、一体どう取り繕えばいいんだ。お互い本気でシャレにならない。
「……………………えーと」
「えーっと……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
二人ともたっぷり黙ってから、4主さんがぽつりと言った。
「……………………なかった、ことに……?」
「……………………今更?」
「……だよな」
「ですよね」
「……………………どうする?」
「……………………どうするもこうするも」
「……………………」
「……………………」
お互い顔を見合わせて、僕らはついに吹き出してしまった。シリアスでセンチメンタルな夢での自分があまりにも滑稽で哀れだった。
言ってやりたい。真実はもっとシンプルでわかりやすい。
僕らはきっとうまくいくと。



おしまい

805名無しの勇者:2011/02/21(月) 20:48:04
>>796
GJ! GJ!
読み応えのある萌えをありがとう!

しかし、満面笑顔の4主って想像つかないwww

806名無しの勇者:2011/03/02(水) 23:30:21
久々の投下〜!
普通に読み物としても面白かったよ
gj!

80784のはなし 0:2011/03/06(日) 22:03:17
たびたび投下失礼いたします。
8→(←)4のややシリアス長編です。文字数が多くて通し番号が読めないので、
番号だけ振ります。
それではどうぞ〜

>>805,806
ありがとうございます。お楽しみ頂けて何よりです!

80884のはなし 0:2011/03/06(日) 22:06:31
これは、オレが失ったものと再び出会うまでの話。
オレと彼女とある男の、再生の物語だ。

1 意識【4主】

変化は突然だった。ずっと一緒だった彼女が消えた。見えなくなった。
彼女がどういうものだったのかよくわかってなかったけど、存在は確かにあるらしいと思っていた。他の奴らの話を聞いても、オレがいなくて彼女がいる時があったらしいので、どうやらオレだけの幻覚ではないんだと考えていた。
話はできるけど体温は感じられない。触れることもできない、時折透けてしまう彼女をでもオレは好きで好きで、触りたくてもどかしくて泣きたくなることもあった。彼女は何のためにいるのか、オレのためじゃないのか。
科学的に理解できないものでも、自分に都合がよければ人はそれを正当化してしまうもので、彼女は生きているんだとオレは思い込んでいた。オレのために戻ってきた。ここへ。オレと一緒に幸せになるために。
説明のつかないことには目をつぶっていた。そんなものは見なければいい。ひどく盲目的だった。
真っ向からそれを否定してたのが、奴だった。

「消えた?」
外のベンチに二人どっかりと腰を降ろし、オレは話を切り出した。赤いバンダナを巻いた頭を揺らして、奴が訝し気に聞き返す。必要以上にいい天気で木漏れ日がまぶしい。重い話をしてるってのに、まったく不釣り合いだ。
「いなくなっちゃったんですか?前にもありました?」
「わかんねえ。でもこんなにずっといなかったのは初めてだ」
「いつ頃から?」
「一週間くらい……かな」
予想外に奴が真剣な受け答えをしたので、多少オレは面喰らった。もっとバカにされるかと思ってた。
「一週間前に、何か特別なことありました?」
「うーん…………一週間前、ねえ」
正直に言うと、あった。つーかもろにお前関係だろと言いかけて、なんとなくやめる。
オレは何も返事をしていない。曖昧なまま逃げて、お前は別にそれでいいと言った。だから決着がついたことにした。そのまま今に至って、わざわざ呼び出してシンシアの話をしているオレも相当どうかと思うし、呼び出れてのこのこやって来てるお前もそれでいいのかと言いたくなる。8主、お前はオレが好きなんじゃないのかと。
でもこんな話をできそうなのが奴くらいしかいなくて奴の好意に甘えていることだけは確かで、罪悪感を抱えながら奴に会うのはひどく微妙な気分だ。
「…………その、お前に」
「ああ。そうでしたね」
そうでしたねってなんでもない涼しい顔で奴が流した。なんなんだお前、あんなに真っ赤になって必死になってオレに打ち明けたくせに、オレばっかそのことで悩んでバカみたいだ。
「……じゃあ少しは考えてくれたんだ?」
「バカ言うな。ありえん」
「ですよねーいんですけど別に」
どうこうしようとかじゃないし、と付け加える奴の顔は晴れやかで、意味もなく腹が立った。お前が変なこと言い出すからオレが混乱してるってのに、お前は他人顔なんだな。

80984のはなし 2:2011/03/06(日) 22:07:04
「人の気持ちってのは、コントロールできるものじゃないですしね。僕が4主さんを好きになったのも、しょうがないっつーか流れっつーか」
「だいたいさあ、なんで好きだと思ったわけ?」
「うーん、最初はずばり顔ですね。僕、面食いなんで」
「顔………」
顔だけの男と言われてるようで、密かに傷付いた。顔、ね。ふーん。つまらん。
「でもこの人案外不器用かなあと思ったら、なんかこういてもたってもいられなくなっちゃって」
「ふーん……」
「たぶん、理屈じゃないんだと思います。一緒にいたいとか、触りたいとか。見ていたいとか」
「……………」
8主は、オレにオレを好きだと打ち明けてからすごく素直に自分の気持ちを言うようになった。前みたいにつっかかってくるけど、最終的に何が言いたいのかよくわからない感じじゃなくて、もっとストレートに感情が来る。それだけに何も返せない自分が申し訳なくて、でも同情でどうこうは最低だと思うし何をどうすればいいかわからないまま、オレはひたすら黙っている。
木でできたベンチに並んで座るオレと8主の間には、一人分くらいのスペースが空いていて、それがそのまま心の距離みたいだなと思う。それ以上、近くはならない。
「あ」
それまでの話の流れを無視して、突然奴が呟いた。
「え?」
「……いや、でも、なあ……」
腕組をしながら、8主が頭をかしげる。そのはっきりしない態度にイラっとする。
「なんなんだよ?」
「いや、でもあまりに自惚れてるというか……」
「?言ってみろよ」
「……僕に告白されて、少しは僕のこと考えました?」
「は?!」
「だから、すねちゃったんじゃないですかねシンシアさん」
「お前、アホか……ふざけんな」
「いや!真剣なんですけど」
「つきあってられん、お前に話したオレがバカだった。時間を無駄にした」
「そんなー!せっかくの4主さんからのお呼出でうきうきしてきた僕の立場は!」
「知らん。勝手に期待するな。ていうか期待するな」
「わかってますけどね……」
そこで本気でしょげた顔を見せるから、長いつきあいでオレもそれが演技じゃないってわかっちゃうから余計悪いことしたって思うんだよ。そう思わせるお前がずるくて、期待させてるけどその気はない自分もずるくて、面倒臭いと本気で思う。
ずっとこんな関係が続くんだろうか。お前はきつくないか?オレはもっとお前と楽に話がしたいよ。
シンシアの話をしていたのにすっかりずれまくって、オレはあろうことかシンシアのことを忘れていた。たぶん、そういうのが始まりだったんだと思う。

81084のはなし 3:2011/03/06(日) 22:07:40
2 衝動 【4主】

もしかして、が確信に変わる。シンシアはもう二週間姿を見せない。いなくなってしまったのかな、シンシア。
今までも二、三日いなかったことはあった。でもふと気付くとまた隣に戻ってきて、オレの顔を眺めてからにっこりと笑った。その度オレは安心して、戻ってきてくれたんだねと抱き締めようとして、触れない事実に打ちのめされた。
オレは意外と落ち着いている。シンシアについて8主とは逐一話し合っていて、こんな話にクソ真面目につきあってくれる8主に申し訳ないやらやるせないやらでどうしていいかわからないんだけど、奴に話をすると嘘みたいに気持ちが落ち着く。奴が、困りましたねとか言って相づちを打って目が合うと、シンシアがいなくて不安だとか怖いとかどうしようっていうのが全部すっと消えて、奴の声とか手の動きとかそういうものばかりが気になる。8主の手は意外とごつくて、オレはその手が嫌いじゃない。話をしながら、指なげえなとかそいういうことばかり考えている。
なんだか変だと思う。おかしいと思う。
今日も、これから話をしに行く。例のあの外のベンチだ。あそこはもう暗黙の了解で落ち合い場所みたいになっていて、約束の時間が近くなると小走りにそこへ向かっている自分に気付き、嫌になるほど恥ずかしくなる。何してるんだろ。ただあそこにいけば8主がいるってのが、自分にものすごく安心感を与えているらしいのはわかってきた。なんてオレは浅ましいんだろうか。リスクは負いたくない癖に、安心感だけは欲しいなんて。
こんなのおかしいよな。

「よ」
「どうも」
今日も今日とて二人とも時間ぴったりにここへやってきた。顔を見たらなんとなく笑いそうになって、オレは明後日の方向を向いてごまかす。
「その後、どうですか?」
神妙に8主が切り出した。ひざの上に頬杖をついて、指を組む。オレはいつからこんなにこいつの動作を気にするようになったんだ?
「全然。いない」
「そうですか……」
赤いバンダナが、いつもより緩く巻いてあって風になびいている。飛ばされそうで気になって、つい手をのばした。
「お前、これ飛びそう」
言いながら、8主の顔を覗き込む形で頭の両側でバンダナを掴む。何も考えていなかった。奴の髪ごとバンダナを掴み感触を感じて、ものすごく変な顔をしている8主と真正面で目があってから、しまったと思った。
8主は怪訝そうな顔で、オレからバンダナを受け取った。手が、軽く触れた。
「…………すみません」
「あ、いや」
バツが悪いとはこのことだ。奴はオレのことが好きで、オレは期待させるようなことはしないつもりだった。無意識に何してんだろう。あんなに近い距離で、もろに顔を見てしまった。
8主は赤くなったり焦ったりせず、ただ不信な視線をオレによこした。当然だと思った。
「……僕、ちょっともう行きますね」
「ああ……」
バンダナを頭に結び直しながら、奴が立ち上がる。オレは8主の方を見れなかった。シンシアのことはもう、完全に頭から抜け落ちていた。触ってしまった8主の髪とか、一瞬触れた手とか、オレに向けられた見開かれた目とかそういうものが駆け巡っていた。何をしているんだろう。
ちょっと前に言ってた8主の言葉を思い出す。理屈じゃなく、一緒にいたいとか触りたいとか見ていたいと思う。これってなんのことだっけな。

81184のはなし 4:2011/03/06(日) 22:08:56
2 衝動 【8主】

びっくりした。何が起こったのかよくわからなかった。
自分の部屋に逃げるように帰ってきて、僕はベッドにへたり込む。
バンダナを両側から押さえられて、ていうかまずそんなことを4主さんがしようと思ったのが不思議だった。
目が合って、あの人は当然のように僕の顔を見た。全然好きとかそういう感情は含まなかったけど、真正面から僕を見て、僕の表情を見てやっとまずいという顔をした。
なんでそんなに無防備なんだろう。僕が彼をどういうふうに好きかわかってるのかな。少し腹が立った。
本当は、いつだって触りたい。本人の意志がどうであろうと、行けと言われたら飛びついてしまう自信がある。ただ、僕は人として落ちぶれたくない。嫌がる人相手にどうこうしようという気はない。
わかってんだろうか。彼は何を考えているのだろう。ちょっとよくわからなくなった。
考え出すと猛烈にむかついてきて、そもそもあの人は今僕を利用しているとか、なんでちゃんと返事をくれないんだろうとか、ダメならダメでなんで期待を持たすようなことを何回もするのか理解できないとか、不満はいくらでも出てきた。
何がしたいんだろう。僕はその度律儀に振り回されて、いいように使われる。好きだから、会いたいから僕はなんだって尻尾を振って彼のやりたいようにやらせるけど、彼は僕に甘え過ぎじゃないのか。
見返りもないのに、愛想よく彼に合わせている自分が急に空しくなった。可哀想なのは哀れなのはむしろ僕だ。
泣きたくなって、そのままベッドに倒れ込んだ。

ちょうど僕が彼に告白をした日に、シンシアさんは消えた。関係はあるのか偶然なのか。
ずっと好きで、でもだからといって男同士でどうこうする勇気もなくて、でもどうにもできなくなって一人で抱えてるのがバカらしくなって、僕は僕が4主さんを友情じゃなく好きなんだと伝えた。
僕もわざわざ外のあのベンチに呼び出し、嫌々ながらもちゃんと時間通りに来た4主さんの顔を見たら胸がつまった。律儀で、不器用で、どうしようもなく人の良い彼が好きで好きで仕方なくなった。
実際本人を前にしたら全然言葉が出てこなくて、絞り出すみたいに僕はなんとか彼に好きだと告げた。
4主さんは明らかに困ってたけど、一応ありがとうごめんと言って薄く笑った。その顔がまた好きで、見とれ僕は何も言えなくなった。それでいいと思った。僕が彼を好きなことを知ってくれるだけでいい、それ以上は望まない。
人を本気で好きになるのは、こんなに苦しいことなのか。何もいらないから生きていてくれるだけでいいなんて、こんな気持ちがあるなんて知らなかった。何がなんだかわからなくて苦しいけど、それで彼を煩わせたくなくて僕はもう口を噤んだ。
僕らは未だに手さえ触れていない。僕はちょっと触れそうにない。

