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我の名は新人! 新時代の先駆者!!
540
:
名無しさん
:2013/07/27(土) 11:09:03
「文香、帰ってくれ」
彼女は首を横に振った。
「頼む。お前の為だ」
それでも彼女は動かない。
震えた声で、返事を寄越す。
「小川さん、もとい正光寺さんですよね?電話、代わってください」
「帰ってくれ・・・頼むよ」
弱々しく、文香に促した。
彼女は態度を豹変させ、腹の底から大声を上げた。
「代われよ!」
それはまるで怯えた自身を奮い立たせるようであった。
威圧的な空気に飲まれ、俺は文香に電話機を渡してしまう。
彼女は電話を取るや否や、正光寺と話し始める。
「小川さんですよね?」
電話の向こうで彼が何と言っているのかは分からない。
見守る立場だと不安ばかりが募ってゆく。文香はこんな状態で俺を見守っていたのだろうか。
「関係ないです」
「断ります」
「構いません。新人さんと一緒ならば本望なのです」
「私、あなたの事は嫌いですから」
「それも嫌です。私の所為で新人さんに迷惑を掛けたくありません」
「分かりました。それでよいならば構いません。有難う御座います」
電話で正光寺は何を話しているのか。
分からない。聞こえない恐怖から、最悪の仮定をして、また怯える。毅然とした語勢でいられる文香には素直に感心する。
一通りの遣り取りを終えたらしい文香が携帯電話を返してきた。
未だ通話状態のそれを手に取り、再び耳元に当てる。
「もしもし」
『まったく、ひでえ女だな。一緒にいるお前の気が知れねえよ』
「文香が帰りそうにない」
『今の電話でよく分かった。いいよそのままで。命知らずのクソ女には構ってられねぇ』
正光寺は面倒そうに言いながら、暫く間をおいた。
そして語り出す。
俺が彼に手を上げたあの日から、振り返るように。
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