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FFDQかっこいい男コンテスト 〜ドラゴンクエスト5部門〜

835主人公×ヘンリー:2010/05/21(金) 07:30:05
 子供の頃、監督者達に散々痛めつけられたリュカに、
ヘンリーは介抱しながら必死に懇願していた。

『もう、あんなことやめろよ。表向きだけでも従順なフリしようぜ』

 幼いリュカは何も答えない。

『だって、このままじゃお前いつか殺されちゃうよ! 俺、そんなの嫌だよ!』

 リュカがヘンリーを見る。

『お前までいなくなったら、俺・・・どうすりゃいいんだよ・・・。
 ・・・お前まで失ったら・・・俺・・・こんなところで一人ぼっちで・・・』

『ヘンリー』

 リュカがようやく口を開いた。

『僕・・・だめなんだ。あいつらを憎いって思ってないと、辛くて・・・泣きそうで・・・』

『泣くぐらいなんだよ!』

 ヘンリーは思わず声をあげていた。

『そしたら、俺が全部受け止めるから! 俺、お前からしたら全然頼りにならないだろうけど、
 そのくらいだったら、俺でも・・・できるから・・・』

 ヘンリーが手を伸ばす。リュカがまだ幼い手でそれを掴む。
すると、せきを切ったようにリュカの目から涙が溢れ出す。

 今この時と同じように、ヘンリーにすがりつき、泣きじゃくった。

 リュカが泣いたのを見たのはそれが初めてだった。

 彼の父パパスが目の前で殺された時も、リュカは歯を食いしばって耐えていた。
悲しみを胸の奥に無理矢理押し込め、怒りと憎しみだけを募らせていた。

 おそらく、リュカは偉大な父の生き様を見ていくうちに、
そうしなければいけないと思っていたのかもしれない。

 でも、たかだか6歳の子供に、そんな生き方ができるわけがない。
それは今も同じだ。身体は大きくなったが、何も知らない子供なのは一緒なのだ。


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