81284のはなし 5:2011/03/06(日) 22:11:42
3 困惑 【8主】

気が付いたらどっぷり暮れていて、どうやら僕はあのまま眠り込んだらしかった。
8時半すぎ。夕食の時間は一時間以上も前に過ぎている。どうしよう何も残ってなかったら。育ち盛りの男集団なんて飯に関してはただの野獣だ。飯の時間にいない者の取り分は、自動的に他の者の腹に収まる。残飯などはまずありえない。実に合理的でエコ的だ。
まあなくても仕方ない、切なく鳴る腹をなだめるためとりあえず台所へ向かった。
いつもはまだこの時間なら騒がしいはずの台所は、今日は静まり返っていて人の気配がしない。
でも明かりが点いている。誰かはいるみたいだ。ドアから中を覗いたら、4主さんが一人で皿をつついていた。十人掛けの広いテーブルの隅で一人、ぽつりと座っていた。
その姿に、息が詰まった。何で誰もいないの、この人に一人で夕食なんて食べさせちゃダメだ。この時間まで待っても誰も現れずしびれを切らしたのだろう。些細なことだけど、そんなことで一人だと実感させたくはなかった。淋しい気持ちになんてさせたくなかった。全身から滲み出る彼の淋しさに、切なくて苦しくて不甲斐なくて憤りにも似た感情を覚える。
シンシアさん、どこに行ってしまったですか。何でこの人を一人で放っておくんですか。
と思った瞬間、風もないのに台所のドアがけたたましい音をたてて閉まった。人はこれを心霊現象と呼ぶ。なんだか背筋が薄ら寒い。
その音で、4主さんがこちらに振り向いた。目が合った彼はものすごいしかめっつらで、でもなんだか心細げな顔をしていてとても申し訳なくなった。
「……何してんだよ」
不機嫌に僕に声をかける。咄嗟に取り繕おうとしてる4主さんがいじらしくて可愛すぎて、その頭を撫で回してぐちゃぐちゃにしてやりたいと思った。行動に移す勇気もないし実際にやってしまったら歯止めが効かなくなりそうで、そんな衝動は全部想像で終わる。
「……間違えて勢いついちゃって」
僕がやったんじゃないけど。
「一人ですか?」
「ん。みんな出掛けたみたいだな」
今までも二人だったことなんていっぱいあるし、ラッキーとか思ってたけど、今このタイミングではまずい。できれば避けたかった。でも一人にはしたくない。
「……座れば?」
言いながら4主さんが立ち上がる。彼の食事はまだ途中で、僕の分を用意しようとしてくれることに、座ってから気付いた。頭が働かなくて嫌になる。
彼の向かいに腰を下ろしぶんぶんと頭を振っていたら、一式を載せたお盆を持って4主さんが戻って来た。
「犬かよ」
「あ、すみません……」
いつもこんなことしてくれるわけじゃない。さっきの罪悪感から優しいのか、とにかく珍しい彼の態度に面食らう。
「…………大量に、作っちまったんだよな」
ぽつりと決まりが悪そうに呟いて、皿を僕の前に置いた。
「それは……」
返事に困った。殊勝な物言いが、らしくない。
彼はどうやら食欲がないらしく、自分の皿によそった分を持て余していた。つつきはするけど口には運ばない。
そっぽを向きながら行儀悪くスプーンを握り、何も言わず時折僕が食べている様子を伺う。会話は一切なかった。重い沈黙が充満し、僕の食事する音だけが響く。この上なく非常に気まずい。
視線を痛いくらい感じて、緊張しすぎて物を飲み込むのが苦しかった。味なんてわからなかった。
なんなんだこれ、新婚さんか。部屋を包むのは、幸せいっぱいな空気じゃなくてものすごい緊張感だけど。

81384のはなし 6:2011/03/06(日) 22:12:03
必死で飲み下す僕を見ていた彼の目が、ふと止まった。
「おい」
呼ばれて顔を上げたら、彼の手が伸びてきて僕の頬に付いていたらしき米粒をつまんだ。
う、わー………………。
さすがにそれは即行でティッシュで拭われたけど、僕はもうそれどころじゃなかった。顔が赤くなるのがわかった。やばい、そんな子供っぽいとこ見られて、しかも取ってもらって恥ずかしくて彼の顔が見られない。
おかしい。絶対に彼は何かおかしい。なんなんだこの幸せラッシュは。ときめき死にしてしまいそうだ。
「ガキだな」
そう言って鼻で笑う4主さんは、うっすら楽しそうだ。おかしい、いつも僕が彼をからかって逆上させるのに、これじゃ立場が逆だ。
僕はまだ混乱の真っ只中で、返す憎まれ口が出てこない。いつまでも黙り込んで様子がおかしい僕を訝しんで、彼が僕を呼んだ。
「8主」
「わーっ!ちょっと待って!」
「は?」
「すみません、ちょっと、僕、あの……」
「?」
「……期待します、そういうことをされると」
4主さんが、あ、という顔をした。みるみるうちに彼の顔が赤く染まった。その反応って何なんだろう。ここのところ本当に彼がわからない。
額を押さえて4主さんが真っ赤になりながら、聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。
「……完全に、無意識だった」
「無意識……」
「さっきのも。……おかしいなオレ……」
それは確かだったので否定しなかった。彼の中で一体何が起こってるんだろう。
「悪い、オレもう寝るわ。片付け……」
「あ、ああ、……やっときます」
「おお頼む」
ふらふらと立ち上がり、ドアや壁にぶつかりながら4主さんは台所から出て行った。一人残されて僕は盛大に息を吐き出した。呼吸するのもも苦しかった。触れられた頬がそこだけ熱を持ってじんわり熱い。否が応にも意識してしまって叫び出したくなった。
最近さんといると疲れる。今みたいな無意識な彼の態度に、いちいち舞い上がったり打ちのめされたり浮き沈みが激しくてとても消耗する。更に困るのは、僕はそれが嫌じゃないことだ。
好きな相手を振り回すのは楽しい。でも振り回されるのは正直もっと楽しくて、つい期待してしまう。
僕はテーブルに突っ伏した。恋ってこんなに面倒臭くて格好悪くて苦しいものだっけ。触れられただけで赤くなったり、そんな柄じゃないのに全然うまくできないしコントロールが効かない。
残された二人分の食器が今の出来事を強調してるようで、僕はそれをなるべく見ずに乱暴に流しに突っ込んだ。

81484のはなし 7:2011/03/06(日) 22:12:48
4 自覚 【4主】

昨日の今日で気が重い。でも行かないのは、感じが悪い。約束の時間はもうあと10分までに迫っている。
昨日の失態は、今思い返しても自分らしくなかった。でも深い意味なんてまったくなくて、飛ばされそうとか米ついてるとか思ったから動いただけだ。これが他の奴で、例えば2主だったとしても自分は動いただろう。なぜ相手が変わるだけで、そこに含まれる意味も変わってくるのか。なぜ8主相手だと、あんなにも気まずくなるんだろう。
答えは一つ、奴がオレを好きでしかもフラれてるからだ。そういうのいちいち気にして行動してられるか。バカらしくて蹴りを入れてやりたくなる。
しかし、なぜオレは突然奴にそんなことナチュラルにしちゃってんだ?わからないのはそこだ。そしてなぜその一瞬を思い出すと、ちょっと待て!!と自分に言いたくなる程恥ずかしいのに、何度も何度も頭の中で反芻してるんだ?どっちも一瞬の出来事なのに、スローモーションみたいに焼き付いて離れない。嫌に色が鮮やかで、奴の服が目にうるさい。
そんなことをウダウダ考えてる間に、時間が来てしまった。ああ、行かなきゃ。あの赤いバンダナがオレを待ってる。忠犬みたいにひたすら奴は待つだろう。どうしようもなく、たまらない気持ちになった。

いつも通り二人して並んでベンチに座るが、一向に会話が続かない。ていうか話がない。お互い黙り尽くして下を向いている。気がつけば以前より座る位置が近くて、オレが腕を組み替えると8主の腕に当たる。その度に心臓が跳ね上がる。ものすごく緊張している。何だって奴相手にこんなに緊張してるんだろう。
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「…………なあ」
沈黙に耐え兼ねてついにオレが声をかけたら、奴が息を吸い込みそれが器官に入ったらしく、思いきりむせた。
「ぶはっげほっ」
「おおっ何だ大丈夫か!?」
「ごほっ…………すみません、なんか、あの」
「なんか?」
一瞬間を置いて、涙目の8主が言いにくそうに口を開く。
「なんか緊張して……」
奴は言うや否や背中を丸め、頭を抱え込んで顔を腕で覆った。
仕方ないので、まだむせているその背中をさすってやる。痩せて筋ばった背中で、骨の感触がした。
あまりに情けない姿だったので、オレは気が抜けてしまった。
二人して同じように緊張してたことにも、なんだか安心した。オレだけじゃなくてよかった。
だから、つい気を抜きすぎたんだと思う。ガードがなくなると、自分でも思ってもみなかったことが口をついて出ることって本当にある。それで初めて知るのだ、心の奥底で無意識に望んでいた本音を。

81584のはなし 8:2011/03/06(日) 22:13:12
お互い緊張が解けしばらく無駄話をして、やっといつものペースに戻ったところで、なんとなく聞いてみようという気になった。
オレとの唯一の共通点。その体に流れる、人間じゃないものの血についてだ。同じような境遇でありながら、オレ達はそれについて話をしたことはなかった。オレは意識して避けていた。して楽しい話じゃないし、傷を舐め合うのは御免だ。
ただふと、奴の考えを聞いてみたいと思った。
「お前はさ、先のこととか考えるか?」
「先のことって?」
「オレもお前も、たぶん半端なく長生きだろ。今の仲間がみんな、先に死んで誰もいなくなった時のこと」
「えー……」
8主はものすごく意外そうな、不思議な顔をした。そして実にあっけらかんと言い放った。
「考えてどうするんですか?」
「え?」
「だって、別に竜神里の人もいるし、僕の世界に長生きな人もチラホラいるし、別に何がどうってことはないんじゃないですか?」
「…………」
「みんなが先に死んじゃうのは悲しいけど……まあ僕が最期を看取ってあげられるし」
「看取る…………」
「いなくなっちゃうのはどうすることもできないし、いなくなった分、仲間を作れば淋しくないと思うんです」
「…………」
「しかも4主さんもいて、楽し……いやいや、退屈しなそうじゃないですか」
「……………………」
想像もしてなかった答えだった。オレは一人残された後、どう生きていくのか不安で不安でたまらなかったのに、奴の考えは不安なんて微塵もないシンプルで楽天的ものだった。それでいいのか?オレが考え過ぎなんだろうか。
うらやましくて、少し焦がれた。なんて強くてしなやかな生き方なんだろう。そんな風に考えることもできるのかと、目からウロコが落ちた。オレもそういう考え方ができてたら何かが変わっただろうか。
「……僕は、4主さんと一緒にいれたらいいなと思ってます」
8主が急に真剣な口調でそんなことを言い出した。
「…………」
勘弁してくれ、このタイミングでそんなことを言うなよ。オレもそうだったらいいなと思ってしまった。それを認めたくなくて、全力で否定しなきゃと思った。
「…………じょーだんじゃない」
「…………」
「だから好きだとか、そうういうのやめようぜ」
8主が明らかに不機嫌な顔になった。オレは、このまま奴に諦めさせるつもりだった。だってオレたち、男同士だ。バカげてる。何ができると言うんだ。
だったらこのままでいる方がいいじゃないか。それの方が、当たり前にずっと……。
「好きで、つきあって、ダメになったらずっと一緒にいられないじゃんか、よ…………」
あれ?
今、なんか、サラっとすごく重大なことを、口走ったような…………。
あれ?え?
……………………。
頭の中も、視界も一瞬真っ白になった。
オレは今何を言った?
……………………。
8主も固まっている。風が、一斉に、吹いた。

「わーーーー!!」
「わーーーー!!」
叫んだのは同時だった。
オレは8主の顔も見ずに一目散にそこから走って逃げた。8主はよく見えなかったけど、たぶん動かなかった。
何言ってるんだ。何考えてるんだ。
あんなの。
あんなの、まるでプロポーズじゃないか。
知らなかった。気付かなかった。最高にバカじゃないかオレ。なんてことだ。
オレ、8主が好きなんだ。
ずっと一緒にいたいんだ。だから、今のままでいたかったんだ。なんつー鈍さなんだろう。でも今、はっきりと言葉で自覚した。
なんだかもう、何もかも投げ出したくなった。心穏やかに生きていきたいのに、8主が嵐のように波紋を落とす。オレはそれに怒ったり傷ついたりはしゃいだりして、平穏なんて夢のまた夢だ。これはひどく疲れるけど、死ぬほど心地がいい。
もうごまかせなくなってしまった。8主からも自分の気持ちからも逃げられない。覚悟を決めなければいけない。
吹き荒れるその嵐の中に身を投じる、覚悟を。

