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FFDQかっこいい男コンテスト 〜ファイナルファンタジー5部門〜
25
:
ギルバツ 5/16
:2005/11/14(月) 14:57:19
そろそろ瓶も空になろうかという頃。
バッツの愚痴は続いていた。ギルガメッシュは適当に相槌を打ちながら、脳内で己の欲望と闘っていた。
「なんで結婚とかするんだろうな。男と女ってめんどくせぇだけじゃん。なぁ?ガラフに言ったら延々説教されたけどな。分かんねえや。多分俺はまだガキなんだろうな。男同士で遊んでたほうが楽しいもん。ああ、そっか。だめか。男じゃ子供作れねぇもんな。そりゃだめだ。だめだよなぁ。……だめ……だ……」
既に呂律も怪しく、椅子の上で子供のように丸くなり、傍の壁にもたれかかるバッツ。
もう自分が何を言っているのかも分からないのかもしれない。
なにぶん肌が白いものだから、赤く染まった頬が一層その色を強調している。
とろんと潤んだ瞳はどこを見ているかも分からない。もう何も映していないのかもしれない。
「………………バッツ?」
少しだけ開いた窓の隙間から差し込む風が言葉をさらっていく。
栗色の髪がさわさわと揺れるリズムに合わせて、バッツの唇から規則的な呼吸の音が聴こえてくる。
閉じた瞼から伸びた睫毛が、白い頬に影を落としていた。
子供のようにあどけなく寝息を立てるバッツは全く無防備で、とても歴戦の戦士には見えない。
「てめェから誘っといてよぉ……」
細い指に絡まったゴブレットを傍のチェストに避難させ、ギルガメッシュは椅子の上で危ういバランスを保っているバッツの体を抱き上げた。
(う…………っわ……)
身長は年相応にあるため足がいくらか余っていたが、それでもバッツの細い体はギルガメッシュの逞しい腕にすっぽりと収まった。
…………軽い。
なんだ。なんなんだこれは。
これが、自分が生涯ただ一人のライバルと認めた男の体なのか。
思考が交錯する。
理性が飛んでいく。
酒気の混じる、バッツの甘い香りに酔いそうだった。
腕に思わず力がこもってしまい、バッツが苦しそうに息を漏らした。
「…………くっそ」
昂ぶる興奮を抑え、今まで自分が座っていたベッドにバッツの体を横たわらせる。
体勢の変化にバッツは刹那身を捩らせたが、すぐに落ち着いたらしく再び眠りの世界へと旅立ったようだ。
「どうしろってんだ、オレに」
ベッドの傍に立ちすくんだまま、ギルガメッシュは思案した。
このままここから立ち去ればミステリアスでイケてる男ギルガメッシュを演出できるだろう。
だが、ギルガメッシュはあいにく目の前の据え膳を放置するという紳士の選択肢を持ち合わせていなかった。
(……ちょっとだけなら)
気付かれやしないだろう。夢のせいにできるだろう。
思考が一点に到達しないうちに、ギルガメッシュは仔猫のように丸くなったバッツの体に覆い被さると、吸い寄せられるようにその湿った唇に口付けた。
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