81684のはなし 9:2011/03/06(日) 22:14:46
5 終わりと始まり 【4主】

夕食の時間になっても、風呂の時間になっても8主が降りてこない。
他の奴らは特に気にもせず、思い思いに散りもう寝静まった。オレは8主の部屋の前にいる。
軽くノックをしてみた。返事がない。思いきってドアノブを回したら、カギはかかっていなかったらしくあっさり開いた。
「8主」
ベッドの端で、もぞもぞ動く物体があった。毛布にくるまって奴はぐっすり寝ていた。いい身分だな!と思ったが、何も言わずオレもベッドに腰を降ろす。
部屋をぐるりと見回してから、改めて汚い部屋だと思って思わず苦笑の声が漏れる。
毛布から見える奴の髪の毛がごわごわで、さっき触ったその感触を思い出した。
「……8主、オレさ」
独り言のつもりだった。誰も、聞いてなくていいと思った。ぽつりと本音を吐き出す。
「話をしてる時、ずっとお前の手を見てて」
ずっとお前の手を見ながら思ってたんだ。おかしいかもしれないけど。
「思ったんだ。オレ、おかしいよな」
毛布からはみ出ている、8主の右手を見る。ゆるく握られていて、骨張ってる痩せた手。
「……その手に触ってみたいなんて」


【8主】
誰か部屋に入ってきた音で、目が覚めた。僕はあのまま眠り込んだらしい。この子供体質に少し呆れつつ、眠い目を擦る。
「8主」
4主さんの声だった。彼はゆっくりとベッドの対岸に座り、僕の方をみて声を漏らして苦笑した。
あまりの恥ずかしさに僕はもう狸寝入りを決め込んだ。どうせ僕は子供っぽくて頼りないよ。
「……8主、オレさ」
4主さんがぽつりと言う。最初、僕が起きてることをわかってるのかと思ったが、どうやらそうではなさそうだった。いつもよりすごく声が優しい。そうだこの人、本当は優しい人なのに。
「話をしてる時、ずっとお前の手を見てて」
僕の手?右手が毛布からはみ出てて、意識して動かさないように注意する。妙に緊張する。
「思ったんだ。オレ、おかしいよな」
何がおかしいいんだろう。でもなんだか慈しむような優しい声が、耳に残って僕はずっとこの声を聞いていたいと思った。
「……その手に触ってみたいなんて」

81784のはなし 10:2011/03/06(日) 22:15:06
耳を疑った。言葉が出なかったけど瞬間思わず僕は起き上がってしまって、マンガのように飛び上がって驚いた4主さんがそのまま床に崩れ落ちた。
「なっ!え!!……ええー!?」
「よっ4主さん!あのー!」
立ち上がれないまま後ずさる4主さんに、僕は詰め寄った。もう正気じゃなかった。理性なんて完全に失っていたた。
「いっ今の!あの!」
「いやいやいやいや!!うそうそ!マジ嘘だから!」
言いながら必死で顔を隠す4主さんまであと50センチくらいのところまで、僕はにじり寄る。壁際に彼を追い詰めて、覆い被さるように両手を掴んだ。なんとなく支配欲が満足して、僕はその気があったんだなとか頭の片隅で思う。
「……こっちを見て」
「…………いやだ」
「4主さん!今の、なんですか!」
「嘘だって!間違いだから!」
「確かにこの耳で聞いちゃったんですが!」
「なんで聞いてんだよ!狸寝入りとかマジ感じわりいよ!」
「最初は本当に寝てたんです!」
「理由にならねえ!!」
何がなんでも顔を見せたくないらしい4主さんが、身をよじってうつ伏せになろうとする。僕は彼に馬乗りになって全力でそれを阻止する。掴んだ両腕をがっちり握って、上に引き上げる。
「いたいって!お前!」
「意地っ張りな人にはっおしおきです!」
「ふざけんな!殺すぞ!」
「殺せばいい!どうせ!」
言いながら、僕は泣きそうになった。なぜここまで嫌がられて否定されてるんだろう。なんだか何をしても報われない自分が哀れで、いっそこのままやることやっちゃえばいいと思った。4主さんの意志なんてどうでもいい。嫌がって泣けばいい。僕をいいように振り回してきた罰だ。
思いながら、また涙が出た。後悔して泣く自分をリアルに見てしまった。どうしてこう、何もかもうまくいかないんだろう。
「…………8主」
今度は僕が顔を隠す番だった。込み上げてくる涙が止められなくて、掴んでいた彼の両手を離し僕は僕の顔を隠した。
「8主、ごめん」
4主さんに馬乗りになりながら、僕は嗚咽を漏らして泣いた。今彼にしてしまった暴力や、自分の浅ましさに打ちのめされた。好きだけでそれ以上望まないって思ってたのに、そこからなんて遠いところに自分は今いるんだろう。なぜ好きだけじゃダメで、それより深いことを望むのか。
4主さんが身を起こしてそっと僕の両腕に触れる。
「4主、さん」
しゃくりあげながら彼を呼んだ。
「うん」
「僕、は、あなたが好きだ」
「うん」
「だから、僕ができることは、全部、してあげたいって思った」
思ってた。自分ができることは、全部惜しみなく彼に与えてあげればいいと思った。
「でも、気がついたら、僕はあなたからの見返りを期待してる」
こっちが好きで勝手にやってることで、4主さんが望んだことじゃないのに、やってあげたことに対して見返りを望んでいる。最低なことだと思う。
「そんな自分が嫌で、でも4主さんは僕を否定したり期待させたりするから、僕もだんだんわからなくなってきて」
「ごめん8主。違うんだって」
「だんだん本当に好きなのか、もうただの執着なのかわからなくなってきて……」
「ごめん、な」
彼のおでこと僕のおでこがぶつかった。そんなに近い距離に顔がきてることに気がつかなくて、顔を上げたら唇が一瞬ぶつかった。
「え…………」
「あ、わり」
頭が真っ白になった。4主さんも意図してなかったことらしく、謝ってからものすごく焦って顔を離した。
「……………………」
「……………………」
気まずくてお互いしばらく黙り込んだ。今の、どう思ったんだろう。4主さんの様子を伺おうと思ってちらっと視線を上げたら、同じように僕を覗き込んだ彼とばっちり目が合って、確信した。
お互い、今のキスもどきでもう完全に友情の域を超えたことを理解した。だって僕はもっとキスしたいと思ったし、彼もたぶん同じ気持ちだと思う。こんなんじゃ全然満足できない。
「4主さん」
「…………」
何も答えないのが答えなんだと勝手に解釈して、僕は意を決して手を伸ばした。
首筋にかかる髪を、ゆっくりと払いながら首に触れる。僕が息を飲んだら4主さんも飲んで、なんだか笑ってしまう。緊張しすぎてどうにかなりそうで息を止める。
彼は目を伏せていて、緑色の睫が影を作る。吸い寄せられるようにまぶたに触れた。くすぐったそうに彼が苦笑して、それが可愛過ぎて嫌になった。なんなんだ、突然降って湧いた幸せに目が眩む。
4主さんはずっと何も言わなかった。一回目を閉じて、僕を見た。
友情の終わりと、始まった何かを感じた。今度は触れるだけじゃないキスをした。

81884のはなし 11:2011/03/06(日) 22:17:47
※性描写が含まれています。苦手な方は飛ばして下さいませ。

6 ネイキッド 【4主】

8主の舌が口の中に入って来て、好き勝手に口内を荒らす。嵐みたいに、何回も何回も角度を変えて、飽きる事なくキスが続く。息が続かないと思ったけど8主は全然平気そうで、負けたくなくてオレも平気なふりをする。
やっと離れていったと思ったら今度は首筋にキスをされて、声が出そうになった。
ゆっくりと上体を押され、完全に奴に組み敷かれた状態になる。せめてベッドの上でと思ったけど、お互いにそんな余裕はなかった。奴の体重を感じて、なんとなく落ち着かない気持ちになる。奴の首筋は日の匂いと汗の匂いが混じった匂いがして、でも嫌いじゃなかった。
オレの耳をなめながら、手をオレの上着にかける。ちょっと待てと言いたくなってでも意地で言葉を飲み込んだ。奴の手が上着の中で滑り、最初はためらいがちに、次第に無遠慮にオレの体をまさぐり思わず息が漏れた。
「ん……」
「ダメ?」
耳元で奴が囁いたその声だけで、どうにかなりそうだと思った。なんて声だ。聞いたこともないような甘くて熱っぽい声。語尾が粘る。
一人で冷静を保とうとしてる自分がバカらしくなって、もう雰囲気に酔ってしまおうと思った。こんなのはきっと酔ったもん勝ちだろう。だから、サービスで言ってやろうという気になった。
「8主」
「ん?」
「……お前がオレにしたかったこと、全部やっていいから」
「…………」
8主はがっくりうなだれて黙ってしまった。なんか失敗したかなと思って顔を覗き込んだら、真っ赤になってしつこくオレの視線を避けようとする。さすがに調子に乗りすぎたかと訂正しようとした時、やっと奴が口を開いた。
「夢かなこれ……」
「は?」
「なんかもう嬉しすぎて、死にそう」
そう言った奴が胸が詰まるほど可愛くて、思わずオレは奴の首にしがみついた。そのまま奴の乱れた頭にのっかっていたバンダナを外してやる。
上着をたくしあげられて脱がされそうになって、腰骨が直に床にあたって痛いなと思って床を見たら、8主がやっと気がついて申し訳無さそうな顔をして、ひどく焦りながら上着を丁寧に戻した。
「すみません、ベッドに行きましょう……」
「あ、ああ……」
立ち上がって促されるままベッドへ行こうとすると、また8主が何かに気付いたらしく慌ただしく部屋を出ようとした。
「何!」
「あ、あの!だって何か潤滑油とかないと痛いと思うんですけど……」
「潤滑油?」
どうせオレは初めてでそっち方面の知識なんて薄い。奴の言う通りに任せようと思った。

81984のはなし 12:2011/03/06(日) 22:18:19
※性描写が含まれています。苦手な方は飛ばして下さいませ。

一人残されて、ベッドの中で待ってるのもなんだかなと思って、オレはベッドの端っこに腰を降ろす。落ち着かなくて、好きにされるのを待ってるオレが気恥ずかしくてこのまま逃げてしまいたいと思った。自分の吐いた息が熱くてびっくりする。
五分もしないうちに8主が謎の小瓶を持って戻ってきて、残念なようなほっとしたような気分になった。
8主も座ってるオレを見て、なんとも言えない顔をした。
「それ……」
「なんか風呂場にあったんですけど、たぶん3女さんか4女さんのマッサージオイルみたいの」
「そんなん使ってんのかあいつら」
「まあ女性ですから……」
そういう、セックスするにあたって直接的な物が用意されて、なんだか本当にもう戻れないところにきたなと思う。一線を超えてしまったら本当にもう誤魔化すことはできない。
「……いなくなってるかと、ちょっと思った」
8主がぽつりと言った。オレも逃げようかと思ったとは言わないでおいた。
ここからまた仕切り直しなんて、ひどく馬鹿げていてバツが悪すぎて顔が見られないと思ったけど、奴は同じようにオレにのしかかり、押さえ込むように上からキスをくれる。思わず目を強くつぶったら、8主が息を漏らして笑った。
「へへ」
「……何それ」
自分の黄色い上着を乱暴に脱ぎながら、奴は笑っていた。
「……すごい、緊張してます」
「なんで?お前、別に始めてじゃないんだろ」
よっぽどオレの方がと言いかけて、奴の顔を見て二の句をつなぐのをやめた。そんな嬉しそうな顔しないでくれ。やめてくれよ、オレなんてそんなお前が思ってるほど大層なもんじゃないだろ。
言葉が出なくなって、オレは8主の肩に額を押し付けた。
今度は一気に上着を脱がされ、驚く間もなくまたキスが降ってくる。それに応えようとして、無意識に奴のシャツを強く握りしめる。奴はそこで初めて気がついたみたいに、自分のシャツを急いで脱いだ。そのままブーツとズボンを脱ぎ、少し躊躇ってから下着も脱ぐ。裸になった奴は、華奢だと思ってたけどこそまでじゃなくて、ちゃんと筋肉のついている細身の体つきをしていた。
オレも自分で脱いだ方がいいのかと思ってブーツに手をかけたら、奴がもう片方のブーツを脱がし、オレの肩に軽く歯を立てた。
「いてっ」
突然の奇行にびっくりして呆気に取られていたら、その隙に下着ごと全部脱がされた。なんなんだ。奴はいたずらっ子みたいな顔でにやついている。
「かわいい」
「…………むかつく」
こいつはこういう奴だった。いつだって主導権を握ろうとして勝手に暴走して失敗してオレの神経を逆撫でする。アホか学習しろと思うけど、いつまでも同じことを繰り返して失敗する8主を、馬鹿な子ほどかわいいと思ったことがあるなんて口が裂けても言わない。
奴のことなんか、オレは知ってるつもりで全然何も知らない。どんなことで喜んで、どんなことで泣くのかなんて興味もなかった。今は、何をしたらこいつは笑うんだろうと必死で考えてる。こんなオレなんて頭からまるごとくれてやる。だからもっとお前のことを教えてくれよ。
裸で抱き合うと体温が直に伝わってきて、今までよりもっと近くに感じた。どうしようもなくなって噛み付くみたいに8主にキスをした。

82084のはなし 13:2011/03/06(日) 22:18:56
7 再会 【4主】

目が覚めて、見なれない天井で一瞬驚いてから、状況を理解する。明け方で、カーテンの端からうっすら光が漏れている。黄色くて白い朝の光。部屋の中はグレーで、静まり返っていて少し冷たい。
隣には8主がいびきをかいて寝ていて、いつだって同じペースで無礼なこいつを見ていると安心する。シリアスになりきれなくてオレを泣かそうとして勢いあまって自分で泣いてしまう8主が、たぶん長いことオレは好きだったんだろう。自分でも気がつかないくらい緩やかに、低温火傷みたいにじっくりと8主の熱にやられ、オレはもう何もかも8主に許した。
与えることも与えられることも、優しくすることも優しくされることも。行為自体は痛すぎて何がなんだかわからなかった。ただ8主の手や声や唇の感触とかがいちいち嫌になるほど優しくて、大事にしようとしてくれてることだけはわかった。それで十分だと思った。
いろいろなことが、変わってきている。そういう流れなんだろう。
カーテンから漏れる光が、色を増した。
何があっても人としての自分を捨てられなかった。一番幸せだった時、一番辛かった時、愛や強さを教えてくれたのは人だった。だから、自分も人でありたかった。彼等と同じように太く短くそして強く、一瞬の閃光みたいに生きて死にたいと望んだ。
しかしどうやらそれは叶わなそうで、天空人でもなく人にもなりきれず長い間居場所を探していた。どこにいっても後ろめたさや疎外感を感じて、子供の頃のように何も考えず堂々と当たり前に生きられる場所を探して求めていた。
同時に、この先の気が遠くなるほど長い時間をオレは一人で生きていくんだなと、ぼんやりと考えていた。シンシアもいなくなった今、天空人の血の入ったオレと時間を共有できる人間なんているはずがない。
先は長過ぎて見えなさ過ぎて、不安なのかどうなのかもわからなかった。そこに現れたのが、同じように人外の血を半分持っている8主だった。
渡りに船、みたいな感じだったんだと思う。きっと無意識に、オレ達はずっと一緒にいられる存在を探していたんだろう。初めて会った時から、なぜか目が追わずにはいられなくて、その赤いバンダナをいつも探した。シンシアを裏切ろうとしている自分が許せなくて、気付かない振りをしてきた。
でもずっと好きだったんだ。

光が漏れているカーテンを、そっと開けてみた。
言葉を失った。色の洪水みたいな、圧倒的な光がそこにはあった。色とりどりの極彩色の光たち。刺すように強くてでも優しく自分を包む、昔は当たり前に見えていた光だ。
そうだ、ずっと忘れていた。モノクロの世界を生きていた。世界はこんなに美しかった。失われてから長い間つよく切望していたのに、そのことすら忘れていた。
ずっとここにあったのに、見えていなかった。何もかも失ったあの日、この気持ちも亡くした。世界はあの頃と同じように美しくて優しかったのに、拒んでいたのは自分だった。全てが終わってからも、自分のせいで失われた人達に対して、自分だけ自分のために光の世界で生きていくのが後ろめたくてとても辛くて、ずっと背を向けて目隠しをしていた。
自分の役目は終わったのに、自分はなぜ終わらないのか、まるで罰みたいに生かされているのか、その意味をあれから長く考えていた。
今度は自分で選んだ道を自分のためだけに自由に行けるのに、それを追放や黙殺のように捉えていた。身一つで投げ出されたのだと思っていた。
与えられたのは罰じゃなくて自由だった。
今初めて、感謝したくなった。再びこの景色を見れたことに、生かされたことに、そして8主に。
あれから一人で生きてきたつもりだった。でも本当はいつだって守られていた。何ひとつ、優しくないものなんてなかった。
ごめん。ありがとう。何を言っても言葉では足りなくて、感情が渦みたいに溢れ出して息を飲んだ。
涙が止まらなかった。

「シンシア」
こんなところにいたんだね。やっと会えたね。
ごめんね、今までありがとう。もう、君がいなくても大丈夫だよ。
生きていくからちゃんと。
一緒にいてくれてありがとう。
オレは、君のことも、ずっと好きだったよ。
君がオレのことを好きでいてくれたことも、ちゃんとわかってたよ。
一生に大事に持っておくね。ありがとう。
シンシアは、今までで一番きれいで美しくて笑顔だった。

82184のはなし 14ラスト:2011/03/06(日) 22:19:58
8 愛にすべてを 【8主】

起きた時、そこに寝てるのは僕一人だった。起きぬけに抱きしめるとか、目覚めのキスとかしたかったのに全然ムードのかけらもなく、4主さんは今日も早起きだった。
起こしてくれればいいのに。こんな朝なのに、別にどうでもいいのかな。なんだか僕だけ浮かれてて淋しい。
しぶしぶ身を起こして、なぜか畳まれてまとめられている服を着る。確かその辺に焦って脱ぎ捨てたやつで、4主さんが拾って畳んだのかと思うと異常に恥ずかしくなった。マメな男となんて付き合うもんじゃない。
昨日の色々で乱れた部屋の箇所は全部きれいに整えられていて、まるごと夢だったと言われれば信じてしまいそうだった。そんなに証拠隠滅したいかと疑いたくなる。
後悔してたらどうしよう。
昨日の出来事を証明するものはもう何もなくて、でも僕は彼の声や熱を覚えていて、思い出しては苦しくなりそうだった。最中、僕はずっと彼の睫の生え際や眉間や口元を見ていて、何も言わない4主さんの反応をそれらの微妙な変化で判断するしかなかった。やっぱり相当痛かったみたいだけど、必死で我慢して僕を受け入れようとする彼に胸が詰まった。
与えることや優しくすることはそんなに難しいことじゃない。難しいのはそれを維持していくことだ。彼の警戒心が解けた。僕はその信頼を無くさないように、大事にしよう。
大丈夫、僕はいなくならない。突然嘘のように消えたりなんかしない。
だから安心していい。安心して僕を好きになっていい。大丈夫だからもう、大事な人を持つのを怖がらなくていい。
なんだか泣きたくなった。奪われてしまったものにいつまでも捕われている彼が、小動物のようにうずくまって身を守るしかなかった彼が、今やっと過去になろうとしている。痛々しいその姿をもう見なくて済む。
やっと夜が明けたような、やっと日の光を見たような気分だった。
心の底から祈った。彼と、僕の未来を。

朝から騒がしいキッチンに行くといつもの面子が食卓を囲んでいて、本当に飯を食ってるだけなのかと言いたくなるほど激しいアクションを繰り広げていた。あまりに日常すぎて気が抜けた。
何があったって日常は変わらなくて、そのことに死ぬほど安心する。
その輪の中で、4主さんはうるせーとか言いながら乱暴にコーヒーを注いでいた。
食卓にはきちんと人数分の朝食が並べられていて、こんな日くらい他の人の飯とかどーでもいーじゃないですかと思ったが、彼には譲れぬ問題なんだろう。
キッチンに入ろうとした時、顔を上げた彼と目が合った。あ。僕は一瞬頭が真っ白になって反応が遅れた。
彼は微かに笑った。
その顔を見て、なんとなくもう全部ふっきれたのかなと思った。とりあえずあれでよかったみたいだ。初めて見る穏やかな顔だったから、見なれなくて変な感じがした。
僕も思わず笑顔を返した。
これから楽しいこと、僕といっぱいしよう。もういいって言うくらい退屈しない毎日を送ろう。
嫌になるくらい一緒にいよう。何度だって喧嘩しよう。僕はあなたのために悩むことなんか全然構わない。悩み疲れても平気。
「おっせーよ!」
4主さんが声を張り上げた。隠し切れない笑みが、照れと混じって動揺したらしく思い切りコーヒーをこぼしていた。僕もにやけるのが止められなくて、反射的に憎まれ口を叩いた。
「鳥さんみたいに朝日と同時には起きられませんから!」
「なんだと!表出ろ!」
「望むところです!」
言い合いながら二人して外へ駆け出した。どちらともなく手を伸ばして、僕ら手をつないだ。
顔を見合わせて笑いあった。意味がわからないくらい気持ちが高揚して、目に見えるものすべてが大事で美しく見えた。むせかえるような光に溢れていて全部がキラキラしていた。
隣で屈託なく笑う彼に、抱きしめて百万回でもキスしよう。繋いだ手を二度と離さないように大切に握り締めた。

おしまい

822名無しの勇者:2011/03/07(月) 21:16:58
>>808

ちょ…待ってくれ…
こんな一気に萌えさせないでくれ…!
GJ!そしてごちそうさま!!

823名無しの勇者:2011/03/08(火) 00:46:23
萌えすぎてベッドから落ちた

824名無しの勇者:2011/03/17(木) 00:06:08
>>808
久々に覗いてみたら素晴らしい84が
不器用で手探りな二人にひたすら萌えましたGJ!

82584中心オールキャラ 1/3:2011/03/20(日) 21:57:49
超監督4女


8主「4主さん、僕がツンデレ属性なのは知っていますよね?」
4主「あぁ、なんかそうらしいな」
8主「だから、いつも素直になれないんですけど・・・
   今日は4主さんに伝えたいことがあるんです」
4主「伝えたいこと・・・?」
8主「はい。僕は・・・ずっと前から4主さんのことが・・・」
4主「俺の、ことが・・・?」
8主「・・・・・・ウェッ」
4主「・・・・・・ウエェェエエ」


『はい、カァーーット』


4女「ちょっとぉ!早く次の台詞言ってよ!」
8主「いやいやいや、無理ですって!見てくださいよこの鳥肌。
こんなん続けてたら4主さんみたいになっちゃいますよ」
4主「表出ろこのクソ竜。見ろ!俺のこの蕁麻疹を!」
4女「もう!またすぐ喧嘩して!主演二人がそんなんじゃ撮影がうまくいかないじゃない!
   真面目にやってよね!」

4・8主『いや、無理!!』

4女「困ったわねぇ・・・」
8主「だいたい、BLってなんですか、BLって」
4女「ボーイズラブよ!今流行ってんのよ、主に私らの中でw」
4主「お前らの中でかよwwwテラ迷惑wwwwww」
4女「うるさいわねぇ。大体、一度引き受けた仕事をそう簡単に投げ出すのはよくないわ!
ねぇ、3女ちゃん!」
3女「・・・まあ、男らしくはないな、うん」
8主「・・・3女さんもハマってるんですか?その、BLに・・・」
3女「いや、アタシは興味ないって言ったんだけど、4女が無理やり・・・!」
4女「でも、面白かったんだよねー?」
3女「まあ、うん・・・」
4女「こんだけ野郎どもがそろってる宿舎だもん、
やっぱBLストーリーのひとつやふたつあってもいいじゃない?」
4主「野郎どもがそろってるってだけでBLな世界が溢れてたらまずいと思うぞ、jk」
4女「もう、さっきからうっさいわねぇ!次が控えてんだからさっさと済ますわよ!」
4主「次って・・・俺らのほかにも哀れな犠牲者が?」
4女「モチのロンよ!5主による1主と2主の調教ものと、
6主と7主の兄弟設定ものを予定してるわ」
3女「男3主は編集を頼んであるから、今回は出演はなしだ」

4・8主『・・・・・・・・・('A`)』

82684中心オールキャラ 2/3:2011/03/20(日) 21:59:12
4主「えー・・・とりあえず、男ども全員集合」
8主「皆さん何でこの話を引き受けたのかkwsk」

5主「僕は、妻二人にも見てみたいって言われたしなぁ。
それに人でも魔物でも優しく調教するのは慣れてるしね」
4主「なんか今最後にサラリとすごいこと言ったな。じゃあ次は1主」
1主「俺はローラに『楽しみにしておりますわ、ぽっ』って言われてさ・・・。
  『はい・いいえ』の無限ループするという選択肢すら与えて貰えなかった('A`)」
8主「・・・無限ループがないっていうのが必ずしも良いってわけじゃないんですねぇ。
じゃあ、次は2主さん」
2主「俺はご先祖に頼まれたからな!
びーえるってなにかよくわからないけど、ムーンも応援してくれてたしがんばるぞ!」
4主「・・・まあ、俺もシンシアちゃんに頼まれて、BLの意味も分からず引き受けちゃったしな・・・」
8主「そうなんですよね。実は僕もミーちゃんに頼まれて(ry」
  (まあ本当はどさくさに紛れて4主さんにあんなことやそんなこと
   ギシギシアンアンイヤンソコハダメヨバカーンってできると思って引き受けたんですけどね(・∀・)ニヤニヤ)

4主「ん?なんか今寒気が・・・まぁいい。じゃあ次は6主」
6主「俺はおにいちゃんとして妹の頼みは断るわけにはいかないからな!」
8主「妹の頼みとあれば、BLだろうと何だろうと引き受ける6主さんはおにいちゃんの鏡ですね。
   えぇと、7主さんは?」
7主「僕はマリベルに『アンタも参加してみたらどう?べ、別に私が見たいってわけじゃないんだからね!』
  って言われたからなんだけど、たまにはこういうお尻が痛そうなプレイもいいかなって。ハァハァ」
4主「MはBLすら受け入れるのか・・・?んで、今回安全圏にいる3主は?」
3主「どこが安全圏だよ!3女と4女のGLものならともかく、
   何が楽しくて俺のPCでお前らのBL編集せにゃならんのだ!コレハアラテノイジメデスカ…?」
8主「確かに、そういう意味では安全圏からは程遠いどころか
   PCの中はブラクラまみれで悲惨ですねw」

82784中心オールキャラ 3/3:2011/03/20(日) 21:59:48
4女「はいはい、休憩おしまい!さっさと再開しないと
   告白シーンから3段飛ばししていきなりベットシーンのとこやらすわよ!?」
4主「おまwwwそんなシーンまで撮るつもりだったのか」
4女「当たり前でしょ!つーか、むしろそこが本番ですからwww」
4主「悪いがそこまでは付き合いきれんな。おい、8主。
   いつまでもこんな阿呆なことに付き合ってないで帰るぞ」
4女「ちょっとぉ!途中で帰る気!?」
4主「当たり前だ!ほれ、8主行くぞ!」
8主「・・・4主さん」
4主「ん?なんだ?」
8主「僕はやっぱり物事を途中で放り投げるのはよくないと思うんですよ(・∀・)ニコニコ」
4主「はぁ!?」
8主「4女さん、次はベットシーンでしたよね。
   ・・・はい、4主さん、暴れないでくださいねー」
4主「おい!こら!!8主てめぇ何考えてやがるっ!」
8主「大丈夫ですよ、僕はゴッドランサーと呼ばれている男ですよ?
   下のヤリの方のテクにも自信があります('∀`)b☆」
4主「意味がわからないし笑えない!
   いいからその当たっとるもんをどうにかしてくれ!」
8主「うん、それ無理!・・・ですよ、っと」
4主「わっ、ばかっ!どこ触って・・・ぁ、ん・・・っ」

4女「やればできるじゃない、アンタたち!さあこの調子で『ガンガンいくわよ!』」

8主「イエッサー☆」
4主「・・・モウオヨメニイケナイヨシンシアチャンクスン」




3主「えー・・・最後にこれだけは入れさせてもらうぞ。
 
  『この物語はフィクションであり実在する人物、団体、事件、
   その他の固有名詞や現象などとはなんの関係もありません。嘘っぱちです。
   どっか似ていたとしてもそれはたまたま偶然です。他人のそら似です。』

  ・・・これでよし・・・か?」

828825:2011/03/20(日) 22:03:40
久しぶりに覗いたら再燃したのでちょっと投下。
9が発売される前に書いたネタなのでちょっと色々
おかしなところがあるかもしれませんが
そこは広い心でみてやって下さい。

>>808さんちょう萌えました!

829名無しの勇者:2011/03/23(水) 19:04:48
>>825
嫁にいけない4主さんには、むしろ婿の方から来ると思います。
賑やかで楽しかったよ、乙でした

830名無しの勇者:2011/04/02(土) 04:50:20
>>808-821
萌えとか通り越して号泣した
もう、ただただ幸せになってくれとしか

>>825
とりあえず最後の3主のフォロー(?)に笑ったw

831名無しの勇者:2011/04/08(金) 19:31:30
>>808-821
萌えすぎて胸が苦しい
ありがとう

>>825
ホイホイうまいこと操られてる面々にワロタ

83248  注意書き:2011/05/22(日) 19:36:27
真剣に48です。シリアス悲恋気味です。
B○MP OF ○HIKINの「ラ○・メイカー」が元ネタになってます。
苦手な方や歌のイメージを壊されたくない方はご注意ください。

83348  (1):2011/05/22(日) 19:37:56

コンコン
「……」
コンコン
「……」
コンコン
「……もう、なんだよ……誰だ?」
「名乗るほど大した名じゃないですが」
「帰れ」
「あっ、ひどい。僕まだ名乗ってすらいな」
「帰れ」
「せめて用件尋ねてくださいよ!」
「……何しに来たんだ」
「あなたに笑顔を持ってきました」
「呼んでない。帰れ」
「寒いので入れてください」
「冗談じゃねえ」
「よっこいしょっと」
「なに座ってんだよ」
「ドア越しにでも4主さんと背中合わせになろうと思って」
「…………」
「あ、びっくりしてますね? なんでドアに寄りかかって座ってるのわかったんだろうって?
 まあ声の近さもありますけど一番の要因は勘ってやつですかね」
「いいから早く帰れ。……俺に構うな」
「構うなと言われると構いたくなっちゃうのが男心ってやつですが」
「……っうるせえな! 消えろっつってんだろ、二度と俺の前に姿見せんな!」
「…………。
 ……なんか、そこまで言われるの久々ですね。ああ、耐性無くなっちゃったかも。地味に堪えます」
「……」
「懐かしいですよね。いっぱい周りに怒られましたけど、でも僕なりに考えてるつもりだったんですよ。
 2主さんの勉強にちょっかい出すのも、鳥鳥言うのも。……宿舎崩壊はちょっと違いますけど」
「……そうだな」
「でもなんだかんだで当人同士はわかってたんですよね。本気じゃなくてじゃれ合いだって」
「……俺は結構本気だった」
「え、そうなんですか。僕なりにマジギレ一歩手前でさじ加減計ってたつもりだったんですが」
「あれでか。だとしたらお前の感性疑う」
「それは残念です。ところでこのドアまだ開かないんですか?」
「開かない。帰れ。死ね」
「うわぁちょっと泣きますよホント」
「やめろ鬱陶しい。……早く帰ればいいだろ、トロデーンに」
「……」

834名無しの勇者:2011/05/22(日) 19:39:40
wktk

83548  (2):2011/05/22(日) 19:39:42

「最初はね、あなたのこと嫌いでしたよ」
「……」
「だって最初の印象なんて、苦労してんのは自分だけじゃないのに勝手にトリップとかして
 現実見ないで悲劇のヒーローぶった挙句竜の端くれってだけの理由で関係ない僕とかにまで因縁つけたり、
 結構最悪じゃないですか。いや正直ほんと嫌いでした。あっはっは」
「……」
「だからぶっちゃけ、最初のほうは結構悪意あったんですよね、えへへ。
 ……そうですね、その辺はすみませんでした」
「……」
「なんか、まだまだ僕も子供だったんですよね。それこそ相手がどんな辛さ抱えてるかなんて、
 僕一人が計り知ることはできないのに。それができてたら、今も色々違ったんでしょうかね」
「……」
「……4主さんは、いつだって反応を返してくれましたよね。僕のしょーもない悪意も善意も冗談も、
 なんだかんだ言って毎回ちゃんと受け止めて、返してくれましたよね」
「……」
「まあ、その反応っていうのが大体ギガソードとかギガデインとかの手痛い感じでしたけど。
 でも、無視することはなくて」
「……」
「本気で嫌われてるんじゃないのが、嬉しくて」
「……」
「……」
「……」
「やっぱり開けてもらえませんか」
「帰ってくれ」
「あはは……なんか本当久しぶりですね、ここまで拒否されるのも」
「……」
「……最初は、悪意でしたけど」
「……」
「それでも、僕は……いつからか、本当に……」
「……」
「本気で……あなたに、笑ってほしかったん、です……っ」


(……泣き声)
(泣き声)
(……泣いてんのか)
(ああ、そっか。4主さんも泣いてたのか……)

83648  (3):2011/05/22(日) 19:40:56

「……疲れた」
「そうですね」
「……ここまで来てまだ俺に笑えって言うのか?」
「生き甲斐みたいなもんですから。笑顔を見れなきゃ帰れません」
「……なんでだよ」
「帰れません」
「……」

「……8主」
「はい?」
「……開けないんじゃなくて、開けられない、んだ」
「……」
「……途中から……別に俺らは、嫌い合ってるんじゃないんだって。
 それが、わかって、嬉しかったのは……お前だけじゃ、なくて」
「……」
「しかも、どっかで俺は……失くした居場所とか、果てない寿命とか、
 この身に流れる血とか、色んなもんをごっちゃにしてて」
「……」
「これから先、ずっと……お前の傍にいられたらって、思ってた」

「……開けたいなら、開けてくれ。鍵なんか最初からかかってない。
 俺から開けることはできない。ただ俺は、俺からは、お前に顔向けできない」

「……なんとか言ってくれ……。
 8主、そこにいるんだろ?」

「……いないのか?
 まさか……おい、8主?」

「8主。…………――――8主!!」

ドガシャーン

「……は、な、」
「ていうかわざわざドアから入る必要ありませんよね、そういえば。
 任せてください、僕の手にかかれば最後のカギですら敵じゃなごふっ」
「よりによって壁けやぶんな、このどアホ!!」
「い、いたたた……いやだってコレそういう話ですから」
「そういう話って。とにかくちゃんと直しておけよ、俺の部屋の壁」
「直しておけってことは僕またここに来てもいいんですよね」
「は?」
「今確かにそう言いましたよね。直しにくるからここにいてもいいんですよね。
 というわけで4主さん、僕の話を聞いてください」

「僕、ミーちゃんと結婚します」

83748  (4):2011/05/22(日) 19:42:17

「……」
「他の皆さんには伝えたんですけど、4主さんだけどうしても入れ違いになって、伝えられなくて。
 遅くなってすみません」
「……知ってる」
「そうでしょうね。そう思ったからここに来ました」
「……」
「4主さん。僕のエゴだってわかってます。でもお願いします。
 ……笑ってください。あなたの笑顔を、僕にください」

「…………4主さん」
「……」
「誰も抱きしめてくれなんて言ってないです」
「……」
「そんなとこで笑っても顔が見えなきゃ意味ないじゃないですか」
「……黙ってろ」
「ていうか嫁入り前の清い身体ですよ」
「婿だろ」
「些細な問題です」
「些細なのか」
「些細です」
「……ふ」
「あ」
「……。お前の泣き顔が笑えるなと思って」
「4主さんの泣き顔の方が笑えますよ。ほら鏡」
「なんでそんなもん持ってんだよ。確かに笑、え……る」
「……笑ってますよ」
「……」
「笑ってます。笑っていられますよ、ずっと。僕なんかいなくても」
「……当たり前だろ。自惚れんな」
「さっきまでビービー泣いてたくせに、口の減らない人ですね。
 でも、だったら……それなら、いいんです」
「……」

「きっと……いつか、果てしなく未来には、ここに帰ってくるんでしょうけど」
「……ああ」
「それまでちょっと、行ってきますから」
「ああ。……鍵開けて、待ってるから」


ルララ ルラ ルララ ルラ…

83848  あとがき:2011/05/22(日) 19:43:48
すみません、毛色が違うというか間違ってるかもと投下に踏み切るまで悩んだんですが、
たまにはこういうのもどうでしょう、ということで。
一人でも楽しんでもらえれば幸いです。

839名無しの勇者:2011/05/22(日) 20:07:49
果てしなく未来には帰ってくる、ってのが切ねぇなぁ
寿命的に

8408→4:2011/06/13(月) 02:24:02
自覚があるんだかないんだかの8→4を投下

8418→4 1/3:2011/06/13(月) 02:25:11
梅雨という独特の時季を迎えたこちらの世界では中休みとでもいうのだろうか、久々に晴れた日が続いていた。
だがTVの週間天気予報では明日から再び崩れがちになるという。貴重な晴れ間を謳歌するようにはためく洗濯物を横切り、8主は大きく開けた庭の一部を陣取る。
せっかくの晴天・休暇日・10時のプリンで満たされた腹具合。
これほどの至福が揃っているのだ、満喫しない手はないだろう。乾いた大地に大きく手足を広げて木陰に寝転がれば、空と雲、そして若葉が織りなす見事なコントラストが視界を彩る。
澄んだ空色と瑞々しい緑にかの人のイメージを重ね、眩しさを覚えて8主は目を伏せた。
瞼の裏には朝食後に会話を交わした相手の姿が焼きついたように鮮明に浮かんでいる。
肩元へと緩やかに流れる翠緑の髪、磨き上げられた象牙にも劣らぬ白い肌、整った顔立ちに印象的な碧い瞳。しかし折角の端整なそれらは、しかめっ面によって残念なことになっている。
さらには続いた言葉も厳しく耳に痛いもの。
『梅雨はまだ長いんだ。今日のうちに不気味なダンジョンと化した部屋を片しておけよ』
落ち着いた声音とは裏腹に有無を言わせぬ魔王もかくやという凄味を効かせて、村の作業へと出かけて行った4主を見送りかれこれ2時間は経ったか。
他の面々も皆(ニート兼宿舎警備員以外)は出払った宿舎内。
先程まで身を置いていた自分の部屋の現状を思い起こし、嘆息する。
多少の乱雑さはいなめないものの、さりとて不便を感じることもなく慣れてしまえば快適とさえ思える空間。だが、いざ掃除をするとなると何故ああも絶望を抱かせる場所となるのだろうか。このままではゾーマが得をするだけだと作業を中断したはいいが部屋を出るのも、ドアを閉めるのも一苦労だった。
10時のプリンによって絶望の供給は断たれたわけだが、掃除を再開すれば絶望の無限ループは免れない。
しかしサボってしまえばドラゴンヌッコロス補強版のギガソードが唸りをあげる……
不意に。
8主のそんなダラダラとした取り留めのない思考を逸らすように、風が涼やかな流れに変わる。鋭くも清麗な気配が近づいてくるのを感覚に捉えた。
噂をすれば影とはよく言ったものだ。
知らず口元が緩みそうになるが引き締める。目もまだ開けずに気配がこちらへと辿り着くのを待ってから、口だけを開いた。
「腐っても主人公の一人である僕が絶望に臨み、図らずも魔王に力を与えてしまうような真似はいかがなものかと思った次第です」
「お前が腐っているのには同意するが、それは戯れ言であって言い訳にはならんだろ」
「というわけで来月から本気出します」
「ダメ人間の常套句じゃねえか」
相手の打てば響く反応はいつも8主の心を躍らせる。
堪えきれない気持ちでようやく瞼を上げれば、4主が懐疑心もあらわに腕を組み、双眸を眇めて見下ろしていた。澄んだ蒼穹を思わせる瞳は光の加減か長い睫毛が落とす影によるものか、深みを増した瑠璃色に色づいている。
脳裏に映していたしかめっ面と違わず、現実もまた相変わらずの表情だ。彼が8主に向ける視線や表情の大抵は(日頃の行いがものをいうのだろう)険しく冷然としている。
8主は内心含み笑う。
いつからか不快げに寄せられた眉根や獰猛ささえ漂うそれを、8主は艶やかなものと錯覚するようになった。
そそられるのは嗜虐心か、被虐心か。

8428→4 2/3:2011/06/13(月) 02:26:29
わき返る健全とは言い難い自分でも不可解な感情をいつも通りに笑みへと昇華して、訝る4主に構わず会話を続ける。
「ダメ人間だなんて失敬な。3主さんの『来世から本気出す』っていう言い分に比べれば僕は随分まともな方ですよ?」
矛先を逸らさんとした8主の発言に4主がげんなりとした顔をする。
「だめだアイツ、早くなんとかしn……いや、3主のことは今はどうでもいい。お前のほうも大概だろうが。俺は今朝、今日中に部屋の掃除を済ませろと言ったはずだ。こんなとこで寝てる暇はないぞ」
「しかしですね、僕の部屋の状態は日々の錬金生活で積み重ねて築き上げていった賜物です。一日や二日でどうにか出来るものではありません。4主さんはご存じでしょうか?かのとんち僧侶いわく、あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみと」
「OK、お前のやる気はあてにならんということがよく分かった。今更だがな!」
4主の吐き捨てる言葉の勢いと怒りを湛える瞳に酔い痴れつつ、身を起こす。
わずかに縮んだ距離感。
今や視界には雄大な青と白と緑のコントラストは色褪せ、眼前の青年こそが映える。
「久しぶりの晴れ空です。こんなに綺麗な情景が広がってるんですから、もう少しだけ堪能させてくださいよ」
言い訳めいた8主の言葉を受けて静かに空を見上げた彼が、表情から怒りを収めたように見えたのは麗らかな大空に心奪われたからだろうか。それとも。
愁いを帯びた端麗な横顔に、胸が疼いた。
4主は目を伏せて大きく息をついた。なにかを堪えるようにこめかみに手を当て、再び開いた目で8主を見据えて宣告する。
「……いいだろう。あと10分程度なら許容してやる。それ以上は片付ける権利を放棄したとみなし、こちらでがらくたダンジョン殲滅作戦を遂行する」
愁眉の影もない冷静沈着な指揮官の目だった。
「ちょっと待ってください。部屋そのものを殲滅するような言い方が引っ掛かるんですが」
天候に反した話題の雲行きの不穏さに飛び跳ねる勢いで立ち上がり、8主は慌てて抗議する。
「失敬な。果汁組じゃあるまいし」
「その言い草こそが失敬ですよ!まあ、4主さんにかぎって崩壊ルートの進行は心配してませんけど。明らかに僕の持ち物の行方が怪しいじゃないですか。そもそもがらくた呼ばわりもひどいじゃないですか。この世に雑草などという草がないように、あの部屋にもがらくたなどという物はありません。すべてが尊い宝物ですよ!」
「おもしろくない、出直してまいれ」
「そんなひどい!がらくた呼ばわりの上に渾身の訴えをジョーク扱い!?」
「おもしろくない、出直してまいれ」
「2度も言った!?このフレーズでループはなんともシュール!!あ、なんか語感いいですねこれ。このフレーズでループはなんともシュール!」
「どや顔で言うな。イラッとくるわ」
「ああ、よかった。このままボケ倒されたらどうしようかと思いましたよ……」

8438→4 3/3:2011/06/13(月) 02:27:22
4主のリアクションが素に戻り、息つく間もないやりとりに一区切りつく。
8主は安堵とも疲労ともつかない、それでいてどこか浮き立つ気持ちに自嘲混じりの嘆息とともに肩を落とした。
喜怒哀楽のすべてに合致しているようで、すべてが当てはまらない。自分でも持て余し気味のよく分からない感情を4主が無自覚に引き出し、かき乱す。
鳥ネタ全盛の険悪とした以前の状況から脱した現在の、この振り回し振り回される関係は不快感よりも言いようもない心地良さを8主の胸に生じさせるから、どうにも彼はやみつきになる。
「ほれ、こんなことやってる暇があったら部屋の掃除にとりかかるぞ」
呆れた気持ちを4主はそのまま表情に滲ませながら、それでも。
わざわざ村の仕事を早めに切り上げてまで、8主には余る作業に手を貸そうと戻って来てくれた。
きっと、こんな心遣いにこそ惹かれてやまないのかもしれない。
「でもあと5分くらいはいいですよね?」
「ああ?」
「10分程度なら許すって」
「まぁな。だが適当に切り上げろよ。俺は先に部屋で作業……なんだよ?」
踵を返す動作に移ろうとした身体を引き留めるため伸ばした手は、辛うじて4主の袖を掴む。腕を掴む度胸はなかった。いや、この場合は勇気だろうか?
「そうつれないことは言わずに。毒を食らわば皿まで、死なば諸共の戦場へと向かう前にこの久々の晴天を一緒に満喫しませんか?」
悪態や挑発ならいくらでも出てくるのに。絞り出した本音は減らず口が精々だ。
「……毒やら戦場やらという自覚があるなら、何故そうならないように努めんのだお前は」
肩をすくめた4主のもっともな返しと半眼の咎める視線は痛い。
けれど振り払われなかった手が、密かな望みを汲んでくれた気がした。

そうして二人でわりと和やかなひとときを過ごしたわけだが。
いざ8主の部屋に入らんとすると限界を迎えた扉が吹き飛び、二人まとめて廊下でがらくたに埋もれ、説教と言い訳の不毛なやりとりに移行するのはご愛嬌だろう。

84434女体化ネタ注意 1/1:2011/07/14(木) 22:25:08

3主「いきなりで悪いが4主、童貞を卒業したい」
4主「ほらよ」つ切れ込み入り蒟蒻
3主「ばっ…そういうのじゃなくてだな、ヤらせてくれればいいじゃないか」
4主「そんな事言われたって俺男だし。
それにここではそっちの意味で童貞卒業してんだろ」
3主「ヤダヤダー!女の子とヤるまで童貞なんだー!!」
4主「意味わかんねぇよ!!
しかも女になんかなれるか!」
3主「そこでモシャスの出番ですよお兄さん」
4主「誰がお兄さんだ。
それにあれは誰かに変身する訳であって俺であって俺でないんだぞ」
3主「出来れば女になったお前とヤりたい」
4主「4女に言ってギガソード喰らって来い」
3主「モシャスの応用で何とかなんねーのかよ!!」
4主「頑張れば部分的変化は出来るだろうけど…」
3主「よしならやってみろ」
4主「やだよ、ヤられるし」
3主「わーってるって。俺もそこんとこ男だから我慢するよ」
4主「男だから心配なんだが…モシャス!」

4主は女の姿に変身した!

3主「おおーっ!!スゲェ超可愛い!
美人で胸でかくて細身って正直タイプだわ」
女4「厨2の男が好きそうな2次元の美少女にピッタリ当て嵌まってる訳だな。
もういいだろ、元に戻るぞ」
3主「あっ、ちょ待っ」ゴンッ
女4「なんだよ何処触ってn」
3主「バランスが…わわっ倒れる!」グラッ
女4「俺巻き添え…きゃーっ!!」

ドンガラガッシャーン!!

3主「イタタタ…大丈夫か4主?」
女4「んぅ……ここは…?
貴方は…?」
3主「へ?」
女4「私のご主人様ですか?」

4主はそう言うと頬を赤らめながらふわりと柔らかな笑みを浮かべた。
どうやら家政夫という記憶とこの状況から記憶が混乱しているらしい。
どうするよ俺!?



続く?

845名無しの勇者:2011/07/14(木) 23:48:34
女体化は一言入れて欲しかった…

846名無しの勇者:2011/07/15(金) 13:50:31
名前欄にはそう書いてあるんだから避けようと思えば避けれたんじゃ?
個人的には続いて欲しい

847名無しの勇者:2011/07/15(金) 23:11:11
あ、名前欄にありましたね…失礼しました

848844続き 1/1 女体化ネタ注意:2011/07/21(木) 22:46:05
女4「3主様、お食事をご用意いたしました」
3主「ん。」
女4「では私は洗濯物を干してまいしますね」

にこっと明るい笑顔を残して去る彼女は4主がモシャスで美少女に変身した姿だ。
俺の趣味でこの前5主から分けて貰い、それを改造したエプロンを素裸の上に纏う、俗に言う裸エプロンとかいうやつをしてもらっている。
記憶が混乱して俺>4主という等式を刻み込んでしまったが、幸い今宿舎には俺達しかいない。
だがこの状況をいつまでもそのまんまにする訳にもいかない。(特に4女にばれるとヤバいし)

女4「〜♪」

しなやかな脚に形の良い尻、キュッと締まったウエストなのに丸く柔らかそうな胸は横から見ればその形が如何に美しいかよく分かる。
日に照らされる白い肌と風に揺られる度に見えるうなじに、俺の息子はバイキルト状態だった。

3主「!!(いかんいかん!)」

こんな格好をさせるんじゃ無かったと自分の行いを後悔した。
話を戻そう。
今すぐ4主を襲い××××したいのは事実だがこのままにする訳にもいかないんだ、うん!
4主のおっぱいに顔を埋めてクンカクンカしたいとか、股を開かせて×××をなめ回したいとかも考えるが、それより先に元に戻してやらないと。
だがどうすればいいのか…?
息子を宥めてPCを開いた。

3主「とりあえずYahooだな…」
女4「ご主人様?」
3主「なんだ?」
女4「その…ご主人様の、モノが…」
3主「あ…」

顔を紅潮させて俺のバイキルト状態の息子を指す4主。
その表情だけでグッとくるが、それと同時に見られたというショックを受けた。
この前自家発電中に2主が部屋に来た時依頼のショックだ。

3主「(やべー、すげぇ恥ずかしい)
あの…」
女4「私が、」
3主「はい?」
女4「私がご主人を…慰めさせて頂きます」
3主「えー!!!」

来た!?童貞卒業の時が遂に!?
今?今ですかwwえぇw神龍?
4主はPCを置くちゃぶ台の下に潜り込み俺の息子に震える指を添えた。

女4「すごくビクビクしてて…熱い…」

緊張の余りPCの画面しか見れないが、脱がされる時の布が皮膚を擦る感覚と、柔らかいものが固いそれに触れた途端、つい背筋をびくっと伸びてしまった。
上下に擦り徐々にリズムを付けて行くにつれ、粘着質の音がして恥ずかしい表情を4主に見られていないか、この心臓の鼓動が伝わっていないか等、とにかく集中できなかった。



続くかも?

84952ほのぼの1/4:2011/07/22(金) 21:05:16
2主「はー今日も疲れたぞー…ん?
   おーい5主!何やってるんだー?」
5主「やあ、お帰り2主。今ビニールプールを膨らませていた所だったんだ」シュコシュコ
2主「びにーるぷーる?」
5主「ビニールでできた小さなプールだよ
   あまりにも暑いから水浴びしたくなってね。2主も入るかい?」シュコシュコ
2主「おう入るぞ!大変そうだから手伝うんだぞ!」
5主「ふふっありがとう」ニッコリ
2主「おやすいごようだぞ!」シュコシュコシュコシュコシュコシュコ
5主「はやっ!もう終わっちゃった!?」
2主「えへへじゃあ準備してくるんだぞ!」ワクワク
5主「僕は皆を誘ってみようかな…一応ね」

85052ほのぼの2/4:2011/07/22(金) 21:09:25
5主「1主と3主は部屋で討論、4主と8主は台所でじゃれ愛
   6主と7主は一緒に海にお出掛け…結局僕達だけか」
2主「だれも来れなかったのはざんねんだな…」シュン
5主「よし!」
2主「?」
5主「せっかく2主が膨らませてくれたんだ。僕達だけでも楽しもう!」ニコ
2主「おう!楽しむぞー!!」ワクワク

〜キャッキャウフフ〜

5主「2主は色んな武器を使いこなすだけあって良い身体してるよね
   何か特別な鍛練とかしてるのかい?」ペタペタ
2主「毎朝すぶりして……」ビクッ
5主「ん?」サワサワ
2主「くすぐった…!……ッふ……あはははは!」バシャッ
5主「2主の弱点見つけた」クス
2主「あははっ!…うひゃっ…耳はぁ…こ、こうさんだぞー!……ひぁっ」バタバタ
5主「ふふ……さて、どうしようかなー…」サワサワ

85152ほのぼの3/4:2011/07/22(金) 21:13:23
1主「くぉらー!!!!そこまでっ!教育的指導メラ!!」ダダダダダ
3主「お、ビニールプールなのにすげーでかいな。ヒャッホー!」バチャバチャ
5主「ちぇっ残念、時間切れか」ヒョイ
2主「おー!ご先祖たちも来たのか!」ニコニコ
1主「大丈夫か!?まだ何もされてないか!?腰は痛くないか!?」
3主「おい流石に5主もそこまで鬼畜じゃ…」
1主「ご先祖は甘い!!相手はDQ界屈指のハーレム王だぞ!?
   うっかりしててうぶな2主が傷物にされたらどうするんだ!?」
3主「…ッ…そこまで子孫が可愛いんならお前が四六時中くっついて
   ガードしてやりゃいいだろバーカバーカカニ歩き!!!」

85252ほのぼの4/4:2011/07/22(金) 21:19:27
バタン!ダダダダダ

8主「ちょ、なにもそんなに怒らなくても!」
4主「うるせえ!最近おとなしいと思ってたら久しぶりにてめえは!!」
8主「何が気に入らないんですか!?生クリームですか!?それとも…」
4主「それ以上何か言ったら1週間お前のおやつは無いと思え!!」ギガソード!
6主「呼ばれて飛び出てお兄ちゃーん!!」バーン
7主「誰も呼んで無いから降りてきてよ!」
6主「俺の理想としては樹の上よりもランプの中から飛び出たい!」
7主「じゃあランプっぽい壺あげるから我慢してね
   ちょっと150年くらい出れないけど」
6主「それブオーンの壺じゃん!やだ5主に返してらっしゃい!!」

ワイワイギャーギャー!!

2主「みんな集まるとにぎやかだな!」ニコニコ
5主「ふふっそうだね。…後で皆でスイカ食べようか
   こんな事もあろうかと冷やしておいたから」
2主「おおっ!さすが5主だぞ!」5主「それほどでもないさ」
2主「それほどでもないのか」

「…2人きりも楽しかったな」

終わり

853名無しの勇者:2011/07/22(金) 21:33:10
ほのぼの(´∀`*)

854名無しの勇者:2011/07/23(土) 08:02:01
やだ可愛い!

…8主は生クリームを何に使ったのだ!?

855名無しの勇者:2011/07/25(月) 19:49:00
ありがとうございます。それは4主と8主だけの秘密なのです
決してプリンプry…なんてしていませんとも

8561/1:2011/08/18(木) 12:39:40

8主「もう我慢出来ません!」
4主「まだ駄目だやわらかくなってないだろう」
8主「もうグチョグチョじゃないですか!!
早く入れさせて下さい!!」
4主「まだ。
ほら、トロトロしてきて旨そうだろ?」
8主「だから我慢出来ないんですよっ!!」
4主「ったく、全く理性を抑制出来ないんだな。
でも俺が駄目と言ったら駄目だ」
8主「うぅ〜…せっかく固いのに…」

5主「(はっ!!なんだこの薔薇の花びらが舞うおピンクの空間は。
この様子だと4主が8主に焦らしプレイ?いやいや、これはいつもの調子の「実はぬかづけ作ってました」的な「実は〜だった」オチである可能性が高い。
うん、ここはスルーで…)」

4主「よし、もういいぞ」
8主「やったー!!もう待ちきれ…あっ」バシャッ
4主「熱っ!!……何しやがんだ。
顔に付いてベタベタするじゃねぇか」
8主「す、すみません…でもすごくおいしそう」ピチョ
4主「あっそれはやめろっ!!」

5主「(なーんてこったい!!まさかの予想妄想的中!!
801板とはいえこの状況をやすやすと見過ごすなんて天を仰ぎそそり立つパパの息子…5勇じゃないよ!が黙っていないぜ!!
DQ5主人公こと5主、いざ参る!!)」

5主「お二人さんで何楽しい事やってんだい?
パパもいれとくれー!!!」バンッ
4主「は?」
8主「あぁ丁度よかった5主さん。
ミートソーススパゲティーをつくったのに4主さんがこぼしちゃったので片付けを手伝って下さい」
4主「はぁ!?お前がこぼしたんだろうが!!
床に落ちた汚ぇもんまで食べようとする食い意地の悪さを先に治せ!」
8主「よして下さいよ、ケツが痒くなってきます」
4主「褒めてねぇ…って何処行くんだ5主?
5主ー?」





7主「どうしたの5主さん元気ないよ?」
5主「あぁ…僕そろそろこのノリから解放されたいよ」
7主「よくわかんないけど、とりあえずお水でも飲みなよ」
5主「あ、でも息子…5勇じゃ(ry)は元気だよ!!」
7主「やっぱり羊に飛ばされて下さい」


.

857名無しの勇者:2011/09/19(月) 12:02:58
皆さん文章ウマウマ。萌える

今読み返してたんだが、靭帯さんは完結しないのだろうか…
べ、別に私は応援してるとかいうわけじゃないけどッ!

858名無しの勇者:2011/09/20(火) 11:33:30
ログ読んでると続きをwktkしちゃうよね
でも今年災害が続いているから書き手さんたちの安否が心配
色々大変な方もいらっしゃるだろうから

作戦:気長に待とうぜ!

859名無しの勇者:2011/09/22(木) 21:38:04
>>858 応!!

860名無しの勇者:2011/10/10(月) 19:41:05
誰かおらんかね〜

861名無しの勇者:2011/10/10(月) 23:15:12
いるよー

862名無しの勇者:2011/10/11(火) 01:24:25
ここにもいるよー

863名無しの勇者:2011/10/12(水) 00:01:51
まだまだいるよw
静かに投下期待…

864名無しの勇者:2011/11/06(日) 01:22:10
まだまだおりますとも

865名無しの勇者:2011/11/09(水) 15:57:50
まだまだ!

866名無しの勇者:2011/11/23(水) 11:01:52
静かに投下キターイ

867名無しの勇者:2011/11/23(水) 11:24:12
待つだけじゃなく自分で書いてみるといいかもよー

868歴代衣装 13編 1/3:2011/11/24(木) 20:18:24
ぬるい上に84編が過去レスと微妙にネタ被りですが、久しぶりに9をやったら書きたくなったので投下。
13と84です。

3主?「ただいま帰りました!」
1主「ご先祖!?出かけてたのか!?月曜日でもないのに!?
  火水木金は世間の視線が冷たいから外に行かない、
  土日祝日はリア充とのエンカウント率が高いから外に行かない
  なんて言ってたじゃないか!!」
3主?「あ、いや……」
1主「とうとう一人で外に出る積極性を手に入れたか……子孫は嬉しい!!」

ガバッ

3主?「わっ!?ちょっと待って下さ、」
1主「なに今更照れてるんだか。今日は小さいなーFC版か?」
3主?「あの、違うんです、僕……」
1主「……昨日つけたはずの痕がない。まさか……」
9主「3主先輩の衣装を装備してますが、9主です」
1主「うっわごめん間違えた! 忘れてくれ!!」
パッ
9主「は、はい」
1主「でもお前、なんでこんなとこに?」
9主「こんなとこって……宿舎じゃないですか」
1主「いや、ここは宿舎であって宿舎じゃないんだ」
9主「???」
1主「とにかく頼む。早く本家に帰ってここのことは忘れてくれ」
9主「え、でも」

  クエスト111.11111(ry
  ローラ愛よ!無限に!

9主「はっ! これはクエスト!? ……グスッ」
1主「どうした9主!? なんでいきなり泣き出すんだ!?」
9主「あ、すいません。クエスト配信が止まって久しいので、新しいのを受けられるのが嬉しくてつい……」
1主「そういや一時期9女と『クエストがしたい』ってクエストを出し合ってたな」
9主「そして無限ループと化し1主先輩を泣かせてしまいました。あの時はすみませんでした」
1主「二度としないように。じゃあ、俺のクエスト受けてもらえるな?」

  宿舎(?)の1主から、この場所を忘れるように頼まれた。
  このクエストを受注しますか?

869歴代衣装 13編 2/3:2011/11/24(木) 20:19:30
9主「クエストのタイトルと内容に一切関係がないのが気になりますが……はい!」
1主「よしよしいい子だ。じゃあお礼に俺のグローブを……」
3主「9主。このブルーオーブやるよ」
1主「ご先祖!?いつの間に」
3主「お前が9主に抱きついてたあたりから」
1主「いや違うんだ誤解なんだご先祖チョットマツガエタダケデウワキナンカシマセンオレハゴセンゾヲアイシテマス」
9主「1主さんがカタカナで不思議なことを言っています。
  イシテマス? 僕の知らない呪文でしょうか。レミーラとかギラみたいな」
3主「ローラに言い訳してる時みたいになってんなw そもそも間違えんなって話だが」
1主「ご先祖がようやく外に出る気になったのかと思うと嬉しくて判断力が低下し……」
3主「それより9主、ほら」
1主「若干の皮肉を込めた渾身の言い訳がスルーされた!!」
9主「わぁ、ありがとうございます!」
1主「9主、お前もか!!」

  クエストをクリアしました!

  宿舎(?)の1主から、この場所を忘れるように頼まれた。
  1 2 の …… ポカン! ですべて忘れ、3主からブルーオーブをもらった。
  このクエストは何度でもループできるぞ。
9主「あれ、ここどこだろう? 宿舎に似てるけど……もしかしてダンジョン? 今度9女と探索に来ようかな」

870歴代衣装 13編 3/3:2011/11/24(木) 20:20:23
3主「……よし、とりあえず帰ったか。9主をここに染めるのは抵抗あるもんな」
1主「しかしいいのか、ブルーオーブなんて渡して」
3主「もう使わねーし。それにお前からのお下がりを9主がもらうとか気にくわん」
1主「ご先祖はかわいいな」
3主「そんなことねぇし」
1主「そんなことあるって」
3主「……なんで嬉しそうなんだよ?」
1主「妬いたのかなと思って」
3主「そんなことはある」
1主「そっちはあるのか……。変な所で素直だな」
3主「ローラ愛ねー」
1主「ぐっ……それもか」
3主「お前らなんだかんだいってラブラブだもんなー。いや別に構わないんだぜ?
  お前とローラ姫がくっつかないと2主たち消えちまうし。そのへんのことは分かってて付き合ってんだし。
  でもなー。こっちにいる時まで『ローラ愛』かー。へー」
1主「い、いやあれはローラの愛が無限ループなだけで プルルル
  ヒィ!! ごめんよローラアイシテルヨオレノローラヘノアイモムゲンダヨ!!」
そんなひどいそんなひどいそんなひどい
3主「…………。なぁローラ姫、1主のやつ、さっき9主に抱きついてたぞ」
1主「ふっ、甘いなご先祖。ローラ判定では男はノーカンだ」
3主「あれ? 9主? 9女? なにせ俺ってば、俺と9主が見分けられない男の先祖だからな。
  どっちの9主だったかわかんねぇや。9女かも?」
1主「ご先祖ォォォォ!!」
そんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどい
1主「違うんだよローラ、あれは男の方の9主だし、そもそもご先祖と間違えただけで」
3主「衣装だけで俺と9主を間違えるなんてそんなひどいそんなひどいそんなひどいそんなひどい」
1主「サラウンドはやめろ!!」
3主「そんなひど……むぐ」
チュ
3主「!?」
1主「とにかく誤解だから、うん分かった、それじゃあ今会いに行きます!」
ピッ
1主「はあ……なんとか乗り切ったな。ん、どうしたんだご先祖。顔を赤くして」
3主「に……ニヤニヤしながら言ってんじゃねー!! なんで黙らせる方法がキスなんだ!!」
1主「基本だろ」
3主「しかもこのままローラのとこ行くんだろ!? ほんっと信じらんねえこのスケコマシ!!」
1主「古いなw てか何、もしかして今ので感じた?」
3主「うるせー呪われろ!!」
1主「そんなに俺にローラの所に行ってほしくないと。ご先祖はかわいいなー。
  心配しなくても、ご先祖への愛も無限だよ。なんとかして今日中に帰ってくるから機嫌直してくれって」
3主「……知らん」
1主「こんやもおたのしみしような」
3主「……………勝手にしろ!!」

871歴代衣装 84編 1/3:2011/11/24(木) 20:22:04
4主「……ということがあったと3主から聞いたんだが」
8主「きのうはおたのしみでしたね。要はのろけられただけじゃないですか」
4主「ま、それはお互いさまだしな」
8主「えっ、ちょっ、4主さん僕のこと3主さんにのろけたりしてるんですか!? うわー聞きたいなぁ!!」
4主「いや俺の場合愚痴しかない」
8主「orz」
4主「にしても、羨ましいよな歴代衣装」
8主「そうですねー」
4主「アイテム収集の名目で何回でもピサロをヌッコロせるんだもんな」
8主「そっちですか……」
4主「お前は違うのか?」
8主「あ、いや、そうですね。確かに魔王を何度も倒せるってのは気分いいですよね。
  別に4主さんの衣装手に入れてスーハーしたいなんて考えてません。暗黒神にかけてホントです」
4主「ラプソーンに誓う気かお前は」
8主「えぇ、だから嘘です」
4主「おいこら」
8主「思うだけなら自由じゃないですか!」
4主「口に出してるじゃねぇか!」

872歴代衣装 84編 2/3:2011/11/24(木) 20:22:54
8主「っていうかどうせならコスプレ衣装じゃなくて本物をもらいますよ」
4主「……ドルマゲスが天空の服とズボンを落とす訳をなんとなく把握した」
8主「何言ってるんですか! あんな水陸両用ピエロなんかに、僕が4主さんの服を渡すわけないでしょう!」
4主「自分で振っといてなんだが、お前が俺の服を手に入れることは確定なのか?」
8主「4主さんのタンスから盗った分は全部ちゃんと僕の部屋に保存してあります!!」
4主「よし分かった表に出ろ、むしろ牢屋に入ってこい!!」
8主「そんなひどい」
4主「なにが『思うだけなら自由』だ! 口に出すどころか実行済みとはな」
8主「僕はドラクエの主人公なので人のタンスを漁っても罪にはならないんです」
4主「俺はドラクエ4の主人公だから仲間を投獄しても許されるんだよ」
8主「……DS版のはずの4主さんの笑顔がFC版のように怖いので、謹んで処分を受けることにしようと思います」
4主「素直でよろしい」
8主「でもどこの牢屋に行けばいいんでしょう。こんな下らない理由で使わせてくれる牢屋があるとは思えませんけど」
4主「確かに。……っていうか自分で言うなよ」
8主「まあ僕はとっくに4主さんの愛の虜ですけどね」
4主「寒い。いろんな意味で」
8主「じゃあ人肌で暖めあいましょうか!」
4主「お前は5主か!!」
8主「4主さんが相手なら5主さんをも越えてみせますよ ドヤァ」
4主「いやいらん。重婚したいとか言い出されたらイヤだ」
8主「…………痛恨のいちげき! 僕は心に848のときめきを受けた!
  唐突なデレは卑怯だと思います。びわー」
バタッ
8主「…………」
4主「……おいこら。倒れ込んだ振りして匂いを嗅ぐな」
8主「スーハースーハー」
4主「へんじがない ただのしかばねにしてしまおう」
8主「待って待って生き返ります! だからギガソードはやめてください」
4主「ったく」
8主「ふふ、やっぱり本物の4主さんが一番ですね」
ギュー
4主「はぁ……。今までの話の流れがなきゃ心に484ぐらいのときめきを受けてるところなんだけどな」

873歴代衣装 84編 3/3:2011/11/24(木) 20:23:51
3主「……ということがあったと4主から聞」
1主「無限ループダメ、ゼッタイ!」

874歴代衣装 おまけ:2011/11/24(木) 20:26:31
ネタ的に帰ってもらいましたが、別に9主の参戦を否定する気はありません。
むしろありだと思います、292とか。

2主「なぁなぁ9主、おれ、9主のことすきだぞ!!」
9主「ありがとうございます、ぼくも2主さんのこと大好きです!」
2主「そっか、じゃあおれたちはりょう思いなんだな!」
9主「そうですね、嬉しいです!」

1主「……何だろう、2主と9主が穢れないままなのは喜ばしいはずなのに妙にツッコミをいれたい気持ちが湧いてくる」
5主「ならここで僕が二人にツッコんで入れ ぬわー!」
1主「ベギラマ」

875名無しの勇者:2011/11/25(金) 23:02:28
>>868-874 うわあ…!久々の投稿ktkr

>>4主「へんじがない ただのしかばねにしてしまおう」
8主「待って待って生き返ります! だからギガソードはやめてください」

ここに笑いましたww

876名無しの勇者:2011/11/26(土) 22:07:31
GJと言いたい所だけど蛇足イラネだな。
余り者同士でカップリングとか、せんでええよ。
そんなフォローいらないから。
個人サイトでもないのに作者の言い訳付け足されると萎えるわー
次回は黙ってネタだけを投稿してね。

877名無しの勇者:2011/11/28(月) 13:21:16
ありがたやありがたや!
久しぶりの投稿面白かった!

>>876
すごいなあんた…何様なんだ…

878名無しの勇者:2011/12/17(土) 23:12:58
221 :嫌い :2011/12/17(土) 22:42:19.15 ID:tO+977TI0
竜探求の主雑設定のCP全般

長らく親しんで来ただけにツイッターなどで雪崩れ込んで来た腐女子らに吐き気
職人さんらが築き上げて来た主達のキャラをそういう目で見られる事が耐えがたい
つうか特殊なジャンルなんだから鍵も掛けず堂々と腐萌えしてんじゃねえよ

879名無しの勇者:2011/12/18(日) 13:38:00
ドラゴンクオーターか

880Lin:2012/01/02(月) 15:22:27
無事に年明けましたね。
年明け早々ですが、いきなり濃いものを投下します
・3×8or3→8
・3主がどS
・被害者な8主
・監禁凌辱系
・濃いめの性描写
以上が駄目な方はどうぞ閲覧をお控えください
よろしい方はどうぞ

881遊び 38 1/4:2012/01/02(月) 15:30:40
「珍しいですね、3主さんが僕をわざわざ部屋に呼ぶなんて」
「んー?ああ、まあ……ちょっとな」
僕と3主さんっていうのは、何ともいえない微妙な間柄だ。弄りやすい人ってわけではないし、宿舎の中でも一緒に過ごす時間が少ない(3主さんがパソコンやって自室に引きこもっている)ため、格別に仲が良いというわけでもないからだ。まあ部屋はプライベートな空間だから他人を呼ぶ呼ばないなんて個人の自由ではあるのだが、彼のことをご先祖、と呼び慕っている1主さんでさえ部屋に呼ぶなんてことはあまり無いのでは、と過去を思い出してみる
そんな3主さんの部屋をぐるりと見渡すと、ベッドと電子機器があるくらいで、あとはほとんど何もない。ただし僕の部屋よりはよっぽど片付いているが

はてさて、用事がある、と言われて来たのだがなんの用事だろうか。用件を聞こうと彼の方を振り返る。しかしそこには彼の姿は無かった
「3主さん?」

「用事ってのは、かなり頼みにくいことなんだが」
どさっという、物が床に落下したような音がした
3主が剣を鞘にいれたまま、水平に構えたポーズで止まっている。そしてその足元には、首筋に打撃を加えられてうつ伏せに倒れた8主がいた
「……ごめんな。少しだけ、遊びに付き合ってくれ」
薄れゆく意識の中で3主の声が響く
8主は無理矢理声を絞り出した。バンダナ越しに頭に彼の手の感触があって、剣の鋭い打撃とそれの差異にどうも違和感を拭えなかったのだ
「あ、そび……?」
「まだ意識があったのか。そう、お遊びだ」
それはどんな?
それが一番大事だというのに、そう聞く前に、自分の瞼はついに閉じられてしまった

882遊び 38 2/4:2012/01/02(月) 15:33:52
「本当にやっちまったな」

こうも容易く引っ掛かるとは。しかしそれは相手が無防備なのではなく自分が異常なのだろうことは火を見るより明らかだ。そして自分はそれを重々理解している。理解しながらも自分の手は、自室のドアの鍵を閉めに延びた。かちゃりとロックされた音がする
3主は自嘲の意味を込め頭をわしわしと掻いたあと、気絶して床で寝ている8主を見やる。冒険者のわりには特に筋肉が付いているようには見えない、少年のような肢体。着痩せしているのかどうか、と3主は考えを巡らせた
「まあいいや。どうせ……」
ひとりごちながら彼は8主の腕を掴むと身体を引き上げ、肩に背負う。ずしりとした重みがかかるが、彼はなんてことは無いかのように歩く
そして自らの寝台の上に彼を仰向けに横たわらせた。ぎしりと軋む音がなんだか生々しい
「直ぐにわかることだしな」
そう言うと彼はパソコンを置いているテーブルの近くにある宅配物の箱から、何やら拘束具を取り出した
それをベッドサイドに引っ掛けて固定してから、反対側を8主の左手首に掛け、繋ぐ。右手首も同様にした
あとは邪魔になるだろうと思い、彼のバンダナと、服を留めているベルトを外して、胸元の紐を弛める。また、蹴られては敵わないとブーツを脱がした
バンダナとベルトは邪魔になりそうだと思い、機械的にベッドのすぐ下に放り投げた
その作業を終えてもなお、彼はなんてことはない健やかな顔で眠っている
3主はそろそろ起こしてやろうかと思い、彼の半分開いたままの唇に、自ら口付けをした

883遊び 38 3/4:2012/01/02(月) 15:40:37
息が、苦しい
そしていつもより頭と腹が、若干すかすかする気がする
「う……んん」
口が、呼吸できないように塞がれているのか。いや、これは……何かが暴れている?
感覚が戻ってくると、8主はばっと目を開いた
目の前に陰が出来ていて顔は断定できないが、誰かが自分の口内を貪っているのはわかる
8主は相手を突き離そうと、腕に力をいれた。しかし、それは何か固いものによって阻まれる
「ん!ん、んーー!!」
唯一動く両足で、自分の上にのし掛かる存在の腹の辺りを締め付けると、ようやく気付いたようにその相手はこちらから唇を離した
「お目覚めか、8主」
顔を見て驚愕したと同時に先程の出来事を思いだし、彼は不愉快さを隠さずに3主に食って掛かった
「遊びってなんのことです。それと、何で僕が固定されてるんですか」
「手錠がお気に召さないか?」
「手錠!僕にそんなもの付けて楽しいですか?」
「質問ばかりだな、お前。動揺してるのか」
「当たり前じゃないですか。遊びに手錠って、リアル警泥でもする気ですか」
「俺のいた世界では泥警って言うぜ」
「……それはどうでもいいですよ」
「冷たいな。4主とはあんなに仲が良いのに」
「へ?……うあ、」
チュニックの裾から冷たい手がするりと、肌の上を這い上がってくる。寒気を感じ小さく身震いをした8主の胸の飾りにその手は到達した。やわやわとこちらに触れてくる行為に、彼は怪訝そうな目を3主に向ける
「あのー、一応言っときますけど僕は男ですよ?そんなとこで感じるわけが無いじゃないですか」
「遊びの意味、理解できたか」
「そりゃあここまでされちゃえば嫌でもわかります」
8主の口調は至って強気なうえ、いまだ諦めずに腕をガシャガシャと動かしている
気力は充分なようだーー
3主はそう思うと、暗く笑った

884遊び 38 4/?:2012/01/02(月) 15:51:12
「感じない、か」
飾りをぎゅっと、それなりに力を入れて強めにつまんだ
「いっ!」
8主の背がびくんとしなる
「なに、8主って痛みが良かったりするのか?」
「痛くて捻り潰されるかと思ったんです!」
「ふーん……」
青いチュニックをたくしあげれば、痛みのせいでか存在を主張しだした赤い飾りが目に入った
それを唇で挟むと、8主の胸に鳥肌がたったのがわかった
しかし止めずに、それを舐めて吸って歯を立てたりした
「これの何が楽しいんですか」
しかしまったく表情を変えない8主が、半ばうんざりしたような声音を出す。まあいきなりよがらせるのは無理だな、と3主は胸のうちで呟くと、身体を起こし、ズボンの前を寛げて、膝だちになり8主に告げた
「口開けて」
「……は?」
流石の彼もぽかんとしたような表情をしている。言われたことが理解できないといった表情。彼が知らないことを教え込もうとしているのだと思うと、知らずに背筋がぞくぞくした
ぐいっとその前髪を掴み、その反動で開いた口に、硬度を増した自身をいれて、あとはもう噛みきられないうちに自分で動かす。ほどよく熱くて、溶けてしまいそうな感じがした
8主の口から漏れ聞こえる苦し気な声とか、顔とか、見てるだけでも中々やばかったが

終わりは唐突だった
「ーー!!」
頬から鎖骨にかけて熱い液体をかけられた感覚があり、目を見開く。同性に掛けられただなんて、屈辱もいいところだ
「えろい格好だな、8主」
しかし、上から暗い笑みを浮かべてこちらを見下げる3主さんに、悪態をつくのは憚られた
「所有印みたいだ、これ」
こちらの頬を指でなぞる彼は、どこか恍惚としたような表情を浮かべている。それには思わずぞっとしてしまった
「所有印……」
「そ。お前はその手錠を外せない限りはここから出られない」
3主さんは寝台から降りると、こちらと自分の衣服をご丁寧にも整え、此処から出ていこうとした
「ちょっと、ふざけてないで外してくださいよ!」
「ああ、そうだ」
ドアに手を掛けた所で、彼の動きがぴたりと止み、顔だけがこちらを向く
「今さらだけど、パソコン使う時の音が五月蝿いってずっと注意されてたんだよ。でも音消すの嫌だったから、この部屋、防音にしたんだ」
「はあ!?いつの間にそんな改築してたんですか」
「いつだろうな。まあとにかく、どんだけ騒いでも音漏れはしないから」
「……」
そんな音をうるさいというような繊細な神経の持ち主が宿舎にいるかどうかはさておき。

「また夜に“遊ぼう”な」
ドアは静かにぱたんと閉められた。部屋には一人、監禁されている青年を残して

885Lin:2012/01/02(月) 16:02:43
半端で申し訳ありませんが、いったんここで切らせていただきます。
続きの更新は近々やります

886名無しの勇者:2012/01/03(火) 10:46:26
あけおめ!
投下おつです!38!うっひょい!
続き楽しみにしてます!!
地の文の視点がばらばらなのがちょっと気になりました…


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